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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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宇宙戦艦紀伊 第七十二話
 松井一真  - 2008/2/3 22:01 -
  
ものすごく久々になった気がする第七十二話。本年度初の作品です。

第七十二話 崩落の始まり
キュワール連合軍、セイロン基地
元々はQタンク王国軍の観測所だったところだ
しかし、この方角に「アマティス」という惑星が発見されて以来、それまで駆逐艦隊数個が配備されていたに過ぎなかったここに、大規模な艦隊が配備されたり、近辺には「デヴォリア」という要塞が建設されたりと、戦争により大発展したところである
ただ、「大規模な艦隊」といっても、その主軸は軽巡洋艦で、かつての哨戒艦隊の性格を大きく残す物であった
その大艦隊さえも、大半はデヴォリア方面に移行しており、かつての静けさを取り戻したようでもあった
しかし、「彼ら」はここを重要な基地と「勘違い」し、襲撃したのだ
Qタンク通信兵「敵艦隊捕捉!数、戦闘艦らしきもの五〇〇以上、その他輸送船と思しきもの約二〇〇!」
セイロン基地司令「総員退避急げ!持っていけるだけの物資を持っていけ!」
過去の戦闘と比べると、ずいぶんと早い撤退である
それもそのはず、この基地はたいした武装も無く、停泊している艦隊も軽巡洋艦を主軸とした艦隊がいくつかいるに過ぎないのだ
その艦隊も、撤退する船団を護衛する物と、敵艦隊と交戦する「時間稼ぎ」の二派に分ける必要があるのだ
基地司令は残っていた機密文書を焼却すると、港へと走っていった

パレンバン沖、日戦軍団輸送潜宙艦隊
深度二八〇に潜航する四隻の潜宙艦は、爆雷の猛威に曝されていた
相手は幾多もの連合軍潜宙艦を葬ったラファリエス艦隊である
もっとも、日戦軍団の潜宙艦がラファリエスの通常戦闘艦艇に撃沈されたという報告は無い
磯子大佐「このまま乗り切れるだろうか・・・」
栄少佐「敵さんも馬鹿じゃありませんからね。仮にも連合軍潜宙艦を数十隻撃沈した相手です」
未だ、爆雷投下は続けられている

一方、ラファリエス艦隊も、爆雷攻撃での撃沈を不可能と見なし、対潜魚雷攻撃を実行に移した
艦長「雷撃準備急げぇ!」
高性能だがコストが高く、爆雷での撃沈を不可能と見なした際にのみ用いられる最終兵器だ
水雷長「深度三一〇に調定!」
ラファリエスの対潜魚雷は、深度三〇〇以上にも調定可能な新型魚雷である
しばらくして、全艦の対潜魚雷調定が完了した
通信長「全艦、魚雷調定完了です」
艦隊司令「・・・テーーーーーーーッ!」
数隻の駆逐艦から、対潜魚雷が発射された

敵駆逐艦から、対潜誘導魚雷が発射された
磯子大佐「全艦に通達、深度三二〇まで潜航!」
栄少佐「深度三二〇まで潜れ!」
四隻の潜宙艦は一斉に艦首を下げる
しかし、最後尾の「伊−904」は少し遅れていた
聴音手「『伊−904』、現在深度二九〇!」
磯子大佐「まずいぞ。このままでは間に合わない・・・」
航海長「現在深度三一〇!」
魚雷は徐々に接近しつつある
航海長「深度三二〇!」
水測長「『伊−904』、現在深度三〇〇!」
栄少佐「もっと急げないのか!?」
磯子大佐「904潜も全速で潜っているはずだ。しかし・・・」
水測長「魚雷、全部『伊−904』へ向かっています!」
聴音手「命中まで十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、今!」
その時、聴音機から爆音が響いた
急いでヘッドフォンを投げる聴音手
聴音機が壊れんばかりの爆音が鳴り響いた後、探信儀に「伊−904」の被害状況が表示された
水測長「『伊−904』・・・魚雷十四本命中、大破・・・」
通常の潜水艦なら、一瞬で圧壊していただろう
しかし、日戦軍団の大型潜宙艦は、巡洋艦との砲撃戦にも絶えうる装甲を有しているのだ
とはいえ、魚雷十四本は、戦艦でさえ撃沈はほぼ確定といっても良いぐらいの本数である
磯子大佐は通信機に駆け寄り、マイクを取った
磯子大佐「『伊−904』、応答せよ!」
しかし、応答は無い
磯子大佐「『伊−904』、応答せよ、応答せよ!繰り返す、『伊−904』、応答せよ!」
水測長「『伊−904』、沈下していきます・・・」
栄少佐「畜生・・・」
その時、探信儀に映る「伊−904」の深度表示が、徐々に止まっていった
聴音手「『伊−904』の舵が動いているようです」
栄少佐「何っ!?」
数十秒後、何かが回りだす音がした
専門用語で言えば「キャピテーション・ノイズ」。スクリューが発する音だ
その後、「伊−904」艦長、笠原少佐から連絡があった
笠原少佐(車種:三式砲戦車)(通信)「こちら『伊−904』、舵、機関共に復帰。一応、動けるぞ」
栄少佐「無事だったのか」
笠原少佐(通信)「気づいてみれば艦内が穴だらけでな。急いで乗員を起こして修理させた次第だ」
栄少佐「怪我してても、自分の命には替えられんからなぁ・・・」
磯子大佐「・・・しかし、デヴォリアへつくことは困難だろうな・・・」
通信長「パレンバン基地から電文です。『セイロン沖に大日本帝国軍の大艦隊が出現、セイロン基地に展開する連合軍艦隊と交戦せり』。以上です」
笠原少佐(通信)「先ほど言いそびれたので連絡します。先ほどの攻撃によりスクリュー及び機関を損傷しました」
栄少佐「セイロンに敵艦隊が現れたのでは、『伊−904』の修理もままならない。一旦、ルナツーに退避しましょう」
磯子大佐「うむ、そのほうがいいだろうな。通信長、すぐにチョロンネル中佐に打電してくれ」
通信長「了解!」
「伊−901」以下四隻は、針路を変更、ルナツー基地へと向かった・・・

キュワール連合軍、ルナツー基地。こちらも元々は補給基地だったところだが、幾度か前線基地として用いられたことから、かなりの発展を見せている
基地司令官もたびたび交代し、現在は開戦前から指揮を執っていたチョロンネル中佐が基地に戻っている
通信長「司令、日戦軍団の輸送潜宙艦隊から入電です。『こちら「伊−901」、僚艦が魚雷十四発を受け機関損傷、デヴォリアへの航行は困難と見なし、ルナツーへと寄港する』。以上です」
チョロンネル中佐「了解、すぐに受け入れ準備をする。それと、プロトン合衆国第三駆逐艦隊から、駆逐艦三隻を出迎えとして出すように、頼む」
駆逐艦隊司令、ベスレヘム大佐が応答する
ベスレヘム大佐「了解!」
チョロンネル中佐「戦闘宙域への航行は、メサイア戦以来だったか?」
ベスレヘム大佐「確かそうだったと思うな。何度も再編されてきたが、久々の出港だ。まあ、出迎えだけどな」
ベスレヘム大佐指揮の下、駆逐艦三隻が「伊−901」以下四隻の出迎えへ向かった・・・

同時刻、セイロン基地
基地内部は慌しくなっていた
飛行場からは無数の航空機が飛び立っていく
沖合いに展開する輸送空母に「着艦」するためだ
Qシュタイン連邦軍航空整備部の開発した「着脱式着艦フック」を装備した陸上機が、撤収のために飛び立っていく
その傍らでは兵士達が次々と輸送船に乗り込んでいた
Qタンク通信兵「司令!船が足りません!」
基地司令「止むを得ん。護衛艦艇にも乗せろ!」
Qタンク通信兵「了解!」
連合軍では初めての基地撤収作戦である

同時刻、セイロン基地沖合い
重巡「サレックス」以下第十五巡洋艦隊及び、軽巡「リアンダー」以下第二〇巡洋艦隊、駆逐艦「コンソルト」以下第十八駆逐艦隊、駆逐艦「コンダート」以下第一九駆逐艦隊といったQタンク王国艦隊は、重巡「ラージアル」以下Qレース第七巡洋艦隊、駆逐艦「春風」以下日戦軍団第一〇地方艦隊、軽巡「龍田」以下同第八地方艦隊と共に、セイロン基地撤収の「時間稼ぎ」を行っていた
第十五巡洋艦隊旗艦、「サレックス」。ライズドール大佐以下、艦橋要員は莫大な敵艦隊に呆然とした
戦艦八、高速戦艦四、軽空母二、重巡十二、軽巡八、駆逐艦三二の第一艦隊、戦艦二四、軽空母二、重巡二四、軽巡十六、駆逐艦四二の第二艦隊。この段階で、既に未曾有の大勢力だ
それだけではない。高速戦艦四、巡洋戦艦四、中型空母四、軽空母二、重巡三六、軽巡二〇、駆逐艦四〇の第三艦隊、戦艦二〇、空母六、中型空母四、重巡二四、軽巡十六、駆逐艦三〇の第四艦隊。傍目から見れば「哨戒基地に何故キュワール連合軍の艦艇全てを寄せ集めたほどの戦力を!?」とでも言いたいところだ
さらに、空母四、大型空母八、重巡十八、駆逐艦二六の第一航空艦隊までいる
これほどの大部隊を派遣しつつ、更に本土へも部隊を派遣するとは。大日本帝国は普通ではない
ライズドール大佐「・・・しかし、我々がここで踏み止まらなければ、多くの同胞が犠牲になる・・・」
艦長「両舷前進全速!」
第十五巡洋艦隊は、他のQタンク王国艦隊及びQレース民国艦隊と共に、敵第一艦隊へ接近した
測距手(通信)「距離、20000!」
艦橋員「敵艦、発砲しました!」
敵戦艦、十二隻が一斉に発砲した
光線、友軍艦を貫く
電探手「『シェブロン』、『シバルラス』中破!」
それでも、艦隊は止まることは無い
測距手(通信)「距離、15000!」
艦長「今だ!目標敵旗艦!」
ライズドール大佐「全艦、砲撃開始!」
巡洋艦三六隻が、一斉に火を噴く
全弾、直撃
電探手「・・・敵旗艦・・・損傷軽微の模様!」
艦長「損傷軽微!?」
ライズドール大佐「・・・電磁シールドか」
さすがは戦艦、三六隻の総攻撃を受けても、僅かに破片を撒き散らしながら突き進んでいる
敵艦隊は徐々に詰め寄ってくる
遂に敵巡洋艦も加わり、大規模な砲撃戦となった
敵第一艦隊とすれ違い、突破する
目前に、敵第二艦隊が近づく
艦橋員「敵艦隊、発砲を開始!」
友軍艦、敵艦のレーザーを受け、炎上、沈没する
だが、こちらも反撃する
艦橋員「敵巡洋艦、炎上!一隻・・・二隻撃沈!」
電探手「一隻大破!」
直後、レーザーが直撃した
艦橋に激震が走る
艦長、ようやく起き上がる
艦長「・・・被害報告!」
高射長(通信)「第五両用砲付近に命中!左舷両用砲は壊滅です!」
「サレックス」は炎上した
機関長(通信)「機関は異常ありません!至急撤退しましょう!」
ライズドール大佐「・・・輸送船団が当宙域を離脱するまでの辛抱だ」
通信長「司令!輸送船団から入電です!」
通信士「『宙域より退避完了、至急離脱せよ』、以上です!」
艦長「・・・助かったな。よし、面舵一杯、離脱する!」
ライズドール大佐「全艦に通達、至急当宙域を離脱されたし!」
キュワール連合軍は撤退した
被害は甚大であった
第七十二話 続く

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宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:00
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:03
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:04
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:05
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:07
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:07
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 ダークスピリッツ 2007/10/25 23:15
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/25 23:46
   宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/3 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/3 22:02
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 ダークスピリッツ 2008/2/4 20:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/4 20:58

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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