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航空戦。モチーフは怪獣映画です。
第九話 バーセックナール炎上
確かに、護衛機は飛んでいた
多数のP−40やP−38が、友軍機を護衛していた
しかし、対空砲火への機銃掃射時に、多数が撃墜されていた
すぐさま、援軍が送られることとなった
上陸作戦のときもこれぐらいの迅速な支援が出来たはずなのだが
いずれにせよ、今度とばかりは損害を避けられそうだ
バーセックナール司令部の周辺では、高射砲が爆撃機へ向けて一斉砲撃を開始している
ドドビガ大尉(車種:マーダーII)「こちら第三八五中隊第三小隊、こちら第三八五中隊第三小隊。第八四三航空隊、航空支援願います」
基地駐留部隊司令、ドドビガ大尉が飛行場に通信を開いている
バギルス中将(車種:チョールヌィ・オリョール)(通信)「この前引き上げてきたばっかりなんだがなぁ、仕方が無い、行ってやる。各員出撃準備!『あれ』を出せ!」
ドドビガ大尉「・・・『あれ』を出してくれるんですか?」
バギルス中将(通信)「国家の危機だと言うのに、出し渋るわけにはいかんだろう。出せる時に出す」
背後に怒声が聞こえる
準備を始めたようだ
バーセックナール近辺にある空軍基地の滑走路は、とてつもなく広い
中型旅客機が二機並んで飛び立てそうなぐらいだ
飛行場隊員A「弾薬チェック完了!」
将校「燃料は!?」
飛行場隊員B「満タンです!いつでもどうぞ!」
管制官「滑走路の機体は全部どかした!タキシング急げ!」
機長(通信)「了解、滑走路までタキシングする!」
轟音が響き渡る
バギルス中将「・・・頼んだぞ」
飛行場隊員A「・・・落とされなければ良いんですがね」
バギルス中将「P−40が何機来ようが、『あれ』に勝てるわけが無いだろう」
管制官「離陸を許可する!」
機長(通信)「了解、離陸する!」
轟音は徐々に大きくなり、それを発する機影は徐々に速度を上げていく
そして、轟音は再び小さくなっていく
管制官「よし、高度制限解除。生きて帰って来い」
バギルス中将「よし、戦闘機隊の離陸準備急げ!」
慌しくなる格納庫
チョロ〜ン空軍、第八四三航空隊の出撃準備だ
バーセックナール近辺、一機の偵察機が飛んでいた
偵察機通信士「ジェムズ、バーセックナール爆撃作戦はだいぶ難航しているらしいぞ」
偵察機操縦士「まさか航空隊が現れたのか?」
偵察機通信士「いや、高射砲が派手に撃ち上げているらしい。下手に機銃掃射して民家に突っ込んだ機体もいるそうだからな」
偵察機操縦士「無茶をする奴もいるんだな、陸軍にも」
偵察機通信士「・・・ん?」
通信士は、遠方に何かを見つけた
偵察機通信士「・・・あれは・・・飛行機雲か?」
飛行機雲のようにも見える。数は6つ。六機が並列して飛んでいたのだろうか
いや、その割には近い
偵察機通信士「おいっ、あの飛行機雲を追いかけるぞ!」
偵察機操縦士「分かった!」
偵察機は旋回、飛行機雲の方角へと向かう
偵察機通信士「こちらフルカワ、こちらフルカワ。正体不明の大型機を発見、これより追跡する!」
通信士はマイクを取り、母艦と通信を取る
通信は母艦「ペンシルヴァニア」に送られていた
通信士「ジェムズ機、ジェムズ機。判明次第機体を確認せよ」
偵察機通信士(通信)「了解、これより追跡を開始する」
通信長「・・・なんだろうな」
通信士「爆撃機でしょうかね?陸軍にも打っておきます?」
通信長「いや、奴らも気づいているはずだ」
偵察機通信士(通信)「大型機を目視しました、機種は不明、速力は約600km、バーセックナール方面へ向かって飛行中!」
通信士「バーセックナール?一体なぜ・・・」
通信長「陸上部隊の攻撃にでも向かうのだろうか?」
いずれにせよ、国籍はわからない。QQQQの超兵器かもしれないし、チョロ〜ンの最新鋭機かもしれない
飛行機雲は徐々に太くなっていく
そして、その先端に何かを見つけた
飛行機だ
見るからに大きい
すると、機影が旋回した
偵察機通信士「・・・突っ込んできます!とてつもなく大きな・・・」
機影から何かが突き出ている
間違いない、銃身だ
偵察機通信士「畜生!」
重々しい銃声と共に、通信は途絶えた
不意に響き渡る爆発音は、機体が撃墜された証拠であった
通信士「・・・ジェムズ機、応答せよ!・・・フルカワ!・・・フルカワ!」
通信長「・・・やられたか」
偵察機一機が、謎の機体に撃墜された
しかし、最後の通信を参考にすれば、巨大な機影が急旋回したのだ
それほどまでに鋭い機動を描く事ができる大型機が、いるのだろうか
第九話 続く
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