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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ Matsui 2016/8/9 23:48

   Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版 Matsui 2017/1/15 21:37
   Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版 Matsui 2017/1/15 21:38


Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版
 Matsui  - 2017/1/15 21:37 -
  
漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ

ほぼ同時刻、先の荒野から離れた鉄道線沿い。
砲声がこだまし、付近に砲煙が上がる。
幡野伍長「各車散開!」
先頭を往く別動隊指揮官・幡野伍長は付近のくぼ地に身を隠す。
カラブリア上等兵(車種:P40重戦車)「やっぱりこっちのほうが多そうですね」
別動隊随一の勇猛さを誇るカラブリア上等兵が言う。
幡野伍長「まあ汽車出してるってのはバレてるからな。しょうがねぇ」
敵は前方の丘を駆け下りてくる。
こちらが布陣するくぼ地は鉄道線を含めて切通しになっており、丘の左右を迂回すれば回り込まれる可能性がある。
部隊に所属するII号戦車F型が敵部隊へと機関銃を掃射する。
それに続いて部隊最大火力を誇るミューラー一等兵が発砲する。
ミューラー一等兵(車種:II号自走砲バイソン)「弾着まで5、4―――弾着、今ぁっ!」
着弾!
前進してきていた数両のT−34/76が吹き飛ぶ。
しかしそれを迂回して2両のT−34が別動隊に迫る。
その前方に立ちふさがる幡野伍長とカラブリア上等兵。
連邦軍兵士B「なにっ!?」
砲撃。爆発するT−34。
カラブリア上等兵「しっかし、こっちの攻撃は至近距離じゃなきゃ効かないって反則っすよね」
幡野伍長「まぁ、そう言うな。・・・ウェッセルス!」
2両に続いていた自走砲のウェッセルス一等兵が反応する。
急旋回し背後へ榴弾砲を放つウェッセルス一等兵。
付近の岩壁を飛び越えて着弾する砲弾。
吹き飛ばされるT−34の姿が見えた。
カラブリア上等兵「・・・すげぇ」
ウェッセルス一等兵(車種:ヴェスペ)「この連中は本隊を襲った奴らでしょうかね」
幡野伍長「だろうな。お互い足止め狙いってとこだな」
ミューラー一等兵が再び発砲する。
弾着とともに噴煙が上がる。
ミューラー一等兵「前方の敵部隊を一掃しました!」
幡野伍長「よぉし、後の火消しは有村隊に任せる!前進!」

先遣部隊からの報告を聞いた連邦軍の幕僚陣は、予想外の事態に困惑した。
参謀「あれほどの大部隊を、出し抜いたというのか?!」
ジレンコフ将軍(車種:KV−1)「・・・あいつらしいやり方だな」
参謀「いったい奴らは何者なんです?」
ジレンコフ将軍「帝國軍のはぐれ者だよ。戦死公報が出たのにひょっこり帰ってきちまった連中だ。なかなか死なないってんで最前線を転々としちゃいるが、一両たりともくたばる様子はない」
ジレンコフ将軍にとっても因縁の相手だ。リンケ大尉の原隊を壊滅させた際、大尉を後送させていた部隊を急襲、撃滅したのが彼らだった。
ジレンコフ将軍「また味方を助けに来たってところか。面白いことをするじゃないか」
参謀「しかし機密文書を手に入れるという我々の任務が達成できなくなります」
ジレンコフ将軍「その通りだ。なんとしてでも奴らを出し抜かなければならない」
そう言ってジレンコフ将軍は地図を眺めた。
ジレンコフ将軍「・・・ここだな」
将軍が指したのは、渓谷にかかる橋梁であった。

小高い丘に囲まれたこの橋梁は、帝國軍の勢力圏と連邦軍の勢力圏の境目にある。
丘から見下ろせば街道への砲撃は可能だが、橋梁自体は自走砲での砲撃でも破壊は困難だ。
橋梁の前後には帝國軍がかつて作った監視小屋があり、単線の線路と二車線分の道路が橋梁上に敷かれている。
この辺りでは典型的な併用橋だ。
橋梁を見下ろす丘には、リンケ大尉たち八両がたどり着いていた。
しかし彼らの視線の先には、案の定敵部隊の姿があった。
荒川曹長「・・・やっぱりね」
リンケ大尉「まだ友軍の列車はここを通っていない。何とかしてあの敵部隊を撃滅するしかないか」
しかし橋の周辺を警戒する戦車はT−34が見えるだけでも五〜六両。他にもいくつか控えているはずだ。
荒川曹長「・・・ずいぶん多いな。やっぱりさっきの斥候で感づいたか」
グランツ中尉「しかしもたもたしているとさっきの部隊に追い付かれる。強行突破するしかない」
リンケ大尉「落ち着け。ここで突撃するのは無謀というほかない」
すると、街道をトラックの一団が走ってきた。
先導するのはI号戦車だが、帝國軍の所属ではなさそうだ。
荒川曹長「おぉっ、ゲリラ隊か」
長らく激戦が続くこの大陸では、壊滅した小村の自警団などがゲリラ部隊となって活動している。
一部はどちらかの勢力に肩入れして“民兵”に昇格したりもするが、大半が山賊まがいのことをやっている輩ばかりだ。
有村隊が列車の直援に当たっているのも、そうしたゲリラに対応するためだ。
監視小屋からT−34とSU−85が出てくる。あの監視小屋は相当前に放棄されたはずだが、どうやら連邦軍が接収したらしい。
荒川曹長「よぉし、軍曹、カンピョウ。ゲリラたちに続いて橋を渡れ」
グラツィアーニ軍曹「了解!」
カンピオーニ一等兵「了解しました!」
二両が丘を駆け下りて街道へと走り出す。
グランツ中尉「・・・機密文書を護衛一両でどうするんです?」
荒川曹長「一両じゃない。ゲリラたちが守ってくれるさ」
グランツ中尉「では我々は?」
荒川曹長「慌てなさんな。軍曹の射撃技術をさっき見たでしょう?」
ゲリラ隊に続いて二両が橋を渡っていく。
グラツィアーニ軍曹「いやぁどうも」
衛兵A「今日はずいぶん荷物が多いな。どうした?」
カンピオーニ一等兵「帝國軍が撤退するってんでね。町の中に何か残ってないか漁ってたんですが、すっかりで」
グラツィアーニ軍曹は周囲を警戒する。
衛兵A「そうか。通れ」
衛兵のT−34の脇をすり抜けて、二両が通っていく。
すると、突然もう一両の衛兵が振り向いた。
衛兵B「待て」
カンピオーニ一等兵「はい?」
衛兵B「その荷車の中身は何だ?」
気づかれたか。
グラツィアーニ軍曹「いやぁ、妨害工作用の爆薬ですよ」
衛兵B「物資はさっきのトラックの分で全てじゃなかったのか」
衛兵A「追加のぶんってやつじゃないのか?」
衛兵B「いや、帝國軍の撤退を知っているあたりが怪しい」
グラツィアーニ軍曹「それなら一度開けて調べてみましょうか?」
そういってグラツィアーニ軍曹は荷車を開け始めた。
そのとき、どこからか砲声が轟いた。
衛兵A「なんだっ!?」
グラツィアーニ軍曹「走れっ!」
二両が急加速して走り出す。
衛兵B「あっ、逃げたぞ!」
衛兵A「敵襲!」
T−34が続々と現れる。
ゲリラ隊のI号戦車たちも次第に周囲を警戒し始める。
ゲリラ兵A「帝國軍かっ!?」
ゲリラ兵B「さっさとズラかるぞ!おいっ、最後尾!遅れるな!」
カンピオーニ一等兵「はいっ!」
ゲリラ隊の隊列に続いて脱出する二両。

砲撃をしたのはグランツ中尉だった。
二両、というよりは機密文書の危機に焦って発砲してしまったのだ。
リンケ大尉「なにやってんだ中尉!敵に気付かれたぞ!」
グランツ中尉「しかし、こうしなければ・・・!」
敵兵が周囲を警戒している。
衛兵B「砲撃はあの丘からだ!」
リンケ大尉「移動するぞ!」
八両が移動を開始する。
しかし街道上にはすでに多数のT−34が展開していた。
荒川曹長「中尉殿!落とし前つけちゃってください!」
グランツ中尉「くそぉっ!」
グランツ中尉とガリボルディ上等兵が発砲する。
前方に固まった三両のT−34を吹き飛ばす。
荒川曹長「突撃ぃっ!」
続いて荒川曹長と青木上等兵が突撃する。
前方に立ちふさがったもう一両のT−34が吹き飛ばされる。
池上兵長とリンケ大尉は監視小屋へと突撃する。
立ちふさがるSU−85を吹き飛ばし、小屋の真横に停車するリンケ大尉。
池上兵長は周囲の警戒に当たる。
池上兵長「こっち側の敵は一掃したようですね」
リンケ大尉「ということはあとは向こうからくる奴らか。渡った二両の援護もしないといけないな」

ゲリラ隊とともに渡り切った二両は、そのゲリラ隊に匿われていた。
物陰に隠れたゲリラ隊と二両は取引をすることになった。
ゲリラ兵A「どうもお前たちはワケアリのようだな。連邦軍に追われてるってことは・・・やはり帝國軍か?」
グラツィアーニ軍曹「そうだと答えたら?」
ゲリラ兵A「・・・我々はどっちの味方にもつかん。つまり・・・」
グラツィアーニ軍曹「・・・報酬は、向こう岸の隊長殿に談判するぜ」
ゲリラ兵A「・・・よぉし乗った!」
ゲリラ兵B「おっ、おい、いいのか!?」
ゲリラ兵A「あっちの連邦軍十両をあっさり片付けちまった隊長さんだ!乗らねぇでどうするってんだ!」
そういって二両のI号戦車が居残った。
グラツィアーニ軍曹「俺たちの任務はこれからやってくる帝國軍の列車が橋を突破するまで、ここを死守することだ」
ゲリラ兵A「そりゃいい。報酬はその列車に乗ってる物資の一部でどうだ?」
グラツィアーニ軍曹「よし、確約はできないがそこからにしよう」
カンピオーニ一等兵「いいんですか?そんなこと勝手に決めちゃって」
グラツィアーニ軍曹「俺たちがいちいち上にお伺い立てて判断したことがあったか?」
やがて敵の援軍が橋を渡り始めた。
グラツィアーニ軍曹「よしっ、今だっ!」
三両が一斉に機関銃を掃射する。
機銃弾を受けたT−34が慌てふためいたように反転する。
すると対岸から自走砲の砲撃が加わる。
連邦軍兵士C「軽戦車にかまうなぁっ!前方の本隊を攻撃!」
何両かのT−34が前進していく。
そこにすかさずリンケ大尉の砲撃が炸裂する。
すっかり旧式化したリンケ大尉の短砲身75mm砲でも、中距離での火力は抜群であった。
しかし敵軍は次々と押し寄せてくる。
荒川曹長「予想以上の数だな。こりゃ追っ手に追い付かれるかもしれん」
グランツ中尉「もし追いつかれたらどうするんだ?!」
池上兵長「そのときは・・・お手上げだな」
またも向こう岸から敵軍が現れる。
先頭には強力な自走砲・SU−122の姿がある。
荒川曹長「チッ、向こうの自走砲のほうがでけぇや」
リンケ大尉「でかいのは火力だけ、装甲はT−34とどっこいどっこいだ!」
SU−122の主砲が咆哮する。
リンケ大尉「退避っ!」
一同が小屋の陰から退避する。
直後、小屋が大爆発を起こす。
リンケ大尉「今だっ!」
ガリボルディ上等兵「喰らえっ!」
噴煙に紛れてガリボルディ上等兵が発砲する。
グランツ中尉「こうなりゃ意地だぁっ!」
グランツ中尉も次いで発砲する。
砲撃を受けたSU−122が吹き飛ばされ、橋から転落する。
荒川曹長「よぉし!このまま一気に突破するぞ!」
おそらく敵の追っ手もこちらに迫っている。幡野隊と有村隊が見えないのが気にかかるが、急いで突破するしかない。
荒川曹長「急ぐぞ!兵長、青木!」
池上兵長「了解!」
青木上等兵「待ってましたぁっ!」
三両が一斉に突撃する。
リンケ大尉「続けぇっ!」
リンケ大尉と自走砲二両も続く。
しかし橋の中間点に達したところで敵の砲声がとどろいた。
青木上等兵「追っ手が追い付いてきました!」
リンケ大尉「各車散開!なるべく散らばれぇ!」
車両二車線分に単線の線路が併設された橋梁は、多少余裕があるとはいえ狭い。
そうなるとやや広めの横隊を組んで前進してきた敵の追っ手は対処に時間がかかる。
そして岸から発砲した敵T−34の砲撃は、見事に前方を抑えようとした敵T−34に直撃した。
その隙を突いて突破する六両。
さらに側面からは軽戦車部隊が掩護射撃を行う。
グラツィアーニ軍曹「撃て撃てぇっ!」
その三両の側面から、橋を回り込んできた敵のBT−5が迫る。
すかさず急旋回し、一両をしとめるグラツィアーニ軍曹。
ゲリラ兵A「やるなぁ!」
もう一両のゲリラ兵が旋回し機関銃を撃つ。
残った二両のBT−5がそれにあおられて川岸を転落していく。
大混乱となる橋梁に、さらなる猛攻が待ち受けていた。
追撃部隊の後方に、続々と着弾する榴弾。
青木上等兵「おぉっ、ついに追いつきやがったか!」

続く
引用なし
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Re:短編小説 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ 改訂版
 Matsui  - 2017/1/15 21:38 -
  
ことのほか追加シーンが思いつかなかった。

漫画用書下ろし短編 ヤサグレ戦車隊吶喊せよ
ゲリラ部隊との交戦を経て、ついに橋までたどり着いた幡野隊は、橋の周辺に展開する敵部隊に対し榴弾砲での遠距離攻撃を開始した。
橋の上での本隊の攻防戦に集中していた敵部隊は、後方よりさらなる援軍が近づいていることに全く気付いていなかった。
ミューラー一等兵「第二射、用意よし!」
幡野伍長「てぇーっ!」
部隊最大級の15cm砲を有するミューラー一等兵は、橋の周辺に展開する敵部隊に砲撃を行う。
砲弾が着弾し、敵のT−34が吹き飛ぶ。
ウェッセルス一等兵「喰らえっ!」
続いてウェッセルス一等兵が砲撃を行う。
自走砲四両を含めた二二両で構成された幡野隊は、見事に本隊の橋梁突破を援護した。
幡野伍長「よぉし、突撃ぃっ!」
続いて幡野伍長らが一斉に丘を駆け下り、敵中へと飛び込んでいく。
カラブリア上等兵「俺に続けぇっ!」
カラブリア上等兵が先陣を務める。
体勢を立て直そうとする敵部隊は、幡野隊の前方に立ちふさがる。
しかし先陣を務める二両が立ちふさがる敵T−34を吹き飛ばし、橋梁へと突入する。
幡野伍長「自走砲部隊は対岸から砲撃支援!残りは橋の中間点で敵を食い止める!行くぞ!」
橋の上にいる敵部隊を攻撃しつつ、幡野伍長が言う。
幡野伍長とカラブリア上等兵を追い越していく部隊各車両。
続いて対岸へと渡り切った本隊も行動を開始した。
リンケ大尉「自走砲部隊を掩護する!回り込んできた敵部隊を叩けぇっ!」
監視小屋の陰まで飛び出し、迂回してきた敵別動隊を攻撃する。
それと同時にさらに別の部隊が橋へと飛び込んできた。
友軍列車の直援を務める有村隊である。
有村大尉(車種:特二式内火艇)「待たせたな!真打登場だ!」
大混乱となった敵部隊に、今度は有村大尉率いる六両が一斉に飛び込む。
連邦軍将校「くそっ、次から次へと、なんて奴らだっ!」
幡野隊に続くように一斉に突破する有村隊。
ようやく体勢を立て直し、有村隊と幡野隊を追う追撃部隊。
その側面を、避難する一般市民を乗せた列車が走り抜けていく。
有村大尉「よぉ、ご苦労!」
橋の中間点に停車し、幡野隊とともに敵部隊を迎撃する有村隊。
先頭を行く敵T−34が吹き飛ばされる。
それを避けるように前進してくる別のT−34。
そこにカラブリア上等兵の砲撃が直撃する。
そして列車が橋梁を突破したのを確認し、有村隊と幡野隊は橋梁を突破した。
榴弾砲部隊はなおも対岸を砲撃し、敵部隊をけん制する。
連邦軍将校「一時後退!本隊の合流を待てぇっ!」
ようやく追撃部隊は撤退。橋に静寂が戻った。

本隊はなおも反対側から迫りくる敵部隊を迎撃すべく待ち受けていたが、周囲に敵影は見当たらない。
どうやらこれで打ち止めのようだ。
荒川曹長「ふぅ、終わりか」
リンケ大尉「敵さん、ずいぶん大量に攻め込んできたもんだな」
カンピオーニ一等兵「まだ対岸にいっぱいいますけどね」
対岸の追っ手たち―――別部隊と合流したらしくまだ一〇数両が確認できる―――はこちらを攻撃してくる気配はない。
すると彼らの背後から轟音が鳴り響く。
また敵の援軍か。
先頭を行くのは重戦車のKV−1。
見慣れた奴だ。
リンケ大尉「ほぉ、いよいよ将軍さんのお出ましか」
この橋で部隊を待ち受けていた連邦軍の総司令官・ジレンコフ将軍だ。
ジレンコフ将軍「よぉ、久しぶりだな」
リンケ大尉「これでチェックメイト、ってとこですかね」
ジレンコフ将軍「まあそんなところだな。あの列車を逃がすためとはいえ、機密文書を持ったまま居残るとは、らしくない失策だったな」
荒川曹長「あれほどの戦力を機密文書の奪取のためにねぇ・・・」
これまで倒しただけでも斥候が三両、橋の見張りが一四両、対岸から回り込んできたのが自走砲一両含めて二〇両ほど。追っ手の部隊の倍以上はいる。
リンケ大尉は線路のほうを向いて返す。
リンケ大尉「だったらお前さんの負けだな。我々が持ってるのは偽物。そして本物は・・・あの列車の中だ」
ジレンコフ将軍「なにっ・・・!?」
荒川曹長「この先は、まだまだ我々の勢力圏ですからねぇ。そろそろうちの本隊さんがあの列車の護衛に向かってる頃でしょう」
またしてやられたか、ジレンコフ将軍は思った。
リンケ大尉「さて、我々については好きにしてください」
荒川曹長「もう一戦、今度こそ決着でも付けますか?」
ジレンコフ将軍「・・・各車両・・・空に向かって撃てぇっ!」
その合図を受け、周辺のSU−85やT−34が空包を放つ。
ジレンコフ将軍「各車後退!敵の援軍が迫る前に、体勢を立て直す!」
そういって、ジレンコフ将軍は去っていった。
グランツ中尉「・・・一体、なんだったんだ・・・?」
荒川曹長「・・・相変わらず、粋な敵さんだ」
有村大尉「リンケ大尉、救援感謝します」
リンケ大尉「なぁに、礼は本部に戻ってからにしてくれ。あぁそれと、あの列車の物資についてはどうする?」
もともと救援のお礼に、町から持ち出した物資を頂くという算段だった。
有村大尉「・・・仕方がないな、最後尾の貨車二両分を融通しよう」
リンケ大尉「分かった・・・おい、そこのゲリラ」
グラツィアーニ軍曹らとともに部隊を援護してくれた二両のゲリラのほうへと振り向くリンケ大尉。
その時、二両のゲリラ兵がリンケ大尉の正体に気付いた。
ゲリラ兵A「あっ、アンタが噂の流れ者部隊長か!?」
リンケ大尉「なんだ、知ってたのか。よし、あの列車に積載されている補給物資のうち・・・貨車一両分を進呈しよう」
ゲリラ兵A「本当か!感謝する!」
グラツィアーニ軍曹「なぁに無理して残ってくれたお礼だ!なんだったらうちの民兵に入ってもいいんだぞ」
ゲリラ兵B「それはちょっと儲けが悪い!」
青木上等兵「チッ、つれねぇ奴だぜ」
そういって青木上等兵は笑った。
リンケ大尉「よぉし、全車両、このまま本部へと帰還する!前進!」
総勢三八両の部隊が、一斉に前進する。
ヤサグレ兵士たちの向かう先には、荒涼とした平原と青空が広がっていた。

終わり
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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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