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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話
 松井一真  - 2008/12/24 0:35 -
  
松井元帥の回想。第七十二話執筆段階で考えていた物を改変。

第七十三話 燃ゆる艦隊
あれは、第五次キュワール大戦が終わった頃、日戦軍団が安定してきた時期だった
グリシネ国、空軍学校。グリシネ国王の「誉れ高き空軍」の施設
文字通りの「誉れ高き」時代から、受け継がれてきた施設、だった
俺は珍しくも、そこで行われた公開飛行訓練に呼ばれたのだ
相変わらずのジェット機の轟音。キュワール各国の、軍民問わず多数のチョロQが、「誉れ高き空軍」を取り戻そうとする若きパイロットたちの勇姿を見ていた
クーデター以来の戦友、ティーガー元帥も、そこにいた
ティーガー元帥「あっ、松井元帥!」
松井元帥「ティーガー元帥か、久しぶりだな。第五次キュワール大戦以来だったか?」
ティーガー元帥「確か、そうだと思いますよ」
あの戦いから数ヶ月、キュワールは平和を取り戻しつつあった
勿論、北方の地では内戦が勃発しつつあり、既に「次の大戦」の準備は整っていた
松井元帥「・・・なかなか、うまい飛び方だと思わんか?」
ティーガー元帥「地域紛争時の松井元帥には及びませんが、確かにうまい飛行ですね」
訓練の割には、ずいぶんと派手に飛んでいる
プロトンやニビリアの士官たちが、飛び回る多数のジェット機を眺めていた
同盟国のためか、彼らは時折、歓声を上げていた
もっとも、ロドスシルト少佐やビスカイト中将は、沈黙を守ったままだ
・・・まさか、あんなことがあるとは、誰も思わなかっただろう
松井元帥「・・・ロドスシルト少佐」
ロドスシルト少佐「松井元帥!」
機影を眺めていたロドスシルト少佐に、俺は話し掛けた
忠告をしておきたかったのだ
松井元帥「『あれ』と我々が、ライバル、いや、宿敵同士であることは、知っているな?」
ロドスシルト少佐「そういえば、そんな話も聞きましたね」
松井元帥「特に、今、上で飛行機を駆っている『ことになっている』参謀たちと、俺は仲が悪い」
ビスカイト中将「・・・『ことになっている』?」
松井元帥「確かに飛んではいるが、どうせ複座機の後部席にでもいるんだろ、ってことだ」
ビスカイト中将「・・・なるほど、そんなことを言うほど、仲が悪いということですな」
ロドスシルト少佐「それで、何故その話を我々に・・・」
松井元帥「忠告だよ。飛行機を見る時は、施設からなるべく離れたほうがいい」
ロドスシルト少佐「・・・どういうことですか?」
松井元帥「今に、分かるよ。・・・ボアン大尉は?」
ビスカイト中将「ああ、大尉なら格納庫に」
松井元帥「分かった、すぐに行く。・・・それと、手近なところにいるチョロQに、『施設から離れるように』と伝えておけ」
ビスカイト中将「・・・了解しました!」
・・・俺は、格納庫の壁面に、見慣れない黒い物体が置いてあったのを見た

ビスカイト中将の言ったとおり、ボアン大尉は、格納庫にいた
展示されている飛行機を見ていたのだ
なぜか、駐機しているのは旧式機ばかりであった
ボアン大尉「・・・松井元帥?」
松井元帥「皆に伝えておいてくれ。なるべく施設から離れろ、って」
ボアン大尉「・・・テロでも起こるんですか?」
松井元帥「似たようなもの、とだけ言っておこう。校舎のほうまで行って来るよ」
とにかく、早く向かわなければならない、と思った・・・

ロドスシルト少佐は、歓声を上げている士官に向かって言った
ロドスシルト少佐「大尉、あまり建物の近くで見ると危ないって、松井元帥が言ってたぞ」
副官「・・・司令、それはどういうことですか?」
ロドスシルト少佐「特に聞いてないから分からんが、自分の命に関わるかもしれんぞ」
副官「・・・了解。おい、お前ら!なるべく離れて見ろってよ!」
プロトン将校たち「どういうことだ!?あんなに上を飛んでいるんじゃ、近くでないと見えないだろ!」
副官「遠くから見ねぇと、自分の命に関わる!」
副官の大尉がいつに無く物騒な口調で叫ぶ
プロトン将校「そんな話あるわけないだろ!」
ビスカイト中将「とにかく、離れるんだ!」
ティーガー元帥が、駆けつけてきた
ティーガー元帥「あっ、ビスカイト中将!松井元帥が『グリシネ空軍が恐ろしい陰謀を実行に移そうとしている』って・・・」
ビスカイト中将「グリシネ空軍!?」
ティーガー元帥「とにかく、離れてください!」
中将を始め、多数の士官たちは、施設を離れた
しかし、話を聞かない者たちもいた
確かに、信じられない話だろう
・・・だが、それは本当だった
ビスカイト中将「・・・それで、松井元帥。一体どういうことですか?」
松井元帥「空軍は俺を抹殺しようとしている。この場でな・・・」
プロトン将校「・・・まさか、あの飛行機に爆弾が・・・」
直後、空軍学校の校舎が、轟音を立てた
ロドスシルト少佐「何だっ!?」
続いて、格納庫、滑走路、地上駐機していた戦闘機、爆撃機、それだけではない。施設のほとんど全てが、爆炎に包まれた
松井元帥「・・・やはり・・・」
ティーガー元帥「施設が、一瞬で・・・」
ボアン大尉「・・・爆弾テロ、でしょうか?」
松井元帥「・・・奴らは俺を狙って、大量の爆弾を敷地内に仕掛けておいたんだ。だが、俺はこの場にいる大勢のチョロQと共に生き延びた」
大勢の、といっても、公開飛行訓練にいたチョロQはもっといたはずだ。残りは、いまや炎に巻かれているだろう
もしくは、爆発した施設の瓦礫の下敷きにでもなったか・・・
それだけではない、飛んでいた飛行機から、容赦なき機銃掃射が襲い掛かった
大方、「テロリストの掃討」のつもりだろう
こちらにも、数機ほどやってきた
松井元帥「・・・どうやら、強行手段らしいな」
対空ミサイルを構え、撃った
飛来した数機、おそらく「対地攻撃訓練」のつもりだったのだろうが、それらの機体は、全機撃墜された
副官「・・・一体、何故ここまで大掛かりなことを・・・」
松井元帥「・・・全くだ。何故ここまでして、俺の抹殺を試みたか・・・」
それだけではなかった。確か空軍には事故対策に消防車が配備されていたはずだが、それらが一台も出動せず、民間の消防車が出動することになった
そのため、救助が遅れ、相当数のチョロQが犠牲になった
ただ訓練を見に来ただけの、軍民問わないチョロQたちや、「誉れ高き空軍」を目指していた若きパイロット達も・・・
空軍の恐るべき陰謀によって・・・

松井元帥「・・・奴らは、俺一両殺すためだけに、罪も無きチョロQを大量虐殺した。しかも、この翌日の報道と来たら、ほとんどデタラメが書いてあった。まともに書いたのは他国メディアと、我が『日戦軍団広報』だけだった」
厚木准将「・・・聞いたことがあります。反政府テロリストによる凶行である、などと書いてあったような・・・あの事件にそんな話が」
松井元帥「仕組まれたテロだったんだよ。しかも、目標を取り逃がした」
厚木准将「では、自分はこれで。・・・あっ、後々、そのテロに関する資料を下さい。クーデターの役に立てるんで」
厚木准将は部屋を出て行った
松井元帥「・・・やはり、『あの時』から変わらんか。『祖国』でもない国だがな」
グリシネ国は相変わらずだ。自身が離脱してから酷くなったとも聞くが・・・

同時刻、Qタンク王国第十五巡洋艦隊がデヴォリアを出港、第一特務艦隊の作戦支援のため、セイロン沖を迂回して航行している
電探手「現時点で、レーダーに敵艦艇の姿はありません」
ライズドール大佐「分かった。警戒を続けろ」
電探手「了解!」
迂回航路を取るため、日戦軍団艦隊よりも先に出港していた
ライズドール大佐「このまま、見つからなければいいがな」
参謀「おそらく、見つかることはないと思いますがね。敵さん、どうも重要基地の位置を間違えたらしい」
ライズドール大佐「だといいんだがね・・・」
旗艦「サレックス」以下八隻、順調に航行中である
これ以外にも、Qタンク王国軍第111航空隊が出撃準備を整えている
最新鋭爆撃機カリバーンと最新鋭戦闘機ホワールウィンドで編成された航空隊である
準備は万全。後は日戦軍団艦隊と合流するだけである
単調な、しかし油断が許されない航海が、続いた

ルナツー基地、軍港
出航の準備をするため、弾薬などの積み込みを行っている
松井元帥は、それを眺めていた
そこに、通信士として「紀伊」乗り組みとなった藤田上等兵がやってきた
藤田上等兵「・・・司令」
松井元帥「どうした?」
藤田上等兵「何故、自分を『紀伊』に配属したのですか?」
松井元帥「・・・この船にいる限りは、貴様は死なん。そう思ったからだ・・・艦内を見てくる」
そう言って松井元帥は、「紀伊」へと乗り込んでいった
藤田上等兵「・・・司令、やはり・・・」
藤田上等兵は、そこまで言いかけて止めた
これからの戦い、あのようなことがまだ続くかもしれない

クリーク王国軍、サーロイ基地
撤退命令が下ったため、燃料補給を終えた連合軍機は直ちに出発準備を整えていた
ノイン上等兵「・・・負傷車は、どうするのですか?」
クリーク将校「治療が終わり次第、改めて搬送させていただきます」
これまでのクリーク軍の行動には疑問があった。しかし、負傷車に対する医療体制や、基地内での対応に関しては満足の行くところであった。こちらに関しては信頼できそうだ
京城少佐「では・・・あそこに駐機してある連合軍機と、その搭乗員の方を返していただきたいものですが」
クリーク将校「・・・搭乗員の方は認めますが・・・」
京城少佐「・・・機体のほうは?」
クリーク将校「ダメなんですよ。理由は分からんのですが、司令からの指示で」
その後も粘ったが、やはりダメであった
やむなく、彼らは整備が終わった機体へと戻った
菱沼少佐「結局、連中について分かったことは、なんだか良く分からん武器を持ってることぐらいか」
京城少佐「搭乗員の解放は許可したが機体の受け渡しは認めないって、どういうことだろうな。連中の機体は少なくとも一〇〇式司偵やらBv141やらには勝ってるはずだろ」
菱沼少佐「確かにそうだよな。まあ、とりあえずはベータに戻って、総司令官殿にこれを伝えるまでだな」
そういうと、菱沼少佐は機体へと乗り込んだ
負傷車がいなくなった代わりに、連合軍機搭乗員が数両ほど乗り込んだBv238C
操縦席に、ノイン上等兵が座る
副操縦士「変な奴らだ。何で機体を返さないんだ」
彼らの目の前を、多数の連合軍機が離陸していく
ノイン上等兵「どれだけ粘ってもダメなんです。一体何があるんでしょうかね?」
副操縦士「やっぱり、他国の飛行機を参考に新型機を開発しているとか、そういうものだろうか?」
ノイン上等兵「しかし、あのP−38みたいな機体、エンジン配置が独特すぎますが」
副操縦士「日戦軍団が試験中の新型機が、ああいう形をしてるんだ。何か関係があるかもしれんぞ」
まだ基地配備には至っていないが、日戦軍団海軍の新型局地戦闘機「閃電」の形は、間違いなくクリーク軍の新型戦闘機にそっくりだ
一体、何の関係があるのだろうか
京城少佐に聞いてみたところ、良く分からないものの「閃電」はP−38を参考にしているらしいという
あの飛行場にP−38、あるいはその偵察型のF−4の姿は無かったが、もしかしたら本国にはあるかもしれない
副操縦士「その内、連中にもBv141みたいな変な形した奴が現れるだろうよ」
ノイン上等兵「あれは偵察限定の設計ですから、それはないと思いますがね。一〇〇式司偵の方がありえるような」
副操縦士「だから、そういう偵察機が配備されるかもしれないってことだよ」
雑談をしていると、滑走路上に機体の姿は無くなった
ノイン上等兵「さて、今度はこっちの番だ。エンジン始動!」
エンジンを始動させ、滑走路上へ移動する
続いて、加速。ゆっくりと操縦桿を引き起こし、離陸する
そして、上空を旋回していた友軍機と合流する
目指すは、ベータ基地だ
それから数分後、三機の戦闘機がサーロイを離陸していった
第七十三話 続く

引用なし
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宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:34
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:35
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:37
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:38
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:41
   宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/24 1:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき ダークスピリッツ 2008/12/25 0:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/25 0:57

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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