|
まとめると
松井さんも「チョロQ」の小説を愛する立場なので無茶な小説は許さなかったが
今は自分も「チョロQ」から路線が外れてきてるので改善していかないとね
ってことですね。
えーと、とあるチョロQ掲示板(2chではない)で、こんな短編小説がありました。
HG4のラストあたりを知りたいっていう質問にわざわざこんな文章をこしらえてくれた方がいたそうで。
俺含む皆さんが小説を書くにあたって参考にしていただければいいなと思います。
バラートを見かけなくなって暫く経った。
プレイヤーはレースを続ける日々。
ある日のこと。手紙が届いていた。
近所に住む、ノラヒカおじさんから。
【バラートが入院したらしい。見舞いに行ってやれ。】
プレイヤーは病院に急いだ。
バラートは、いた。
ベッドで点滴を打たれていた。
〔大したことないって〕
思っていたより元気そうだ。
その日は帰ることにした。
月日は流れ、いよいよ憧れのグランプリへのチケットを手に入れた。
流石グランプリ。皆強敵だ。
だが、今まで経験を積んできたので、何とか勝てる。あと一戦だ・・・。
最終戦。
走り慣れたコース、スカイハイウェイ。
だが、見慣れないライバルが一人。
F1様の黒いボディ。
聞いたことがある。
昔、レースがまだ貴族の遊びだった頃、「最強」の称号を欲しいままにした[ケーニヒ]だ。
プレイヤーはそのことを把握した途端、震えが止まらなかった。
「最強」と戦える。嬉しい。
だが、怖い。
彼の力がいかなるものか、想像がつかない。
レースが始まる。
グリーンフラッグが振られた。刹那。
「最強」はものすごいダッシュで見えなくなった。
プレイヤーは眩暈を催した。
だがそれではいけない。『戦おう。』
2ラップ目に入った。
相変らず「最強」は速い。
数十年のブランクがあるはずなのにそれを感じさせない。
プレイヤーは弱気になった。『もう駄目かもしれない。』
その時、頭の中で聞きなれた声がした。
〔おいおい、おまえはそれでも俺と戦ったプレイヤーか?〕
耳に懐かしい声だ。声は続く。
〔目を瞑れ。心の目で走るんだ。〕
プレイヤーは目を瞑る。
見える。
最速のライン、避けなければいけないギャップ。
再び声がする。
〔それでこそ、このバラート様と戦ったプレイヤーだ。〕
この声は・・・バラート。
プレイヤーはなぜか、入院しているはずのバラートと走っている気がした。
そして・・・
「最強」が見えてきた。
みるみる内に近づいていく。
スリップを利用し、パス。「最強」を抜いた。
全身から溢れるエクスタシー。
「最強」をルームミラーにも写すのを許さない程に離した。
フィニッシュラインが近づいてくる。
あと200メーター。100。50。25。
フィニッシュ−。
『最強に、勝った。』
表彰台。
一番上に乗ることが許されたプレイヤー。
たった一人だけが乗ることを許された場所に自分がいる。
声にならないほど嬉しい。
このことをバラートに伝えなければ。プレイヤーがそう思った瞬間。
ノラヒカが走ってきた。
【プレイヤー!バラートが・・・バラートが・・・】
プレイヤーは疑った。『まさかあいつが・・・』
だがノラヒカの目は真実を語っている。
それを理解した瞬間、プレイヤーから全身の力が抜けた。
プレイヤーは病院まで飛ばした。
急いであの病室へ行く。
そこにバラートは、いなかった。
『バラート・・・』
プレイヤーは気が狂いそうだった。
一緒に走ったこと。
プレイヤーが遅くて馬鹿にされたこと。
お金が無かった時代、喫茶店でSJオイルを飲みながら走りについて語り合ったこと。
涙が止まらなかった。
プレイヤーはベッドの上に何かを見つける。
それが何か判った瞬間、プレイヤーは声を出して泣いた。
ベッドの上にあったもの。
昔、プレイヤーが大事にしていたキーホルダーだった。
バラートと初めて街道レースをし、“友情の証”としてバラートにあげたキーホルダー。
バラートはあのとき、〔だっせぇキーホルダーだな。〕と言って馬鹿にしていたはずだった。
それを自らの生命が果てる瞬間まで持っていたのだ。
−バラート、ありがとう。
どうでしたか?
やっぱ俺は、これぐらいのクオリティがある文章でこそはじめて「チョロQ小説」といえるんじゃないかなあ、
と思うわけですよ。俺も皆さんも、これぐらい本格的なチョロQ小説を書けるようにならないといけないな、と俺は考えます
|
|
|