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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話
 松井一真  - 2009/10/6 22:07 -
  
戦闘の収束。終わってみれば今回は「青き名将(仮題)」に近い作風になったと思う。

第七十五話 放浪の殲滅者
同じく被弾した「加古」においても、懸命な消火活動が続けられていた
こちらは被弾したのが一本のみであったことから、早いうちに鎮火が完了した
通信長「『加古』、消火完了!損傷は軽微とのことです!」
元山少将「よし、いざとなれば曳航、あるいは雷撃処分を頼む」
その言葉を聞き、艦長は一瞬固まった
雷撃処分。ベータ戦で沈んだ「高千穂」の最後がよぎった
あれは敵の放った魚雷だったが、今度は我々が撃つこととなるのか
元山少将「心配するな。本当にいざという時のことだ。この艦は沈まない」
機関員B(通信)「この部屋さえ無事なら『天城』は沈まん!この艦は不死身なんだ!」
機関員C(通信)「しかし、あの『高千穂』さえ・・・」
機関員A(通信)「大丈夫だ、この艦なら・・・!」
機関員達が、必死に火災と戦っている
航空兵A(通信)「そっちの状況はどうだ!?」
航空兵B(通信)「なんとか、上手くいきそうだ!」
航空兵A(通信)「分かった!消せたら隊長のところまで行ってくれ!あの辺りが一番酷い!」
弾薬庫の引火を阻止するため、各所にホースを引っ張って消火活動に当たる航空兵たち
乗員E(通信)「こちら高角砲陣地!甲板付近の火災は何とか収まりつつある!」
乗員F(通信)「弾薬庫の引火は防げそうです!しかし甲板方面の火災は、まだ収まりそうにありません!」
甲板上にも多数の乗員たちが展開している
艦は僅かながらも右舷側に傾いており、その中での消火活動は困難を極めた
それでも、乗員たちは諦めることは無かった
これからの戦いはさらに熾烈な物となる。そんなときに、潜宙艦一隻の襲撃で、大事な空母と艦載機を沈めてなるものか
火災との戦いは、半日近く続いた

弾薬庫付近での火災は、徐々に収まりつつあった
機関員A(通信)「機関室、火の規模が小さくなってます!」
機関長(通信)「後少しだ、気を抜くなぁ!」
乗員F(通信)「飛行甲板付近、煙が少なくなってます!」
乗員A(通信)「右舷第五区画、火災鎮火!」
各所から飛び交う、「火災鎮火」の言葉
航空兵B「よし、後少しだ!」
京城大佐「タンクの残量は?!」
航空兵C「まだ十分あります!」
煙に包まれていた航空機弾薬庫付近は、徐々に晴れつつあった
そして、弾薬庫付近で消火活動を続けていた航空兵の一両が、無線機に向かって叫んだ
航空兵A「航空機弾薬庫付近、火災鎮火!」
これとほぼ時を同じくして、高角砲弾薬庫付近の火災も鎮火された
消火活動に当たった航空兵の大半は、壁に寄りかかっていた
京城大佐「やったな・・・」
京城大佐は、ただ一言、そう呟いた
それから数分後、「天城」の火災は鎮火された

各所から入る、鎮火の報告
どうやら、辛うじて雷撃処分は免れたらしい
しかし、戦列への復帰は少し遅れるだろう
そして、機関長からは悲痛な連絡が入った
機関長(通信)「機関室の火災は鎮火しましたが、機関の復旧は少し無理そうです」
大規模な火災に見舞われた機関室は、被害が大きく、復旧が困難となっていた
鎮火に成功したことさえ僥倖である
やむなく、艦隊に属する重巡洋艦「奥入瀬」により曳航されることとなった
艦長「通信長、ベータ基地に打電。『発 航空母艦「天城」 宛 ベータ基地司令部 本艦は敵潜宙艦の雷撃を受け火災発生。消火完了なるも航行不能。重巡の曳航により寄港する』、以上」
重巡洋艦「奥入瀬」が、ゆっくりと「天城」に接近する
曳航索を取り付け、準備を整える
「奥入瀬」艦長(通信)「これより、曳航を開始する!」
その光景を横目に、前進を始める「加古」
こちらは損傷が軽微だったため、自力航行が可能だった
低速ではあるが、艦隊はベータに向かって進み始めた
これからの戦いは、さらに厳しくなるだろう
しかし、我々は全力を以って、敵を迎え撃たなければならない
たとえそれが、かつての同族であったとしても

グリシネ国軍、統合幕僚本部の臨時会議室は、再び騒然となった
前回の会議で甚大な被害を負った普段の会議室ではなく、別室を使うこととなったが、規模に関しては殆ど変わっていない
流石に椅子や机、砲弾が飛び交うことは無かったが、代わりに言論が飛び交った
ようやく会議らしくなったか。もうすぐ国が滅びるというのに
会議室の盛況を遠巻きに見ながら、湊川少佐は溜息をついた
今から数十分前、離反した橋本少将から連絡が入った
「王政復古、軍部支配断絶」をスローガンに、海軍第三巡洋艦隊及び第五主力艦隊は、「神聖グリシネ王国軍」という武装ゲリラを編成、各地の前線部隊に参加を呼びかけている
どうやらミイラ取りがまたもミイラになったらしい。しかも、今度は空軍の部内で
陸軍参謀「部内の統制が出来なかったのは、むしろ貴様らではないか!」
海軍参謀「このような事件の原因を作ったのは、間違いなく貴様らだ!」
陸海の幕僚も、会議が始まってからというもの、今まで以上に騒ぎ立てている
もっとも、いつもなら真っ先に反論を叫びそうな原田大将は、沈黙を押し通している
国が滅びる、という状況を思ってだろうか
Qターレット出身の異邦車たる彼が、この国に何を思うのか
湊川少佐「・・・本村、声明はあれで以上か?」
本村中尉「そのようです。現時点では第三巡洋艦隊、第五主力艦隊と、空軍第六、第七艦隊の一部、そしてオルキス軍の第七守備艦隊が、『神聖グリシネ王国軍』に関わっているようです」
情報部士官「何が神聖だ。他国の力を借りなければ革命を成しえないくせに」
もう一両の情報部員が呟く
彼の言ったことももっともだ。独立の時に他国の力を借りなかった松井元帥とは異なり、彼らは独立の時に他国の力を借りてしまった
松井元帥はあくまで「グリシネ民族の誇りとなるべき国際平和維持団体」を目指しての独立だったという説があったが、彼らは真っ先に王政復古と軍部支配断絶をスローガンに上げている
情報部士官「やっぱり、松井元帥やチリ元帥を超える方は、現れないな」
湊川少佐「革命家のロマンを語っている場合ではない。国が滅びるかもしれないんだぞ。我々の仕事は、グリシネという国を、他国からの侵略から守り抜くことなんだから」
そう、我々の仕事はグリシネという国家を守ることである
それにおいて敵となるべく存在は、例え同じグリシネ国民であっても撃滅する。そういう権限が与えられた部署が情報部にある
しかし、空軍の支配が始まってから、その部署が動いたことは無い
やはり、「彼」が消えたからだろうか

執務室の机を迂回しながら、松井元帥は通信兵の持った書面を取ったのは、何時間前だっただろうか
この時期に、まさか空母が奇襲攻撃を受けるとは、思ってもいなかった
松井元帥「・・・機関室に火災・・・絶望的だな」
あれから、執務室内は異様なほどの沈黙に包まれていた
その沈黙を打ち破るように響き渡る、飛行機の轟音
どうやらグリシネ空軍を叩きに行った航空隊が戻ってきたらしい
その轟音が鳴り止んでしばらく後、何者かが扉をノックした
松井元帥「入れ」
扉を開けて入ってきたのは、副隊長だった
飛行隊副隊長「飛行第361戦隊、ただいま帰還しました。損害は二機。搭乗員はグリシネ海軍艦に救出され、全員無事です」
松井元帥「・・・藤岡は、どうした?」
松井元帥が聞くと、副隊長は無言で立ち止まった
飛行隊副隊長「・・・降りてから、しばらく一両きりにしてくれとのことで・・・」
副隊長の報告を聞き、松井元帥は無言で着席した
松井元帥「・・・そうか、藤岡が・・・」
飛行隊副隊長「前に聞いた話では、藤岡隊長の戦友は例の航空学校爆破事件で犠牲になったそうで・・・」
隊長室に篭ったらしい藤岡少佐に代わって、副隊長が執務室を訪ねることになったようだ
松井元帥「・・・俺の力が及ばなかったからだ。彼にはすまないことをした」
飛行隊副隊長「いえ、司令の責任ではありません。全ては・・・あの空軍長官が・・・!」
松井元帥「落ち着け。今にグリシネは滅びる。内側と外側の二重攻撃で・・・」
そのとき、一両の九四式軽装甲車が駆け込んできた
藤田上等兵「司令!『天城』から入電がありました!」
松井元帥「どうした!?」
藤田上等兵「消火完了なるも航行不能。重巡洋艦が曳航するとのことです!」
そう言って、藤田上等兵は通信文を置いた
松井元帥「そうか、鎮火したか・・・」
ほっとしたように息を吐きながら、松井元帥は呟いた
松井元帥「・・・京城は無事だそうだ。仇討ちの目標は、まだ一つで済みそうだ」
副隊長のほうを向いて、松井元帥は言った
藤田上等兵「司令、我々は、これからどうなるのでしょうか?」
松井元帥「・・・これから、か。キュワールを守るために、戦うまでだ。例え相手が大日本帝国であったとしてもだ」
飛行隊副隊長「いえ、相手が大日本帝国だからです!隊長をここまで苦しめたのは、大日本帝国に他なりません!彼らが、彼らが古田さんを殺さなければ・・・!」
松井元帥「・・・副隊長、落ち着くんだ」
しばらく黙った後、松井元帥はこう言った
松井元帥「・・・よし、第361戦隊にはしばらく休暇を与える。軍事基地でたいしたものはないだろうが、ゆっくり休め」
飛行隊副隊長「はっ!」
そう言って、副隊長は部屋を出て行った
松井元帥「陸軍飛行隊は、大体あんな感じだ。みんな古田の仇討ちに燃えている。もしこれで、大日本帝国が停戦条約でも申し出てきたら、どうなると思う?」
藤田上等兵「・・・・まさか!連中がそんな・・・」
同族の命を奪っても平然としている連中が、突然同族面して停戦協定など、するはずが無い。藤田はそう思った
松井元帥「俺は、一つの可能性を言っているに過ぎない。だが、一つだけ気になることがある」
藤田上等兵「・・・なんですか?」
松井元帥「さっきQシュタイン連邦の諜報部から、どうも大日本帝国の次期攻撃目標が、グリシネではないかという連絡が、入ったんだ」
藤田上等兵「どうしてですか!?キュワールを叩くなら、連合の盟主たるプロトンか、我々のバックホーンたるQシュタインを叩くべきでしょう!」
藤田の言ったことはもっともだった
現にグンナ帝国軍は、プロトン合衆国首都、バチェリットを強襲、プロトン合衆国を一時戦線離脱させるほどの損害を負わせている
本土強襲とならば、目標はプロトン、あるいはQシュタイン大陸のいずれかの国と相場は決まっている
それながら、面積はあまり広くなく、周辺に島嶼どころがQシュタイン大陸まで存在するグリシネを、何故第一攻撃目標としたのか
松井元帥「そこだよ。そこが引っかかっているんだよ・・・連中の考え、まるで読めん」
そのとき、もう一両の通信兵が駆け込んできた
日戦軍団通信兵「司令!グリシネ海軍第三巡洋艦隊からです」
そう言って、通信兵は書面を渡した
その書面を一瞥した後、松井元帥は呟いた
松井元帥「『神聖グリシネ王国軍』・・・皮肉な名前だな」
日戦軍団通信兵「・・・どういう意味ですか?」
松井元帥「・・・いや、こっちの話だ。それで、青柳はなんと?」
日戦軍団通信兵「いえ、まだ何も・・・」
松井元帥「そうか・・・ちょうどいい。君も話を聞いていってくれ」
書面を机に置いた松井元帥は、二両の通信兵に対して言った
藤田上等兵「何の、話ですか?」
松井元帥「・・・我々の、いや、キュワールの・・・これからの話だ」
窓の向こうで、着陸する哨戒機のエンジン音が響き渡った
第七十五話 終わり

引用なし
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宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:55
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:56
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 21:59
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:03
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:04
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:06
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 松井一真 2009/10/6 22:07
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 松井一真 2009/10/6 22:14
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき その2 松井一真 2009/10/6 22:16
   宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき その3 松井一真 2009/10/6 22:18
    Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 総括 ダークスピリッツ 2009/10/7 19:12
    Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき 総括 松井一真 2009/10/10 11:00
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話 あとがき ダークスピリッツ 2009/10/7 18:50

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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