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チョロQ小説板
どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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もう10年以上……
相澤泰衡
- 2019/3/24 19:18 -
元ダークスピリッツです。気付けば最後の投稿から軽く10年以上経ってしまいました……結局この作品の風呂敷はたためませんでしたが、これを糧に今でも短編〜中編を主に執筆しております。即売会にも出させて貰っているので、ここでの経験が大きな勉強になりました。
ここを見ている人はほぼゼロかも知れませんが、ふと思い出して立ち寄らせて頂きました。すでに当時とは性癖等も大きく異なっているのですが、ミリタリー歴史好きが高じて学芸員の資格も取っていたりします。あぁ、何もかも懐かしい(遠い目
それでは、また会える日までノシ
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; WOW64; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@KD118158176044.ppp-bb.dion.ne.jp>
Re:もう10年以上……
江素弐千
- 2020/2/11 3:09 -
> > > 元ダークスピリッツです。気付けば最後の投稿から軽く10年以上経ってしまいました……結局この作品の風呂敷はたためませんでしたが、これを糧に今でも短編〜中編を主に執筆しております。即売会にも出させて貰っているので、ここでの経験が大きな勉強になりました。
> > >
> > > ここを見ている人はほぼゼロかも知れませんが、ふと思い出して立ち寄らせて頂きました。すでに当時とは性癖等も大きく異なっているのですが、ミリタリー歴史好きが高じて学芸員の資格も取っていたりします。あぁ、何もかも懐かしい(遠い目
> > >
> > > それでは、また会える日までノシ
> >
> > お久しぶりです。実は例の作品は独断で一話からリメイクしたバージョンを執筆したりしております(たぶんここでは公開しないと思いますが、作家気取りとしての意地で)。
> > 自分もここでちょくちょくネタにしていた自主制作アニメの監督にお会いできたりとここでの出来事を機にさまざまな変化がありました。
> > 多分ここでまた気まぐれに得体のしれない作品を書いてるかもしれないので覗いていただければ幸いです。
> >
> > ・・・「青き名将」もなんとか完結させたいなぁ。
>
> お久しぶりです。自分もふと思い出して立ち寄らせて頂きました。
> 過去の自分の発言を軽く遡ってみたところテンションの痛々しさに裂傷を負ってしまいました。
> 本当に他人との距離感が掴めない子供でして(大学でサークルを追い出されるまで自覚が無かった)、
> ここでの振舞いも酷いもので、人の作品はロクに読まない癖に自分の作品の感想は求めたがるわ、
> 流れを無視して勝手な設定を付けたすわ、挙句チョロQ小説がチョロQへの冒涜ではないかと騒ぎ出すわで、
> 当時の皆さんには不快な思いを何度もさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
> 興味の対象が「ミリタリー」ではなく「ゲームの世界観」にあった為、
> 軍記物を読んで勉強するという発想すらなく、ただただその時ハマったゲームを真似した
> 新作ばかり乱造し、そして一つも完結させないという有様でした。その点も深く反省しております。
>
> 現在の関心分野はチョロQにはありませんが、ここでの作品投稿で培った
> 「何らかの世界観を考え、そこでの物語を想像する」という習慣は
> 個人でゲーム制作を行っている現在においても大きな礎となっております。
> 10代の語彙からチョロQという単語がもはや失われてしまった2020年ですが、
> もし時間が取れればHG2とコンバットチョロQを足して割ったようなサンドボックスを
> 作ってみたいなという思いは抱き続けています。
> (ワールドグランプリと国際紛争が複雑に絡み合い、平和の祭典と現実問題との狭間で苦悩するレーサーと兵士の話とか)
>
> 恐らく「小説家になろう」「カクヨム」等のサイトが十分に発達した時代に育っていれば
> 確実にそちらに行っていたであろう私達ではありますが、
> そうでなかった時代だからこそ、少人数でお互い高め合いながら長期間続いてきたコミュニティだと思います。
> 松井さん、ダークスピリッツさん、本当にありがとうございました。
大事なお方への謝辞を失念しておりました。
管理人のおすなさん、本当にありがとうございました。
この掲示板が20年近く稼働し続けているのはおすなさんのお陰です。
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Geck...@softbank126123108136.bbtec.net>
Re:もう10年以上……
Matsui
- 2020/4/26 0:35 -
> > お久しぶりです。自分もふと思い出して立ち寄らせて頂きました。
> > 過去の自分の発言を軽く遡ってみたところテンションの痛々しさに裂傷を負ってしまいました。
> > 本当に他人との距離感が掴めない子供でして(大学でサークルを追い出されるまで自覚が無かった)、
> > ここでの振舞いも酷いもので、人の作品はロクに読まない癖に自分の作品の感想は求めたがるわ、
> > 流れを無視して勝手な設定を付けたすわ、挙句チョロQ小説がチョロQへの冒涜ではないかと騒ぎ出すわで、
> > 当時の皆さんには不快な思いを何度もさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
> > 興味の対象が「ミリタリー」ではなく「ゲームの世界観」にあった為、
> > 軍記物を読んで勉強するという発想すらなく、ただただその時ハマったゲームを真似した
> > 新作ばかり乱造し、そして一つも完結させないという有様でした。その点も深く反省しております。
> >
> > 現在の関心分野はチョロQにはありませんが、ここでの作品投稿で培った
> > 「何らかの世界観を考え、そこでの物語を想像する」という習慣は
> > 個人でゲーム制作を行っている現在においても大きな礎となっております。
> > 10代の語彙からチョロQという単語がもはや失われてしまった2020年ですが、
> > もし時間が取れればHG2とコンバットチョロQを足して割ったようなサンドボックスを
> > 作ってみたいなという思いは抱き続けています。
> > (ワールドグランプリと国際紛争が複雑に絡み合い、平和の祭典と現実問題との狭間で苦悩するレーサーと兵士の話とか)
> >
> > 恐らく「小説家になろう」「カクヨム」等のサイトが十分に発達した時代に育っていれば
> > 確実にそちらに行っていたであろう私達ではありますが、
> > そうでなかった時代だからこそ、少人数でお互い高め合いながら長期間続いてきたコミュニティだと思います。
> > 松井さん、ダークスピリッツさん、本当にありがとうございました。
> 大事なお方への謝辞を失念しておりました。
> 管理人のおすなさん、本当にありがとうございました。
> この掲示板が20年近く稼働し続けているのはおすなさんのお陰です。
大変遅くなりまして申し訳ございません。自分もふと昔のスレを見返して(主にミリタリー・戦史関連の)認識不足に自爆しておりました。あんな有様じゃ軍事板は無理だ。あの時期の雑談スレは正直消したい気分です。
冒涜云々の話題があった2007年ごろは実はある方の書いたチョロQ小説(ここには全く出入りしていない方なので名は伏せます)に江素弐千さんの作品のキャラクターが(少なくとも自分には)無断で登場していたという事件があり、「言われても仕方ないよなぁ」と思っていた時期だったりします。ちなみに事件は解決済みです。
実は自分も戦時下のレーサーをテーマにした短編を構想していた時期がありまして、以前から構想だけはあったHG4二次創作に活かそうかと思ったりと画策しています。ただこれは現状未完の3作品を考えると、書くことはないんだろうなぁ。
それでは、ほとんど出入りのなくなった掲示板ですが、覗いていただきありがとうございました。
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Re:もう10年以上……
江素弐千
- 2020/12/8 2:14 -
> 大変遅くなりまして申し訳ございません。自分もふと昔のスレを見返して(主にミリタリー・戦史関連の)認識不足に自爆しておりました。あんな有様じゃ軍事板は無理だ。あの時期の雑談スレは正直消したい気分です。
> 冒涜云々の話題があった2007年ごろは実はある方の書いたチョロQ小説(ここには全く出入りしていない方なので名は伏せます)に江素弐千さんの作品のキャラクターが(少なくとも自分には)無断で登場していたという事件があり、「言われても仕方ないよなぁ」と思っていた時期だったりします。ちなみに事件は解決済みです。
そういう事件があったんですね。
個人的に自作のキャラが他作品に使われるのは嬉しい事ですが、内容によりますね……。
記憶が曖昧ですが当時の自分は確か、設定や戦史が複雑化して元々のチョロQゲームの世界観から
大きくかけ離れた物になってしまった状態に危機感(何それ)を抱いていたのですが、
んなもん書きたい奴が好きに書けばいいし、嫌なら自分のサイトで“原作に忠実な”二次創作やっとけやという話でした。
(ていうか自分もエスコンハマった時にエスコンもどき書いてたんだから何一つ正当性がない)
皆さんの創作の場に水を差してしまい申し訳ありませんでした。
> 実は自分も戦時下のレーサーをテーマにした短編を構想していた時期がありまして、以前から構想だけはあったHG4二次創作に活かそうかと思ったりと画策しています。ただこれは現状未完の3作品を考えると、書くことはないんだろうなぁ。
>
HG4は二次創作の土壌として申し分ない深みを持っていますね。
主人公やノラヒカがその後どうなったのか、チョロQアイランドのカースト社会がどうなっていくのか
そもそもドイツ語を喋るレーサーの存在やバリバリの貴族社会である事から
オーストリア・ルクセンブルク辺りの小国がモデルっぽいので
そこら辺とQシュタイン帝国の関係性みたいなのを描いていくと面白くなりそうだな、と思います。
そういや自分が書いてた時はプロトン=アメリカ、Qタンク=イギリスに寄せていきましたが、
別に特定の国家のロールを無理に当てはめる必要もなかったなと反省しております。
(じゃあニビリアではキューバ革命が起きなきゃダメなのか、
Qシュタインがナチスドイツならソ連はどこなんだみたいになって色々無理が出てくる)
あと全員が単一の世界線のキュワールに拘った結果設定のコンフリクトが多数生まれたので、
各自別ユニバースって事で、欲しい時だけオマージュするくらいの距離感でやればよかったなと。
全部後出しじゃんけんですが
> それでは、ほとんど出入りのなくなった掲示板ですが、覗いていただきありがとうございました。
ほとんど出入りが無くなったとはいえ、ゼロではありませんので
皆さんも書きたいなと思った時に書いて、やめたいなと思った時にやめる感じでいいんじゃないでしょうか。
20年続いたなら、30年も行けそうな気がします。
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Re:もう10年以上……
Matsui
- 2020/12/12 13:30 -
> > 大変遅くなりまして申し訳ございません。自分もふと昔のスレを見返して(主にミリタリー・戦史関連の)認識不足に自爆しておりました。あんな有様じゃ軍事板は無理だ。あの時期の雑談スレは正直消したい気分です。
> > 冒涜云々の話題があった2007年ごろは実はある方の書いたチョロQ小説(ここには全く出入りしていない方なので名は伏せます)に江素弐千さんの作品のキャラクターが(少なくとも自分には)無断で登場していたという事件があり、「言われても仕方ないよなぁ」と思っていた時期だったりします。ちなみに事件は解決済みです。
> そういう事件があったんですね。
> 個人的に自作のキャラが他作品に使われるのは嬉しい事ですが、内容によりますね……。
> 記憶が曖昧ですが当時の自分は確か、設定や戦史が複雑化して元々のチョロQゲームの世界観から
> 大きくかけ離れた物になってしまった状態に危機感(何それ)を抱いていたのですが、
> んなもん書きたい奴が好きに書けばいいし、嫌なら自分のサイトで“原作に忠実な”二次創作やっとけやという話でした。
> (ていうか自分もエスコンハマった時にエスコンもどき書いてたんだから何一つ正当性がない)
> 皆さんの創作の場に水を差してしまい申し訳ありませんでした。
いわゆる「キャラクター募集企画」で投稿されたキャラで、レーサーという設定でもなかったのにレーサーとして登場したり、そもそも元の作品に存在すらしなかった空軍基地の設定まで足したりしていろいろ目に余る内容だったのは事実です。作者さんが後に「ファミコンウォーズ」シリーズや某オンライン戦車ゲームにはまってミリタリー方面に走り、結果的にそのキャラが輝く機会を得たのは不幸中の幸いというべきか。
この辺りの記憶も定かではありませんが、「紀伊」についてはすでに「迷走している」というコメントがあったり、明らかに自分の書いている本編とダークスピリッツさんのストーリープロットが合致していなかったり、書きたいものの食い違いが発生しているなぁとは思っています。一時期なんか作品内に「ギャグが足りない」とか書いてたりしますし。
ダークスピリッツさんご自身の投稿にもありますように彼は途中からオリジナル作品も書くようになったので、そのあたりで「紀伊」をいったん打ち切っても良かったかなとも思っています。
実はこのころ(「ZERO」のベスト版が出たころ)には自分もエスコンにはまりまして、しばらく空戦モノを書いていた時期があります。2015年ごろに書いた作品でも「ZERO」のモブキャラの台詞を引用してたりしてますね。ストーンヘンジ的な巨大高射砲を出す案もあったと思います。
ジェット機出したいなと思っていたこともありましてその辺の方向性の食い違い(ダークスピリッツさんは第一次大戦時の機体に凝っていた様子)が「紀伊」のグダグダを生んでしまったのかなとも思っています。ただの知識自慢大会にしたくなかったんだけどな。
ちなみに「7」も難しかったですがなんとかクリアしました。渓谷抜け怖い。
> > 実は自分も戦時下のレーサーをテーマにした短編を構想していた時期がありまして、以前から構想だけはあったHG4二次創作に活かそうかと思ったりと画策しています。ただこれは現状未完の3作品を考えると、書くことはないんだろうなぁ。
> >
> HG4は二次創作の土壌として申し分ない深みを持っていますね。
> 主人公やノラヒカがその後どうなったのか、チョロQアイランドのカースト社会がどうなっていくのか
> そもそもドイツ語を喋るレーサーの存在やバリバリの貴族社会である事から
> オーストリア・ルクセンブルク辺りの小国がモデルっぽいので
> そこら辺とQシュタイン帝国の関係性みたいなのを描いていくと面白くなりそうだな、と思います。
オーストリというチョロQもいるくらいなのでオーストリアはモチーフの一つとしてありそうだなぁとは思っています。
ほとんど主人公と絡みの無いようなサブイベントのキャラさえも掘り下げ甲斐のありそうなセリフがあったりするのも面白いところですね。
> そういや自分が書いてた時はプロトン=アメリカ、Qタンク=イギリスに寄せていきましたが、
> 別に特定の国家のロールを無理に当てはめる必要もなかったなと反省しております。
> (じゃあニビリアではキューバ革命が起きなきゃダメなのか、
> Qシュタインがナチスドイツならソ連はどこなんだみたいになって色々無理が出てくる)
> あと全員が単一の世界線のキュワールに拘った結果設定のコンフリクトが多数生まれたので、
> 各自別ユニバースって事で、欲しい時だけオマージュするくらいの距離感でやればよかったなと。
> 全部後出しじゃんけんですが
途中からQグリーンをソ連モチーフにしようとして「革命が起こったのちに大陸内の小国を統合したが、維持できなくなって空中分解」みたいな要素を入れたりしていた(これ自体は高杉さんが唐突に出してきた設定を活かしたもの)ことがあります。肝心のそれ関係の設定を明記した話を4年くらい放置しているのが現状ですが。
「紀伊」のころはホントに国家が多すぎてどの国家・勢力を出すべきかと迷っていた時期もありまして、正直そろそろ日戦軍団もどこかに落ち着かせようとグリシネ正規軍との軋轢について描写したりしていたらかえってダークスピリッツさんとは構想の溝が深まるという有様で「グリシネ正規軍関連は他の作品でやればよかったな」などと後出しで考えてみたり。
あとはダークスピリッツさんが2006年頃に構想だけしていた(と思われる)「デュミナス星の歴史」みたいにキュワールユニバースだけど別惑星の話という設定でまっさらな状況で話を始めたりしても面白いかなとも思ったりしてます。
> > それでは、ほとんど出入りのなくなった掲示板ですが、覗いていただきありがとうございました。
> ほとんど出入りが無くなったとはいえ、ゼロではありませんので
> 皆さんも書きたいなと思った時に書いて、やめたいなと思った時にやめる感じでいいんじゃないでしょうか。
> 20年続いたなら、30年も行けそうな気がします。
まぁ今後も多分気まぐれに何か書いていくと思いますのでよろしくお願いします。それこそまたヤサグレ戦車隊の改訂版とか(どれだけ改訂するつもりなのか)。
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お久しぶりです。二十年ぶりです。
鳴神
- 2020/5/28 10:32 -
お久しぶりです。
おすなさんは恐らく私のことをもう覚えてらっしゃらないかもですが、かつてチョロ研にいた鳴神です。
こちらにお邪魔するのも、もう二十何年ぶりか分かりませんが、2002年ぶりくらいでしょうか?だとしたら18年ですね(笑)
まだこちらのサイトが残っていることに大変驚きました。
私はあれからチョロQとは疎遠になり、最近は単なる普通の人として生きていますが、アキバン氏やTQMF氏など、当時の面々は今どうしているのでしょうか。
機会があればまた当時の面々で話をしたいものです。
最後になりましたが、20年以上もの間この掲示板、いやサイトを運営されているおすなさん、ありがとうございます。
おかげでまた、このように書き込むことが出来ました。
引用なし
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作曲者
じゅん
- 2020/1/6 14:05 -
ピンクサーディンの曲は、全てベースリュウの作曲です。作詞はボーカルツル
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短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
Matsui
- 2016/8/9 23:48 -
なんとか予定の日までに完成。
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
荒涼とした平原に建つ、一軒の小屋。
そこに詰めている数両の戦車。
荒川曹長(車種:九七式中戦車改)「敵はここに来る途中に出くわした連中だ。ヤツらもとんでもない猛者だぞ」
小屋の外を覗く荒川曹長が言う。
カンピオーニ一等兵(車種:L6/40軽戦車)「戦ったことがあるんですか?」
荷車を牽引するカンピオーニ一等兵が言う。
荒川曹長「前の隊にいたときに戦った連中だ。なかなか頭のキレるヤツでな、部隊長殿の隊はヤツらに叩き潰された」
彼らは独立第一混成小隊。リンケ部隊長以下、歴戦の猛者たちで編成されている。
荒川曹長「そのときに部隊長殿は敵にとっ捕まって、後送されてたところを俺たちが偶然助けたって訳だ」
彼を始め、部隊の構成員たちは壮絶な激戦をかろうじて生き延びたが、その際に戦死公報が出てしまったため原隊に復帰できず、同小隊への配属となった面々だ。
リンケ大尉(車種:III号戦車N型)「もういつの話か忘れたよ」
荒川曹長「あぁ確か・・・帝國軍がこの町まで進撃したときだったはずですぜ」
池上兵長(車種:八九式中戦車)「ならばざっと去年の秋ごろってところ、ですか」
荒川曹長「もう一年は経ってるわけか・・・早ぇもんだ」
遠方から土煙を上げて敵部隊が進んでくる。
カンピオーニ一等兵「敵部隊接近!」
こちらの戦闘能力を上回る強力なT−34中戦車。それも本部の主力部隊に在籍する重戦車の火力に匹敵する85mm砲搭載型まで含んだ部隊。
正面から戦って勝てる相手ではない。
うまくやり過ごして背後から脱出するか。
奇襲を仕掛けて強行突破するか。
すると敵の何両かが散開して偵察を開始した。
連邦軍将校「敵の警戒線はこの周辺だ!探せぇっ!」
どうやら敵の先遣隊のようだ。
荒川曹長「中戦車が見えるだけでざっと二十両・・・とんだ大物だな。さぁて部隊長殿、どうしますか?」
リンケ大尉「幡野、そっちはどうだ!?」
別働隊を率いる幡野伍長に聞く。
幡野伍長(車種:九七式中戦車)「こちら幡野!見える限りは全員乗った!いつでもどうぞ!」
彼らの受けた任務は、敵の大部隊が迫りつつある町へ突入し、反攻作戦計画に必要な機密文書の回収であった。
しかし町に取り残されている一般市民や守備隊を見捨てられないとして、急遽作戦内容を変更した。
町にある貨物ヤードに、強行軍で故障して放棄された機関車が一両残されていた。
この機関車を守備隊の有村大尉らが修理し、貨物ヤードに残されているありったけの貨車に一般市民と物資を載せ、機関車で牽引して避難させる。
彼らは避難完了までの時間稼ぎをも受け持つことになったのだ。
グランツ中尉(車種:III号突撃砲C型)「しかしこの作戦は少々無謀ではないでしょうか。我々の任務はこの機密文書の回収であり、一般市民の退去と駐留部隊の撤収の援護は含まれていません」
リンケ大尉「だが成功すれば、一般市民と友軍を助けて、おまけに機密文書も回収。勲章は割り増しだ」
グランツ中尉「しかしやられてしまっては、最大の目標である機密文書の回収は果たせなくなります」
この小隊で唯一の“真っ当な将校”がこのグランツ中尉だ。
元々は回収作戦を命じた司令部に属する将校だったのだが、作戦の補佐という名目で同行を志願したのだ。
一両でも戦力が増えるのはありがたいため同行を許可したのだが、どうやらこの作戦を利用して昇進を図っているらしい。
荒川曹長「中尉殿は作戦目的と勲章にこだわりすぎですよ。とにかく生き延びりゃ機密文書は持ち帰れるようになってる」
牽引用の荷車に載せられたコンテナには、問題の機密文書が入っている。誰かがこれを牽引して持ち帰れば作戦目的は達成できる。
幸いにもこの部隊には足の速いものが多い。それゆえの抜擢ともいえる。
敵部隊は徐々にこちらに近づいて来る。
連邦軍兵士A「隊長!不審な履帯跡が!」
連邦軍将校「何っ!?」
斥候のT−34/76・・・砲塔が大きな後期型がこちらに向かってくる。
それに続いていくつかのT−34/76が前進してくる。
池上兵長「よぉし、食いついた!」
荒川曹長「軍曹、俺が3つ数えたら撃て!」
グラツィアーニ軍曹(車種:M13/40)「了解!」
部隊一の射撃の名手であるグラツィアーニ軍曹が言う。
敵部隊は周囲を警戒しながら前進してくる。
しかしその進路上には先ほど敷設したグランドボムが大量に展開されている。
さらに部隊の側面に見える瓦礫の陰には爆薬が仕掛けられているのだ。
敵部隊がこちらに近づいてくる。
荒川曹長「よしっ、1・・・2・・・」
そろそろ向こうさんの有効射程だ。
荒川曹長「3っ!」
荒川曹長の合図とほぼ同時に、グラツィアーニ軍曹が発砲する。
砲弾は見事爆薬に直撃する。
爆発!
連邦軍兵士A「敵襲!」
連邦軍将校「前方の小屋だっ!撃てぇっ!」
敵もこちらに気付いたようだが、すでに部隊は小屋を飛び出していた。
荒川曹長「今だぁっ!撃ちまくれぇっ!」
カンピオーニ一等兵の機関銃が炸裂する。
あたりに敷設されたグランドボムが次々爆発し、敵部隊を覆う。
連邦軍将校「クソッ、地雷原だ!」
噴煙に紛れて、敵部隊を強行突破する。
ガリボルディ上等兵(車種:セモベンテM40)「よっしゃぁっ!まとめて吹っ飛ばすぞ!」
前面に固まっているT−34に向かって発砲するガリボルディ上等兵。
砲弾は見事敵部隊の中央に着弾、衝撃で吹き飛ばされるT−34.
荒川曹長「どけぇっ!」
その隙間を縫って部隊は敵部隊を突破する。
大混乱に陥る敵部隊。
連邦軍将校「くそぉっ、やられた!各車反転!奴らを追えぇっ!」
指揮官のT−34/85が旋回する。
しかし前方に残っていたグランドボムを踏んでしまう。
グランドボムの連鎖起爆により、部隊の前方の瓦礫まで吹き飛ばされる。
連邦軍将校「・・・クソッ!各車散開!地雷に警戒しつつ奴らを追うんだ!」
包囲網を展開したはずだった連邦軍は、隙を突かれて突破されてしまった。
どこまで続くかわからない荒野。
その中を突き進む八両の戦車。
カンピオーニ一等兵「なんとか撒くことはできたみたいですね」
リンケ大尉「楽観はできんぞ。この先の丘あたりに斥候が待ち構えているかもしれん」
荒川曹長「あの部隊の指揮官だったらやってるかもしれないなぁ」
この辺りは荒涼とした荒野だが、この先の街道は小高い丘を切り崩したような地形になっている。
敵が待ち伏せているとしたらあのあたりか。
そのとき、部隊随一の古参兵である池上兵長が何かに気付いた。
池上兵長「曹長殿、少々お静かに」
荒川曹長「どうした!?」
池上兵長「妙な音がする・・・!」
だが辺り一面の荒野に敵の気配は無い。
荒川曹長「音・・・?」
何か金属音のような音が遠方から聞こえる。
しかし履帯の仰々しい摩擦音は聞こえない。
ということは戦車ではないということか。
カンピオーニ一等兵「装甲車じゃないですかね。だったら機関銃でもどうにか〜」
池上兵長「いや、これは装甲車の音じゃない・・・!」
丘の向こうから轟音がはっきりと聞こえ始める。
すると、丘の稜線を飛び越えて装甲車両が飛び出してきた。
池上兵長「BT(ベーテー)だっ!」
優れた機動性を誇る連邦軍の快速戦車だ。
カンピオーニ一等兵が機銃を掃射する。
機銃の射線に煽られるように退避するBT。
すかさず前進した池上兵長がBTの背後を捉える。
池上兵長「もらった!」
見事一両を仕留める。
急旋回して部隊の背後に回ろうとする別のBT。
しかしその横合いから荒川曹長と青木上等兵が突撃する。
青木上等兵(車種:九五式軽戦車)「曹長殿!」
荒川曹長「よっしゃぁっ!」
機動力に優れる青木上等兵がBTの前方に飛び出す。
あわてたBTが明後日の方向に発砲する。
その間に背後に回った荒川曹長がBTを撃破する。
それを見た残る一両のBTは反転、撤退を試みる。
しかしその前方にはリンケ大尉が立ちふさがる。
正面への直撃弾を受け、爆発するBT。
荒川曹長「・・・これで全部のようだな」
カンピオーニ一等兵「・・・いったい、どうなってるんですか?」
池上兵長「BTは履帯を取り外し、高速で移動することができる。“快速戦車”たる由縁だ」
荒川曹長「履帯の金属音も減るし、隠密行動にはもってこいだ。まさに伝家の宝刀ってぇ奴だな」
周囲を警戒しながら二両がいう。
池上兵長「曹長殿、気づかれているかもしれませんが・・・」
荒川曹長「ああ。指揮車がいなかったな」
基本的に敵の小隊長クラスは司令部との通信用の大型無線機を持っている。大型無線機を有するBTは砲塔に鉢巻アンテナがついているのが特徴だ。
しかし倒した三両のBTは、どれも大型無線機用のアンテナをつけていない。
どこかに指揮車がいて、こちらの気配を察して先遣隊を送り込んだという事か。
リンケ大尉「別動隊との合流を急がなければならんな」
有村隊の支援をしていた幡野伍長率いる別動隊も町を出発し、鉄道線沿いに進んでいる。
現時点で敵部隊と交戦したとの報告はないが、さっき撒いた部隊があちらに気付く可能性も考えられる。
荒川曹長「合流地点は予定通りで問題ないですね?」
リンケ大尉「ああ。この街道を突っ切って、一気に橋を突破する。そこで幡野たちと落ち合う」
荒川曹長「それじゃ・・・いっちょ飛ばしますか!」
急加速し、前進する小隊。
目指す橋まではまだ距離がある。それまでにさっきの大部隊に見つからなければよいのだが。
続く
引用なし
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短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 登場チョロQ紹介
Matsui
- 2016/8/15 23:43 -
今後加筆の予定もありますが、現時点での設定を。
・リンケ大尉(車種:III号戦車N型)
独立第一混成小隊の隊長。
もともとは最前線に派遣されてきたエリート参謀だったのだが、敵に捕らえられた後に戦死扱いされてしまい、そのまま荒川たちともども生存したという経緯から流れ者部隊の指揮官として各地を転々としている。
元エリートらしく真面目な性格だが、その一方で荒くれものたちを纏め上げるだけの度胸も併せ持つ。
仕様:「コンバットチョロQ」登場のIII号戦車N型。
本来のゲーム中の同車はシュルツェンがついていますが、装着は任意で。歴戦の猛者っぽくするため一部が脱落しているという設定もいいかも。
・荒川曹長(車種:九七式中戦車改)
副隊長。かつて参戦したほとんどのQタンクが死んだといわれている激戦の中生き延びた伝説のQタンク。
その際に戦死公報が出てしまったため原隊に復帰できず、共に生き延びたQタンクと共に流れ者部隊を編成した。
荒っぽい性格だが上官に対する敬語は欠かさない。
仕様:「新コンバットチョロQ」登場の九七式中戦車チハ改。
ほぼゲーム中登場時と同じ。迷彩の印象が強いですが単色でOKです。
・池上兵長(車種:八九式中戦車乙型)
荒川の右腕のベテラン兵士。かつては屈指の精鋭部隊「鹿島隊」に所属していた。
寡黙だが情に厚い性格。
仕様:陸上自衛隊土浦武器学校の八九式中戦車と同一仕様。
「ワールドタンクディフォルメ」の八九式は某戦車アニメの甲型がモデルになっているので乙型にはない給油口がついてます。
・カンピオーニ一等兵(車種:L6軽戦車)
部隊の一等兵。どこか頼りないコメディリリーフ。武装が機関銃しかないので斥候か敵の霍乱が主な仕事。
後方に荷車を牽引することが可能。
仕様:L6/40軽戦車。一応「コンバットチョロQアドバンス大作戦」に出ているがぶっちゃけあの作品のグラフィックは参考にならない。
機密文書を持っている設定なので後部に荷車を牽引。
・ガリボルディ上等兵(車種:セモベンテM42)
部隊の上等兵。強力な榴弾を有し支援射撃を得意とする。
仕様:「新コンバットチョロQ」のセモベンテM42。
・青木上等兵(車種:九五式軽戦車)
部隊の上等兵。機動力を活かした接近戦を得意とする。主に荒川曹長と行動を共にする。
仕様:九五式軽戦車。L6同様「アドバンス大作戦」に出ているがやっぱり同作のグラフィックはアテにならない。
・グラツィアーニ軍曹(車種:M13/40カーロアルマート)
部隊の軍曹。元炊事兵。遠距離射撃を得意とする。カンピオーニ一等兵とは名コンビ。
仕様:「コンバットチョロQ」のカーロアルマート(Cアルマート)。
ゲーム中ではかなり射程が長いので射撃の名手という設定にしてます。
・グランツ中尉(車種:III号突撃砲C型)
部隊に同行する中尉。機密文書を持ち帰り昇進を狙う。
階級の上では小隊長に次ぐナンバー2だが、出世欲に取り付かれており実力はあまり高くない。
仕様:「新コンバットチョロQ」のIII号突撃砲C型。「新コンバットチョロQ」のボルナソス大佐のような黒塗装だといいかも。
・幡野康明伍長(車種:九七式中戦車)
部隊の伍長。鉢巻アンテナがトレードマーク。
主に別働隊の指揮を執る。
仕様:「コンバットチョロQ」の九七式中戦車。
・一等兵(車種:II号戦車F型)
部隊の一等兵。名前未設定の幡野隊隊員。
仕様:「新コンバットチョロQ」のII号戦車F型。
・上等兵(車種:35(t)軽戦車)
部隊の上等兵。名前未設定の幡野隊隊員。
仕様:「新コンバットチョロQ」のシュコダ35(t)軽戦車。
・ウェッセルス一等兵(車種:ヴェスペ)
部隊の一等兵。部隊最大級の射程距離を誇り支援射撃を徳意とする。
仕様:「新コンバットチョロQ」のヴェスペ。
・ミューラー一等兵(車種:II号自走砲バイソンII)
部隊の一等兵。ウェッセルスともども支援射撃を得意とする。
仕様:「新コンバットチョロQ」のII号自走砲バイソンII。
・カラブリア上等兵(車種:P40重戦車)
部隊の上等兵。部隊随一の勇敢さを誇る。
仕様:P40重戦車。一応「コンバットチョロQ アドバンス大作戦」に出てますが某戦車アニメ仕様で大丈夫です。
・有村大尉(車種:特二式内火艇)
街に残留する部隊の指揮官。元々は技術将校であり、廃機関車の修理に尽力する。
仕様:「新コンバットチョロQ」の特二式内火艇カミ。フロートはつけたまま。
・連邦軍指揮官(車種:KV−1)
最前線の街および機密文書の確保を狙うQグリーン連邦軍の指揮官。機密文書の確保は副次的なものと考えている。
混成部隊の小隊長とは何かしらの因縁があるようだ。
仕様:「コンバットチョロQ」のKV−1。
そのほかのモブキャラ
T−34(敵部隊一般兵士。CCQに出てきたノーマル(1941年型)と、SCCQに出てきた1943年型が混在)
T−34(1940年型)(橋の見張り)
SU−85(橋の見張り)
SU−122(敵の自走砲)
T−34/85(敵部隊将校)
BT−5(敵の斥候)
JS−1(敵軍幕僚)
引用なし
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短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版
Matsui
- 2017/1/15 21:36 -
戦闘シーン加筆修正版です。
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
荒涼とした平原に建つ、一軒の小屋。
そこに詰めている数両の戦車。
荒川曹長(車種:九七式中戦車改)「敵はここに来る途中に出くわした連中だ。ヤツらもとんでもない猛者だぞ」
小屋の外を覗く荒川曹長が言う。
カンピオーニ一等兵(車種:L6/40軽戦車)「戦ったことがあるんですか?」
荷車を牽引するカンピオーニ一等兵が言う。
荒川曹長「前の隊にいたときに戦った連中だ。なかなか頭のキレるヤツでな、部隊長殿の隊はヤツらに叩き潰された」
彼らは独立第一混成小隊。リンケ部隊長以下、歴戦の猛者たちで編成されている。
荒川曹長「そのときに部隊長殿は敵にとっ捕まって、後送されてたところを俺たちが偶然助けたって訳だ」
彼を始め、部隊の構成員たちは壮絶な激戦をかろうじて生き延びたが、その際に戦死公報が出てしまったため原隊に復帰できず、同小隊への配属となった面々だ。
リンケ大尉(車種:III号戦車N型)「もういつの話か忘れたよ」
荒川曹長「あぁ確か・・・帝國軍がこの町まで進撃したときだったはずですぜ」
池上兵長(車種:八九式中戦車)「ならばざっと去年の秋ごろってところ、ですか」
荒川曹長「もう一年は経ってるわけか・・・早ぇもんだ」
遠方から土煙を上げて敵部隊が進んでくる。
カンピオーニ一等兵「敵部隊接近!」
こちらの戦闘能力を上回る強力なT−34中戦車。それも本部の主力部隊に在籍する重戦車の火力に匹敵する85mm砲搭載型まで含んだ部隊。
正面から戦って勝てる相手ではない。
うまくやり過ごして背後から脱出するか。
奇襲を仕掛けて強行突破するか。
すると敵の何両かが散開して偵察を開始した。
連邦軍将校「敵の警戒線はこの周辺だ!探せぇっ!」
どうやら敵の先遣隊のようだ。
荒川曹長「中戦車が見えるだけでざっと二十両・・・とんだ大物だな。さぁて部隊長殿、どうしますか?」
リンケ大尉「幡野、そっちはどうだ!?」
別働隊を率いる幡野伍長に聞く。
幡野伍長(車種:九七式中戦車)「こちら幡野!見える限りは全員乗った!いつでもどうぞ!」
彼らの受けた任務は、敵の大部隊が迫りつつある町へ突入し、反攻作戦計画に必要な機密文書の回収であった。
しかし町に取り残されている一般市民や守備隊を見捨てられないとして、急遽作戦内容を変更した。
町にある貨物ヤードに、強行軍で故障して放棄された機関車が一両残されていた。
この機関車を守備隊の有村大尉らが修理し、貨物ヤードに残されているありったけの貨車に一般市民と物資を載せ、機関車で牽引して避難させる。
彼らは避難完了までの時間稼ぎをも受け持つことになったのだ。
グランツ中尉(車種:III号突撃砲C型)「しかしこの作戦は少々無謀ではないでしょうか。我々の任務はこの機密文書の回収であり、一般市民の退去と駐留部隊の撤収の援護は含まれていません」
リンケ大尉「だが成功すれば、一般市民と友軍を助けて、おまけに機密文書も回収。勲章は割り増しだ」
グランツ中尉「しかしやられてしまっては、最大の目標である機密文書の回収は果たせなくなります」
この小隊で唯一の“真っ当な将校”がこのグランツ中尉だ。
元々は回収作戦を命じた司令部に属する将校だったのだが、作戦の補佐という名目で同行を志願したのだ。
一両でも戦力が増えるのはありがたいため同行を許可したのだが、どうやらこの作戦を利用して昇進を図っているらしい。
荒川曹長「中尉殿は作戦目的と勲章にこだわりすぎですよ。とにかく生き延びりゃ機密文書は持ち帰れるようになってる」
牽引用の荷車に載せられたコンテナには、問題の機密文書が入っている。誰かがこれを牽引して持ち帰れば作戦目的は達成できる。
幸いにもこの部隊には足の速いものが多い。それゆえの抜擢ともいえる。
敵部隊は徐々にこちらに近づいて来る。
連邦軍兵士A「隊長!不審な履帯跡が!」
連邦軍将校「何っ!?」
斥候のT−34/76・・・砲塔が大きな後期型がこちらに向かってくる。
それに続いていくつかのT−34/76が前進してくる。
池上兵長「よぉし、食いついた!」
荒川曹長「軍曹、俺が3つ数えたら撃て!」
グラツィアーニ軍曹(車種:M13/40)「了解!」
部隊一の射撃の名手であるグラツィアーニ軍曹が言う。
敵部隊は周囲を警戒しながら前進してくる。
しかしその進路上には先ほど敷設したグランドボムが大量に展開されている。
さらに部隊の側面に見える瓦礫の陰には爆薬が仕掛けられているのだ。
敵部隊がこちらに近づいてくる。
荒川曹長「よしっ、1・・・2・・・」
そろそろ向こうさんの有効射程だ。
荒川曹長「3っ!」
荒川曹長の合図とほぼ同時に、グラツィアーニ軍曹が発砲する。
砲弾は見事爆薬に直撃する。
爆発!
連邦軍兵士A「敵襲!」
連邦軍将校「前方の小屋だっ!撃てぇっ!」
敵もこちらに気付いたようだが、すでに部隊は小屋を飛び出していた。
荒川曹長「今だぁっ!撃ちまくれぇっ!」
カンピオーニ一等兵の機関銃が炸裂する。
あたりに敷設されたグランドボムが次々爆発し、敵部隊を覆う。
連邦軍将校「クソッ、地雷原だ!」
噴煙に紛れて、敵部隊を強行突破する。
ガリボルディ上等兵(車種:セモベンテM40)「よっしゃぁっ!まとめて吹っ飛ばすぞ!」
前面に固まっている六両のT−34に向かって発砲するガリボルディ上等兵。
砲弾は見事敵部隊の中央に着弾、衝撃で吹き飛ばされるT−34。
荒川曹長「どけぇっ!」
その隙間を縫って部隊は敵部隊を突破する。
大混乱に陥る敵部隊。
連邦軍将校「くそぉっ、やられた!各車反転!奴らを追えぇっ!」
指揮官のT−34/85が旋回する。
しかし前方に残っていたグランドボムを踏んでしまう。
グランドボムの連鎖起爆により、部隊の前方の瓦礫まで吹き飛ばされる。
連邦軍将校「・・・クソッ!各車散開!地雷に警戒しつつ奴らを追うんだ!」
包囲網を展開したはずだった連邦軍は、隙を突かれて突破されてしまった。
どこまで続くかわからない荒野。
その中を突き進む八両の戦車。
カンピオーニ一等兵「なんとか撒くことはできたみたいですね」
リンケ大尉「楽観はできんぞ。この先の丘あたりに斥候が待ち構えているかもしれん」
荒川曹長「あの部隊の指揮官だったらやってるかもしれないなぁ」
この辺りは荒涼とした荒野だが、この先の街道は小高い丘を切り崩したような地形になっている。
敵が待ち伏せているとしたらあのあたりか。
そのとき、部隊随一の古参兵である池上兵長が何かに気付いた。
池上兵長「曹長殿、少々お静かに」
荒川曹長「どうした!?」
池上兵長「妙な音がする・・・!」
だが辺り一面の荒野に敵の気配は無い。
荒川曹長「音・・・?」
何か金属音のような音が遠方から聞こえる。
しかし履帯の仰々しい摩擦音は聞こえない。
ということは戦車ではないということか。
カンピオーニ一等兵「装甲車じゃないですかね。だったら機関銃でもどうにか〜」
池上兵長「いや、これは装甲車の音じゃない・・・!」
丘の向こうから轟音がはっきりと聞こえ始める。
すると、丘の稜線を飛び越えて装甲車両が飛び出してきた。
池上兵長「BT(ベーテー)だっ!」
優れた機動性を誇る連邦軍の快速戦車だ。
カンピオーニ一等兵が機銃を掃射する。
機銃の射線に煽られるように退避するBT。
すかさず前進した池上兵長がBTの背後を捉える。
池上兵長「もらった!」
見事一両を仕留める。
急旋回して部隊の背後に回ろうとする別のBT。
しかしその横合いから荒川曹長と青木上等兵が突撃する。
青木上等兵(車種:九五式軽戦車)「曹長殿!」
荒川曹長「よっしゃぁっ!」
機動力に優れる青木上等兵がBTの前方に飛び出す。
あわてたBTが明後日の方向に発砲する。
その間に背後に回った荒川曹長がBTを撃破する。
それを見た残る一両のBTは反転、撤退を試みる。
しかしその前方にはリンケ大尉が立ちふさがる。
正面への直撃弾を受け、爆発するBT。
荒川曹長「・・・これで全部のようだな」
カンピオーニ一等兵「・・・いったい、どうなってるんですか?」
池上兵長「BTは履帯を取り外し、高速で移動することができる。“快速戦車”たる由縁だ」
荒川曹長「履帯の金属音も減るし、隠密行動にはもってこいだ。まさに伝家の宝刀ってぇ奴だな」
周囲を警戒しながら二両がいう。
池上兵長「曹長殿、気づかれているかもしれませんが・・・」
荒川曹長「ああ。指揮車がいなかったな」
基本的に敵の小隊長クラスは司令部との通信用の大型無線機を持っている。大型無線機を有するBTは砲塔に鉢巻アンテナがついているのが特徴だ。
しかし倒した三両のBTは、どれも大型無線機用のアンテナをつけていない。
どこかに指揮車がいて、こちらの気配を察して先遣隊を送り込んだという事か。
リンケ大尉「別動隊との合流を急がなければならんな」
有村隊の支援をしていた幡野伍長率いる別動隊も町を出発し、鉄道線沿いに進んでいる。
現時点で敵部隊と交戦したとの報告はないが、さっき撒いた部隊があちらに気付く可能性も考えられる。
荒川曹長「合流地点は予定通りで問題ないですね?」
リンケ大尉「ああ。この街道を突っ切って、一気に橋を突破する。そこで幡野たちと落ち合う」
荒川曹長「それじゃ・・・いっちょ飛ばしますか!」
急加速し、前進する小隊。
目指す橋まではまだ距離がある。それまでにさっきの大部隊に見つからなければよいのだが。
続く
引用なし
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Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版
Matsui
- 2017/1/15 21:37 -
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
ほぼ同時刻、先の荒野から離れた鉄道線沿い。
砲声がこだまし、付近に砲煙が上がる。
幡野伍長「各車散開!」
先頭を往く別動隊指揮官・幡野伍長は付近のくぼ地に身を隠す。
カラブリア上等兵(車種:P40重戦車)「やっぱりこっちのほうが多そうですね」
別動隊随一の勇猛さを誇るカラブリア上等兵が言う。
幡野伍長「まあ汽車出してるってのはバレてるからな。しょうがねぇ」
敵は前方の丘を駆け下りてくる。
こちらが布陣するくぼ地は鉄道線を含めて切通しになっており、丘の左右を迂回すれば回り込まれる可能性がある。
部隊に所属するII号戦車F型が敵部隊へと機関銃を掃射する。
それに続いて部隊最大火力を誇るミューラー一等兵が発砲する。
ミューラー一等兵(車種:II号自走砲バイソン)「弾着まで5、4―――弾着、今ぁっ!」
着弾!
前進してきていた数両のT−34/76が吹き飛ぶ。
しかしそれを迂回して2両のT−34が別動隊に迫る。
その前方に立ちふさがる幡野伍長とカラブリア上等兵。
連邦軍兵士B「なにっ!?」
砲撃。爆発するT−34。
カラブリア上等兵「しっかし、こっちの攻撃は至近距離じゃなきゃ効かないって反則っすよね」
幡野伍長「まぁ、そう言うな。・・・ウェッセルス!」
2両に続いていた自走砲のウェッセルス一等兵が反応する。
急旋回し背後へ榴弾砲を放つウェッセルス一等兵。
付近の岩壁を飛び越えて着弾する砲弾。
吹き飛ばされるT−34の姿が見えた。
カラブリア上等兵「・・・すげぇ」
ウェッセルス一等兵(車種:ヴェスペ)「この連中は本隊を襲った奴らでしょうかね」
幡野伍長「だろうな。お互い足止め狙いってとこだな」
ミューラー一等兵が再び発砲する。
弾着とともに噴煙が上がる。
ミューラー一等兵「前方の敵部隊を一掃しました!」
幡野伍長「よぉし、後の火消しは有村隊に任せる!前進!」
先遣部隊からの報告を聞いた連邦軍の幕僚陣は、予想外の事態に困惑した。
参謀「あれほどの大部隊を、出し抜いたというのか?!」
ジレンコフ将軍(車種:KV−1)「・・・あいつらしいやり方だな」
参謀「いったい奴らは何者なんです?」
ジレンコフ将軍「帝國軍のはぐれ者だよ。戦死公報が出たのにひょっこり帰ってきちまった連中だ。なかなか死なないってんで最前線を転々としちゃいるが、一両たりともくたばる様子はない」
ジレンコフ将軍にとっても因縁の相手だ。リンケ大尉の原隊を壊滅させた際、大尉を後送させていた部隊を急襲、撃滅したのが彼らだった。
ジレンコフ将軍「また味方を助けに来たってところか。面白いことをするじゃないか」
参謀「しかし機密文書を手に入れるという我々の任務が達成できなくなります」
ジレンコフ将軍「その通りだ。なんとしてでも奴らを出し抜かなければならない」
そう言ってジレンコフ将軍は地図を眺めた。
ジレンコフ将軍「・・・ここだな」
将軍が指したのは、渓谷にかかる橋梁であった。
小高い丘に囲まれたこの橋梁は、帝國軍の勢力圏と連邦軍の勢力圏の境目にある。
丘から見下ろせば街道への砲撃は可能だが、橋梁自体は自走砲での砲撃でも破壊は困難だ。
橋梁の前後には帝國軍がかつて作った監視小屋があり、単線の線路と二車線分の道路が橋梁上に敷かれている。
この辺りでは典型的な併用橋だ。
橋梁を見下ろす丘には、リンケ大尉たち八両がたどり着いていた。
しかし彼らの視線の先には、案の定敵部隊の姿があった。
荒川曹長「・・・やっぱりね」
リンケ大尉「まだ友軍の列車はここを通っていない。何とかしてあの敵部隊を撃滅するしかないか」
しかし橋の周辺を警戒する戦車はT−34が見えるだけでも五〜六両。他にもいくつか控えているはずだ。
荒川曹長「・・・ずいぶん多いな。やっぱりさっきの斥候で感づいたか」
グランツ中尉「しかしもたもたしているとさっきの部隊に追い付かれる。強行突破するしかない」
リンケ大尉「落ち着け。ここで突撃するのは無謀というほかない」
すると、街道をトラックの一団が走ってきた。
先導するのはI号戦車だが、帝國軍の所属ではなさそうだ。
荒川曹長「おぉっ、ゲリラ隊か」
長らく激戦が続くこの大陸では、壊滅した小村の自警団などがゲリラ部隊となって活動している。
一部はどちらかの勢力に肩入れして“民兵”に昇格したりもするが、大半が山賊まがいのことをやっている輩ばかりだ。
有村隊が列車の直援に当たっているのも、そうしたゲリラに対応するためだ。
監視小屋からT−34とSU−85が出てくる。あの監視小屋は相当前に放棄されたはずだが、どうやら連邦軍が接収したらしい。
荒川曹長「よぉし、軍曹、カンピョウ。ゲリラたちに続いて橋を渡れ」
グラツィアーニ軍曹「了解!」
カンピオーニ一等兵「了解しました!」
二両が丘を駆け下りて街道へと走り出す。
グランツ中尉「・・・機密文書を護衛一両でどうするんです?」
荒川曹長「一両じゃない。ゲリラたちが守ってくれるさ」
グランツ中尉「では我々は?」
荒川曹長「慌てなさんな。軍曹の射撃技術をさっき見たでしょう?」
ゲリラ隊に続いて二両が橋を渡っていく。
グラツィアーニ軍曹「いやぁどうも」
衛兵A「今日はずいぶん荷物が多いな。どうした?」
カンピオーニ一等兵「帝國軍が撤退するってんでね。町の中に何か残ってないか漁ってたんですが、すっかりで」
グラツィアーニ軍曹は周囲を警戒する。
衛兵A「そうか。通れ」
衛兵のT−34の脇をすり抜けて、二両が通っていく。
すると、突然もう一両の衛兵が振り向いた。
衛兵B「待て」
カンピオーニ一等兵「はい?」
衛兵B「その荷車の中身は何だ?」
気づかれたか。
グラツィアーニ軍曹「いやぁ、妨害工作用の爆薬ですよ」
衛兵B「物資はさっきのトラックの分で全てじゃなかったのか」
衛兵A「追加のぶんってやつじゃないのか?」
衛兵B「いや、帝國軍の撤退を知っているあたりが怪しい」
グラツィアーニ軍曹「それなら一度開けて調べてみましょうか?」
そういってグラツィアーニ軍曹は荷車を開け始めた。
そのとき、どこからか砲声が轟いた。
衛兵A「なんだっ!?」
グラツィアーニ軍曹「走れっ!」
二両が急加速して走り出す。
衛兵B「あっ、逃げたぞ!」
衛兵A「敵襲!」
T−34が続々と現れる。
ゲリラ隊のI号戦車たちも次第に周囲を警戒し始める。
ゲリラ兵A「帝國軍かっ!?」
ゲリラ兵B「さっさとズラかるぞ!おいっ、最後尾!遅れるな!」
カンピオーニ一等兵「はいっ!」
ゲリラ隊の隊列に続いて脱出する二両。
砲撃をしたのはグランツ中尉だった。
二両、というよりは機密文書の危機に焦って発砲してしまったのだ。
リンケ大尉「なにやってんだ中尉!敵に気付かれたぞ!」
グランツ中尉「しかし、こうしなければ・・・!」
敵兵が周囲を警戒している。
衛兵B「砲撃はあの丘からだ!」
リンケ大尉「移動するぞ!」
八両が移動を開始する。
しかし街道上にはすでに多数のT−34が展開していた。
荒川曹長「中尉殿!落とし前つけちゃってください!」
グランツ中尉「くそぉっ!」
グランツ中尉とガリボルディ上等兵が発砲する。
前方に固まった三両のT−34を吹き飛ばす。
荒川曹長「突撃ぃっ!」
続いて荒川曹長と青木上等兵が突撃する。
前方に立ちふさがったもう一両のT−34が吹き飛ばされる。
池上兵長とリンケ大尉は監視小屋へと突撃する。
立ちふさがるSU−85を吹き飛ばし、小屋の真横に停車するリンケ大尉。
池上兵長は周囲の警戒に当たる。
池上兵長「こっち側の敵は一掃したようですね」
リンケ大尉「ということはあとは向こうからくる奴らか。渡った二両の援護もしないといけないな」
ゲリラ隊とともに渡り切った二両は、そのゲリラ隊に匿われていた。
物陰に隠れたゲリラ隊と二両は取引をすることになった。
ゲリラ兵A「どうもお前たちはワケアリのようだな。連邦軍に追われてるってことは・・・やはり帝國軍か?」
グラツィアーニ軍曹「そうだと答えたら?」
ゲリラ兵A「・・・我々はどっちの味方にもつかん。つまり・・・」
グラツィアーニ軍曹「・・・報酬は、向こう岸の隊長殿に談判するぜ」
ゲリラ兵A「・・・よぉし乗った!」
ゲリラ兵B「おっ、おい、いいのか!?」
ゲリラ兵A「あっちの連邦軍十両をあっさり片付けちまった隊長さんだ!乗らねぇでどうするってんだ!」
そういって二両のI号戦車が居残った。
グラツィアーニ軍曹「俺たちの任務はこれからやってくる帝國軍の列車が橋を突破するまで、ここを死守することだ」
ゲリラ兵A「そりゃいい。報酬はその列車に乗ってる物資の一部でどうだ?」
グラツィアーニ軍曹「よし、確約はできないがそこからにしよう」
カンピオーニ一等兵「いいんですか?そんなこと勝手に決めちゃって」
グラツィアーニ軍曹「俺たちがいちいち上にお伺い立てて判断したことがあったか?」
やがて敵の援軍が橋を渡り始めた。
グラツィアーニ軍曹「よしっ、今だっ!」
三両が一斉に機関銃を掃射する。
機銃弾を受けたT−34が慌てふためいたように反転する。
すると対岸から自走砲の砲撃が加わる。
連邦軍兵士C「軽戦車にかまうなぁっ!前方の本隊を攻撃!」
何両かのT−34が前進していく。
そこにすかさずリンケ大尉の砲撃が炸裂する。
すっかり旧式化したリンケ大尉の短砲身75mm砲でも、中距離での火力は抜群であった。
しかし敵軍は次々と押し寄せてくる。
荒川曹長「予想以上の数だな。こりゃ追っ手に追い付かれるかもしれん」
グランツ中尉「もし追いつかれたらどうするんだ?!」
池上兵長「そのときは・・・お手上げだな」
またも向こう岸から敵軍が現れる。
先頭には強力な自走砲・SU−122の姿がある。
荒川曹長「チッ、向こうの自走砲のほうがでけぇや」
リンケ大尉「でかいのは火力だけ、装甲はT−34とどっこいどっこいだ!」
SU−122の主砲が咆哮する。
リンケ大尉「退避っ!」
一同が小屋の陰から退避する。
直後、小屋が大爆発を起こす。
リンケ大尉「今だっ!」
ガリボルディ上等兵「喰らえっ!」
噴煙に紛れてガリボルディ上等兵が発砲する。
グランツ中尉「こうなりゃ意地だぁっ!」
グランツ中尉も次いで発砲する。
砲撃を受けたSU−122が吹き飛ばされ、橋から転落する。
荒川曹長「よぉし!このまま一気に突破するぞ!」
おそらく敵の追っ手もこちらに迫っている。幡野隊と有村隊が見えないのが気にかかるが、急いで突破するしかない。
荒川曹長「急ぐぞ!兵長、青木!」
池上兵長「了解!」
青木上等兵「待ってましたぁっ!」
三両が一斉に突撃する。
リンケ大尉「続けぇっ!」
リンケ大尉と自走砲二両も続く。
しかし橋の中間点に達したところで敵の砲声がとどろいた。
青木上等兵「追っ手が追い付いてきました!」
リンケ大尉「各車散開!なるべく散らばれぇ!」
車両二車線分に単線の線路が併設された橋梁は、多少余裕があるとはいえ狭い。
そうなるとやや広めの横隊を組んで前進してきた敵の追っ手は対処に時間がかかる。
そして岸から発砲した敵T−34の砲撃は、見事に前方を抑えようとした敵T−34に直撃した。
その隙を突いて突破する六両。
さらに側面からは軽戦車部隊が掩護射撃を行う。
グラツィアーニ軍曹「撃て撃てぇっ!」
その三両の側面から、橋を回り込んできた敵のBT−5が迫る。
すかさず急旋回し、一両をしとめるグラツィアーニ軍曹。
ゲリラ兵A「やるなぁ!」
もう一両のゲリラ兵が旋回し機関銃を撃つ。
残った二両のBT−5がそれにあおられて川岸を転落していく。
大混乱となる橋梁に、さらなる猛攻が待ち受けていた。
追撃部隊の後方に、続々と着弾する榴弾。
青木上等兵「おぉっ、ついに追いつきやがったか!」
続く
引用なし
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Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版
Matsui
- 2017/1/15 21:38 -
ことのほか追加シーンが思いつかなかった。
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
ゲリラ部隊との交戦を経て、ついに橋までたどり着いた幡野隊は、橋の周辺に展開する敵部隊に対し榴弾砲での遠距離攻撃を開始した。
橋の上での本隊の攻防戦に集中していた敵部隊は、後方よりさらなる援軍が近づいていることに全く気付いていなかった。
ミューラー一等兵「第二射、用意よし!」
幡野伍長「てぇーっ!」
部隊最大級の15cm砲を有するミューラー一等兵は、橋の周辺に展開する敵部隊に砲撃を行う。
砲弾が着弾し、敵のT−34が吹き飛ぶ。
ウェッセルス一等兵「喰らえっ!」
続いてウェッセルス一等兵が砲撃を行う。
自走砲四両を含めた二二両で構成された幡野隊は、見事に本隊の橋梁突破を援護した。
幡野伍長「よぉし、突撃ぃっ!」
続いて幡野伍長らが一斉に丘を駆け下り、敵中へと飛び込んでいく。
カラブリア上等兵「俺に続けぇっ!」
カラブリア上等兵が先陣を務める。
体勢を立て直そうとする敵部隊は、幡野隊の前方に立ちふさがる。
しかし先陣を務める二両が立ちふさがる敵T−34を吹き飛ばし、橋梁へと突入する。
幡野伍長「自走砲部隊は対岸から砲撃支援!残りは橋の中間点で敵を食い止める!行くぞ!」
橋の上にいる敵部隊を攻撃しつつ、幡野伍長が言う。
幡野伍長とカラブリア上等兵を追い越していく部隊各車両。
続いて対岸へと渡り切った本隊も行動を開始した。
リンケ大尉「自走砲部隊を掩護する!回り込んできた敵部隊を叩けぇっ!」
監視小屋の陰まで飛び出し、迂回してきた敵別動隊を攻撃する。
それと同時にさらに別の部隊が橋へと飛び込んできた。
友軍列車の直援を務める有村隊である。
有村大尉(車種:特二式内火艇)「待たせたな!真打登場だ!」
大混乱となった敵部隊に、今度は有村大尉率いる六両が一斉に飛び込む。
連邦軍将校「くそっ、次から次へと、なんて奴らだっ!」
幡野隊に続くように一斉に突破する有村隊。
ようやく体勢を立て直し、有村隊と幡野隊を追う追撃部隊。
その側面を、避難する一般市民を乗せた列車が走り抜けていく。
有村大尉「よぉ、ご苦労!」
橋の中間点に停車し、幡野隊とともに敵部隊を迎撃する有村隊。
先頭を行く敵T−34が吹き飛ばされる。
それを避けるように前進してくる別のT−34。
そこにカラブリア上等兵の砲撃が直撃する。
そして列車が橋梁を突破したのを確認し、有村隊と幡野隊は橋梁を突破した。
榴弾砲部隊はなおも対岸を砲撃し、敵部隊をけん制する。
連邦軍将校「一時後退!本隊の合流を待てぇっ!」
ようやく追撃部隊は撤退。橋に静寂が戻った。
本隊はなおも反対側から迫りくる敵部隊を迎撃すべく待ち受けていたが、周囲に敵影は見当たらない。
どうやらこれで打ち止めのようだ。
荒川曹長「ふぅ、終わりか」
リンケ大尉「敵さん、ずいぶん大量に攻め込んできたもんだな」
カンピオーニ一等兵「まだ対岸にいっぱいいますけどね」
対岸の追っ手たち―――別部隊と合流したらしくまだ一〇数両が確認できる―――はこちらを攻撃してくる気配はない。
すると彼らの背後から轟音が鳴り響く。
また敵の援軍か。
先頭を行くのは重戦車のKV−1。
見慣れた奴だ。
リンケ大尉「ほぉ、いよいよ将軍さんのお出ましか」
この橋で部隊を待ち受けていた連邦軍の総司令官・ジレンコフ将軍だ。
ジレンコフ将軍「よぉ、久しぶりだな」
リンケ大尉「これでチェックメイト、ってとこですかね」
ジレンコフ将軍「まあそんなところだな。あの列車を逃がすためとはいえ、機密文書を持ったまま居残るとは、らしくない失策だったな」
荒川曹長「あれほどの戦力を機密文書の奪取のためにねぇ・・・」
これまで倒しただけでも斥候が三両、橋の見張りが一四両、対岸から回り込んできたのが自走砲一両含めて二〇両ほど。追っ手の部隊の倍以上はいる。
リンケ大尉は線路のほうを向いて返す。
リンケ大尉「だったらお前さんの負けだな。我々が持ってるのは偽物。そして本物は・・・あの列車の中だ」
ジレンコフ将軍「なにっ・・・!?」
荒川曹長「この先は、まだまだ我々の勢力圏ですからねぇ。そろそろうちの本隊さんがあの列車の護衛に向かってる頃でしょう」
またしてやられたか、ジレンコフ将軍は思った。
リンケ大尉「さて、我々については好きにしてください」
荒川曹長「もう一戦、今度こそ決着でも付けますか?」
ジレンコフ将軍「・・・各車両・・・空に向かって撃てぇっ!」
その合図を受け、周辺のSU−85やT−34が空包を放つ。
ジレンコフ将軍「各車後退!敵の援軍が迫る前に、体勢を立て直す!」
そういって、ジレンコフ将軍は去っていった。
グランツ中尉「・・・一体、なんだったんだ・・・?」
荒川曹長「・・・相変わらず、粋な敵さんだ」
有村大尉「リンケ大尉、救援感謝します」
リンケ大尉「なぁに、礼は本部に戻ってからにしてくれ。あぁそれと、あの列車の物資についてはどうする?」
もともと救援のお礼に、町から持ち出した物資を頂くという算段だった。
有村大尉「・・・仕方がないな、最後尾の貨車二両分を融通しよう」
リンケ大尉「分かった・・・おい、そこのゲリラ」
グラツィアーニ軍曹らとともに部隊を援護してくれた二両のゲリラのほうへと振り向くリンケ大尉。
その時、二両のゲリラ兵がリンケ大尉の正体に気付いた。
ゲリラ兵A「あっ、アンタが噂の流れ者部隊長か!?」
リンケ大尉「なんだ、知ってたのか。よし、あの列車に積載されている補給物資のうち・・・貨車一両分を進呈しよう」
ゲリラ兵A「本当か!感謝する!」
グラツィアーニ軍曹「なぁに無理して残ってくれたお礼だ!なんだったらうちの民兵に入ってもいいんだぞ」
ゲリラ兵B「それはちょっと儲けが悪い!」
青木上等兵「チッ、つれねぇ奴だぜ」
そういって青木上等兵は笑った。
リンケ大尉「よぉし、全車両、このまま本部へと帰還する!前進!」
総勢三八両の部隊が、一斉に前進する。
ヤサグレ兵士たちの向かう先には、荒涼とした平原と青空が広がっていた。
終わり
引用なし
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青き名将 第十七話
松井
- 2010/4/13 23:37 -
ようやく「(仮題)」が取れたわけですが、遅れに遅れた第十七話。攻撃も延期です。
第十七話 ビットレイク
彼らがその街にたどり着いたとき、街は火の海に包まれていた
数日前まで自分たちがいたはずの料亭のあった辺りには、黒く焼け爛れた木材がむなしく建っていた
近づいてみると、その木材が崩れ落ち、すでに建物の跡形をとどめていないことを示した
通りへと振り返ると、他の建物も同じようになっていた
骨組みだけが残っているもの
完全に消滅しているもの
今なお原形をとどめているが、火の手が上がっているもの
チョロ〜ン将校「・・・どうなってるんだ、これは!?」
それは、もはや街とは呼べなくなっていた
チョロ〜ン将校「誰かいないのか!?」
部下たちに生存車を探すよう命じ、自分も街中を走り回った
街にあるもの、すべてが燃え上がっている
空を見上げると、黒い煙が立ち込めていた
航空機の飛ぶ轟音は聞こえない
一体、何がどうなったというのだろうか
彼らがこの街を出たとき、異常は見られなかった
敵の部隊が接近しているという報告を受け、直ちに出動
交戦した敵部隊を撃退し、そのままキョウビーチャの奪還へと向かった
しかし、守備隊の姿が見られないことから、急いで反転したのだ
そのときだった。街のほうから黒煙が立ち上ったのは
いや、黒煙だけではなかった
巨大なきのこ雲が立ち上ったのだ
あれはおそらく、プロトン軍の新型爆弾だ
ただの一発で、街一つを吹き飛ばす
プロトン軍は本当に、そんな兵器を開発していたのだ
チョロ〜ン兵士「隊長、市街地も火の海です。生存車らしきものは・・・」
チョロ〜ン将校「よし、漁港をあたるぞ!」
しかし、漁港へ行っても、状況は変わらなかった
ただ、唯一違っているものがあった
市民の姿があったのだ
部下たちが急いで助け起こそうとする
しかし、その車体には、すでに弾痕が刻まれていた
チョロ〜ン兵士「隊長!これは・・・」
傍らにいた別の市民の車体にも、無数の弾痕が刻まれていた
将校は思った。これが大国の慢心というやつか、と
圧倒的戦力で敵を駆逐し、たとえ戦えないものであっても敵性民は皆殺し
伊達にQシュタインを打ち負かしてはいないということか
しかし、これはいくらなんでもやりすぎだ
連中だって油の通ったチョロQのはずだ
敵将の中には、これを好まないやつがいたと聞いていたが・・・
そのとき、近くで銃声が聞こえた
銃声のした方角へ向かってみると、物陰から一台のチョロQが現れた
かと思うと、噴煙を上げて爆発した
出撃前、盛大に見送ってくれた漁師だった
後を追うように現れたのは、M4A3中戦車
そのうちの一両が持っていた旗は、何度も戦場で見たデザイン
青地に、羽を広げた鳥を思わせる白い徽章
紛れも無く、「西の大国」だった
チョロ〜ン兵士「貴様らぁ・・・こんなことをして、許されると思っているのかぁ!?」
部下の一両が声を荒げる
それを見た敵の将校が、こう呟いた
プロトン将校「・・・敵性国民は、徹底的に排除する必要がある。もちろん、貴様らもだ!」
敵の将校は、冬季迷彩を思わせる白い塗装に、国籍を示すかのように青い斑点が描かれていた
車体脇に輝く階級章が、彼の階級を示していた
元帥。こんな奴が、元帥にまで上っているというのか
プロトン将校「やれ。一両たりとも残すな!」
敵将がそういうと、無数のM4A3が射撃を開始した
部隊は必死に応戦するが、一両、また一両と破壊されていく
チョロ〜ン兵士「隊長だけでも、隊長だけでも生き残ってください!生き残って、連中の非道を明かしてください!」
部隊の指揮を執った将校は何とか生き残り、あることを誓った
なんとしてでも、奴らを倒す。と
CQ暦215年、夏の出来事であった
QQQQ沖に現れた謎の大怪獣は、キュワール各国を震撼させた
連合軍の共同作戦の前にそれは崩れたが、通常火器の攻撃を寄せ付けず、最終的には空中戦艦の攻撃により撃退されたことから、キュワール連合軍内でも空中戦艦の建艦競争が始まることは大いに予想された
しかし、その建艦競争は、現時点では始まらなかった
というのも、南方における戦況が原因であった
特にQトルック帝国領グッドウェイ諸島の戦闘は熾烈を極めた
本島、グッドウェイ島に展開するQグリーン製装甲列車はQシュタイン軍地上部隊の攻撃を寄せ付けなかった
大きな島の内陸部に配置し、航空攻撃を行おうとすれば森林地帯に逃げる
線路を破壊すれば、工作部隊が夜間のうちに速攻で修理する
グッドウェイの戦闘は膠着状態に陥った
一方、チョロ〜ン方面で戦うプロトン王国軍は、一つの問題に直面した
ゲープコッチに接近しつつある航空隊の対処だ
通信士「『アーチャーフィッシュ』から入電です!『敵艦隊はゲープコッチ島へ向かいつつある模様』!」
航空基地の通信士が、司令官に報告する
基地司令「第一〇二、一〇三、一〇四航空隊、緊急発進急げ!」
基地司令官が直ちに離陸の指示を出す
管制官A「第一〇二航空隊は直ちに滑走路へ!」
管制官がそれを復誦する
ラグラ大尉(通信)「了解!」
複数のP−40戦闘機が、駐機場から滑走路へ移動を始める
そして、次々と離陸していく
管制官A「第一〇二航空隊各機、高度制限解除!」
管制官B「第一〇三航空隊は直ちに滑走路へ!」
それを見て、管制官が次の指示を出す
現在グリシネ上空では、ウルタンク帝国軍の重爆飛行隊と、グリシネ海空軍及び日戦軍団航空隊の激戦が繰り広げられている
プロトン王国軍も、急遽ロナルミックの航空基地から航空隊を出撃させた
それとほぼ同時刻、ウルタンク帝国海軍も、航空隊を発進させた
空を埋め尽くすかのような、航空機の編隊
中には中型爆撃機の姿もあった
空母から発進したまでは良いが、果たしてそれからどうするのだろうか、と少し考えた
そういえば、ここから北に行けば、彼らが占領したノイズシティがあるのだ
おそらく、そこに着陸するつもりだろう
だが、絶対にその過程で、この街を焼かせはしない
ラグラ大尉「各機、散開して敵機を撃墜せよ!」
数機のP−40が旋回し、敵爆撃機を攻撃する
ラグラ大尉機も旋回し、敵の爆撃機を捕捉する
投下体勢に入り、降下しようとする爆撃機を追う
後ろについて、機銃射撃
一機を落とし、旋回して別の機体を狙う
水平爆撃の体勢に入る中型爆撃機を狙い、上昇する
下方からの一撃で、中型爆撃機は撃墜された
付近を飛んでいた中型爆撃機も、爆炎に包まれる
僚機が撃墜したようだ
そのまま編隊の上空まで上昇し、敵戦闘機を狙い急降下
僚機を狙い、旋回する戦闘機を狙う
こちらに気づいたらしい敵機は、旋回して射線から逃れようとする
しかし、見越し射撃により、機首から銃撃を受け炎上した
再び降下し、敵の艦上爆撃機を狙う
銃座からの反撃をもろともせず、射撃を開始する
銃撃を翼に受け、爆発する艦上爆撃機
眼下の街では、無数の高射砲が砲身を持ち上げている
現状は互角。このまま押し切りたい
しかし、僚機から新たな報告が入った
プロトン航空兵A「隊長!敵の第二派です!」
遠方を見ると、いくつかの大型爆撃機がこちらに向かってきている
恐らくノイズシティから離陸した援軍だろう
護衛にはいくつかの戦闘機もついてきている
あれほどの数では、現在の戦力だけでは押さえられない
ラグラ大尉「Qシュタイン軍はどうした!?」
確かQシュタインに援軍を要請したはずだが
プロトン航空兵A「こちらに向かっているはずです!」
僚機から再び報告が入る
確かに、離陸の報告は入っていた
しかし、今のところ援軍は到着していないようだ
前方で複数の艦上爆撃機が急降下を開始した
どうやら爆弾の投下体勢に入ったようだ
直ちに追撃に移る
奇襲攻撃で一機を撃墜し、旋回して別の機体を狙う
しかし、思ったよりスピードが速かった
こちらの攻撃をすり抜け、急降下していく機体
高射砲により一機が撃墜されるが、なおも三機が残っていた
そのとき、残った三機が爆発した
その後を飛行していく、三機の戦闘機
Qシュタイン航空兵「こちらQシュタイン帝国軍第二〇三航空隊。すまない、少し出遅れた」
Qシュタインの戦闘機隊が駆けつけてくれたようだ
ラグラ大尉「いや、ちょうどいいタイミングだった。戦闘機を叩いてくれ!」
Qシュタイン航空兵「了解!」
Qシュタインの戦闘機が旋回し、敵戦闘機を攻撃に向かう
ラグラ大尉機も上昇し、敵爆撃機を攻撃する
そろそろこちらの第二派も到着するはずだ
一気に畳み掛けて、この街を守り抜くのだ
第十七話 続く
引用なし
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Re:青き名将 第十八話
松井一真
- 2015/11/3 19:00 -
ロドスシルト少佐のキャラちょっと変わってるかも。
第十八話 ビットレイク突入作戦
郊外の通りに、爆弾が命中する
爆風のあおりを受けて、民家が吹き飛ぶ
望遠鏡でそれを観測する、二両の機銃手
パナール上等兵「敵機、爆弾を投下!」
ブレダ上等兵「遠いな。あれは逃げるぞ」
旋回し、待避しようとするB−17
しかしエンジンから火を噴く
爆発、四散するB−17
パナール上等兵「やったぁ!これで三機だ!」
しかし、何機かのB−17は、これを突破して前進してくる
パナール上等兵「まずいぞ。二番街方面に向かっていく!」
そのとき、他のやぐらから何かが発射された
それは爆撃隊の上で炸裂し、爆撃隊へと降りていく
強行突破する爆撃隊の真横で、それは一斉に爆発した!
数機の爆撃機が炎上し、空中で爆発する
パナール上等兵「お見事!」
ブレダ上等兵「こっちも来るぞ!」
敵の戦闘機が急降下して迫る
備え付けられた機関銃を構える
射程距離到達直前に、真正面から一撃
エンジンに直撃したらしく、敵機はやぐらを掠めて急降下していく
爆発、撃墜
プロトン軍航空隊、なおも劣勢である
尾部機銃手「二番街に向かっていた六機が被弾した!」
右舷機銃手「また例の対空砲か!」
チョロ〜ン軍は、小型の対空火器を所持しているらしい
以前の戦闘でも急降下した小型爆撃機が、類似した攻撃を受け墜落したという報告が入っている
しかしそれは命中しないと炸裂しないものだった
今度は時限式といったところだろう
未だにこちらは空中要塞の猛威にさらされている
バスク上級伍長の乗る一番機は、最初の空中要塞の攻撃を突破し、攻撃目標の大通りへと向かっている
この付近に展開する主力部隊を撃破すれば、後続の地上部隊が楽になるはずだ
しかし先行していた六機も被弾し、こちらもビットレイクを前に足止めを喰らっている
このままでは地上部隊の援護もままならない
そのときだった
プロトン軍航空兵(通信)「こちら第一〇三航空隊!空中要塞は我々がひきつける!」
P−40戦闘機が、勇敢にも空中要塞へと向かっていく
爆撃機隊に向けられていた攻撃は、次々とP−40へ向けられていく
P−40のうち一機が被弾、墜落していく
副操縦士「『空の要塞』が、ここまでしなければ突破できないのか!?」
通信士「攻撃部隊、残機十五!」
すでに半数以上の機体が撃墜、あるいは撤退している
バスク上級伍長はそのほかに敵影が無いか探した
すると、左舷前方より新たな敵影
戦闘機だ!
照準を合わせ、引き金を引く
上部銃座の同僚も敵機を確認したらしく、同時に攻撃を行う
一機を撃墜するが、さらに一機が迫る
そのとき、後方を飛んでいた一機が撃墜された
尾部機銃手「攻撃部隊、残機十四!」
各機が密集して細かい弾幕を張っているのだが、敵機はそれをかいくぐって一撃を加える
この街はチョロ〜ンの重要拠点。必死ということか
いや、それだけではないだろう。この街は、かつて我々が焼き尽くした街だ
四番機機長(通信)「こちら四番機!敵機の攻撃熾烈!」
五番機機長(通信)「踏ん張れ!地上部隊が突入するまで耐えるんだ!」
散開していた四番機以下三機も敵の攻撃を受けていた
目標地点は迫る
敵の大部隊が展開していると思われる場所
眼下には敵の陣地が見える
よし、目標地点だ!
機長「投下!」
三機のB−17が、一斉に爆弾を投下する
眼下ではQタンクたちが一斉に待避していく
爆発、炎上する大通り
機長「直ちに引き上げる!」
旋回していく三機のB−17
しかし、敵機の追撃は続く
さらに別働隊からも連絡が入る
四番機機長(通信)「ダメだ、左翼をやられた。離脱する!」
片方のエンジンが止まった状態で、なんとか飛んでいくB−17
七番機機長(通信)「八番機被弾、攻撃部隊、残機十二!」
敵機の迎撃はあまりに熾烈だった
強力なB−17爆撃機を四機も撃墜したのだ
反復攻撃は困難であろう
その頃、地上では連合軍の突入準備が整っていた
一番槍を担うのは、クリーク王国・ゲール共和国・ヴァイナー連邦の各三個中隊であった
クリーク将校「本部隊が、要衝ビットレイクへの一番槍となることは、キュワール連合における最大の誇りである!」
先鋒のクリーク将校が叫ぶ
クリーク将校「しかし!ビットレイクの防備はこれまでの街とは比べ物にならない!激しい抵抗が予想される!」
頭上で爆発音が響く
B−17が落ちていく
クリーク将校「キュワールの平和の礎となるのだ。心してかかれ!」
すると、将校の近辺に着弾
クリーク将校「突撃ぃぃっ!」
敵陣の方へ向き直り、前進する将校
クリーク陸軍、ビットレイク第一次防御線へ突入
だが、機関銃の猛射がクリーク軍を襲う
クリーク将校「待避っ!」
慌てて物陰に隠れる将校だが、すぐ脇を進んでいたクルセイダーMkIが吹き飛ぶ
航空攻撃で多数の被害を被りながらも、なおも多数の陣地を有する第一次防御線は、連合軍の先陣部隊を次々と撃破していった
機銃攻撃が止む
クリーク将校「突撃!」
再び数両の巡航戦車が駆け出す
砲撃が敵陣に命中する
しかし、噴煙が止むと同時に射撃が再開される
クリーク将校「巡航戦車隊は一時停止ぃっ!」
遮蔽物に待避するクルセイダーMkI
と同時に、チャーチルMkIVが前進する
郊外に設営された野戦司令部では、被害報告が次々と入っていた
クリーク兵士A(通信)「第158小隊壊滅!第204小隊応答無し!」
先陣部隊の壊滅。幕僚たちはざわめきだった
ミフェイドビッチ大佐「信じられない・・・クリーク軍の装甲は鉄壁のはず・・・!?」
先陣部隊の作戦は、防御力に優れるクリーク軍が正面突破を目指し、機動性に優れるゲール軍が裏をかいて突入、火力に優れるヴァイナー軍が遠距離から砲撃支援するというものであった
しかしヴァイナー軍の部隊が遠距離から砲撃を受け、大幅に援護火力を欠くこととなった
さらにクリーク軍の部隊も機関銃の猛攻で予想以上の損害を受けていた
ロドスシルト少佐「遠距離を榴弾砲で制圧し、突撃してきた奴は機関銃の餌食か・・・」
いくら撃たれづよいクリーク軍といえど、連続して攻撃を叩き込まれればひとたまりも無い
ロドスシルト少佐「航空隊の状況は?」
副官「戦略爆撃隊は先ほどの報告どおり、空中要塞と戦闘機隊の猛攻で壊滅状態です。リピーレド元帥指揮下の陸上部隊にまで、空中要塞の攻撃が及んでいます」
ロドスシルト少佐「急降下爆撃隊は?」
副官「ただいま攻撃を開始しました。先陣部隊はそれに続いて再度、突撃を開始するとの事です」
リピーレド元帥「よし。予定より早いが、我々も出ることにしよう」
ロドスシルト少佐「待ってください!このまま敵陣に突っ込んでしまえばいたずらに損害を増すだけです!先陣部隊が最初の防御陣地を押さえるまでは・・・」
リピーレド元帥「他国軍など待っていられるか!?我々には圧倒的物量と火力がある!敵が疲弊するまで前進あるのみだ!」
そういって、リピーレド元帥は司令部を飛び出していった
副官「・・・焦っていますね」
ロドスシルト少佐「あいつもあいつで必死なんだ。同盟国の中にも厄介な奴がいるからな」
リピーレド元帥は確かに焦っていた。ビットレイクを早期に制圧しなければ、北東部に位置する元帝国があの国に向かう可能性がある
すなわちQQQQ共和国である
内部対立で核弾頭を撃ちこむような国だ。どんなことをするか分からない
場合によってはチョロ〜ンという国そのものが消滅しかねない
ロドスシルト少佐「一番厄介なのは味方、か・・・」
ふとロドスシルト少佐は司令部に置かれた地図を見た
連合軍の展開した地域には、チョロ〜ン軍の機銃・榴弾砲陣地が多数確認できる
航空攻撃とクリーク軍の突撃によって一部に被害は出ているようだが、それでも強固な守りを固めているようだ
ロドスシルト少佐「正攻法ではとても破れそうもない。かといって航空攻撃は封じられている・・・」
こちらも榴弾砲を展開して陣地攻撃を行っているが、いかんせん数が少なすぎる
電撃作戦を決行したためほとんどの榴弾砲部隊が追いついていないのだ
機動性に優れるM12自走榴弾砲を有する部隊が到着すればまたひとつ違うのだろうが
第十八話 続く
引用なし
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Re:青き名将 第十八話
松井一真
- 2015/11/3 19:01 -
まさかのイルソン中将再登場。
第十八話 ビットレイク突入作戦
同時刻、ノースポート沖
怪獣襲来から時をおかずして、QQQQ最大の軍都は脅威に晒されることとなった
元帝国軍の大規模な機動部隊が、ノースポートの沖合いに展開したのだ
チョロ〜ンの同盟国として目前の最大の脅威であるQQQQを撃滅し、プロトンへの反攻の糧としようとしていたのである
怪獣の襲来により少なくない被害を受けたQQQQは、敵の上陸を許すこともやむなしと思われていた
しかし、それを許さない者がいた
ジョンイル大佐「目標、前方の敵機動艦隊!」
東部方面第一艦隊である
先の怪獣迎撃の際にまるでいいとこなしだった艦隊が、元帝国艦隊の横っ腹に強力な焼夷弾頭弾を向けたのである
水雷士「発射準備、よし!」
イルソン中将「第八艦隊の手を煩わせる必要はない。もちろん、奴らもな」
第八艦隊はノースポート付近で待機し、残存戦力を撃破するつもりであった
高杉派の第六艦隊が艦載機に多数の被害を受けて動けない現状、元帝国軍を叩けるのは彼らしかいないという実情もあった
しかし、イルソン中将には別の思いが渦巻いていた
ここで元帝国軍を撃滅し、海軍上層部への出世の足がかりとする
元帝国のハン現皇帝は大陸の馬賊出身で、近年では国内でも反対する勢力がいるという
元帝国内部でも橋本派とつながりのある高官がいる。うまくいけば橋本派に近い新政権を樹立させることができるだろう
イルソン中将「よし。今度こそ奴を出し抜いてやる・・・!」
ジョンイル大佐「撃てぇーーーっ!」
轟音とともに、「鎮東」の艦尾VLSからミサイルが放たれる
目標は、遠方に展開する敵の機動部隊だ
元帝国軍機動部隊のフビライ将軍は、ハン皇帝の親戚である
彼もまたQQQQ攻略で手柄を上げ、ゆくゆくは次代皇帝の座を狙っていた
しかし、彼らの上空をすさまじい爆炎が襲った
爆風を受け大傾斜する戦艦
フビライ将軍(車種:ティーガーII)「何事だっ!?」
元帝国兵士A[敵の攻撃です!」
フビライ将軍「馬鹿なっ!?先の怪獣襲来で、敵の防衛網は完全に破綻しているはず・・・!」
元帝国兵士B「各艦被害報告!」
旗艦の損傷は軽微だったが、後方に展開していた輸送船団に二発目が飛来した
フビライ将軍「今度はなんだっ!?」
元帝国兵士A「後方の輸送船団に着弾!被害甚大!」
このまま前進してQQQQに上陸しても、おそらく敵の陸上部隊はこちらの想像を上回っている
現有戦力だけで勝てる見込みはない
フビライ将軍は撤退を決意した
フビライ将軍「一時後退!戦力を立て直すぞ!」
元帝国軍の機動部隊は一時後退した
しかしこれは、元帝国軍の最初で最後の攻勢となった
元帝国軍機動部隊を撃退した東部方面第一艦隊は、そのまま北上し機動部隊を追撃した
続いて第八艦隊も後を追うように北上した
彼らの後方には先の「G」迎撃の折に面倒なことをしてくれた第四軍を積載した輸送船団も続いていた
海軍総司令部のイソロク中将は彼らの行動に疑問を抱いた
確か元帝国には親橋本派の閣僚がいたはずだが、この奇襲攻撃で好影響を与えることができるというのか
イソロク中将「悪い動きでもないが・・・警戒が必要か」
イソロク中将は第二艦隊を元帝国方面に派遣し、状況の監視に勤めることとした
その報せは、ビットレイク付近に展開するプロトン軍にも伝わっていた
ロドスシルト少佐「来たか・・・!」
副官「このままでは、チョロ〜ンは彼らに蹂躙されます」
衝撃的なタイムリミットが迫っていた
QQQQ第四軍が元帝国を制圧するよりも早く、ビットレイクを攻略する
元帝国の首都カーコルムはビットレイクの目と鼻の先だ
一歩間違えればチョロ〜ン領内にQQQQが侵攻しかねない
ミーンテース隊長「・・・この状況を打破するには・・・一点突破で行きましょう!」
これまでクリーク軍は防御陣地を破壊、ビットレイクの包囲を目的としていたが、敵の防御陣地は強固で破るのは困難である
そこで現在向かっている自走砲部隊の合流後、連合軍残存部隊および第一〇二中隊ならびにミーンテース隊長率いる義勇兵部隊が集中突破、ビットレイク市街地でゲリラ戦を繰り広げるというものである
裏をかこうとしたゲール共和国軍がやられたのなら、あえて真正面から突っ込むまでだ
プロトン通信兵「第五三砲兵連隊、ただいま到着しました!」
待ち望んでいた増援部隊だ
ロドスシルト少佐「よし、これより作戦を説明する!」
机の上に複数の戦車の駒が置かれる
副官「現在連合軍はビットレイクの包囲に失敗し、各方面で打撃を受けている」
ロドスシルト少佐「そこで我々は正面にいる第二軍ならびにクリーク王国軍を支援しつつ前進、敵陣の集中突破を図る」
副官「なお、状況次第では側面に回ったゲール共和国軍の支援に一部部隊を分散させることも想定している」
ロドスシルト少佐「別働隊の指揮は・・・スミューゲン中尉、君に任せる」
スミューゲン中尉「はっ、了解しました!」
副官「唯一の懸案事項となる空中要塞だが、陸上部隊の攻撃を終えた後に反転した模様だ。敵が補給を終える前に市街地に飛び込めば敵も空中要塞を使えなくなる」
ロドスシルト少佐「時間が無い。直ちに出撃するぞ!」
このまま第二軍の被害が増大する前に、一気にビットレイクに攻め込む
第一〇二中隊は増援の第五三砲兵連隊、義勇兵部隊を引き連れて陣地へと前進を開始した
陣地付近に到達した第一〇二中隊が見たものは、凄惨な光景であった
炎上している無数の戦車
急降下爆撃機が陣地を攻撃していく
しかし高射砲の反撃により何機かが撃墜される
遠方で砲撃を続けている陣地に、M12自走砲の放った榴弾が命中する
爆発、沈黙する陣地
ロドスシルト少佐「よし、クリーク軍と足並みを揃えて前進!」
プロトン軍自走砲部隊の到着後、第一〇二中隊はクリーク軍の残存戦力とともに敵陣の一点突破を図った
上空では我が陸軍航空隊とチョロ〜ン軍航空隊の壮絶な空中戦が繰り広げられている
副官「・・・司令、想像以上ですね」
ロドスシルト少佐「敵にとっても因縁の地だ。仕方がないだろう」
砲撃の只中、M4中戦車が前進する
外観も装備も異なる多数のM4中戦車は、チョロ〜ンにおける激戦の生き残りたちだ
ロドスシルト少佐「スミューゲン中尉の小隊はゲール軍の援護に向かえ!」
スミューゲン中尉「了解!」
重駆逐戦車であるスミューゲン中尉を先頭に、M4シャーマン・ジャンボを中心にした重装甲小隊が迂回を開始する
迂回路の確保を狙ったが孤立しているゲール軍を援護するのだ
陣地は一点集中で突撃してくる隊列に砲撃を行っていたが、自走砲や爆撃機の攻撃により次々と沈黙していった
そのとき、前方に巨大な機影が姿を現した
四脚に支えられた車体には、機関砲らしきものが備え付けられている
以前のチョロ〜ン紛争でも似たものを見たことがある
ミーンテース隊長「パンサーホースだ!」
四脚のホバーで重戦車の車体を支えるという脅威の装脚戦車・パンサーホースだ
しかし先の紛争では強引に25cm砲を乗せてしまったばかりに横転してしまったはずだ
搭載兵装が機関砲になっているのも上部構造物の軽量化を図ったのだろうか
そのおかげか以前にも増して素早い動きを発揮している
ロドスシルト少佐「脚だ!脚を撃って動けなくするんだ!」
頭上から襲い来る機銃掃射
脚部に打撃を与えていたM4が三両まとめて吹き飛ばされた
武装を換装したせいか、以前よりも格段に強くなっている印象だ
以前の紛争で使ったのは試作品といったところだろうか
だがこちらの火力も以前より増している
遠距離からの自走砲攻撃を受け、脚部のひとつが損傷する
ロドスシルト少佐「今だっ!」
M24の小隊が失速したパンサーホースに打撃を与える
もうひとつの脚部に打撃を受け、バランスを崩すパンサーホース
そして沈黙したチョロ〜ン軍の陣地に突っ込み擱座した
ロドスシルト少佐「よし、今のうちに市街地に突入する!とどめは航空隊に任せよう!」
パンサーホースは自律起動式だ。あれほどまでに脚部に打撃を与えれば、体勢を立て直すのに相当の時間が必要となる
動きを止めている間に航空攻撃で仕留められるであろう
第一〇二中隊は友軍部隊を率いてビットレイクへと突入した
ミフェイドビッチ大佐「先陣部隊のビットレイク突入を確認!」
リピーレド元帥「よし、彼らに続け!」
リピーレド元帥率いる第二軍主力部隊もそれに続く
しかしそこに更なる砲撃が繰り広げられる
リピーレド元帥「強行突破だ!先陣部隊を援護するんだ!」
このまま陣地付近の敵を残せば、後方から撃たれかねない
第二軍主力部隊は陣地付近の敵を各個撃破しつつ突入することとした
第十八話 続く
引用なし
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Re:青き名将 第十八話
松井一真
- 2015/11/3 19:02 -
多分今回あたりから主人公が実質コムニエム軍曹になってる。
第十八話 ビットレイク突入作戦
パンサーホース被弾の報告は、チョロ〜ン軍司令部にも入っていた
ドグニア中佐「思ったより早かったな・・・」
バハエフェ中尉(車種:BHEタンク)「噂の第一〇二中隊が動き出したのかもしれません」
副司令官のバハエフェ中尉が言う
市街地におけるチョロ〜ン軍の防備は、敵の小型巡航ミサイル対策として機動力を重視した構成となっている
戦災の影響で区画整理が進んだビットレイクは、どこもかしこも似たような町並みになっている
そのなかの入り組んだ路地を中心に一撃離脱戦法を行う。これがチョロ〜ン軍の作戦であった
爆撃機を手早く食い止めたのも、爆撃により建物が破壊され、遮蔽物が減るのを防ぐためでもあった
今まで連合軍の大部隊が攻撃していた大通の陣地は、すでに攻撃が来ることを見越して防御を強化していた
さらにパンサーホースを投入し、敵の市街地突入をできる限り遅らせていた
そうすることによって一般車両の退避がいち早く進むと考えたのだ
バハエフェ中尉「今回の我々の目標は一般市民ならびにチョロ〜ン海軍の退避です。ビットレイクの死守ではありません」
ドグニア中佐「・・・だがここで敵の戦力を減退できれば、しめたものだ」
すでにドドビガ大尉、サミッティー少佐も独自に陣地を構成、迎撃準備を整えている
少なくとも一般市民だけは守り抜く。ドグニア中佐は決意を新たにした
分隊員A「隊長殿、敵が市街地に突入したようであります!」
分隊のM18が駆け込んでくる
ジョロンバ軍曹「よぉし、そろそろ俺たちの出番だな」
分隊員A「いやぁ、履帯が鳴りますね!」
分隊員B「・・・それはな、震えているということだ」
分隊のベテラン兵長であるM10が言う
分隊員A「むっ、武者震いであります!」
ジョロンバ軍曹「ハハッ、そりゃ頼もしい。おそらく敵は王国軍一の切れ者だ。油断するなよ!」
ジョロンバ軍曹を先頭に、第692分隊は前進を開始した
装甲車と駆逐戦車を中心に構成した第692分隊は、機動偵察と敵部隊の狙撃を主な任務とする
何れも防御は弱いが火力と機動性に優れている
つまりは市街地における機動作戦にもってこいの面々なのである
早速突入してきた敵部隊を発見する
シャーマン・ジャンボを先頭に突き進んでくる
ジョロンバ軍曹「よし、お前は背面に回れ。兵長は前方から待ち伏せて着実に仕留める!」
後続のM18に指示を出す
分隊員A「了解!」
急旋回して路地に入るM18
ジョロンバ軍曹「機関銃はここで待機!」
分隊員C「了解!」
軽機関銃を担いだM3スカウトカーが返答する
ジョロンバ軍曹「よぉし、ひきつけて集中砲火を与えるぞ!」
前進してくるプロトン軍の小隊
こちらには気づいていないようだが警戒している
ジョロンバ軍曹「・・・兵長、いけるか?」
分隊員B「この路地の狭さなら・・・無力化は容易です」
ジョロンバ軍曹「よっしゃ、合図したら飛び出せ!」
ゆっくりと前進してくるシャーマン・ジャンボ
砲塔を旋回させながら路地を見回す
そのとき、シャーマン・ジャンボはこちらに砲口を向けるM10に気づいた
ジョロンバ軍曹「今だっ!」
分隊のM10が発砲する
車体側面への直撃弾を受け、あわてて反撃しようとするシャーマン・ジャンボ
そのとき、M3スカウトカーからの機関銃による援護射撃が行われる
ジョロンバ軍曹も発砲する
敵部隊最後尾のM4中戦車が爆発する
背面に回り込んだM18の攻撃だ
大混乱に陥る敵部隊
集中砲火を受け爆発するシャーマン・ジャンボ
シャーマン・ジャンボを避けて前進しようとする後続のM4A3中戦車
しかしそこに集中砲火が与えられる
弾薬庫に直撃、爆発するM4A3
狭い路地に追い込まれた小隊は、一方的に第692分隊の攻撃を受けた
大半を撃破したところで、第692分隊は移動を開始した
市街地に突入したコムニエム軍曹は、敵兵が異様に分散していることに気がついた
都市防衛戦には向かない空中要塞まで投入して爆撃機の突入を防いだのは機動作戦のためだったのか
コムニエム軍曹「・・・前より複雑になってる・・・?!」
再建されたビットレイクの西部は焼け残っていた中央商店街を中心に放射状に広がっており、東部は港から複数の道路が枝分かれした構造になっている
中心街が二つあるという異質な形態だ
付近に機銃弾が着弾する
コムニエム軍曹「クソッ、物陰に隠れろ!」
建物からの発砲だろうか
ミーンテース隊長「ゲリラ戦は我々の十八番なんですが、よもやチョロ〜ンまで使ってくるとは・・・」
コムニエム軍曹は義勇兵部隊とともに建物に突入、潜伏する敵部隊の攻撃に向かった
上階へ上がる斜面を降りてくる敵のM15/42
LVTH6が発砲する
命中弾を受け途中で転落するM15/42
コムニエム軍曹「上がるぞ!」
駆け上がっていくコムニエム軍曹
再び敵部隊が向かってくる
コムニエム軍曹「喰らえっ!」
正面から榴弾の直撃を受け、吹き飛ぶチョロ〜ン兵士
市街地に突入したロドスシルト少佐らも、敵の襲撃を受けていた
プロトン通信兵「第二七一小隊B分隊、応答ありません!」
副官「なにっ!?」
路地の警戒に向かった分隊が壊滅したらしい
ロドスシルト少佐「ゲリラ戦か・・・マッグユーノスの時の手を応用したか」
マッグユーノスでも敵は部隊を分散させ、路地を利用しての奇襲攻撃を多用していた
ビットレイクは復興の折、おそらくそのようなゲリラ戦法を行いやすいようにしたはずだ
空中要塞の攻撃でこちらの爆撃は封じられ、元帝国艦隊ならびにチョロ〜ン艦隊の攻撃を警戒して艦砲射撃も使えない
地上部隊だけの殴り合い。過去の大戦には多かったが、本大戦ではほとんど見られなくなった戦い
チョロ〜ン本土最大の激戦は、いよいよ佳境を迎えつつあった
第十八話 終わり
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青き名将 第十八話 あとがき
松井一真
- 2015/11/3 19:04 -
あとがき:“しばらく”ってレベルじゃなくなりました。一応本作は完結までもっていくつもりで書き上げていた第十八話は五年の歳月をかけてやっと完成しました。
ただ5月に完成したのですがスパムの影響なのか投稿できず、結局完結予定だった8月にも間に合わず・・・という次第。どのみち自己満足、のんびり進めていきます。
ロドスシルト少佐の因縁の地・ビットレイク。ここでどう戦ってどうケリをつけるのか、とりあえずは前後編とすることで対処しました。
冒頭の市民兵。「フューリー」みたらやりたくなったのでつい。このあたりのエピソードはウルタンク軍のプロトン本土上陸あたりで回収するかも。
日戦軍団機とQトルック軍戦略爆撃機の空中戦。いうまでもなく「紺碧の艦隊」のパロディです。嵐龍はわりと好きな機体だったり。
バスク上級伍長。「紀伊」のバスク中佐です。最初は「二等兵曹」という設定にしてましたが、Qタンク軍(初代CCQ)はともかくプロトン軍には軍曹に等級設定なかったなぁと思い上級伍長としました。
航空攻撃封じ。そういや空中要塞は市街戦で使ったら味方も巻き添えになるじゃないか、と考え今回は航空攻撃を封じるのに使ってます。
元帝国襲来。SCQ時点で上陸使用とした所を撃破された設定だったので、今回は焼夷弾頭弾による攻撃としました。イルソン中将、SCQ未登場だったのに名前で得したなぁ。
元帝国のフビライ将軍とハン皇帝。モチーフそのままですね。この時期のQQQQキャラ(=高杉さん設定キャラ)はモチーフとなった人物そのままの名前を使っていて、近衛元帥の名前の由来は近衛文麿だったりします(設定では下の名前も「フミマロ」)。
パンサーホース。武装を軽量な機関銃にした結果かえって強化されたという設定になりました。もっとも今回は相手がロドスシルト少佐だったので完全にかませ犬でしたが。一応設定ではクリーク軍にも打撃を与えているはずです。
ジョロンバ軍曹の部隊。一見腰巾着に見えて鋭い一等兵、ベテランの兵長、寡黙な一等兵のトリオです。「履帯が鳴りますね!」のくだりは「アドバンス大作戦」のある場面のパロディだったり。
さて、大幅に遅れたのに結末を先延ばしにした第十八話。はたしてロドスシルト少佐とドグニア中佐の決着は!?
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宇宙戦艦紀伊外伝 デヴォリアに八地あり
松井一真
- 2015/1/2 23:20 -
まさかの5年のブランク。
宇宙戦艦紀伊 外伝 デヴォリアに八地あり
ヴァイナー連邦軍の宇宙要塞“デヴォリア”
この星系の片隅で巻き起こった大戦に、さまざまな思惑が介入した結果誕生した要塞である
内惑星領域への勢力圏進出を図る外惑星連合と、それを阻止せんとする内惑星連合。このうち内惑星連合がキュワールを内惑星防衛の防波堤にせんとしたため、外惑星方面の防備強化が必要となった
従来キュワールは外惑星方面には哨戒基地のセイロンしか配置していなかったのである
直径5km前後の小惑星に建造された要塞都市には、強力な武装と艦隊が備わっている
同基地の設立に当たって、キュワール連合各国はデヴォリアに多数の艦隊を派遣。日戦軍団も艦隊を派遣することとなっていた
しかし、元来独立自治政府である日戦軍団は、八個艦隊・八個支援艦隊(機動艦隊・特務艦隊ほか)による「八八艦隊計画」の構想に無いデヴォリア方面艦隊を新規に編成することは困難であった
そこで、主力艦隊の一部戦力をデヴォリア方面に分派させることとなった
こうして誕生したのが“地方艦隊”である
このデヴォリアに位置する地方艦隊は六個あるが、その中で最大級の戦力がこの第八地方艦隊である
正式には「第二艦隊第八水雷戦隊」。再編直後の第二艦隊の戦力の一部を分派させたものであり、元々はパレンバンに駐留していた軽巡洋艦「龍田」を初めとする初代第二艦隊の戦力である
戦力は「龍田」のほかは駆逐艦一三隻。日戦軍団では珍しく駆逐艦が奇数となっているが、これはベータ沖の艦隊戦で壊滅した第二六駆逐隊の戦力を合流させているためである
司令官・加来進大佐は主要艦隊戦にこそ参加していないものの、大戦初期から対潜宙艦・哨戒艦隊戦闘に参加していたベテランである
参謀「司令、聞きました?我が軍のJT18船団が壊滅したという話」
加来大佐(車種:四式中戦車)「ああ、聞いたよ。ナントカドライブという機関で動く最新鋭戦艦にやられたらしいな」
山辺少佐(車種:八九式中戦車)「まあ、油断していたんでしょうね。直前に潜宙艦隊までやられたというのに、小規模な艦隊で護衛していたというのですから」
「龍田」艦長の山辺少佐は、戦隊編成以来の戦友である
どこか飄々としており、誰に対しても敬語で話している
話題になったのはデヴォリア設営前後、日戦軍団のJT−18船団が、突如敵の襲撃を受け全滅したという一件である
このとき連合軍はただの一隻も敵艦を沈めることが出来なかった
日戦軍団は船団司令官セラム大佐を後方部隊へと転属させ、Qシュタイン連邦も護衛艦隊司令官グローゼ中佐をパレンバン司令部付としている
山辺少佐「こちらは海防艦が十一隻に軽巡洋艦が一隻。相手は戦艦二隻を初めとした大艦隊。勝てる道理はありません」
直前には我らが日戦軍団の潜宙艦隊が、最新鋭潜宙艦に撃沈されている。このときもキュワール最強を誇った日戦軍団潜宙艦隊が、一切の抵抗もままならず撃滅されている
それでもJT−18船団の護衛は、海防艦(Qシュタイン連邦での呼称は“艦隊護衛艦”)十一隻と軽巡洋艦一隻という、旧来からの護衛体制であった
そして襲撃されたのは先に潜宙艦隊が壊滅したのと全く同じ宙域だったのである
参謀「しかし、突然の奇襲攻撃だったと聞いているが」
山辺少佐「最初に攻撃を加えたのは、例の潜水艦だったはずです。それにあの“特務”が問題なんですよ」
参謀「・・・“特務”?」
砲術長「ああ、第一特務艦隊のことか。確かあの時、晩餐会やってたって聞いたぞ」
当時、第一特務艦隊司令部においては旗艦「紀伊」で晩餐会が開かれていた
総司令官・松井元帥もそれに参加していたため報告が届くのが遅れていたというのだ
航海長「やれやれ、戦況は逼迫しているのに晩餐会で浮かれているとは。上層部はいいご身分ですね」
加来大佐「おいおい航海長、言葉が過ぎるぞ」
航海長の皮肉に、加来が釘を刺す
現在第八地方艦隊は、同じくデヴォリアに駐留する第一〇地方艦隊とともに哨戒任務に就いている
外惑星方面に睨みを利かせるには不足しているが、我々の相手になるのは基本的に敵の斥候だ
そのためこの戦隊は、主に機動性に優れた艦で構成されている
小柄だが機動性に優れる「龍田」はもちろん、連合軍ではトップクラスの最大速力を誇る峯風型駆逐艦が五隻、その改良型たる神風型駆逐艦が四隻所属している
第一〇地方艦隊も同様で、峯風型駆逐艦を中心とした第一〇駆逐隊、峯風型駆逐艦と呉竹型駆逐艦で構成された第三一駆逐隊、そして呉竹型駆逐艦で構成された第六五駆逐隊の三戦隊により構成されている
いずれも元来は第三艦隊の所属であり、船団護衛のためセイロンに寄航していたところを地方艦隊に編入された経緯がある
通信長「定時報告を行います。こちら第八地方艦隊旗艦『龍田』、現在デヴォリア宙域に異常なし」
ヴァイナー通信士(通信)「了解了解。そのまま哨戒活動を続行してください」
通信の相手はデヴォリアの司令部だ。大都市アハト・ラントシャフトを初め各地に大被害をもたらした帝国同盟軍の襲撃後も、なおも多数の艦隊を前線に展開するヴァイナー連邦軍。その指揮下に存在する
あの大陸三国は不思議な国で、いつもは三国揃って共同戦線を展開するというのに、今大戦に限ってクリーク王国が中立宣言を発したのだ
どうやら例のナントカドライブ戦艦の技術を研究しているらしいという噂もあるが・・・
そのとき、広域電探に謎の反応を探知した
電測員「電探に感あり!複数隻、移動速度から考えるに輸送船とは思えません!」
よりによって“異常無し”との通信後か
山辺少佐「参ったなぁ。通信やり直さなくちゃいけないなぁ」
加来大佐「全艦我に続け!所属不明艦に接近する!」
旋回する「龍田」。後続の駆逐艦も続いて旋回する
この間は敵艦だと思って近づいたら内惑星連合の艦艇だった
今度はどこの星の連中だろうか
広域電探の光点は徐々にこちらに近づいてくる
そして通常電探の範囲内にも掛かるようになってきた
電測員「数は一六・・・四隻は反応の大きさから巡洋艦と思われます」
山辺少佐「数が我々より多いですね。味方だと心強いのですが」
こちらは巡洋艦一と駆逐艦一三。うち四隻は火力に劣る呉竹型。本来なら対潜哨戒に使われるような艦だ
所属不明艦が仮に敵艦だとしたら厄介だ
前方に艦影が見えてきた
通信長「所属不明艦に発光信号。『こちら日戦軍団第八地方艦隊、軽巡洋艦『龍田』。貴艦隊の所属ならびに航行目的を問う。貴艦隊は我々キュワール連合宙域に侵入しつつある』」
艦橋の探照灯がリズミカルに点滅する
先頭を行く所属不明艦は重巡洋艦と思われる。大型の連装砲塔が確認できるだけでも四基。手ごわそうな相手だ
それに続く艦も同型と見られる
さらに後方を進むのはやや小柄で、主砲塔の基数も少ない。軽巡洋艦と見るのが妥当であろう
国籍表示などは見受けられない。どこと無く内惑星連合の艦艇にも似ている
すると、先頭の艦影が砲塔を旋回し始めた
山辺少佐「面舵一杯、両舷前進強速!」
急旋回する「龍田」
後続の駆逐艦もそれに続く
敵の先頭艦が発砲する
光弾はこちらの駆逐艦を掠めるように飛んでいった
加来大佐「全艦、状況報告!」
各艦から状況が報告される
先の攻撃での被害はないようだ
参謀「だまし討ちかよ・・・!」
砲術長「戦時とはいえ、なんて卑怯な!」
こちらの通信が終わらないうちから、敵は攻撃を仕掛けてきた
もちろんこちらからの呼びかけへの応答はない
加来大佐「・・・山辺、どうする?」
山辺少佐「決まってるじゃないですか・・・こんな卑怯な手を使う連中を・・・殲滅するまでです!」
その言葉を合図に、艦内にサイレンが鳴り響いた
副長「総員、戦闘配置に付け!」
急旋回する各艦
通信長「こちらは第八地方艦隊!デヴォリア宙域に国籍不明の艦船を発見!攻撃してきた!」
ヴァイナー通信士(通信)「了解!」
通信長はデヴォリア基地へ敵艦隊接近との報せを打つ
しかし援軍が来るかはわからないのが現状だ。我々だけで対処しなければならない
敵艦からの砲撃は止まない
敵は見たところ重巡・軽巡が各二、駆逐艦一二。重巡二と駆逐艦四を中心にした本隊のほか、軽巡一と駆逐艦四からなる二戦隊で構成されている
そのうち軽巡を中心にした二戦隊がこちらに向かってきた
遠距離攻撃に失敗した重巡は後方へ引き下がる
加来大佐「『菖蒲』、『杜若』、『躑躅』、『紫陽』は本艦に続け!敵を各個撃破する!」
四隻の呉竹型駆逐艦を従えて、「龍田」は敵戦隊へ向かう
加来大佐「『清風』以下八艦は分離、敵艦隊をひきつけろ!」
八隻の駆逐艦が隊列を離れていく
機動性に優れ、かつ強力な魚雷を搭載する峯風型・神風型八隻ならば、敵艦隊の砲撃は当たらない
初期の艦隊戦を多数潜り抜けてきた猛者・第八地方艦隊ならなおさらである
二つに分かれた艦隊を、敵艦隊は二分して追う
駆逐艦隊には軽巡一と駆逐艦六、本隊にはそれに重巡一を加えており、旗艦らしき重巡洋艦はそのまま待機している
あくまで慎重策か、はたまたこちらの戦力を甘く見積もったか
どちらにしてもこちらの読み通りだ
電測員「敵艦、魚雷発射!」
水雷長「遠いな・・・誘導魚雷か?」
先頭の敵重巡洋艦が魚雷を放つ
後続の艦艇もそれに続く
山辺少佐「左舷機関停止、取り舵一杯!」
急旋回し、敵魚雷を回避しようとする
しかし、魚雷は航跡を変えて向かってくる
山辺少佐「両舷前進強速!」
再び急発進し、重巡が放った第一射をかわす
第一射はこちらを追おうとするが、鋭く旋回した「龍田」に追いつくことはできなかった
後続の四艦も同様に回避したようだ
続く
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Re:宇宙戦艦紀伊外伝 デヴォリアに八地あり
松井一真
- 2015/1/2 23:21 -
後半。若干決着を急ぎ過ぎたかも。
宇宙戦艦紀伊 外伝 デヴォリアに八地あり
水雷長「見事なまでの長槍か・・・アレ、行きますか」
山辺少佐「囮魚雷発射準備!」
艦尾側にある第二発射機には、囮魚雷が装填されている
熱源を放ち、敵の魚雷を撹乱するようになっている
水雷士(通信)「発射準備よし!」
山辺少佐「敵の第二射が発射され次第、本艦隊の進行方向に向けて撃て!」
敵艦隊はこちらに向かい前進する
距離を詰めて第二射を撃つらしい
牽制のためか砲撃を再開する敵艦
光線のひとつが「龍田」を掠める
山辺少佐「被害報告!」
副長「左舷に被弾するも損傷軽微!」
敵艦はなおも前進してくる
山辺少佐「ひきつけろ!」
そしてついに敵艦から第二射が放たれた
山辺少佐「よし、囮魚雷発射!」
水雷長「てーっ!」
第二発射管から囮魚雷が放たれる
それはまっすぐ艦隊の前方に向かっていった
山辺少佐「よし、右舷機関停止、面舵一杯!」
魚雷と並行していた艦隊は、一旦敵艦隊に背を向ける
そのころ別働隊が敵艦隊と交戦を開始した
敵艦隊は突撃してくる駆逐艦に対し、一斉に魚雷を叩き込んだ
しかし我らが駆逐艦は各艦ごとにバラバラに急旋回し、魚雷を回避した
そして敵艦隊の中央に飛び込み、魚雷を撃ち込んだのである
爆発、炎上する敵軽巡洋艦
航海長「練度の低い相手で助かったな・・・」
別働隊と残存駆逐艦の間では主砲の撃ち合いが始まっており、物量で勝る我が方が優位に立っている
もっとも何隻かは砲撃を受け損傷を負っているようだった
加来大佐「被弾した艦は後退、応急修理に務めろ!」
まだ敵本隊の動きは見られない
あくまで様子見といったところだろうか
しかしこれで動かざるを得なくなるはずだ
山辺少佐「両舷前進強速!突っ込め!」
急速前進し、敵重巡洋艦に突っ込む
参謀「正気か!?」
加来大佐「相手に魚雷をかわされないようにするには、至近距離まで一気に突っ込むしかない!」
慌てふためいたように重巡の砲塔が旋回し、こちらに砲撃を仕掛ける
山辺少佐「両舷停止、取り舵一杯!」
副長「取り舵一杯!」
つんのめるように急旋回する「龍田」
山辺少佐「魚雷発射準備!目標右舷前方の敵重巡洋艦!」
加来大佐「『菖蒲』以下四艦は後続艦を攻撃!」
無傷の右舷を晒しながら、魚雷発射管を旋回する
それに呼応するように、後続の駆逐艦四隻が「龍田」をかわして敵艦隊に飛び込む
山辺少佐「魚雷発射!」
水雷長「てーっ!」
敵の砲撃が右舷に命中するが、雷撃に支障なし
四本の魚雷が敵重巡洋艦の横っ腹に叩き込まれる
続いて全速力で敵艦隊に突入した四隻の駆逐艦が、すれ違いざまに一斉に魚雷を叩き込んだ
山辺少佐「両舷前進強速!」
後続の敵軽巡洋艦も、魚雷を受け損傷している
続けざまに主砲の砲撃を受け、敵軽巡洋艦の砲塔が吹き飛ぶ
爆発、炎上する敵軽巡洋艦
想定外の動きに対処できなかったのか、敵駆逐艦もほとんど反撃できないまま砲撃を受け沈黙した
そのとき、残っていた敵重巡洋艦が反撃を開始した
急旋回で回避するが、間に合わない
右舷に被弾する「龍田」
副長「右舷大破!」
バランスを崩し、一瞬船体が傾く
山辺少佐「取り舵一杯!」
未だ損傷の少ない左舷を敵側に向け、少なくとも沈没を防ぐ
主砲塔が旋回し、敵艦を攻撃する
被弾するも、なおも前進する敵重巡洋艦
山辺少佐「衝撃に備えろ!」
そのとき、敵重巡洋艦が爆発した
反転した駆逐艦が、敵重巡洋艦を仕留めたようだ
山辺少佐「奴さん、手間を取らせてくれたな・・・」
加来大佐「敵の残りは・・・」
こちらは駆逐艦の半数近くが少なくない損傷を負っている
敵はほとんどが撃沈されたものの、なおも旗艦とおぼしき重巡洋艦は無傷である
このまま向かってくるならば我が方の全滅は免れない
しかし、敵艦隊は反転、離脱していく
電測員「敵艦隊、離脱して行きます」
加来大佐「どういうことだ?あと一息でひねり潰せるだろうに・・・」
そのとき、艦隊の直上を機影が飛び去っていった
友軍の航空隊のようであった
どうやら先ほどの連絡を受けて飛来したようだった
山辺少佐「友軍に助けられましたね・・・」
撤退する敵艦隊を、友軍の航空隊が追撃する
加来大佐「よし、ここは友軍に任せて離脱する!」
別働隊を合流させ、帰還の途につく第八地方艦隊
山辺少佐「・・・しっかし手ひどくやられましたね。しばらく哨戒への参加は無理そうですね」
加来大佐「デヴォリアにいるのは我々だけではない。そこまでの問題ではないよ。そんなことより・・・」
山辺少佐「・・・司令?」
加来大佐「敵の旗艦が戦艦だったら、どうしてた?」
先ほどの哨戒中に話した一件の延長である
想定以上の戦闘能力を持ちうる敵艦隊と交戦した場合は・・・
山辺少佐「・・・できるなら一撃離脱。それに限りますかね」
この戦闘で第八地方艦隊は巡洋艦一、駆逐艦六が大破するが、一隻の損失もなく敵艦隊を壊滅せしめた
この戦果が後に、キュワール連合軍内において“デヴォリアに八地あり”と讃えられるきっかけとなったのである
終わり
引用なし
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デヴォリアに八地あり あとがき
松井一真
- 2015/1/2 23:32 -
あとがき:直前まで書いていた「青き名将」がほとんど進まない結果、いつのまにかこっちが先にできていました。
5年のブランクの間にここもすっかりスパムに埋まってしまったので、状況打破のために早く完成させようと若干後半は急ぎました。どの道ダークスピリッツさんも戻ってくる見込み薄いですけど。
キュワールシリーズで宇宙モノを!と意気込んだものの、いろいろとグダグダになってしまった「宇宙戦艦紀伊」。
どうも自分とダークスピリッツさんの間で書きたいものの齟齬があるらしく、それがグダグダの原因になっていたと判断。とりあえず自分で書きたいものは「外伝」で書こうと思ったら、なぜかダークスピリッツさんもメカ設定などの項で「こういったエピソードを外伝でお願いします」とまったく違うものを要望してきたり。長距離爆撃行だけで短編小説書けって結構無理があるよ。
今回題材にした「地方艦隊」。もともとの「紀伊」では第七十二話で唐突に出てきたワードで、どういう設定にするかまるで考えていなかったのですが、せっかくの復帰作なので「地方艦隊」の解説みたいなエピソードにしようと。実は「紀伊」の休止以前は考えてなかったエピソードです。あとは中小艦艇の活躍を描きたかった。
高速艦による奇襲戦法で一席の被害もなく勝利。多分昔の自分では書かなかったエピソードです。
とりあえずは復帰第一作。「紀伊」の本編は一から書き直したいなぁ。
引用なし
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「宇宙戦艦紀伊」設定資料 グリシネ軍参謀本部
松井一真
- 2010/8/15 20:16 -
書きかけで放置していたものを完成。
・グリシネ国について
あまり設定していなかったにも関わらずストーリー上の主要国家の仲間入りを果たしてしまった、グリシネ国について説明。
グリシネ国は、Qシュタイン大陸の北西部に浮かぶ島国。Qシュタイン大陸とは海底トンネル、南東に浮かぶサウストルック領マジノライン島とは長大な鉄橋で結ばれている。
面積はニビリアよりやや広い程度。
元来自然豊かな海洋立国だったが、他国との交易のために航空技術が異様に発展、各都市に小規模な飛行場が必ず存在するほどの航空国家となった。
それゆえに空軍の発言力は高く、軍の主戦力となっていた。
陸上の交通機関は、航空機の補助的な役割しか与えられていないが、Qシュタイン大陸とほぼ同じ程度の物を保有している。
陸軍はニビリア共和国陸軍と類似した体系を持ち、小規模な分隊を用いてのゲリラ作戦を得意とする。
一方、島国であるにも関わらず海軍はそれ程発展しておらず、強力な超弩級戦艦を保有していながらも上手く扱えない状況が長らく続いていた。
しかし、第二次キュワール大戦時にQターレットから多数の陸海軍幕僚が亡命、これにより陸海軍の整備が瞬く間に進んでいった。
このQターレット出身の幕僚の多くはグリシネ系であり、軍部に溶け込むのも早かった。
Qトルック紛争の折、レラッフティ曹長指揮する第一派遣分隊の活躍は有名だが、逆にこの部隊以外の陸軍はそれ程活躍していないこととなっている。
参考資料:Qトルック紛争時の第一派遣分隊の戦力
特二式内火艇十二両
九七式中戦車九両
74式戦車六両
61式戦車四両
90式戦車一両(レラッフティ曹長)
Qトルック紛争終結後は、ニビリア同様プロトンと友好関係を築く小規模国家となっていたが、第三次キュワール大戦が全体的な収束を見せた直後に、突然堕落を始める。
時の軍務大臣が極端な空軍優遇政策を打ち出したためだ。
一時は空軍主体による一大防衛網が築かれた物の、続いて就任した空軍長官が空軍絶対主義車であったために、軍部は完全に空軍絶対主義へと変革していった。
そんな中、Qシュタイン帝国で「ドロワル事件」が起こってしばらく後、第二の転機が訪れる。
陸軍作戦部に所属していた松井元帥が、海軍の三個艦隊を乗っ取り逃亡。Qシュタイン帝国で「日本戦車軍団」という独立民兵組織を創設する事件が発生した。
後に「日戦軍団事件」と呼ばれるこの事件は、キュワールに衝撃を与えた。
それからしばらく後に起こった軍事クーデターにより、Qシュタイン帝国は連合国の仲間入りを果たし、日戦軍団もそれに続いた。グリシネ軍との仲はそれ程悪くなかった。
空軍絶対主義にありながらも、その空軍の堕落はまだ始まったばかりだったからだ。
本格的に対立が始まるのは、第六次キュワール大戦直前のことだった。
空軍過激派のある将校の陰謀により、空軍学校の視察に来ていた松井元帥を狙った爆破テロ事件が発生。空軍学校は全焼、多数のチョロQが死傷するという大惨事となった。
空軍の陰謀である旨は如何なる報道機関も公表しなかったが、日戦軍団側は大方、状況を掴んでいた。
第七次キュワール大戦時、空軍の幕僚と対立した海軍幕僚が前線送りにされるなどの事件もあり、空軍と陸海軍の対立が激しくなる。
それから膠着状態が続き、現在に至る。
「紀伊」で登場した幕僚達についていくつか詳細な設定を紹介する。
−空軍−
・黒田中将(車種:五式中戦車)
空軍参謀長。士官学校第二十五期のエリート将校。
幼少期から時折空を飛んでいく航空機に憧れ、空軍に入隊。しかしそれが高じてか空軍至上主義に走り、保守派の古参将校に媚を売るようになる。
自分なりの信念を持って行動しているものの、極端に利己的であるが故に革新派参謀とは折り合いが悪い。
その信念も「戦闘機・ミサイル万能論」に基づくものであり、機銃を「弾切れのときの護身用」程度にしか見ていない。
北東部の出身で、森、西郷、斎藤、小泉とは同郷の親友だったが、今では軍に対する思いから対立も見られる。
フライトシューティングゲームが得意。ただ実際の飛行機の操縦が得意かは定かではなく、肝心のフライトシューティングでも松井元帥に「機銃で」撃墜されている。
・森中将(車種:四式中戦車)
空軍参謀。かつての西郷の親友だが、士官学校航空科への転属後は会話が少なくなり、空軍保守派に転じた黒田の影響を受けて暴走、利権主義に走っている。
黒田同様エリート街道を一直線に突き進んできたため、失敗を恐れてほとんど口を出せないでいる。
黒田とは異なり、明確な理想を持たずに突き進んできたため、空軍至上主義思想にはやや迷っている。
そのことを西郷から批判されているが、それに対し「俺はチョロQであることを辞めた」と返している。
・谷村中将(車種:一式中戦車)
空軍参謀。黒田より三期上の先輩。
空軍の影響が最も強い南西部の出身。
優秀な後輩である黒田を立てて参謀長の座を明渡したが、今なお次期空軍長官の有力候補と呼ばれている。実力は確かで、空軍部内では信頼されている。
黒田同様、栄光ある空軍に憧れて空軍に入隊したが、それゆえに自国空軍を極端に至上視する「空軍至上主義」に染まり、今となっては保守派参謀の筆頭となっている。
理想は黒田よりエスカレートし、自分の理想に反する物は徹底的に軍部から追い出そうとする傾向にあり、松井元帥の更迭、空軍士官学校爆破などの黒幕とも言われている。
・藤沢中将(車種:九五式重戦車)
空軍参謀。数少ない現場出身の実力派。そのため航空機の操縦の腕前にも優れる。
しかし自身の所属していた、比較的実力の高いいわば「黄金時代」の空軍こそが空軍の実力であると信じて疑わないため、どちらかというと保守派のポストに収まっている。
谷村は現場時代の上官だった。
「○○ではないか!」が口癖。
・村瀬中将(車種:九二式重装甲車)
空軍参謀。黒田の一期上で、黒田のフライトシューティング仲間。
あまり理想を持たないまま参謀本部に上り詰めたため、とりあえず先輩たちの「空気を読む」ことを優先するあまり、谷村たちの追従に走っている。
森と少し違うところは、彼はとりわけ黒田を信頼しているというわけではないというところ。
・斎藤技術中将(車種:八九式中戦車)
空軍技術参謀。黒田の親友で、黒田の推薦で空軍技術本部に入った。
かつての飛行試験の失敗のトラウマか、保守的な設計思想を維持する一方、他国が成功した技術力を横取りすることも多い。
数多くの空軍宇宙艦艇の設計を担当しているが、よく言えば堅実的、悪く言えば器用貧乏な艦ばかりができている。
・金居少将(車種:四式自走迫撃砲)
空軍情報参謀。国軍の強さは情報にあり、という思想を持ち、空軍情報本部に進む。
職務熱心な性格で、自分の指揮する情報本部さえあれば空軍は無敵であると信じている。
しかし空軍情報本部は見掛け倒しな一面もあり、それが明るみに出れば根底から崩れ落ちかねない将校でもある。
陸海軍編に続きます。
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Re:「宇宙戦艦紀伊」設定資料 グリシネ軍参謀本部
松井一真
- 2010/8/15 20:16 -
続きの陸海軍編。今後も色々と追記する可能性があります。
−海軍−
・大河内元帥(車種:特四式内火艇)
海軍長官。情報部から出世してきたグリシネ軍としては異例の将校で、グリシネ海軍においては「一〇年に一両の逸材」とも言われた優秀なチョロQ。
以前から陸軍作戦部で異彩を放っていた松井と対を成し、「海軍の切れ者」とも言われていた。
西郷中将更迭の折に海軍人事部長と海軍長官、そしてとある空軍参謀との癒着が噂され、独自に調査を行った末にその事実をあぶり出し、海軍人事部長と海軍長官を辞任に追い込んだ。
作戦部で閑職に回されていた西郷を海軍参謀本部に連れ戻し、自身は海軍長官に就任。「新たなる軍事体制」のために奮闘する。
・西郷中将(車種:四式中戦車)
海軍参謀。グリシネ北東部出身のエリート将校。
漁師の出身のため、海への憧れが強く海軍へ入隊。黒田、森、斉藤、西郷とは同郷の親友だったが、憧れの対象は違っていた。
参謀本部への転属後、空軍とのやり取りに何度も苦労しており、それゆえに経歴的には対照的な原田とは意外と仲が良い。
かつては小泉を副官に据え、当時のグリシネ軍としては革新的な作戦を立案していた。
しかし空軍を完全に補助戦力として取り扱った作戦が谷村らの怒りを買い、一度は表舞台から引き摺り下ろされる。
小泉は最前線に左遷され、自身は本土で閑職を転々としていたが、後の海軍長官となる大河内の尽力によって、再び参謀本部へと舞い戻ってきた。
その際に、自身と小泉を参謀本部から追いやった黒幕が、先代の海軍長官と空軍作戦部の森だったことが発覚。自らを裏切った森に失望するとともに、空軍を憎悪するようになる。
以後は会議の状況を冷静に見計らって発言することが多くなったが、部下の失敗を押し付けられると森を槍玉に挙げて批判する場面がある。
・高沢少将(車種:三式砲戦車)
海軍情報参謀。グリシネ海軍最強の組織である情報部を統括するチョロQ。
海外旅行が趣味だったため海外へ行くことも多く、情報戦を制するために自ら情報部への転属を志望した。
大河内の後輩で、かつては大河内の下で空軍の裏を調査していた。
会議には基本的に口を出さず、部下の湊川に指示を出すことが多い。
・稲沢中将(車種:四式中戦車)
海軍作戦参謀。西郷の先輩で、一度は海軍作戦参謀の座を西郷に譲ったが、西郷更迭の折に作戦参謀に舞い戻った。
穏健派で会議にはあまり口を出さないが、作戦関連に議題が移行すると職務を存分に発揮する。
西郷からは信頼されており、軍の内部改革にもやや慎重ながら取り組んでいる。
・江原少将(車種:特四式内火艇)
海軍軍務参謀。海軍の家系に生まれた生粋の海軍将校。
そのためか海軍愛が激しく、海軍を邪険に扱う空軍を極端に憎悪する。
空軍の弱みが明らかになると直ちに批判意見を述べるなど、会議ではそれが顕著である。
・浜野少将(車種:海軍十二糎自走砲)
海軍参謀。現場から参謀本部へ転属したたたき上げ。
極端な現場主義思想のためか、現場で役に立たない空軍を蔑視する傾向にある。
乱闘騒ぎの引き金になることも多い。
−陸軍・その他−
・モントレー元帥(車種:90式戦車)
陸軍長官。Qターレット北西部の町、ブラウメーア出身。
ブラウメーアは海岸部に位置するが、グンナ帝国との位置が近いため陸軍の軍備が多く、彼もまた陸軍に徴兵されることとなった。
Qターレット軍時代は精鋭部隊の総指揮官で、松井、原田と同等の実力を持つ名将だった。
グリシネに亡命後、徐々に地盤を固めて陸軍長官に就任する。第四次キュワール大戦開戦を前にして軍を脱退した松井にライバル意識を燃やし、軍強化政策を実行していった。地上決戦主義車だったが当時の軍務大臣の遠戚だったため陸軍長官職にとどまることができた。
故郷のブラウメーアは第七次キュワール大戦開戦の遠因になったヴォルスク放射能流出事故によって壊滅しており、事故以来「いたずらな軍拡は破滅をもたらす」と考え、暴走する空軍を止めようと尽力する。しかし海軍とは異なり地盤が弱いため、体制を変えることが出来ず苦悩している。
・原田大将(車種:90式戦車)
陸軍参謀。Qターレット北西部の出身。現在の日戦軍団総帥、松井元帥とは古くからの友。
Qターレット陸軍入隊後も変わらず、ともに一中隊を任される。
戦場では自分の部隊に損害が出ないことを重視するあまり、友軍の救援に行くこともせず、捕虜を独断で処刑するなど非情に徹していた。
このことが「自分を犠牲にしてでも仲間を救う」という思想を持つ松井との対立を呼び、グリシネ亡命後に距離を置くようになった。
グリシネ参謀本部に転属後、参謀間の意見を取り持つことが増える。早々と作戦参謀に昇進したために持論を展開して対立を呼ぶ松井とは対照的であった。
その過程で徐々に軍内部に潜む腐敗に気づき、軍の改革のため松井と協力していくようになる。
・木原元帥(車種:TK−X)
統合幕僚長。陸軍系の将校で、グリシネ北東部の出身。
海軍比率の高い北東部にあって、数少ない陸軍支持車だった。
実家が空軍基地の近くにあったため、常に航空機の爆音に悩まされてきた。
士官学校を出て参謀本部へというエリートコースをたどり、第三次キュワール大戦時の陸軍の大活躍を生み出した。
しかしその後参謀本部の空気が空軍優先志向へと変わって行き、彼が統合幕僚本部に移ったころには完全に空軍主権体制となっていた。
空軍基地のいたずらな増設が始まったのもこのころで、「空軍主権体制こそが国民を悩ませる爆音の元だ」と考え、参謀本部の改革に臨むこととなる。
叛乱やクーデターに関しては毅然とした態度で臨み、叛乱の鎮圧などにも全力を尽くす。
基本的に会議では発言しないが、収拾がつかなくなったときに場を静めるのが役目。
・その他参謀
他に陸軍には二〜三両ほどの参謀が確認されている。片方は現場主義、片方は日戦軍団のシンパらしいことが明らかになっている。
・グリシネ国王(車種:特二式内火艇(フロート無し))
国家元首。第三次キュワール大戦時には木原のサポートとともに、グリシネの復興に一役買った名君である。
しかしその木原が統合幕僚本部に移るや否や、陸軍の権威低下に伴い権威を失ってしまう。
「国王職などあって無いようなもの」と一部の政治家に揶揄されるほどで、民政にはかろうじて発言権が与えられているが、軍政に関しては完全に参謀本部任せとなってしまっている。
平和主義で、基本的に寛容。
−上層部以外の会議室参加メンバー−
・湊川少佐(車種:特五式内火艇)
海軍情報部主任。恩師である高沢の意向で情報部に入り、国外での情報収集を行う。
第五次キュワール大戦後は政情不安定のQQQQ方面に赴いたことがあり、航空主兵に走る同国の現状から、「空軍主兵に走る我が国も同じ鉄を踏むのでは」と警戒、内部調査を独断で行うようになる。
その結果、空軍内における汚職が明るみになり、大河内と共同で全てを公開して海軍幹部を更迭したという逸話がある。
本来会議では発言権は与えられていないが、第七十四話では例外的に与えられていた。
・本村中尉(車種:九三式装甲自動車)
海軍情報部所属。湊川の部下。
元々艦艇所属だったが、軍縮(という名の空軍軍拡)の折に情報部に転属した。
転属後は湊川の元で情報収集に従事。海軍幹部更迭のおりには自ら空軍施設内に侵入しての書類収集も行った。
現在は通信傍受などが主な仕事となっている。
−会議室参加メンバー以外の上層部関係車−
・松井元帥(車種:90式戦車)
日戦軍団総司令官兼第一特務艦隊司令。かつては陸軍作戦部に属していたが空軍参謀との軋轢から軍を脱退、日戦軍団を設立する。原田大将とは戦略面での不一致を除いては仲がよく、日戦軍団設立後もたびたび会っていた。
グリシネ陸海軍とは親交が深いが、空軍の現場筋とは親交が浅い。ただ、空軍学校爆破事件の負い目や、部下に空軍出身車がいる事情から、グリシネ空軍の現場筋と戦うことは望んでいないらしい。
・清水中佐(車種:四式中戦車)
日戦軍団第八列車隊隊長。Qターレット出身で、松井たちともどもグリシネへ亡命。
当初は陸軍航空隊(輸送機隊)配属だったが、陸軍航空隊の正式な空軍統合に伴い、情報部に転属。
西郷とは仲が良く、彼の作戦立案にも貢献していた。
日戦軍団設立の折に突然作戦への同行を表明。情報部を抜けて日戦軍団陸軍へと移った。
・小泉少佐(車種:四式中戦車)
駆逐艦「ライズナ」艦長。元は西郷の副官で、士官学校時代の親友。
空に憧れるかつての仲間たちを見つつも、考えの異なる西郷を認めていた。
西郷ともども作戦部に移籍。各方面において海軍の戦果に貢献した。
しかし、ある作戦を立案した際にないがしろにされた空軍の怒りを買い更迭された。その黒幕は当時の海軍長官と、空軍参謀本部にいた森だった。
引用なし
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新・チョロQ大戦争派生作品「栄光の黒旗(仮題)」 プロローグ
松井一真
- 2010/7/20 23:31 -
とりあえず新作が完成。プロローグ前半です。
新・チョロQ大戦争派生作品 栄光の黒旗
プロローグ 戦いへの系譜
CQ暦212年5月、カクトピスク荒野
ユンカースの轟音がこだまする
辺り一帯で弾丸が飛び交う
プロトン将校「この荒野を突破すればQシュタインは目前だ!なんとしても突破するぞ!」
クルセイダーMkIIIが激走する
砲台が果敢に奮闘するが、猛砲撃の前に壊滅する
ユンカースが爆弾を投下する
クルセイダーMkIIIが数両、吹き飛ばされる
その隙に砲撃する砲台
炎上するシェリダン
その陰からM24が突撃する
砲台の陰からティーガーIIが現れる
Qシュタイン将校「・・・ここは、譲らない!」
ティーガーIIが発砲する
M24が吹き飛ばされる
遠方で爆発音が響く
別の砲台がやられたようだ
見ると、携帯噴進砲を持った特殊兵の姿があった
Qシュタイン将校「小癪な・・・!」
Fl282が編隊を成して飛行する
武装を施した最新のC型だ
機銃を掃射するFl282
爆散するM3軽戦車
M42が対空射撃を行う
一機が撃墜されるが、もう一機のFl282が対地爆弾を投下した
直撃し、粉砕されるM42
Fl282が旋回し、上昇する
一進一退の攻防が続く
この戦いが、ある将校の初陣となった
一昨年の秋から始まった帝国の西部侵攻は、順調かと思われた
しかし昨年春、突如として侵攻が止まった
敵側の隠し玉が明らかになったのだ
それからというもの、帝国は撤退戦を強いられた
確実に版図を縮小する帝国
州都直前のカクトピスクまで追い込まれ、いまやほぼ全ての戦力を総動員しての防衛戦を展開することを余儀なくされたのだ
防衛網の指揮を執るセブルーガ中尉は、この戦いが初陣となっていた
セブルーガ中尉(車種:センチュリオンMkIII)「絶対にこの場所を死守する!持ち場を離れるなぁ!」
実戦経験もほとんど無いまま、初の部隊指揮を執ることとなったため、その指揮も散々なものであった
完全に硬直した命令系統。敵は集中して戦力を投入しているにもかかわらず、敵のいない地域から援軍をよこすこともままならない
指揮官の独断でかろうじて増援部隊がたどり着いたが、戦線の維持は困難となっていた
そのときであった。背後のレイザーシュタット地域から別働隊が上陸してきたのは
レジスタンス部隊を引き連れた敵別働隊は、ナルマルガム中将が指揮を執る帝国の本隊と戦った
こちらの撃滅は成功したものの、本隊の損害も大きかった
援軍は絶望的となった
そして、最後の防衛線も、敵の総指揮官によって突破された
ティーガーIIが同僚とともに撤退する
辺り一帯にQタンクの残骸が散乱している
激戦とはこのことを言うのか
凄惨な光景であった
そして、ティーガーIIもまた、この戦いが初陣だったのだ・・・
それから時は流れた
第三次キュワール大戦終戦直後のクーデターによって、皇帝による独裁政権は崩壊
先代総統の家系を次ぐ新たな総統による民主政権が樹立し、帝国は一応の解放を見た
しかし、その直後に新たな大戦が起こった
かつての同盟国、Qグリーンによる南部侵攻
そして、帝国本土での決戦
激戦の只中で疲弊した帝国は、ある国から亡命した民兵に希望を託した
かろうじて本土を守り抜くことに成功し、帝国の解放の象徴となった
この大戦においてQグリーンは敗戦、帝国とは一転して没落の一途をたどる・・・
この物語は、その2年後から始まる
プロローグ 続く
引用なし
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Re:新・チョロQ大戦争派生作品「栄光の黒旗(仮題)」 プロローグ
松井一真
- 2010/7/20 23:36 -
後半です。
プロローグ 戦いへの系譜
没落の一途をたどっていたQグリーン帝国は、北方の国々との同盟により復活を遂げた
いまや二〇年前の大戦直前までの版図を取り戻した帝国にとっても、衝撃の事態であった
プロトン王国の同盟国、レイオガル王国の諜報部が独自に調査を行ったところ、北方の国家に大きな動きが見られるという
北方地域最大の勢力を誇るカルオス帝国と、レイオガル王国との情勢が悪化しているというのだ
元来より対立の絶えない二国は、紛争も頻発していた
プロトン王国がこの紛争の解決のため派遣されることも多々あった
レイオガル王国側からの判断により、今回は即座に派遣という事態には至らなかった
しかし、二国間での紛争は避けられない事態となった
その要因は、Qグリーン帝国の存在である
レイオガルをはさんで東側に位置するQグリーンが、カルオスと同盟を結んだ
これにより、レイオガルは孤立する事となった
カルオスが攻め込まないとしても、Qグリーンが攻め込んでくる可能性は十分ありうるのだ
Qグリーンの元首が交代してからというもの、急速に軍備が拡張されているからだ
前々大戦での停戦、前大戦での戦勝を経て、見事にプロトン側の仲間入りを果たした帝国は、もちろん彼らの敵となる
攻撃を受ける可能性はもはや100パーセントであろう
軍部は検討の末、北方方面の軍備強化を決定した
第二次キュワール大戦で苦杯をなめさせられた彼らも、北方に派遣されることとなった
ダンケロリ地方。かつてQタンク王国とQシュタイン帝国の激戦が行われた場所である
基地の通信室には、警戒部隊の指揮官と、将校のティーガーII
そして、本部からの指示を聞く通信士の姿があった
Qシュタイン将校「・・・連絡はまだか?」
ティーガーIIが聞く
Qシュタイン通信兵「まだ入っておりません・・・あっ、来ました!回線開きます!」
そう言って、通信スイッチを押す通信兵
司令部から入った通信は、予想通りのものであった
「Qグリーン帝国、カルオス帝国、ウルタンク帝国の三カ国が、本国を含めた連合国に戦線を布告した」
Qシュタイン将校「・・・始まったか」
ティーガーII―――ホーポス少尉は、そう呟いた
これから起こりうる戦いは、キュワール全土を巻き込んだ、壮絶な戦いとなるだろう
プロローグ 終わり
引用なし
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新・チョロQ大戦争派生作品「栄光の黒旗(仮題)」 プロローグ ...
松井一真
- 2010/7/20 23:43 -
あとがき:毎年なぜかこの日に鉄道ネタを入れようとしているものの、今年はまさかの鉄道ネタなし。というのも、当初予定していた作品がまったく進まなかったからです。
今回も前半部だけ書き終えていたものを投稿し、即座に後半を書いただけだったり。
とりあえず、この作品の主人公は「紀伊」で活躍しているホーポス中佐。彼が将校に任官した直後からということになります。
何かと不安の多い最新作ですが、書くことの多いQシュタイン。色々と頑張っていきたいです。
引用なし
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<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; YTB730; .NET CLR 1.1.4...@softbank219210146010.bbtec.net>
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第七十六話について
ダークスピリッツ
- 2009/10/23 19:46 -
現在第七十六話について色々と考えていますが、自分の描写不足・設定不足が明らかになり、このままグリシネに侵攻するとなんか取り返しのつかない事になりそうなのでグリシネ侵攻は取りやめようと思っています。
具体的には・・・
「紀伊」により少なくない損害を被ったラファリエスの意見によりQW星を侵攻するよりもQW星の宇宙に於ける残存戦力を殲滅してからQW星を侵攻すべきだと主張。大日本帝国はこれに抗議したが、グンナ同盟側もラファリエスの意見に賛成し大日本帝国も渋々了承・・・・みたいな感じで。
どうでしょうか?
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Re:第七十六話について
松井一真
- 2009/10/24 16:35 -
> 現在第七十六話について色々と考えていますが、自分の描写不足・設定不足が明らかになり、このままグリシネに侵攻するとなんか取り返しのつかない事になりそうなのでグリシネ侵攻は取りやめようと思っています。
今グリシネ国の詳細設定とかを書いてます。元々あまり目立つ予定の国じゃなかったので色々と考えて書いてます。
このスレッドのレスに載せる予定です。
> 具体的には・・・
>
> 「紀伊」により少なくない損害を被ったラファリエスの意見によりQW星を侵攻するよりもQW星の宇宙に於ける残存戦力を殲滅してからQW星を侵攻すべきだと主張。大日本帝国はこれに抗議したが、グンナ同盟側もラファリエスの意見に賛成し大日本帝国も渋々了承・・・・みたいな感じで。
>
>
> どうでしょうか?
ちょっと都合の良いグリシネ攻撃と比べればいい筋書きですね。なんたってこれからタイトルに名を冠すにも関わらずまともな活躍があまり無かった「紀伊」の大活躍が期待できそうですからな。
とりあえず今後の展開で必要そうな話を。
・大日本帝国の現場側
初登場直後のルナツー戦ぐらいしかなかったので、地位が確定した現時点で欲しいところ。
・ラファリエス艦隊
「紀伊」に対する復讐に燃えるラファリエスの提督の話とか。「紀伊」と交戦して壊滅した唯一の部隊であるパレンバン南方艦隊の話ですかね。
・最近出番の無い第一独立艦隊
せっかく内惑星連合所属艦隊最大勢力となったのに、全く活躍がない。今後ラファリエスの総攻撃に対していかなる活躍を見せるか期待したい。
・何よりも「紀伊」の活躍
タイトルに出ているのにまだたいした活躍がないのもどうかと。実力は高いのに戦況をひっくり返すに至らないあたりがある意味リアルというか。
引用なし
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特報!
松井一真
- 2010/7/19 23:44 -
> > 現在第七十六話について色々と考えていますが、自分の描写不足・設定不足が明らかになり、このままグリシネに侵攻するとなんか取り返しのつかない事になりそうなのでグリシネ侵攻は取りやめようと思っています。
>
> 今グリシネ国の詳細設定とかを書いてます。元々あまり目立つ予定の国じゃなかったので色々と考えて書いてます。
> このスレッドのレスに載せる予定です。
>
> > 具体的には・・・
> >
> > 「紀伊」により少なくない損害を被ったラファリエスの意見によりQW星を侵攻するよりもQW星の宇宙に於ける残存戦力を殲滅してからQW星を侵攻すべきだと主張。大日本帝国はこれに抗議したが、グンナ同盟側もラファリエスの意見に賛成し大日本帝国も渋々了承・・・・みたいな感じで。
> >
> >
> > どうでしょうか?
>
> ちょっと都合の良いグリシネ攻撃と比べればいい筋書きですね。なんたってこれからタイトルに名を冠すにも関わらずまともな活躍があまり無かった「紀伊」の大活躍が期待できそうですからな。
> とりあえず今後の展開で必要そうな話を。
>
> ・大日本帝国の現場側
> 初登場直後のルナツー戦ぐらいしかなかったので、地位が確定した現時点で欲しいところ。
>
> ・ラファリエス艦隊
> 「紀伊」に対する復讐に燃えるラファリエスの提督の話とか。「紀伊」と交戦して壊滅した唯一の部隊であるパレンバン南方艦隊の話ですかね。
>
> ・最近出番の無い第一独立艦隊
> せっかく内惑星連合所属艦隊最大勢力となったのに、全く活躍がない。今後ラファリエスの総攻撃に対していかなる活躍を見せるか期待したい。
>
> ・何よりも「紀伊」の活躍
> タイトルに出ているのにまだたいした活躍がないのもどうかと。実力は高いのに戦況をひっくり返すに至らないあたりがある意味リアルというか。
グリシネ国設定資料集は未完成ですが、書こうとして停滞していた新作のプロローグが完成直前となっております。
「新・チョロQ大戦争」スピンオフ企画第二段、Qシュタイン帝国・日戦軍団側メインの作品を執筆しております。
一応主人公は「紀伊」でも少しだけ活躍しているホーポス中佐を予定しています。
今回も色をタイトルの中に入れようと思っています。Qシュタインの国旗の色「黒」を予定しています。
その他、「新・チョロQ大戦争」スピンオフ企画として、以下の国を題材にする予定です。
Qタンク王国:大戦を通してあまり描かれなかったため、ほぼオリジナル作品。ということで結構後になると思います。
ニビリア共和国:陸戦メインの「青き名将」に対し、主に海戦を主体に描く予定です。
QQQQ:一応、次の大戦がQQQQの内紛から始まった設定なので。多分初期なんか色々と違う展開になってると思う。
グリーンアイランド:SCQ中期ごろからのスタートになりますが、新興国のもろもろを描ければと思います。
短編としてさまざまな国々を描きたいところです。
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お久しぶりです。
ダークスピリッツ
- 2010/7/14 17:59 -
お久しぶりです、ダークスピリッツです。
この名前から蒼月颯に改名して1年程が経過していますが、便宜上こちらではこれで。
とりあえず生存報告みたいな物ですが、自分のサイト運営の方が忙しくて中々こちらの方に手が付きません……
ではまた来る日までノシ
引用なし
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Re:お久しぶりです。
松井一真
- 2010/7/14 20:27 -
> お久しぶりです、ダークスピリッツです。
> この名前から蒼月颯に改名して1年程が経過していますが、便宜上こちらではこれで。
>
> とりあえず生存報告みたいな物ですが、自分のサイト運営の方が忙しくて中々こちらの方に手が付きません……
>
> ではまた来る日までノシ
高架化工事中の京急蒲田駅に行って写真を撮ってきたり、大好きな2100系の加速音を生で聞いたりと色々と面白いことがあった一方で、就職活動に関しては壊滅状態。色々と間違えたかと思う今日この頃だったりします。
こちらも休筆状態にありましたが、「青き名将」第十八話のプロットが完成したので書き進めております。
他の作品に関してはほとんど進んでおらず、「紀伊」外伝は冒頭数行のみという有様ですが、少しずつ進めております。ご期待ください。こちらも「紀伊」の第七十六話プロットに期待しております。
・・・ということで、添付画像は横浜遠征のときに撮影した京急蒲田駅地上ホーム(使用停止3日前)。
【Keikyukamata.jpg : 42.0KB】
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: 42.0KB
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