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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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平和な街並み。多分次回の冒頭あたりにでももう少し描写すると思います。
第十七話 ビットレイク
ビットレイクの市街地では、黙祷する市民と兵士たちの姿があった
あの日から、どれほどの年が経っただろうか
あの紛争で、この街は一度滅んだ
無慈悲なる大国の攻撃により、市民のほとんどが死んだ
以来、あの戦いがあった日に、街にいるほとんどの市民が広場で黙祷するのだという
パナールとブレダの姿も、そこにあった
押し黙った群集たちの間には、どんよりとした空気が立ち込めていた
その式典が終わった後、二両は街中へと進んでみた
キョウビーチャのように木造家屋が立ち並ぶような光景ではないが、風情のある街並みである
パナール上等兵「・・・今度、奴らがこの街に攻め込んできたら、どうする?」
ブレダ上等兵「・・・勿論、殲滅する。一両たりとも残らず、な」
既に彼らにとって、プロトン王国軍は憎むべき悪であった
ブレダ上等兵「奴らは一度・・・この街を焼いた。その理由・・・知ってるだろ?」
パナール上等兵「ああ。囮作戦だ」
わが軍をおびき寄せるための、囮。そのために、この街は焼かれた
指揮官のドグニア中佐は、責任を取るべくこの街・・・の跡地で戦ったという
焼け野原と化した街に攻め込んだプロトン軍に対し、最後の一兵になるまで戦い抜き、彼自身も自決しようとした
しかし、それを止めたのは上の判断だった
「優秀な指揮官を失うのは惜しい」、ただそれだけだった
「守るべき市民と部下を死なせておいて、おめおめ生き残る術があるか」と反論したが、聞き入れてくれるはずも無かったという
パナール上等兵「上もずいぶん冷たいもんだよなぁ。応援の一つでも遣してくれれば・・・」
ジョロンバ軍曹「おいそこ!何辛気臭くなってんだ!いくら漁業の街っつってもお前らまで塩っぽくなる必要ねぇぞ!」
そういって会話に割り込んできたのは、第692分隊のジョロンバ軍曹だ
分隊が壊滅したため、パナールとブレダは現在彼らと行動している
ブレダ上等兵「ジョロンバ軍曹!?」
ジョロンバ軍曹「俺たちもここに呼ばれた。やっぱり上は分かってるなぁ。前の轍は踏まないつもりだ。どうせその話だろ?」
さらっと割り込んでおいて、どうやら話の内容を掴んでいたらしい
確かに、二両が話しているのは援軍の話だ
ジョロンバ軍曹「そもそも前の大戦はなぁ、戦力を分散させすぎたんだ。連中が大軍で攻めてくるってことが分かってるのに、小さな町にまで部隊を置いて。そんなんだから将校拉致られるんだよ。それでさぁ、その拉致された将校の話なんだが、聞いてみないか?」
パナール上等兵「いえ・・・遠慮しておきます」
パナールは話の内容を大体知っていた。とても恐ろしい話だった
あらゆる走行装置を引っぺがされて、ガラクタのように扱われた、というのが話の要点だ
そもそも力技で攻めるプロトンが、わざわざ将校を拉致して尋問するということ自体が怪しいのだ。ストレスがたまって八つ当たりがしたかったに違いない。相手が相手だけにどうも怪しいが
ジョロンバ軍曹「そうか。じゃあしょうがねぇや。俺の隊に置かれてた胡散臭い装脚戦車の話でもするか。あのトップヘビーの・・・なんて名前だったっけなぁ?」
そう言って、ジョロンバ軍曹は唸っている
ブレダ上等兵「・・・それって、『パンサーホース』じゃないですか?」
ジョロンバ軍曹「そう、それだ!その水道みたいな名前のやつ。その装脚戦車がよぉ、足つきの癖にホバーっちゅうめんどくせぇやつなんだよ。その癖に25cm砲なんて海軍の巡洋艦に乗っけるぐらいでかい砲台乗っけちまったから、坂道登ったら強風に煽られて横転してはい、おしまい。なんて失敗作だ」
パナール上等兵「あれってそんなに酷かったんですか!?」
パナールは驚愕した。確か資料では「壮烈無比な火力を有するチョロ〜ン陸軍の超兵器」みたいな煽り文句が書かれていたはずだが
ジョロンバ軍曹「ああ、酷い代物だ。現場で使った俺が言うんだから間違いない。あれが役立つのなんて、せいぜい砂漠の上か平べったい草原くらいだろ。キョウビーチャは入り組んでるから無理あったんだよ」
さらに倒されてからというもの、プロトン軍に分解されて回収されたというのだから、なんとも悲惨である
その後の紛争で投入された装脚兵器は、パンサーホースの部品を参考にしたものだと言われている
ジョロンバ軍曹「あれならQシュタインのペテロだかヘドロだか言うやつのほうが優秀だな。まったく横転しなかったらしいし」
ブレダ上等兵「・・・『ヘテロ』じゃないですか?」
ジョロンバ軍曹「いちいちうるさいな。別にいいじゃねぇか名前なんて。どっちにしてもなぁ、うちの軍の巨大兵器で成功したのは、あの空中戦艦ぐらいだってことだ」
やはり頼りになるのは、あの空中戦艦だけのようだ
空軍の開発した新兵器。本来の任務は爆撃機の護衛だったが、もっぱら地上掃射用に使われるようになった
現在も散発的に爆撃などに用いられており、プロトン軍にわずかながら打撃と与えているという
聞いた話では、空中戦艦を用いたプロトン本土空襲も計画しているらしい
実現すれば、プロトンに大打撃を与えられるはずだ
ジョロンバ軍曹「ここが正念場だ。なんとしてでも食い止めるぞ。その前に・・・腹が減っては戦はできぬだ。昼飯食いに行くぞ」
ブレダ上等兵「何かおいしい店でも知ってるんですか?」
ジョロンバ軍曹「当たり前だ。俺の隊の奴の知り合いが板前やってるんだ。今日はそこだ」
一度滅んだこの街で、彼らは誓った
二度と、この町を焼かせない、と
第十七話 続く
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