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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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宇宙戦艦紀伊 第七十五話
 松井一真  - 2009/10/6 21:55 -
  
スパムがうっとうしいので、そろそろ公開。史上最長の話となった第七十五話です。

第七十五話 放浪の殲滅者
キュワール連合軍、デヴォリア基地
複数隻の輸送船が停泊し、慌しくなったのも束の間、再び静寂が訪れる
しかしそれはただの静寂ではない。緊張を伴う静寂である
軍施設の隅にある、真っ白な鉄筋コンクリート製の建物
戦時下でも攻撃を受けないよう、銃座も土嚢も無く、屋上には赤い十字が描かれている
その建物のある階に、エレベータが昇って来た
鐘の音が鳴り、自動扉が開く
そして、一両の四式中戦車が出てきた
かつての第一一五中隊司令、九龍少佐である
ルナツー戦で負傷してから、前線の第一一五中隊から一旦引き、パレンバンでリハビリに専念していた
このデヴォリア到着後、保留となっていた昇進が叶い、中佐となっている
パレンバン戦の直前には殆ど怪我も治りつつあったが、それでも怪我を心配した部下達の計らいで、ここまで退避してきたのだ
手引きをしたのは憲兵隊に友人がいた天城大尉、そしてその憲兵隊にいる友人、野末曹長である
天城の副官である久村は残って戦うつもりだったが、フレイ中佐の護衛要員が不足していたことから護衛に回されることになったのだ
勿論のこと、船内でリハビリを終えた九龍中佐は、ともに移ってきた天城、そして久村とともに部隊に復帰している
だが、属している部隊は第一一五中隊ではない
パレンバン戦で壊滅的打撃を受けた第一一五中隊は、砂原少佐の下、ルナツー基地において再編が行われている
そしてパレンバンが壊滅したことにより、デヴォリアからルナツーの間、パレンバン周辺に強力な敵の勢力圏が存在する
そこで、時を同じくしてデヴォリアで再編された小隊の指揮官に就任することとなった。無論、天城と久村も一緒である
九龍中佐「・・・たしか、この階だったはずだが」
彼が軍事病院に来たのは他でもない、未だ入院している戦友に会いに来たのだ
九龍中佐「おっ、あったあった」
引き戸をノックして、応答を待つ
しばらく経ってから、応答があった
引き戸を開け、個室に入る九龍中佐
ベッドに横たわっていたのは、中佐の階級章をつけたルノーB1だった
九龍中佐「やぁ、フレイ中佐」
フレイ中佐「おお、九龍・・・中佐か」
フレイ中佐はベータ攻略作戦の折、帝国軍のブービートラップにより重傷を負った
以後、同じくパレンバンで治療を受けていたが、怪我の度合いが酷く「助かったことさえ奇跡」とまで言われていた
そのため、パレンバン撤収の折には天城、久村、そして九龍により車輪つき担架に載せて搬送したほどであった
フレイ中佐「いかんな・・・どうにも、怪我がなかなか治らなくて」
九龍中佐は、持っていた短刀でリンゴの皮をむいている
綺麗に八等分し、その一つをフレイ中佐に渡した
九龍中佐「差し入れだ。憲兵の曹長から一箱貰った」
フレイ中佐「・・・器用だな」
九龍中佐「あぁ、見せて無かったな。隊のみんなから言われてたよ。『宇宙基地所属部隊で一番皮むきが上手い』って」
フレイ中佐は、手渡された一つを貰って食べる
フレイ中佐「・・・ん、うまいな、このリンゴ」
九龍中佐「曹長が厳選したらしいからな。憲兵権限って訳じゃないが」
九龍中佐も、短刀を洗った後に食べ始めた
フレイ中佐「本国の軍隊じゃないんだから、憲兵が威張っちゃいかんだろう」
九龍中佐「全くだ・・・それにしても、元気そうだな」
フレイ中佐「ああ、もうすぐ退院できそうだ」
九龍中佐「そうか、それは良かった」
窓の外の景色は、戦時下とは思えないほど平和である
いつもどおりチョロQたちは、大通りを通っている
ただ、道端のそこここには警備の兵卒の姿が見られるのが、いかにも戦時下らしい
フレイ中佐「・・・大丈夫かなぁ、この基地も」
九龍中佐「隣のセイロンがやられたからな。航空基地の士官が『もしこっちの戦力が万全なら、飛び石で本土に向かう連中を横っ腹から叩き潰したい』なんて言ってたが」
談笑をしながらも、九龍中佐はルナツーにいる戦友たちのことを思っていた
パレンバンの激戦は凄まじい規模に達し、精鋭第七分隊にも犠牲車が出たという
重傷を負った佐軒准尉は別ルートで搬送されたというが、果たして何処に着いたのか。生きて彼らに再会することができるのだろうか・・・

ほぼ同時刻、ルナツー基地
軍楽隊による行進曲の演奏とともに、盛大に出航する艦隊の姿があった
士官「これより本艦隊は、ベータ方面に進出すると見られる敵哨戒部隊の追撃に当たる!」
その艦隊を見送る、基地の住民とキュワール各国軍の兵士達
その一両、一等兵の階級章をつけた三式中戦車の上には、子チョロQが乗っていた
二両は日の丸の旗を振り、出航する大艦隊を見送っていた
周りの兵士達の言葉を真似て叫ぶ子チョロQは、決してその一等兵の家族ではなかった
この数分前、海軍の兵士達が出港式の準備をしている時、自室で準備をしていた一等兵は、子チョロQに名前を聞いた
まだ名前を聞いていなかったからである
すると、子チョロQは元気良く「あやだよ!」と答えた
グリシネ系の女の子であることは、ここまで乗ってきた艦の中での話から推測は出来ていた
一部始終を知っていた分隊長代行兼暫定隊司令の佐藤大尉は、一等兵に子チョロQの面倒を見るように命じた
それからという物、子チョロQと一等兵はまるで兄妹のように港で遊んでいたという
そんな一等兵と子チョロQの平和な姿とは裏腹に、この戦争は大きな動きを見せるようになった
この日出航した艦隊は、その象徴とも言える
任務を発表した士官は、日戦軍団海軍の精鋭、第一特務艦隊に所属している
すなわち、出航した艦隊は第一特務艦隊である。勿論、その戦力はパレンバン奇襲作戦に参加した八隻のみである
だが、その数分後、追って出航する十六隻の艦隊の姿があった
巡洋艦八、駆逐艦八。その艦影はプロトン軍の物に近かったが、識別塗装はグリシネ海軍のそれであった
だが、その日の出港命令に、グリシネ海軍の名は無かった・・・

同時刻、グリシネ国軍総司令部
いきり立つ幕僚達は、会議室の扉を勢いよく開けた
既に陸海の幕僚は集結し、「彼ら」を待ち構えていた
空軍長官「・・・一体どういうことかね!?」
長官席に座った空軍長官は、今まで以上に憤慨していた
谷村中将「即刻銃殺せよと命じたはずだ!」
藤沢中将「貴様らが躊躇したせいで、反逆を防ぐことが出来なかったではないか!」
続いて会議室に座る幕僚達も、状況を聞いて向かい側の幕僚達に敵意を剥き出しにしていた
森中将「西郷、もう貴様には騙されんぞ。士官学校で誓ったことなど、何一つ無い!」
西郷中将「それは間違いだ!厚木准将はまだ反逆など起こしていない!」
斎藤中将「厚木には謹慎命令が下されていたはずだぞ!・・・そもそも、厚木は反逆車どもに加担したから銃殺せよと、長官殿が仰ったではないか!」
湊川少佐「待ってください!今回の出航、ちゃんとした事情があります!これを見てください!」
そう言って、湊川少佐は一枚の指令書を取り出した
幕僚の一両が、指令書を取って眺める
「発 ルナツー基地司令部 宛 第一特務艦隊 哨戒機より敵偵察部隊と思しき小規模艦隊を捕捉との報告、追撃を要請す。支援のために別艦隊の支援が必要な場合は出航後追って知らせよ 以上」
「発 第一特務艦隊 宛 ルナツー基地司令部 艦載機からの報告より、小規模艦隊はベータ沖に向かう物と思われる。第三巡洋艦隊の援護を要請す 以上」
森中将「・・・どういうことかね、これは?!」
湊川少佐「ルナツー基地司令部と第一特務艦隊の通信の内容です。第一特務艦隊より、正規の命令系統で『第三巡洋艦隊』の出航を要請しています。すなわち、これは艦隊自体への出航要請なんです!」
藤沢中将「そんな物、反逆車どもの偽装工作じゃないのかね?!」
湊川少佐「ルナツーの管轄はQシュタイン連邦軍です!」
それを聞いて、幕僚達は一旦着席した
湊川少佐「とにかく、今のところ叛乱の兆候は見られません。新たな情報が入り次第・・・」
そのとき、会議室に一両のウーズレー装甲自動車が駆け込んできた
グリシネ通信兵「主任!日戦軍団から第二報!」
湊川少佐「何っ!?」
グリシネ通信兵「読み上げます!『発 第一特務艦隊 宛 ルナツー基地司令部 小規模艦隊は艦載機部隊の攻撃により撤退。これより本艦隊は艦載機の修理並びに弾薬補給のためベータに向かう 以上』!」
再び会議室は騒然となった
原田大将「報告の通り、同部隊はこれよりベータに向かう。ベータもQシュタインの管轄だ、万が一叛乱があったとしてもQシュタイン側が阻止する!」
黒田中将「そうは思えんな。連中は反逆車を庇護した。あんな連中、信頼など出来まい!」
そのとき、傍らの斎藤中将が黒田中将に耳打ちをした
斎藤中将「・・・参謀、落ち着いてください。我々には直轄部隊があります」
黒田中将「・・・そうだったな」
騒然となっていた会議室は、一応の落ち着きを見せた
「会議室の第一次攻勢」は、収束を迎えた

ほぼ同時刻、ベータ基地第一軍港
そこに停泊する大型艦の機関室で、一両の一式装甲兵車が唸っていた
機関員A「・・・どうしました?」
機関長「・・・どうもおかしいなぁ・・・昨日はこんな音は出なかったが」
この日、この艦の属する艦隊は大規模な演習を控えていた
しかし、出航五日前に限って、機関に異常が見られたのだ
機関員B「全く、演習が近いというのに機関故障だなんて、ついてないなぁ・・・」
機関長「実戦じゃないだけマシだ。これで実戦、それも緊急だったら出航前に叩かれてたぞ」
実は、この艦で起こった異常は機関だけではなかった
赤城型航空母艦、二番艦「天城」。開戦当初から、たびたび戦線に出てきた武勲艦
今まで故障など考えられなかったその艦に、突然故障が多発した
まるで、出航することを嫌がるかのように
機関員A「・・・結局、異常の原因は何なんですか?」
機関長「分からん。ちょっと資料と機材持って来い」
機関員A「はっ!」
修理作業は、なおも続く
結局のところ、全ての修理が完了するのはそれから四日後のことであったという
第七十五話 続く

引用なし
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宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:55
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:56
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:59
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:03
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:04
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:06
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:07
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 松井一真 2009/10/6 22:14
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき その2 松井一真 2009/10/6 22:16
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき その3 松井一真 2009/10/6 22:18
    Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 総括 ダークスピリッツ 2009/10/7 19:12
    Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 総括 松井一真 2009/10/10 11:00
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき ダークスピリッツ 2009/10/7 18:50

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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