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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話
 松井一真  - 2007/10/24 23:07 -
  
クリーク軍登場。菱沼少佐にようやくキャラクターとしての個性が見えてきました

第七十一話 名将たちの旭日旗
だが、徐々にサーロイ基地に近づきつつあった
事実上の鎖国状態にあるクリークの領空に突入する。恐ろしい事態が起こる
下手をすれば重傷車もろともこの空域で散ることになる
その時、一機のGu−119を始め、数機の機体が友軍He−111に近づきつつあった
操縦桿を握るルドルフ曹長は、側面より迫る敵機を見た
ルドルフ曹長「これまでか・・・」
右側銃座射手「畜生!」
その時、敵機が爆発した
ルドルフ曹長「何ッ!?」
副操縦士「ど、どういうことだ?!」
右側銃座射手「所属不明の戦闘機を発見!」
戦闘機は、P−38のような形状で、胴体後部にプロペラがついていた
日戦軍団の「閃電」に良く似ていた
翼部には、イギリスの識別記号に酷似したマークが描かれていた
クリーク王国の機体だった
ルドルフ曹長「クリーク王国機!?」
副操縦士「中立国の癖に、何かといちゃもん付けて来やがるな・・・」
所属不明航空兵(通信)「双方、直ちに戦闘を中止せよ!当空域はクリーク王国の領空である!」
その通信を聞いたのか、ラファリエスの航空機が撤退していく

数機、クリークの戦闘機めがけて飛んでいく
しかし、一機を残して撃墜された。残る一機は包囲され降伏した
Bv238Cの機内は騒然となった
副操縦士「畜生!連中め、自分達の領域だからって好き勝手やりやがって!」
所属不明航空兵(通信)「こちらはクリーク王国空軍第110航空隊のグロウス少佐だ。サーロイ基地への着陸意図を問いたい」
副操縦士「ずいぶん偉そうな・・・」
ノイン上等兵「重傷車を搬送しています。至急手当てをお願いします!」
グロウス少佐は少し黙った。途中で通信が一時途絶えた
司令部と話をしているのだろう
しばらくすると、再び通信がつながった
グロウス少佐(車種:Strv.m/42)(通信)「時間と、諸君の行動に関して制限をつけるが、着陸を許可する、とのことだ」
ノイン上等兵「了解!」
通信は切られた
副操縦士「全く、同じキュワールのチョロQだってのに、ずいぶんと偉そうな物言いだな」
ノイン上等兵「仕方ないですよ、鎖国状態なんですから」
副操縦士「だいたいなぁ、キュワール連合が出来てるってのに今ごろ鎖国状態なんて、『キュワールの警察』が黙っちゃいねぇぜ」
ノイン上等兵(・・・確かに、鎖国しているクリークに、プロトン合衆国は何らかの調査団を送るのが普通だが・・・)
尾部銃座射手「分かりましたよ、大尉!」
副操縦士「何だ?」
尾部銃座射手「何とかバスターっての撃ってたじゃないですか、この前の戦闘で」
副操縦士「ああ、そういえば」
尾部銃座射手「合衆国はあれを警戒してるんですよ!」
副操縦士「・・・もしかしたら、そうかもしれんな・・・」
輸送機隊は、ゆっくりとサーロイ上空へ到達した
眼下には見慣れない施設もいくつか見える
無数の対空火器に紛れて、巨大なレーザー砲と思しきものもある
いずれにせよ、以前見たときとは相当形相が変わったものである
滑走路が見えた
グロウス少佐(通信)「あの滑走路へ着陸せよ、とのことだ」
ノイン上等兵「了解!」
副操縦士「・・・全く、なんでもかんでも指図しやがって・・・」
ノイン上等兵「通信、入ってるかもしれませんよ」
副操縦士「・・・そうだったな」
そして、着陸。機体は停止した

数日経ったらまた離陸が待っている。それまでの休息だ
ふと、飛行場を眺めると、駐機場にBv141の姿があった
ノイン上等兵「Bv141?クリークには無い機体・・・」
副操縦士「連中がとっ捕まえた機体だな。全く、何で帰さねぇんだ・・・」
副操縦士の大尉は、どうやらクリークに何らかの不信感を抱いているようだ
空軍重爆飛行隊の出である彼は、ノイン上等兵とは異なり飛行機の道を突き進み、大尉まで上り詰めている
六発機操縦免許を持つ数少ないパイロットとして重用されていたが、ノイン上等兵がBv238Cの操縦を敢行してから二番手に成り下がっていた
そういう不満が、クリークの鎖国体制にぶつけられていたのだろう

菱沼少佐も、ある意味それに似たものを感じた
というのも、Bv141の近くに、一〇〇式司令部偵察機の姿を見たからだ
菱沼少佐「・・・同僚の機体だ・・・」
日戦軍団の識別マークである日の丸が描かれた機体。明らかに日戦軍団の機体だ
菱沼少佐「・・・連中は・・・どうして何も言いに来なかったんだ・・・」
京城少佐「おお、菱沼!」
菱沼少佐「京城、これを見ろ・・・」
京城少佐「陸軍の一〇〇式司偵じゃないか・・・」
菱沼少佐「連中、管轄は違えど日戦軍団の隊員をとっ捕まえて、総司令官に報告もしなかったんだ・・・」
菱沼だって、松井元帥に届けられた通信の全てを知っているわけではない
しかし、今まで基地の奪回により捕虜が釈放された際には、他国の兵士であっても会報である「日戦軍団通信」に載っていた。しかし、数日前に行方不明になったこの一〇〇式司偵の搭乗員に関しては「クリークの戦闘機に撃墜された可能性有り」と書かれていた当日の記事以来、何も書かれていなかった
京城少佐「・・・そんなこと言っても、連中にだって何か事情があるはずだぜ」
菱沼少佐「日戦軍団もQシュタイン連邦も、クリークの中立宣言の際には、前線の基地からクリークのチョロQたちを率先して引き上げさせたじゃないか。それなのにこの仕打ちって変だぜ?」
京城少佐「・・・この基地には、何か秘密がありそうだ・・・とにかく、用意された部屋にでも行くぞ」
菱沼少佐「ああ、そうだな」
二両は話し終えると、用意された宿泊施設へと向かった・・・

「宿泊施設」と言っても、用意されたのは重傷車がいるベットが並べられた部屋と、航空機搭乗員達のいる大部屋の二部屋だけだ
副操縦士「・・・機長、何かこの基地、変わっちまったな・・・」
ノイン上等兵「・・・そうですね。前に入った時は歓迎してくれたんですが・・・」
副操縦士「開戦前だからじゃないか?」
ノイン上等兵「・・・平時でも戦時でも、キュワールのチョロQたちは一致団結すべきだ、ってここの士官が言ってたんですがねぇ・・・」
副操縦士「・・・総司令部の諜報主任のシュラムって知ってるか?」
ノイン上等兵「ああ、第三次キュワール大戦時に暗躍したって噂の・・・」
副操縦士「開戦前にドガスデンに寄った時に、ドガスデンにいた士官に聞いたんだ。第三次キュワール大戦が膠着状態のまま長引いたのは、シュラムの暗躍の影響だってよ・・・」
ノイン上等兵「諜報主任とここの基地と、何の関係があるんですか?」
副操縦士「・・・諜報主任といってもな、シュラムは部内に相当のシンパを持ってる。なにかこの基地に根回しでもしてたんじゃないのか?って俺は思ったんだ」
ノイン上等兵「大尉の思い過ごしだと思うんですがねぇ・・・」
副操縦士「陸軍の若造には分からんかもなぁ・・・」
ノイン上等兵「あいにく、自分が飛んだのは最近のことですからねぇ・・・」
二両は、異様なまでの警戒態勢と、諜報主任との因果関係に関して考えていた
それをよそに、京城少佐はふと考えた
京城少佐(He−111を救ったあの最新鋭戦闘機・・・基地の大型レーザー砲・・・)
最新鋭戦闘機は「閃電」に良く似ていた。追従していた機体も見かけこそP−40に似ていたが、性能はその数段上であった
確かクリークには何機か零戦を研究用として輸出したことがあったが・・・
京城少佐「・・・クリーク王国は生産能力こそたいしたことは無いが、技術力そのものは我が日戦軍団のそれと同等、いやそれ以上。侮れない相手だな・・・」
クリーク王国と交戦することは無いだろうが、あの空域でのことや、菱沼の言動があったため、どうもクリークはキュワールに反旗を翻すのではないかと思ってしまうのだ

同時刻、ベータ基地。「紀伊」で無線を受信した松井元帥は、ドニゲッテル少将に事を報告すべく臨時司令室にいた
松井元帥「パレンバンでの撤退は、成功したそうだ」
ドニゲッテル少将「そうでしたか・・・」
松井元帥「いずれ、あの基地に再び旭日旗を揚げさせて見せるさ」
ユゴス少佐「・・・しかし・・・」
松井元帥「・・・俺達は、遂に帰る場所を失ったぞ」
ユゴス少佐「・・・補給線が途絶えましたね」
松井元帥「後は敵さんの兵糧攻めだな・・・」
その時、通信兵が駆け込んできた
日戦軍団通信兵「司令!大変です!」
松井元帥「どうした?!」
日戦軍団通信兵「大日本帝国の大艦隊が、セイロンに向かっています!」
松井元帥「セイロン!?」
ドニゲッテル少将「何故セイロン基地を!?」
日戦軍団通信兵「分かりません・・・」
何故デヴォリアではなく、セイロンなのだろうか
デヴォリアのほうが戦略的要所であるにも関わらず・・・
しかし、セイロンが陥落するとキュワールは完全に孤立する。敗戦濃厚となった戦局だが、最後の最後まで戦わなければならない
運がよければ戦局を打開できるかもしれない
松井元帥「・・・伊原、直ちに幹部を集結させろ」
一緒に司令室に来ていた伊原航海長に、指示を出した
伊原少佐「待ってましたぁ!」
数分後、第一特務艦隊全幹部が集結した
松井元帥「・・・諸君に、おそらく第一特務艦隊最後となるであろう作戦を説明する・・・」
「紀伊」は、果たしてどうなるのか・・・

同時刻、セイロン沖
第一艦隊旗艦「近江」の艦内で、大日本帝国連合艦隊の司令長官である小澤大将が、自身満々に叫んだ
小澤大将「まもなく作戦を開始する!これより、キュワール連合軍の一大拠点であるセイロン基地へ、総攻撃を開始する!」
・・・そう、彼らは勘違いをしていたのだ
デヴォリアではなく、セイロンをキュワール連合軍の要塞だと確信していたのだ
戦局は、外惑星連合優位に戻っていた・・・
第七十一話 終わり

引用なし
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宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:00
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:03
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:04
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:05
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:07
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/24 23:07
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 ダークスピリッツ 2007/10/25 23:15
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十一話 松井一真 2007/10/25 23:46
   宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/3 22:01
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/3 22:02
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 ダークスピリッツ 2008/2/4 20:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十二話 松井一真 2008/2/4 20:58

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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