■BBS - Bulletin Board System
掲示

ホーム > BBS > チョロQ小説板

雑談板 チョロQ小説板  

どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
277 / 5244 ←次 | 前→


Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話
 松井一真  - 2008/12/24 0:37 -
  
出港。月面哨戒基地についても言及してます。

第七十三話 燃ゆる艦隊
翌日、ルナツー基地
全十二隻の艦艇が、出港準備を整えた
ライズドール大佐(通信)「こちら、第十五巡洋艦隊。現在位置は月面哨戒基地近郊、二五〇浬」
松井元帥「了解了解、これよりパレンバンへ向かって出港する」
作戦に参加する第十五巡洋艦隊の通信を受け、日戦軍団第一特務艦隊及びグリシネ国海軍第三巡洋艦隊独立部隊は、ルナツー基地を出港した
松井元帥「現時点をもって作戦を決行する。全艦出港せよ!」
作戦参加部隊が、出港を開始する
全艦が出港を完了させた後、戦艦「紀伊」を先頭に、十二隻の艦艇が単従陣を組む
そして、第十五巡洋艦隊との合流地点を目指し、航行を開始した

同時刻、月面哨戒基地近郊二五〇浬
Qシュタイン軍が建設した月面哨戒基地は、元々航空機専門の基地である
だが、戦局の悪化に伴い、急遽港湾施設を建設、小規模ながらも宇宙艦隊の停泊地として機能するようになっている
その基地の近郊に、第十五巡洋艦隊が停泊していた
対潜警戒のため、輪形陣を展開している
通信士「主力部隊、ただいま出港との報告です」
ライズドール大佐「一旦休憩だが、油断は出来んな」
勿論、戦闘配置は維持している
それから数分後、予定の時間が近づいた
ライズドール大佐「よし、再びパレンバンへ向けて航行を開始する。陣形を単従陣に変更せよ」
八隻の艦艇が、一斉に増速する
そして、単従陣を展開する
決戦の時は、近い

パレンバン近郊、ラファリエス皇国南方第一艦隊
旗艦はシクロール級巡洋戦艦「テルミール」。火力、速度重視の典型的な巡洋戦艦である
数分前から、同艦以下南方第一艦隊のレーダースクリーンに、異変が生じていた
通信士「第二艦隊応答していますか?第二艦隊?!」
司令官、ギュスター少将は、念のため第二艦隊に連絡を取ろうと思ったが、通信機さえも動かない
ギュスター少将(車種:パンターG型)「・・・一体どういうことなんだ?ジャミングか?」
航海長「いえ、これは・・・磁気乱流ですな。前にどこかで聞いたことがある。レーダースクリーンが真っ白に染まり、外部への通信が一切出来なくなる。稀に発生する現象です」
ギュスター少将「・・・仕方が無い。目視索敵に切り替えろ!いくら連合軍がやって来る可能性が薄いとはいえ、索敵ぐらいはしておかんとな」
とは言ったものの、連合軍がわざわざこのパレンバンの奪還に乗り出すことはしばらくないだろう
この第一艦隊指揮下にあるのは二十九隻だが、他に第二艦隊三十九隻。西方艦隊を含めればさらに多数の艦隊がいるのだ
連合軍には名将が多数いるといわれるが、技術面で劣っている艦艇で編成された部隊を、この大部隊へ差し向けることなどないだろう
が、彼らは気づいていなかった。連合軍の小規模艦隊が、こちらへ近づいていることを・・・

同時刻、日戦軍団第一特務艦隊
電探手「・・・おかしいなぁ・・・」
電探手がレーダースクリーンを眺めている
灰田大佐「・・・どうした?」
先任将校、灰田大佐が聞く
電探手「レーダーが変なんです。数分前から真っ白になってまして・・・」
灰田大佐「・・・ジャミングか?」
通信長「その筋がありそうですね。他艦との通信も不能になっています」
話を聞いていた航海長、伊原少佐が口を挟む
伊原少佐「・・・あるいは、磁気の異常が生じているのかもしれません。ジャミングの場合は意図的にそれを発生させるんですが、自然現象でもありうるそうです」
ティーガー元帥「いずれにしても、ジャミングのような現象が起こっているんだったら、敵さんはこっちの存在を掴むことは困難だな」
松井元帥「・・・戦場では運とかそういうものはあまり期待しないが、これは幸運だな。よし、このまま突っ切る」
そういうと、松井元帥は艦内電話機を取った
松井元帥「機関長、速力を巡航25ktから、33ktへ上げろ!」
機関長(通信)「了解!」
松井元帥「これを全艦に、発光信号にて通達せよ!」
艦橋脇の張り出しに乗員が駆け込み、探照灯のスイッチを入れる
そして、遮光スイッチを巧みに動かし、発光信号を発する
艦隊はパレンバンへと近づきつつある

輸送船というものは、とかく暇である
軍艦と比べると鈍足。武装も無く、非戦闘地域を突き進むのみ
兵隊たる天城としては、どこか釈然としなかった
怪我は治っているのに、どうしてパレンバンに残らなかったのか。若き曹長、田辺が戦死してから、そう考えるようになった
野末曹長「・・・天城?」
かつての戦友、野末だ。確か憲兵隊所属だったはずだが
天城大尉「・・・野末か。久しぶりだな」
野末曹長「見たところ元気そうじゃないか。パレンバンが壊滅状態になったというのに、外国の負傷兵運んでたから無傷ってのも、運がいいな」
天城大尉「運がいいとか言えねぇよ。この状況じゃぁな」
野末曹長「・・・どういう状況なんだよ?」
天城大尉「・・・俺の戦友、溝口の部下が死んだ」
野末曹長「溝口隊の奴が?!・・・一体、誰が?」
野末も陸軍所属だ。溝口隊の戦闘技能は陸軍随一であることは知っている
若手隊員を鍛え上げる精鋭。平時では教導隊を務めたこともあった
天城大尉「田辺だよ。隊の中では、若い方の・・・」
それを聞いた野末は、申し訳なさそうであった
野末曹長「・・・悪いな。とんでもねぇことを聞いちまった気がする」
それを見た天城は、改めて話を持ちかけた
天城大尉「なあ、野末。俺たちが殺した敵兵たちにだって身内がいる。敵兵に殺されるかもしれない俺たちにだって身内がいる。恐ろしい話じゃないか。お互いが身内を守るために殺しあってるなんでよ」
野末曹長「そして、そいつらにだって『戦友』はいる。家族だけじゃねぇ、前線で出会った仲間達のために、戦うんだ」
天城大尉「・・・たった一台のチョロQでも、そのつながりは恐ろしく大きい。それが一両でも欠けた日には・・・」
そこまで言って、天城は沈黙した
野末曹長「・・・もう何も言うな。分かってるんだ。俺も憲兵だ。戦時下における銃後の悲しみは恐ろしいほど分かる」
天城大尉「・・・すまねぇ、野末」
野末曹長「・・・この船、デヴォリアに向かってるそうだ。敵さんはセイロンを押さえたから、デヴォリアはしばらく安全だ。だが・・・いつ襲われるかは分からん」
天城大尉「・・・そのときは、一緒かもしれんな」
野末曹長「・・・何か暗いから、話変えようか?」
天城大尉「このご時世、明るい話があるというのか?」
野末曹長「いや・・・グリシネよりはマシだってことぐらいしか」
天城大尉「ああ、そうか・・・考えてみればまともな将校のもとで、まともに敵に撃たれて散ったのはマシかもしれんな」
野末曹長「・・・とにかく、俺たちは、これまで散った奴らの分も生きるんだ。それが・・・奴らへの報いだ」
輸送船は、ゆっくりとデヴォリアへと向かっていた・・・

数分後、パレンバン沖
艦橋付近にある防空指揮所には、いくつかの双眼鏡が並んでいる
現在、そこには多数の兵士が、双眼鏡越しに遠方を眺めている
目視索敵に切り替えたため、普段は使わない双眼鏡を使っているのだ
すると、右端に待機していた兵士が叫んだ
遠方の景色に、敵艦の姿が見えたからだ
見張り員A「右舷前方、国籍不明の敵駆逐艦接近!」
敵艦は、真っ直ぐこちらへ向かってくる
レーダースクリーンは、相変わらず白いままだ
報告を受けたティーガー元帥は直ちに指示を下した
ティーガー元帥「了解!砲撃準備急げぇ!」
直後、ティーガー元帥は言った
ティーガー元帥「以後、戦闘指揮は松井元帥に委任します」
松井元帥「了解。主砲攻撃用意、目標、前方の敵駆逐艦!」
大嵐少佐「測距、始めぇ!」
速距手(通信)「照準よし!」
射撃手(通信)「射撃準備、よし!」
上部砲塔及び右舷砲塔、計六基が旋回する
大嵐少佐「撃ち方、始めぇ!」
六基の砲塔が一斉に咆哮する
そして、一二発のレーザーが敵艦へ向かって行く
敵艦は突然の攻撃に慌てふためきつつも、必死に回避運動を取る
だが、九発が直撃。敵艦は爆発、炎上した
そのまま敵艦は惰性で動いた後に停止、再び大爆発を起こし沈没した
見張り員B「左舷前方、敵駆逐艦接近!・・・先の艦と同型です!」
松井元帥「主砲攻撃用意、目標、前方敵駆逐艦!」
上部砲塔と右舷砲塔が旋回、照準が定まる
大嵐少佐「撃ち方始めぇ!」
砲撃、見事命中
敵艦は炎上、直ちに大爆発を起こし、轟沈する
見張り員A「敵、主力艦隊、遠方より接近中!」
松井元帥「どうやら今度は本隊らしい。全艦、総員戦闘配置!」
再び発光信号が発せられる
全艦が戦闘配置に付き、改めて戦闘が開始された

同時刻、ラファリエス軍南方第一艦隊旗艦「テルミール」は混乱状態に陥っていた
見張り員「現在駆逐艦二隻が轟沈!敵艦隊が接近中との報告!」
艦長「何っ!?敵艦隊だと!?」
ギュスター少将「全艦に通達、総員戦闘配置!」
急いで見張り員が探照灯へと駆け寄る
そして、発光信号を送る
だが、直後に軽巡洋艦が火を噴いた
見張り員「『ランドロメド』、沈没!」
艦長「もうやられたのか!?」
見張り員「左舷前方、敵艦と思しき艦影!艦種は不明!」
なんと敵艦隊は全速で突入してきたのだ
通信もままならない状況。指揮系統は事実上寸断され、乱戦となった

個艦戦闘を余儀なくされているラファリエス艦隊とは異なり、日戦軍団艦隊は単従陣を維持していた
バラバラに繰り出される敵艦の砲撃をかわしつつ、各艦艇は砲撃を開始した
敵駆逐艦、レーザーが直撃し炎上する
敵軽巡の主砲塔にレーザーが直撃、大爆発を起こす
後方より随伴する駆逐艦「磯風」が、宇宙魚雷を発射する
魚雷は見事敵重巡に直撃、大爆発を起こす
その煙の影から駆逐艦が現れる
だが、外れた魚雷が直撃、爆発する
見張り員B「前方、敵戦艦一及び重巡二を捕捉。どうやら旗艦のようです」
すると、随伴していた敵重巡が増速、こちらに接近してきた
そして、砲撃を浴びせてきた
しかし、砲撃は当たらなかった
松井元帥「面舵一杯、敵艦と同航戦を取る!『鳥海』、『摩耶』、『白鳥』はそのまま随伴し砲撃戦へ移り、他の艦は別部隊を叩け!」
「紀伊」が右へ旋回、それを見た「鳥海」、「摩耶」、「白鳥」の三隻の巡洋艦が続いた
敵艦二隻もほぼ同時に旋回、同航戦となった
敵艦は砲撃を開始する
しかし、砲撃は一切当たらない
どうやら指揮系統が混乱しているようだ
第二射が来る
だが、各砲塔ごとにバラバラの射撃で、一定していない
斉射が困難らしい
錬度もそれほど優れていないようで、「紀伊」以下四隻は砲撃をことごとくかわしつづけた
そして、「紀伊」の放った砲撃が、重巡の艦橋に直撃した
艦橋が火を噴いて吹き飛ぶ
その爆風で甲板上の砲塔が次々と爆発する
さらに一発は機関に命中した
大爆発を起こし、炎上する敵重巡
見張り員B「敵重巡、大破!減速しています!」
ティーガー元帥「機関室が火を噴いたな。ありゃ、数分と持たんな」
「鳥海」、「摩耶」、「白鳥」の三隻が、敵重巡に砲撃を開始する
砲撃、ことごとく命中
見張り員B「敵重巡、大破航行不能!」
続いて「鳥海」が魚雷を発射した
舷側に魚雷が直撃、敵重巡は大爆発を起こした
残るは、敵の巡洋戦艦だ

僚艦二隻が、一瞬にして炎上、轟沈した
「テルミール」の閣僚達は愕然とした
参謀長「・・・そんな、馬鹿な・・・」
だが、ギュスター少将、未だ戦意旺盛。断固交戦するつもりだ
ギュスター少将「・・・大丈夫だ。本艦がある限り第一艦隊は不死身だ。ガロックを発射する!」
艦長「ガロック発射用意!」
副長「ガロック発射よぉ〜ぃ!」
VLS発射管が開く
艦長「発射!」
轟音を立てて、ガロックが発射された
第七十三話 続く

引用なし
パスワード
351 hits
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)@ntaich032065.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>

宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:34
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:35
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:37
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:38
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 松井一真 2008/12/24 0:41
   宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/24 1:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき ダークスピリッツ 2008/12/25 0:12
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十三話 あとがき 松井一真 2008/12/25 0:57

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
277 / 5244 ←次 | 前→
ページ:  |  記事番号:
49,067
(SS)C-BOARD v3.3.10 is Free.

んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


"Tamashii no Katamari" is created...