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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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Matsui
- 2017/1/15 21:36 -
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戦闘シーン加筆修正版です。
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
荒涼とした平原に建つ、一軒の小屋。
そこに詰めている数両の戦車。
荒川曹長(車種:九七式中戦車改)「敵はここに来る途中に出くわした連中だ。ヤツらもとんでもない猛者だぞ」
小屋の外を覗く荒川曹長が言う。
カンピオーニ一等兵(車種:L6/40軽戦車)「戦ったことがあるんですか?」
荷車を牽引するカンピオーニ一等兵が言う。
荒川曹長「前の隊にいたときに戦った連中だ。なかなか頭のキレるヤツでな、部隊長殿の隊はヤツらに叩き潰された」
彼らは独立第一混成小隊。リンケ部隊長以下、歴戦の猛者たちで編成されている。
荒川曹長「そのときに部隊長殿は敵にとっ捕まって、後送されてたところを俺たちが偶然助けたって訳だ」
彼を始め、部隊の構成員たちは壮絶な激戦をかろうじて生き延びたが、その際に戦死公報が出てしまったため原隊に復帰できず、同小隊への配属となった面々だ。
リンケ大尉(車種:III号戦車N型)「もういつの話か忘れたよ」
荒川曹長「あぁ確か・・・帝國軍がこの町まで進撃したときだったはずですぜ」
池上兵長(車種:八九式中戦車)「ならばざっと去年の秋ごろってところ、ですか」
荒川曹長「もう一年は経ってるわけか・・・早ぇもんだ」
遠方から土煙を上げて敵部隊が進んでくる。
カンピオーニ一等兵「敵部隊接近!」
こちらの戦闘能力を上回る強力なT−34中戦車。それも本部の主力部隊に在籍する重戦車の火力に匹敵する85mm砲搭載型まで含んだ部隊。
正面から戦って勝てる相手ではない。
うまくやり過ごして背後から脱出するか。
奇襲を仕掛けて強行突破するか。
すると敵の何両かが散開して偵察を開始した。
連邦軍将校「敵の警戒線はこの周辺だ!探せぇっ!」
どうやら敵の先遣隊のようだ。
荒川曹長「中戦車が見えるだけでざっと二十両・・・とんだ大物だな。さぁて部隊長殿、どうしますか?」
リンケ大尉「幡野、そっちはどうだ!?」
別働隊を率いる幡野伍長に聞く。
幡野伍長(車種:九七式中戦車)「こちら幡野!見える限りは全員乗った!いつでもどうぞ!」
彼らの受けた任務は、敵の大部隊が迫りつつある町へ突入し、反攻作戦計画に必要な機密文書の回収であった。
しかし町に取り残されている一般市民や守備隊を見捨てられないとして、急遽作戦内容を変更した。
町にある貨物ヤードに、強行軍で故障して放棄された機関車が一両残されていた。
この機関車を守備隊の有村大尉らが修理し、貨物ヤードに残されているありったけの貨車に一般市民と物資を載せ、機関車で牽引して避難させる。
彼らは避難完了までの時間稼ぎをも受け持つことになったのだ。
グランツ中尉(車種:III号突撃砲C型)「しかしこの作戦は少々無謀ではないでしょうか。我々の任務はこの機密文書の回収であり、一般市民の退去と駐留部隊の撤収の援護は含まれていません」
リンケ大尉「だが成功すれば、一般市民と友軍を助けて、おまけに機密文書も回収。勲章は割り増しだ」
グランツ中尉「しかしやられてしまっては、最大の目標である機密文書の回収は果たせなくなります」
この小隊で唯一の“真っ当な将校”がこのグランツ中尉だ。
元々は回収作戦を命じた司令部に属する将校だったのだが、作戦の補佐という名目で同行を志願したのだ。
一両でも戦力が増えるのはありがたいため同行を許可したのだが、どうやらこの作戦を利用して昇進を図っているらしい。
荒川曹長「中尉殿は作戦目的と勲章にこだわりすぎですよ。とにかく生き延びりゃ機密文書は持ち帰れるようになってる」
牽引用の荷車に載せられたコンテナには、問題の機密文書が入っている。誰かがこれを牽引して持ち帰れば作戦目的は達成できる。
幸いにもこの部隊には足の速いものが多い。それゆえの抜擢ともいえる。
敵部隊は徐々にこちらに近づいて来る。
連邦軍兵士A「隊長!不審な履帯跡が!」
連邦軍将校「何っ!?」
斥候のT−34/76・・・砲塔が大きな後期型がこちらに向かってくる。
それに続いていくつかのT−34/76が前進してくる。
池上兵長「よぉし、食いついた!」
荒川曹長「軍曹、俺が3つ数えたら撃て!」
グラツィアーニ軍曹(車種:M13/40)「了解!」
部隊一の射撃の名手であるグラツィアーニ軍曹が言う。
敵部隊は周囲を警戒しながら前進してくる。
しかしその進路上には先ほど敷設したグランドボムが大量に展開されている。
さらに部隊の側面に見える瓦礫の陰には爆薬が仕掛けられているのだ。
敵部隊がこちらに近づいてくる。
荒川曹長「よしっ、1・・・2・・・」
そろそろ向こうさんの有効射程だ。
荒川曹長「3っ!」
荒川曹長の合図とほぼ同時に、グラツィアーニ軍曹が発砲する。
砲弾は見事爆薬に直撃する。
爆発!
連邦軍兵士A「敵襲!」
連邦軍将校「前方の小屋だっ!撃てぇっ!」
敵もこちらに気付いたようだが、すでに部隊は小屋を飛び出していた。
荒川曹長「今だぁっ!撃ちまくれぇっ!」
カンピオーニ一等兵の機関銃が炸裂する。
あたりに敷設されたグランドボムが次々爆発し、敵部隊を覆う。
連邦軍将校「クソッ、地雷原だ!」
噴煙に紛れて、敵部隊を強行突破する。
ガリボルディ上等兵(車種:セモベンテM40)「よっしゃぁっ!まとめて吹っ飛ばすぞ!」
前面に固まっている六両のT−34に向かって発砲するガリボルディ上等兵。
砲弾は見事敵部隊の中央に着弾、衝撃で吹き飛ばされるT−34。
荒川曹長「どけぇっ!」
その隙間を縫って部隊は敵部隊を突破する。
大混乱に陥る敵部隊。
連邦軍将校「くそぉっ、やられた!各車反転!奴らを追えぇっ!」
指揮官のT−34/85が旋回する。
しかし前方に残っていたグランドボムを踏んでしまう。
グランドボムの連鎖起爆により、部隊の前方の瓦礫まで吹き飛ばされる。
連邦軍将校「・・・クソッ!各車散開!地雷に警戒しつつ奴らを追うんだ!」
包囲網を展開したはずだった連邦軍は、隙を突かれて突破されてしまった。
どこまで続くかわからない荒野。
その中を突き進む八両の戦車。
カンピオーニ一等兵「なんとか撒くことはできたみたいですね」
リンケ大尉「楽観はできんぞ。この先の丘あたりに斥候が待ち構えているかもしれん」
荒川曹長「あの部隊の指揮官だったらやってるかもしれないなぁ」
この辺りは荒涼とした荒野だが、この先の街道は小高い丘を切り崩したような地形になっている。
敵が待ち伏せているとしたらあのあたりか。
そのとき、部隊随一の古参兵である池上兵長が何かに気付いた。
池上兵長「曹長殿、少々お静かに」
荒川曹長「どうした!?」
池上兵長「妙な音がする・・・!」
だが辺り一面の荒野に敵の気配は無い。
荒川曹長「音・・・?」
何か金属音のような音が遠方から聞こえる。
しかし履帯の仰々しい摩擦音は聞こえない。
ということは戦車ではないということか。
カンピオーニ一等兵「装甲車じゃないですかね。だったら機関銃でもどうにか〜」
池上兵長「いや、これは装甲車の音じゃない・・・!」
丘の向こうから轟音がはっきりと聞こえ始める。
すると、丘の稜線を飛び越えて装甲車両が飛び出してきた。
池上兵長「BT(ベーテー)だっ!」
優れた機動性を誇る連邦軍の快速戦車だ。
カンピオーニ一等兵が機銃を掃射する。
機銃の射線に煽られるように退避するBT。
すかさず前進した池上兵長がBTの背後を捉える。
池上兵長「もらった!」
見事一両を仕留める。
急旋回して部隊の背後に回ろうとする別のBT。
しかしその横合いから荒川曹長と青木上等兵が突撃する。
青木上等兵(車種:九五式軽戦車)「曹長殿!」
荒川曹長「よっしゃぁっ!」
機動力に優れる青木上等兵がBTの前方に飛び出す。
あわてたBTが明後日の方向に発砲する。
その間に背後に回った荒川曹長がBTを撃破する。
それを見た残る一両のBTは反転、撤退を試みる。
しかしその前方にはリンケ大尉が立ちふさがる。
正面への直撃弾を受け、爆発するBT。
荒川曹長「・・・これで全部のようだな」
カンピオーニ一等兵「・・・いったい、どうなってるんですか?」
池上兵長「BTは履帯を取り外し、高速で移動することができる。“快速戦車”たる由縁だ」
荒川曹長「履帯の金属音も減るし、隠密行動にはもってこいだ。まさに伝家の宝刀ってぇ奴だな」
周囲を警戒しながら二両がいう。
池上兵長「曹長殿、気づかれているかもしれませんが・・・」
荒川曹長「ああ。指揮車がいなかったな」
基本的に敵の小隊長クラスは司令部との通信用の大型無線機を持っている。大型無線機を有するBTは砲塔に鉢巻アンテナがついているのが特徴だ。
しかし倒した三両のBTは、どれも大型無線機用のアンテナをつけていない。
どこかに指揮車がいて、こちらの気配を察して先遣隊を送り込んだという事か。
リンケ大尉「別動隊との合流を急がなければならんな」
有村隊の支援をしていた幡野伍長率いる別動隊も町を出発し、鉄道線沿いに進んでいる。
現時点で敵部隊と交戦したとの報告はないが、さっき撒いた部隊があちらに気付く可能性も考えられる。
荒川曹長「合流地点は予定通りで問題ないですね?」
リンケ大尉「ああ。この街道を突っ切って、一気に橋を突破する。そこで幡野たちと落ち合う」
荒川曹長「それじゃ・・・いっちょ飛ばしますか!」
急加速し、前進する小隊。
目指す橋まではまだ距離がある。それまでにさっきの大部隊に見つからなければよいのだが。
続く
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