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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話
 松井一真  - 2008/12/24 0:41 -
  
シルグノーム級との決戦。狂喜する幹部の面々を描写するのにある意味苦労しました。

第七十三話 燃ゆる艦隊
その凄まじい状況を、第一特務艦隊の面々は遠めに眺めていた
松井元帥「・・・あれが、Qタンクの新型機か・・・」
ティーガー元帥「あれなら、敵艦隊は航空隊だけで充分ですな」
松井元帥「Qタンク艦隊と合流したら、任務は終了だ。ある程度敵艦隊を叩きつつ、ルナツーに帰還する」
すると、前方に異様な空間のゆがみが発生した
松井元帥「・・・シルグノームか!?」
そして、そのゆがみが消えた後、十隻の艦が出現した
見張り員A「・・・新たな敵艦隊出現!」
ティーガー元帥「・・・やはり・・・」
十隻の艦隊の中心には、シルグノーム級戦艦の姿があった
松井元帥「主砲攻撃用意、目標は敵戦艦!」
各艦の砲塔が、シルグノーム級戦艦に向けられる
大嵐少佐「撃ち方始めぇ!」
「紀伊」以下全艦が、一斉に発砲する
無論、光学兵器が殆ど通用しないことは分かっている
だが、魚雷はあいにく撃ち尽くしていた。よもやシルグノームが現れるとは想定していなかったのだ
「震風」は現状においては命中精度が低く、その他誘導兵器は照準システムの改良のために一旦取り外していた
グリシネ軍の四隻の駆逐艦にはそれぞれ一斉射分ずつが残っていたが、装填中であった

ラファリエス軍南方第三艦隊、旗艦「シルヴァウス」
輸送船団の護衛任務を終えて、パレンバン沖まで亜空間航行を行っていた同部隊だが、眼前に突如内惑星軍の艦隊が現れたことに気づき、動揺した
既に磁気乱流は収まりつつある物の、突然出現した敵艦隊の前に、一瞬対応が出遅れた
そのため、「シルヴァウス」には数十発のレーザー攻撃が命中した
ファルス中将(南方第三艦隊司令。車種:パンターII型)「全艦、目標は敵戦艦。攻撃初め!」
全艦の砲塔が、敵旗艦へ向けられる
艦形から察するに、キュワール連合軍では最強クラスの戦闘技能を持つ日戦軍団の戦艦であろう
そして、全艦艇から砲撃が浴びせられた
だが、その大半は回避される
軽巡の放ったレーザーが命中するも、効果は薄いようだ
双方ともに、互角の戦いを続けていた
そのとき「シルヴァウス」の放ったレーザーが、敵旗艦に直撃した

艦は激しく動揺する
ティーガー元帥「被害報告!」
受話器に寄りかかりつつ、ティーガー元帥が叫ぶ
日戦軍団兵士(通信)「右舷高角砲、被弾!」
ティーガー元帥「消火急げ!」
右舷で煙が上がる
松井元帥は艦橋で直立している
松井元帥「・・・よし、『震風』を使う。発射用意!」
灰田大佐「司令、敵艦の機動力から考えれば・・・」
松井元帥「構わん。奴を沈められるのは『震風』しかない。ここは賭けだ」
ティーガー元帥「・・・『震風』発射用意!」
大嵐少佐「『震風』発射用意!」
艦橋後部の発射管が開く
管制員「発射用意、よし!」
大嵐少佐「撃ち方ぁ始めぇ!」
管制員が発射釦を押す
轟音とともに、「震風」が発射される
だが、敵戦艦は旋回し、かわす
続いて第二射。真っ直ぐ敵戦艦に向かっていく
しかし、土壇場で回避され、「震風」は敵戦艦の舷側を掠めて消えていった

そのとき、グリシネ第三巡洋艦隊旗艦「ライズナ」では、ようやく魚雷の装填作業が完了した
水雷長「魚雷、装填完了。いつでもやれます!」
小泉少佐(「ライズナ」艦長。車種:四式中戦車)「よし、全弾撃ち尽くすまでやる。目標は敵戦艦!」
厚木准将「目標敵旗艦、全艦ともに魚雷発射用意!」
魚雷発射管が旋回する
そして、敵シルグノーム級戦艦に向けられる
小泉少佐「てぇーっ!」
計十六本の魚雷が、放射状に発射される
そして、敵艦隊へと向かっていく

突如、「シルヴァウス」の見張り員が叫んだ
見張り員「敵艦より魚雷、多数!」
ファルス中将「面舵一杯!」
「シルヴァウス」が急旋回を開始する
引き連れていた軽巡洋艦「ホルクーム」に魚雷が命中、炎上する
続いて駆逐艦「ホイムブレル」、「コンボルブルス」に魚雷が命中する
見張り員「『ホルクーム』、『ホイムブレル』、『コンボルブルス』、被弾!本艦にも魚雷近づく!」
そして、「シルヴァウス」にも三本の魚雷が命中した

敵旗艦の艦尾が炎上したのは、そのときであった
見張り員A「・・・敵旗艦の艦尾に友軍艦の魚雷が命中!・・・機関が損傷した模様!」
速力が徐々に遅くなっていく
大嵐少佐「よし、第三射、撃ち方始め!」
響き渡る轟音
噴煙とともに、「震風」は速力の落ちた敵戦艦へと向かっていく
再び急旋回でかわそうとするが、間に合わない
そして、「震風」は敵戦艦の舷側に直撃した
大爆発を起こし、炎上する敵戦艦
そして、船体が真っ二つに折れた
残存する艦艇は、一斉に旋回していく
見張り員A「敵旗艦・・・沈没!敵艦隊は撤退を開始しました!」
その報告の直後、艦内は、歓声に包まれた
伊原少佐「やったぁ!シルグノームを沈めたぞぉ!」
歓声を上げる伊原少佐
大嵐少佐「ぃよっしゃぁぁーー!」
大声を張り上げて喜ぶ大嵐少佐
灰田大佐「これで連中も、でかい顔できないな。キュワール連合軍甘く見るなよ!」
撤退する敵めがけて叫ぶ灰田大佐
藤田上等兵「・・・通信長」
通信長「・・・どうした?」
藤田上等兵「連中が驚く顔が見られないのが、誠に残念ですな」
通信長「そうだな。奴さん今ごろ急いで司令部に『キュワール連合軍によって「不沈戦艦」が撃沈された』とでも報告しているんだろうな」
通信が使えなかったので、全く出番が無かった通信班の面々
だが、彼らも戦闘に参加した乗員である
藤田上等兵は戦闘経過の記録を握り締めていた
そしてその歓声の中でただ一両、沈黙を守る松井元帥
ティーガー元帥「・・・司令、こういうときぐらい喜びましょうや。『仇敵』を倒したんですから」
松井元帥「・・・そうだな。よし、諸君!我々はついに長きに渡る仇敵『シルグノーム級』を撃沈した!それも我が方は全艦健在だ!これは我がキュワール連合軍における大きな一歩だ!」
艦内無線の受話器を取り、松井元帥が叫ぶ
松井元帥「・・・さて、任務は完了した。これより本艦隊は、ルナツーに帰投する!」
全艦が、ルナツーへ向けて旋回する
磁気乱流も収まっていた
松井元帥「通信長、ようやく仕事だ。『ライズナ』に電文を送ってくれ。『本日の雷撃見事なり。不沈戦艦の撃沈も諸君のおかげだ』・・・以上」
通信長「・・・了解!」
日戦軍団第一特務艦隊を初めとするパレンバン奇襲部隊は、一隻も喪失することなく、敵艦隊の戦艦三、空母一、重巡五、軽巡一、駆逐艦十八を撃沈、その他多数の艦に損害を与えた
これはキュワール連合軍において初の快挙であった

同時刻、ベータ沖上空
Bv238Cを初めとするパレンバン航空隊残存勢力は、連合軍艦隊によるパレンバン奇襲作戦の功もあってか、敵に襲撃されること無くベータに近づいていた
左側機関銃手「・・・航空機、三機が近づく」
ノイン上等兵「敵機か?」
左側機関銃手「いえ、あれは・・・クリーク軍機です」
副操縦士「何だ?気でも変わったのか?」
グロウス少佐(通信)「・・・こちらクリーク軍第110航空隊。まもなく貴部隊はベータへと到着する。短い間だったが、久々の来客で楽しかった。我々はこれにて帰投する。これからの諸君の健闘を祈る」
三機の戦闘機は、通信を終えると反転、サーロイの方角へと戻っていった
副操縦士「・・・なんだか、よく分からん奴らだ」
ノイン上等兵「・・・あれが彼らなりの流儀ではないでしょうかね?」
パレンバン航空隊残存勢力は、ベータへと近づきつつあった
菱沼少佐(通信)「・・・そういえば、ベータにはお前の兄貴がいたよな」
京城少佐「ああ、『天城』艦載の搭乗員だ」
菱沼少佐(通信)「ライトウォーターからでもどりとは、総司令官も粋な真似をする」
京城少佐「どういうことだか分からんが、一つだけ言える。ルナツーに行った連中もその内ベータに集まる」
菱沼少佐(通信)「・・・ということは、決戦はベータか?」
京城少佐「・・・分からん。だが俺たちは、与えられた任務を尽くすだけだ」
飛行場へめがけて、航空隊は進む
受け入れの準備も、整いつつあった

同時刻、ロドリグ
司令官「本部隊の任務は、窮地に陥っているキュワール連合軍を、救出することである!」
ロドリグ軍の大規模艦隊が、キュワール方面に向けて進軍を開始
その任務は、キュワール連合軍の救援である・・・

ルナツー基地には、多数の艦艇が集結していた
松井元帥「・・・また出港に時間がかかりそうだな」
作業兵「まあ、それも歴戦の証でしょう」
沈没艦こそ無かったものの、多数の船が損傷を受けた
特に「紀伊」は右舷高角砲三基が大破、第一主砲塔が損傷を負っており、船体の各所にも損傷が多数見られた
勿論この程度の損害に抑えられたのは松井元帥を初めとする「紀伊」乗員の奮闘があってのことである
藤田上等兵「・・・平岡。俺は近いうちに、お前の仇を討てるかもしれない・・・」
埠頭には、普段どおりに藤田上等兵が直立していた
付近に停泊する艦艇は、修理する工具が上げる火花が輝いている
松井元帥「・・・また、ここだったか」
藤田上等兵「・・・司令!」
松井元帥「・・・デブリーフィングが待ってる。行くぞ」
藤田上等兵「はっ!」
そういうと、松井元帥は反転して司令部へと走り出した

友軍艦は一隻の沈没も無く、敵艦隊に大損害を与えた
その情報は、瞬く間にキュワール各国にもたらされた
だが、その陣容に関しては、「キュワール連合軍の精鋭艦隊」とされ、グリシネ海軍の参加については明言されなかった
しかし・・・
参謀A「全く、海軍の連中は何をやってるんだ!」
参謀B「パレンバンが占領されたというのに、今度は艦隊が独断行動だと!?」
空軍の参謀達が悪口を言いながら通路を通っていく
どこからか情報を傍受したのだ
今回の艦隊独断行動に関しては、海軍情報部に逐一情報が入っていた
会議室に陸海空の閣僚が次々と入っていく
そしてその扉の前に、海軍情報部将校、湊川少佐が立っていた
その後を、情報参謀、高沢少将が通る
高沢少将(車種:三式砲戦車)「・・・くれぐれも、無茶はするなよ」
湊川少佐(車種:特五式内火艇)「はっ!」
二両は扉を開けて、会議室に入った
これから始まる「戦い」は、グリシネの命運を左右することとなる
第七十三話 終わり

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宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:34
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:35
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:37
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:38
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:41
   宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/24 1:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき ダークスピリッツ 2008/12/25 0:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/25 0:57

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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