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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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ようやく完成、第十五話。ぶっ飛んでますが原作が高杉さんだからしょうがない(おい)。
第十五話 北港大波乱
QQQQ、ノースポート沖
一隻の大型漁船が、沖合いで魚を獲っていた
船員A「よぉーし、揚げるぞぉー!」
停船した漁船が、網を揚げ始める
船員A「船長、今日は妙に大量ですねぇ」
網を揚げている船員が言う
船長「たまにはそう言う事だってあるだろう。このところ戦争で燃料費が高くなってるんだ。取れ高が増えりゃあ儲けもんじゃないか」
船長が答える
戦争が泥沼化する中、彼らも必死になっているのだ
この海域では数週間前、軍が核実験を行ったという
残留放射能の消滅を確認したことから、政府は禁漁を解除、彼らはようやく仕事に漕ぎ出したのだ
船員B「しかし、いくらなんでもこれは妙ですよ。それに・・・」
確かに、数週間前に核実験があった割には、奇妙なほど大漁である
魚群探知機を眺めていた船員は、通常の数倍の魚群がこの船の張った網へと飛び込んできたのを見た
そして、その奥にさらに大きな反応を確認していた
船長「とにかく、さっさと帰るぞ」
船員の言葉をさえぎるようにして、船長が答える
船員A「船長!ありゃなんですか!?」
網を揚げていた船員が、遠方を指して言う
船長「ん?なんだ、高潮・・・?」
恐ろしく大きな波が、こちらへ向かっている
船長「両舷前進全速!逃げるぞ!」
急いで急加速する漁船
船員の一台が無線機を起動させる
船員B「こちら第一六小林丸、第一六小林丸!」
大波はこちらへ向かってくる
しかも、徐々にその波は大きくなってくる
慌てて救命フロートを装着する船員達
逃げ切れない。このままでは転覆する
一瞬、波の間に何かが見える
一体あれは何者か
しかし、そのときさらに大きな波が漁船を襲った
そして、大型漁船は遂に転覆した
QQQQの海上警備隊は、緊急通信を受信。急いで現場海域へと出動した
ヘリ搭乗員A「もうすぐ現場海域だ。周辺を警戒しろ!」
操縦に当たる一両が言う
ヘリ搭乗員B「了解!・・・それにしても、妙ですね」
捜索に当たるもう一両が返す
ヘリ搭乗員A「どういうことだ?」
ヘリ搭乗員B「突然高潮が現れた件ですよ。今日はそれらしき予兆も発見できなかったって話じゃないですか」
ヘリ搭乗員A「確かに、奇妙だな・・・でっかいクジラか何かの浮上に巻き込まれたか?」
ヘリ搭乗員B「まさか、そんなでっかいクジラが、こんな北の海に居るんですかね?」
そのとき、眼下の海に、なにやら奇妙な漂流物が見つかった
ヘリ搭乗員B「高度、ちょい下げ!」
ヘリ搭乗員A「おっ、何か見つかったか!?」
ヘリ搭乗員B「何か浮いてます!二時の方向!」
操縦士も二時の方向の海面を見る
確かに何かが浮いている
どうやら船の底部らしい
ヘリ搭乗員A「・・・今確認した!寄せるぞ!」
出動したヘリコプターの一機が、転覆した漁船の近くに寄っている船員達を見つけた
ヘリ搭乗員B「こちら『北港』五番機、転覆した『第一六小林丸』を発見!」
観測員が急いで本部に打電する
通信を受けて、警備隊の艦船が現場へと急行した
生き残った船員は、警備艇によって救助された
沈没時の証言について、副長が報告する
警備艇艇長「怪物?」
警備艇副長「はい。怪物が現れたという証言です。怪物が浮上した時に発生した大波に、巻き込まれたということだと思われます」
転覆後、辛うじて脱出に成功した生存車たちは、口々に「怪物が現れた」という証言をしたのだという
警備艇艇長「先週の貨物船沈没といい、このところこの海域は妙な現象が多いな。まさかその怪物とやらと、関係があるのだろうか・・・」
実は一週間前、この付近の海域で貨物船が沈没するという事件が発生した
救出に向かった船舶も大半が謎の高潮により沈没。やはりこのときも、怪物の目撃証言があったという
警備艇副長「艇長、『怪獣』って知ってます?」
警備艇艇長「ああ、ちょっと前に流行った映画に出てくる奴だろ。街を襲撃するでっかい化物」
警備艇副長「・・・実在、するかもしれませんね」
警備艇艇長「・・・まさかな。そうなったら俺たちの仕事じゃない。軍の仕事になっちまう。この前は首都が爆撃されたんだ。これ以上軍の手を煩わせるわけには行かないぞ」
警備艇副長「でも軍も軍ですよ。核実験を強行したばかりか、未開の島占領して『独立国だ』なんて言い張ってるんですから」
警備艇艇長「・・・あまり大きいこと言えない立場なんだがね」
窓から見える海は、いつもと変わらない平静を取り戻している
警備艇艇長「怪獣、か。結局観に行かなかったな」
一体、この大海原で、何が起こったというのか
この時点で、彼らは全くわからなかった
同時刻、現場海域周辺の哨戒機
警備艇からの救助完了報告を受けて、帰投する予定だった
しかし、海中に奇妙な泡が立っているのを確認し、その周辺を旋回することとした
哨戒機乗員「機長、何かが浮かび上がっているようです!」
哨戒機機長「漂流物か?」
哨戒機乗員「いえ、この大きさは・・・」
そのとき、その泡の中から、巨大な物体が現れた
哨戒機乗員「機長!何か出てきました!巨大な・・・生物です!」
哨戒機機長「本部に連絡!急ぐんだ!」
乗員の一両が通信機のマイクを手に取る
哨戒機は、全速力で巨大生物から離れる
プロトン王国首都、バチェリット。陸軍総司令部
一両の通信兵が、司令官室をノックする
ロッキード元帥「入れ」
ドアを開け、通信兵が入る
プロトン通信兵A「司令、また北方で怪事件です」
ロッキード元帥「また原因不明の艦船沈没事件か?」
司令官席に座るロッキード元帥が言う
プロトン通信兵A「はい。今度は大型の敷網漁船です」
通信兵の報告によると、QQQQ船籍の敷網漁船「第一六小林丸」が、突如発生した大波により転覆したという
生存車の証言によると「怪物が顔を出すのを見た」とのことだが、どうにも疑わしい。世間では核実験の影響で怪獣が誕生したのではないかなどというが、少し前に流行った映画ではあるまいし、まさかそのようなことが実在するとは考えにくい
しかし、そうと考えなければ辻褄が合わないのも事実だ
少し前にも、この付近の海域で貨物船が沈没し、さらに救助に向かった艦船数隻が謎の沈没を遂げるという事件が発生している
現時点でプロトン王国に被害はないが、あの海域の付近ではキュワール連合の機動部隊がチョロ〜ンへの対地攻撃を行っている
「東の民兵」の艦艇はある程度の高波には耐えられる構造になっていると聞くが、プロトンの艦艇はどれほどの高波に対応できるかは分からない
そのとき、もう一両の通信兵が駆け込んできた
プロトン通信兵B「司令、大変です!問題の海域を哨戒飛行していたQQQQの哨戒機が、正体不明の巨大生物を発見したとのことです!」
ロッキード元帥「巨大生物!?」
プロトン通信兵B「はい、巨大生物です!哨戒機は辛うじて生還したとのことですが・・・」
通信兵は「辛うじて」と言った。一体どういうことなのだろうか
確か、件の映画に登場する「怪獣」は、熱線で攻撃していた。よもや、本当に「怪獣」が現れたのだろうか
いや、そうとしか思えない。QQQQの核実験が、本当に怪獣を生み出してしまったのだ
キョウビーチャの司令部に、幕僚達がやって来る
「怪獣」の出現による物だ
既に会議室で待機していたビスカイト中将が、フェレックス大将のほうを見る
フェレックス大将もそれに気づく
フェレックス大将「・・・始まったな」
着席したフェレックス大将は、ビスカイト中将に向かって言った
ビスカイト中将「・・・はい」
続いて、作戦課のスピシュード中佐が着席する
第二軍参謀長、ミフェイドビッチ大佐が、その隣に着席する
そして、第二軍司令、リピーレド元帥が着席する
リピーレド元帥「一体どういうことだ?」
傍らのミフェイドビッチ大佐に聞く
ミフェイドビッチ大佐「・・・巨大生物が出現しました」
ミフェイドビッチ大佐が簡潔に答える
参謀「出現した巨大生物は、恐らくここ数週間、問題の海域付近で発生している、船舶消失事件の原因と思われます。写真に写っている大きさから推測するに、身長は50mはあると思われます」
黒板に哨戒機の撮った写真を貼り、説明する参謀
参謀「Qシュタイン帝国の生物学車が、数週間前に問題の海域で、QQQQ軍の核実験が行われており、これが巨大生物出現の原因ではないかと、発表しています」
説明を終えて、着席する参謀
フェレックス大将「核の落とし子、といったところか・・・」
キュワール地図のQQQQの描かれている方を見て、フェレックス大将が呟く
復旧から間もないQQQQ軍総司令部は、ただちに防衛網の構築に当たった
巨大生物は海上にいる。当面の間、防衛の主軸は海軍となる
海軍総司令部は騒然となった
イソロク中将「第六艦隊はただちにノースポート沖に展開、巨大生物を食い止めろ!」
海軍参謀、イソロク中将が、今作戦の指揮をとることとなった
以前から海上戦闘で成果を上げており、海軍長官、ルーズベルト大将の指名により作戦指揮官に抜擢された
QQQQ通信兵「参謀!現在現場海域周辺に、ウルタンクの潜水艦が複数隻展開しているようですが・・・」
通信機を持った兵士が言う
前線の哨戒機の連絡に寄れば、ウルタンクの潜水艦数隻が問題の海域に展開していたらしい
迂闊に出るとこの潜水艦からも攻撃を受けそうだが・・・
イソロク中将「そんな物はどうでもいい!今は巨大生物の対応が先だ!」
QQQQ通信兵「参謀!?」
イソロク中将「ほっとけばバケモンにビビってずらかる!とにかく防衛網を構築しろ!ノースポートに上陸されたら、野党派閥の反抗は免れんぞ!」
イソロク中将は苦心していた。ここで巨大生物を止められなければ、せっかくカースゲース傀儡政権疑惑で株が下がっている野党派閥、橋本派が息を吹き返しかねない
与党派閥、高杉派に属するイソロク中将としては、なんとしてでも巨大生物を食い止めたい
だが、ノースポートを拠点とする第八艦隊司令、ロック大将は、橋本派に属する指揮官だったのだ
やむなく高杉派に属する蔵元少将率いる機動部隊である第六艦隊を向かわせることになったが、果たして間に合うかどうか・・・
イソロク中将「遠山中尉、陸軍の動向は?」
遠山中尉「はっ!・・・高杉元帥率いる第一軍主軸が、ノースポート近郊に展開。川本中将率いる第四軍も展開しています」
イソロク中将「川本の隊は当てにならんだろう。有安軍も加えるよう言っておけ」
川本中将も、橋本派所属である。到底イソロク中将の指揮通りに動くはずが無い
陸の指揮は高杉元帥に任せることとし、空軍の支援の元巨大生物を叩くこととする
QQQQ通信兵「参謀。日戦軍団本部から入電です。『出現した巨大生物に対し、数年前に流行った映画にちなみ、『G』というコードがつけられることが決定した。G対策の奮闘に期待する』、以上です」
実は、「巨大生物」では長いということで、当該作戦に協力することとなった日戦軍団に依頼していたのだ
大部隊を用いての防衛作戦も、元々は日戦軍団側の発案であった
果たして、この防衛作戦が功を奏すか
第十五話 続く
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さらなる核弾頭。決してあの国を皮肉ったわけでは・・・
第十五話 北港大波乱
勿論、防衛網構築に当たったのはQQQQと日戦軍団だけではない
怪獣(「G」コードは日戦軍団及びQQQQ部内のみの呼称。キュワール連合軍統一呼称は「怪獣」)が針路を変更し、ノースグリーン大陸やチョロ〜ンに向かってくる可能性も否定できない
ウルタンクの潜水艦が近辺に展開していたということは、勿論帝国側も防衛網を構築しているはず
リピーレド元帥「ここでビットレイクまで進撃することにより、帝国軍の戦力の減退を狙うのです!」
リピーレド元帥はただちに戦力をビットレイクへ向けるよう進言したが、はるばるキョウビーチャまで飛んできた幕僚達は口々に批判した
フェレックス大将「そんなことをしたら、万が一こちらに怪獣が向かってきた場合、対応が困難になるではないですか!」
スピシュード中佐「せっかくビットレイクを占領しても、補給網が絶たれては全くの意味がありません!」
ビスカイト中将「正気の沙汰とは思えませんな、リピーレド元帥?」
それに対し、リピーレド元帥も反論する
リピーレド元帥「・・・現場の苦労も知らないで、さっきから次々と!」
だが、その反論は明らかに間違っていた
現場の苦労を知らないのは、彼のほうだったのだ
ミフェイドビッチ大佐「司令、戦力も減退しています。そろそろ、一旦止まるべきかと」
呆れたように、ミフェイドビッチ大佐が言う
そこに、通信兵が駆け込んでくる
プロトン通信兵C「出現した怪獣に対し、QQQQ東部方面第一艦隊が新型ミサイルによる攻撃を行うとのことです!」
QQQQは通常艦隊のほか、主にQグリーンに対する警戒任務を担っている東部方面艦隊が三個存在する
イルソン中将率いる第一艦隊はその中核で、核弾頭ミサイル搭載艦まで保有しているという東部方面艦隊はおろかQQQQの艦隊でもかなりの威力を誇っている
攻撃に使うのは「新型ミサイル」とのことだが、これが核弾頭なのか、はたまた別の高威力弾頭弾なのかは、一切連絡されていない
だが、攻撃範囲が広いらしく、既に怪獣の周辺には誘導任務に徹している勇敢な哨戒ヘリが一機いるだけである
フェレックス大将「・・・核弾頭か?」
プロトン通信兵C「『新型ミサイル』を用いる、それだけです」
それを聞いたフェレックス大将は、少し考えた後こう言った
フェレックス大将「・・・間違いないな」
ロドスシルト少佐「・・・でしょうな」
ロドスシルト少佐も、同じ結論に至ったらしい
スピシュード中佐「・・・どういう意味ですか?」
分かっていないらしいスピシュード中佐が聞く
フェレックス大将「東部方面第一艦隊の司令官はイルソン中将。彼はイソロク中将の兵学校時代からのライバルだ」
ロドスシルト少佐「対策指揮官の座を奪われたから、とにかく大手柄を挙げたがっている、と見るのが、妥当ですな」
プロトン王国との国交が薄いQQQQだが、政治的観点から接点のあるQシュタイン帝国が、QQQQの内部事情に関する資料を提出している
その資料を机に置き、ロドスシルト少佐が言う
スピシュード中佐「・・・なるほど。ということは・・・」
そこまで言って、スピシュード中佐は沈黙した
東部方面第一艦隊は間違いなく核弾頭弾を使う。もし怪獣が核実験の影響で誕生したのだとしたら・・・
東部方面第一艦隊、旗艦「鎮東」
最新鋭のミサイル戦艦として建造された「都筑」級戦艦の一隻で、各種ミサイルのほか35cm砲などの砲兵装を搭載している
第四次キュワール大戦末期、一番艦「都筑」が、Qグリーン艦隊にめがけて放った一撃は、第四次キュワール大戦の終局の象徴とも言われている
だが、一部では戦時特例の軍事予算を、部内の強硬派である橋本派が流用して建造した戦艦であり、その陰には国内に潜伏する大規模武装勢力が暗躍している、などという噂まで流布されている
艦長、ジョンイル大佐が、ミサイルの発射を指示する
ジョンイル大佐「新型ミサイル、発射用意!」
甲板後部の、大きなVLSが開かれる
水雷士(通信)「ミサイル、発射準備完了!」
ジョンイル大佐「目標は前方の怪獣『G』!」
前方といっても、勿論水平線の彼方である
だが、長射程の巡航ミサイルを搭載する「鎮東」には無縁の話である
水雷士(通信)「照準既によし!」
通信兵「哨戒ヘリ、退避完了です!」
射撃準備が完了したのを確認したイルソン中将は、海の向こうへ向かって叫んだ
イルソン中将「・・・新型ミサイル、発射!」
ジョンイル大佐「てーーーーーーっ!」
後方で轟音が鳴り響く
後部甲板VLSから、巡航ミサイルが放たれる
その轟音と噴煙を背に、イルソン中将は叫んだ
イルソン中将「・・・これで俺の勝ちだ、イソロク!」
「鎮東」からは二発の巡航ミサイルが時間差で放たれ、怪獣へと向かっていった
第十五話 続く
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スーパー・・・もとい、グライセン登場。伊福部昭の曲を聞きながら書きました。
第十五話 北港大波乱
プロトン王国、キョウビーチャ臨時司令部
ノースポート沖に派遣した駆逐艦「パーシバル」が、沖合いの状況を確認していた
駆逐艦通信士(通信)「『鎮東』からの飛翔体発射を確認!」
その通信が入り、幕僚達はざわめきだした
ビスカイト中将「・・・来たか!」
ロドスシルト少佐「飛翔体について、データ照合を頼む!」
駆逐艦通信士(通信)「了解!」
東部方面第一艦隊が、なにやら攻撃を開始したらしい
「飛翔体」とのことだが、この状況下、よもやミサイル以外に考えられない
だとしたら、その弾頭は何なのだろうか
その答えは、物の数十秒後に明らかになった
駆逐艦通信士(通信)「怪獣の所在海域から閃光を確認!・・・核弾頭です!」
その言葉を聞き、驚く幕僚達
その中で、核攻撃を予測していた僅か三両の幕僚は、ただ黙り込んでいた
ビスカイト中将「・・・当たったな。嫌な予感が」
フェレックス大将「これからどうなるか、ある意味見ものだろうな」
ロドスシルト少佐「被害はなるべく最小限に抑えたいが・・・QQQQからの連絡は?!」
通信機を担いで司令部に入ってきた大尉に、ロドスシルトが聞く
副官「今のところ、入っていません。怪獣がどうなったかも不明です」
駆逐艦通信士(通信)「閃光を再び確認!発射された核弾頭は二発です!」
影響範囲の少ない艦艇搭載型の核弾頭弾なら、安全圏まで退避している「パーシバル」やその他連合軍艦艇に被害は無いだろう
しかし、それで怪獣を倒せなければ、何の意味も無い
何しろ、少なくとも一発の核弾頭には耐えているのだから
QQQQの怪獣対策本部は、再び騒然となった
東部方面第一艦隊が乱入してくるとは、全くの予想外だった
イソロク中将「あの馬鹿、先走りよって」
イソロク中将は、吐き捨てるように言った
都筑級が投入されていて、現場海域に急行するのが可能な艦隊は、東部方面第一艦隊のみ。現在はQグリーンに睨みを利かせているはずの艦隊が、どうしてここまでやってきたのだろうか
QQQQ通信兵「参謀!東部方面第一艦隊から入電です!」
イソロク中将「分かった、繋いでおけ」
初めから聞き流すつもりで、イソロク中将は言った
イルソン中将(通信)「イソロク、見たか!二発の核弾頭の力で、『G』は沈黙した!これで俺の勝ちだ!次期海軍長官の座は俺のものだ!」
電測員(通信)「司令!大変です!『G』はまだ生きています!」
イルソン中将(通信)「何ぃっ!?」
電測員(通信)「『G』はそのままノースポートに向かっている模様!」
ジョンイル大佐(通信)「面舵一杯!退避するんだ!」
通信はそこで切れた
どうやら怪獣には核弾頭ミサイルさえ通じないようだ
だとすれば、一体何で対抗すればよいのか
QQQQ通信兵「参謀!陸軍総司令部から、近衛元帥が着任されました!」
通信室の扉を潜り、近衛元帥がやって来る
近衛元帥「陸軍総司令部所属、近衛元帥だ。先ほどは、東部方面の連中が先走ったようだな」
イソロク中将「はっ!指示が行き届いていなかったようで、申し訳ありません」
近衛元帥「君が謝るべき事項でもないだろう。怪獣はもうノースポートの目と鼻の先だ。すぐに防衛網を構築しなければ」
陸軍総司令部から近衛元帥が着任し、陸上での防衛網の構築に当たる
その間、イソロク中将が指揮を執る海軍は怪獣の迎撃に全力を務めなければならない
イソロク中将「・・・遠山中尉、グライセンはどうした?!」
焦るイソロク中将は、副官の遠山中尉に聞く
遠山中尉「ただいま発進しました!」
通信機を取っていた遠山中尉が返す
再び、「パーシバル」から連絡が入った
駆逐艦通信士(通信)「使用された核弾頭のデータ照合が完了しました。以前『A−307』に搭載されていた物と同型で、いわゆる水爆の一種と思われます」
先月、チョロ〜ン軍に強奪され、連合軍に撃破された装甲列車「A−307」は、核弾頭弾の搭載能力を有していた
その際にQシュタイン軍によって回収された核弾頭弾は、無誘導のロケット弾のようなものだった
それが巡航ミサイルにまで進歩しているとは。QQQQの技術力は何処まで飛躍するのか
フェレックス大将「核の力で誕生した怪獣に、核を叩き込むとは、無謀なことをしたな」
一旦退避した東部方面第一艦隊に対し、第六艦隊の航空隊が怪獣に向けて攻撃を開始したという
だが、戦果は今のところ確認できない
ロドスシルト少佐「具体的な対策案は、まだ無いのですか?」
ビスカイト中将「怪獣の体質について、民兵とQシュタインが協同で研究しているらしい。それを利用して倒すことになりそうだな」
QQQQ軍の東部方面第一艦隊や第六艦隊の他、プロトン王国の「パーシバル」以下六隻の駆逐艦、日戦軍団の第一機動部隊がノースポート沖に展開、また哨戒機の報告によると、ウルタンク軍の機動部隊も展開しているとのことで、敵味方揃って怪獣の迎撃に参加していることになる
とりあえずは、航空攻撃で時間を稼ぐことになっているが、既にノースポート上陸は避けられそうにない
上陸戦になったら、ある程度有効な作戦を立てることができるかもしれないが、できれば洋上で押さえたい
そのとき、再びクラウドポリスから入電があった
プロトン通信兵C「先ほど、陸上方面の怪獣対策担当に近衛元帥が着任され、シン少尉指揮する最新鋭空中戦艦『グライセン』による攻撃が行われるとの発表がありました」
フェレックス大将「シン少尉・・・噂のヤングエリートか」
空中戦艦「グライセン」。大型爆撃機のノウハウを活かして建造された物で、バーセックナール戦以来プロトン軍を苦しめているチョロ〜ンの空中戦艦とほぼ同型といわれている
最も、核弾頭ミサイルの発射に特化されているグライセンと比べれば、チョロ〜ンの空中戦艦はバランスの取れた物となっているようだが
指揮官、シン少尉はこのところ隊員不足に悩むQQQQ海軍期待のエリート将校である。QQQQ海軍第八水雷戦隊に属し、アルファロメオ沖海戦で戦果を挙げ、このたび「グライセン」の指揮官に就任したのだ。ちなみに前任車のバゴ中将は、陸軍幕僚本部に栄転している
ビスカイト中将「グライセンの武装は大型ミサイル六四発のほか、通常ミサイル及びロケット弾多数、25mm機関砲が三連装で八基。空中戦艦と呼ぶにふさわしいものだが、核弾頭は怪獣に効果ないはずだぞ」
核弾頭は効果がない。核実験の影響で誕生したという仮説が現実味を帯びてきた以上、そうとしか考えざるを得ない
ロドスシルト少佐「大型ミサイル・・・ですよね。弾頭が核でもない可能性も、否定できません」
ビスカイト中将「何が考えられる?」
ロドスシルト少佐「それは・・・」
スピシュード中佐「新型の特殊弾頭って筋は無いですかね?それこそ冷凍弾とか・・・」
その議論をさえぎるように、新たな連絡が入った
プロトン通信兵C「ウルタンク潜水艦隊が、怪獣を雷撃した模様!」
どうやら、戦力を立て直したウルタンクの潜水艦が、一斉に怪獣を雷撃したようだ
だが、怪獣は止まることなくノースポートを目指しているらしい
果たして、グライセンは怪獣を止めることができるのか
QQQQ軍、怪獣対策本部
QQQQ通信兵「『グライセン』、目標地点通過!」
遠山中尉「第五、第八艦隊に出撃要請!」
シン少尉(通信)「こちら『グライセン』、目標に接近。これよりロケット弾による攻撃を開始します!」
「グライセン」からの通信が入る。無事戦闘空域に到着したらしい
近衛元帥「ヤングエリートの、お手並み拝見といったところだな」
イソロク中将「大丈夫ですよ。彼は圧倒的戦力を保有していたカルオス艦隊を撃退しましたから」
彼らの眺める先には、グライセンの機首カメラからの映像が流れていた
空中戦艦「グライセン」操縦席
怪獣の上空をフライパスし、攻撃準備を整える
乗員A「攻撃準備、完了」
反転し、怪獣へ接近する
乗員B「ターゲット、ロックオン!」
ミサイルシーカーが緑色から、ロック完了を示す赤色になる
シン少尉「よし、攻撃開始!」
乗員A「攻撃開始!」
翼部から一斉にロケット弾が発射される
怪獣は熱線を吐いて反撃する
熱線は一直線に「グライセン」へと向かっていく
「グライセン」は直線飛行を維持、熱線が胴体に直撃する
機体がやや振動する
シン少尉「慌てるな!この機体はそう簡単に落ちはしない」
機体を立て直し、再びフライパス
乗員B「機長、新型の熱線砲を試しましょう。怪獣を倒せるかもしれません」
シン少尉「よし、いっちょやってみるか。ここなら帝国連中も見ているだろう。ど派手なデモンストレーションになるぜ」
再びロケット弾で攻撃し、反転
シン少尉「熱線砲、発射用意!」
乗員A「発射用意!」
胴体下部から、大型の熱線砲が姿を見せる
乗員B「ロックオン、完了!」
旋回し、怪獣の背後につける
シン少尉「発射!」
轟音と共に、強力な熱線砲が放たれる
見事怪獣に直撃する
対策本部のモニターには、怪獣に直撃する熱線が映し出されていた
怪獣をフライパスした「グライセン」はさらに熱線攻撃を行う
近衛元帥「なかなかやるな。さすがは海軍のヤングエリートだ」
QQQQ通信兵「『G』の動きがやや落ちているようです」
イソロク中将「よし、そのまま続けろ!」
熱線攻撃を続ける「グライセン」
その攻撃を受け、怪獣は遂に動きを止めた
徐々に動きが遅くなっていく怪獣
そして、ゆっくりと歩いた後、海面下に姿を消した
シン少尉(通信)「『G』の撃退を確認!やりました!」
イソロク中将「よし!ただちに帰還せよ!」
QQQQを震撼させた大怪獣は、空中戦艦「グライセン」の前に倒れた
プロトン軍の臨時司令部にも、その報告が入った
副官「怪獣を撃退した、との報告が入りました!」
リピーレド元帥「本当か!?」
報告を聞き、大喜びのリピーレド元帥
ミフェイドビッチ大佐「上陸する前に倒せましたね。いやぁよかったよかった」
ざわめく会議室の中で、やはり平静を保つビスカイト中将
ビスカイト中将「あの怪獣が最後の一体とは思えんな。今後もどこかで核が使われれば、また・・・」
ロドスシルト少佐「そうですね。QQQQもこれに懲りてくれれば、ありがたいのですが」
駆逐艦乗員(通信)「現在、日戦軍団の哨戒機が、辺りを哨戒しています。ウルタンクの潜水艦は撤退したようですが・・・」
状況を監視していた「パーシバル」から通信が入る
ひとまず、これで警戒体勢を解くことができる。思いのほか早かった
これでまた、進撃が再開するのだろうか
これからの戦い、より厳しくなるだろう
そのとき、新たな通信が入った
発信源は、グリシネの日戦軍団総司令部だった
チリ元帥(通信)「日戦軍団参謀本部です!『G』・・・もとい、怪獣はまだ死んでおりません!」
リピーレド元帥「何ぃっ!?」
思わぬ報告に、驚く幕僚達
チリ元帥(通信)「先ほど対潜哨戒機が持ち帰ったデータによると、海中に未だ何らかの反応が見られます!もしかしたら、これは・・・」
怪獣は生きている。二発の核弾頭と無数のミサイル、ロケット弾、そして熱線を受けても、なおも悠々と進んでいる
一体、どれほどの生命力を持っているのだ
チリ元帥(通信)「『グライセン』は帰投しましたが、QQQQ陸海軍は警戒体勢を維持、怪獣の迎撃に務めるとのことです」
民兵からの通信は、そこで終わった
怪獣は倒されていなかったようだ
ビスカイト中将「随分と硬い奴だな・・・」
スピシュード中佐「もしかして・・・奴は不死身・・・なのでしょうか?」
フェレックス大将「いや、あれが生物である以上、そのようなことは断じてあり得ない。きっと、手段はあるはずだ」
再び騒然となる会議室
生きていた怪獣は、そのままノースポートへと前進しつつある
QQQQは、最悪の事態を避けることができるのか
第十五話 終わり
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あとがき:どうしても五月中に書ききれなかった第十五話、SCQでは第五十五話〜第五十六話に当たります。
この二話は高杉さん執筆で、話数番号で分かるとおり「55→某野球選手の背番号→水爆大怪獣」、「56→五十六→連合艦隊司令長官(と同名の指揮官)」がそれぞれ登場する回です。
冒頭の漁船。怪獣ものといったらまず漁船。「小林丸」はスタートレックの方じゃなくてアメリカ版のマグロ怪獣のほうがモデル。その後に海保・・・じゃなくて警備隊が登場するのはあのメーサー砲のデビュー作「サンダ対ガイラ」がモデル。
会議室に着席する幕僚。今日やってた「亡国のイージス」がモデルです。今日の放映版では首相が来る場面はカットされてました。
初登場のイソロク中将。実はSCQ時代は陸軍所属という設定でしたが、後の設定を考慮して海軍所属にしてます。ルーズベルト大将といういかにも正反対な名前の海軍長官は多分今回名前が出るだけかと思われます。
近衛元帥、イソロク中将以外の歴史上の人物の名前を使った登場キャラクターは、基本的に設定資料「謎の国家QQQQ」で名前が出てきただけの指揮官だったりします。
名前だけ出ているロック大将は後々橋本派海軍の幕僚として登場してますね。
「有安軍」。実はQQQQは高杉派内に「高杉軍」、「有安軍」などと複数の軍が属していたという設定があり(本当に初期の設定ですが)、SCQ本編で使われなかったこの要素を今回サルベージしてみました。
「G」。お分かりのとおり、東宝の誇るあの水爆大怪獣です。大映の亀怪獣でも松竹の宇宙怪獣でも日活の河童怪獣でもありません。こうやって見ると全部頭文字が「G」なんですね(某自動車漫画じゃなくて)。
東部方面第一艦隊の幕僚。最近ミサイルで話題になっている半島のあの国の人ではありません。多分高杉さんはそれを使ってネタをやろうとしたのかと思うのですが。元々はイルソン中将は「イルソン中佐」という設定でしたが、イソロク中将のライバルとして登場させることにしたので変更しました。
東部方面第一艦隊の艦艇は日清戦争時の清国海軍の艦名がモデルになっています。半島のあの国の艦は知らないので。核弾頭を搭載した戦艦という設定は初代チョロQ大戦争時代には無く、初代チョロQ大戦争でQグリーン海軍を葬ったのは荷電粒子砲でした。
駆逐艦「パーシバル」。そういえば「真夏のオリオン」で同じ名前の船が出ましたね。SCQのときは「真夏のオリオン」は影も形も無かったのですが、なぜかこの名前の艦が登場していたので今回登場させました。
グライセン。QQQQのぶっ飛び設定の一つでもある空中戦艦。せっかく怪獣が出たんならこいつをスーパーXに見立てようということで、今回はスーパーXの登場シーンのオマージュをいくつかやってます。
倒されたかと思った怪獣が復活。今回はビットレイクへのクッション的な話を二回ほどやろうかと思ったので。都筑・・・もとい、続きは次回です。
それにしても今回ほど「謎の国家QQQQ」が役に立った話はないなぁ。作っといて良かった。
さて、次回は遂に大怪獣QQQQに上陸。QQQQの陸海空軍は如何にして怪獣と戦うか。そして日戦軍団とQシュタインの立ち上げる作戦とは。内部事情の運命や如何に(おい)。
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ダークスピリッツ
- 2009/6/20 21:19 -
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> あとがき:どうしても五月中に書ききれなかった第十五話、SCQでは第五十五話〜第五十六話に当たります。
今回はかなりぶっ飛んでましたねwwモデルはやはりゴジラでしょうねww
> この二話は高杉さん執筆で、話数番号で分かるとおり「55→某野球選手の背番号→水爆大怪獣」、「56→五十六→連合艦隊司令長官(と同名の指揮官)」がそれぞれ登場する回です。
ゴジラは元は何の動物だったんでしょうか?
>
> 冒頭の漁船。怪獣ものといったらまず漁船。「小林丸」はスタートレックの方じゃなくてアメリカ版のマグロ怪獣のほうがモデル。その後に海保・・・じゃなくて警備隊が登場するのはあのメーサー砲のデビュー作「サンダ対ガイラ」がモデル。
う〜む怪獣系はモスラとガメラしか見てません・・・
>
> 会議室に着席する幕僚。今日やってた「亡国のイージス」がモデルです。今日の放映版では首相が来る場面はカットされてました。
そういえばやってましたね。最後の一時間ぐらいみました。
>
> 初登場のイソロク中将。実はSCQ時代は陸軍所属という設定でしたが、後の設定を考慮して海軍所属にしてます。ルーズベルト大将といういかにも正反対な名前の海軍長官は多分今回名前が出るだけかと思われます。
ルーズベルト大将・・・元ネタはどっちのルーズベルトかな(爆)
> 近衛元帥、イソロク中将以外の歴史上の人物の名前を使った登場キャラクターは、基本的に設定資料「謎の国家QQQQ」で名前が出てきただけの指揮官だったりします。
どうやら海軍も高杉派と橋本派がいるようで。
> 名前だけ出ているロック大将は後々橋本派海軍の幕僚として登場してますね。
> 「有安軍」。実はQQQQは高杉派内に「高杉軍」、「有安軍」などと複数の軍が属していたという設定があり(本当に初期の設定ですが)、SCQ本編で使われなかったこの要素を今回サルベージしてみました。
指揮系統は同じですか?
>
> 「G」。お分かりのとおり、東宝の誇るあの水爆大怪獣です。大映の亀怪獣でも松竹の宇宙怪獣でも日活の河童怪獣でもありません。こうやって見ると全部頭文字が「G」なんですね(某自動車漫画じゃなくて)。
そういえばそうですね。あわせたのかな?
>
> 東部方面第一艦隊の幕僚。最近ミサイルで話題になっている半島のあの国の人ではありません。多分高杉さんはそれを使ってネタをやろうとしたのかと思うのですが。元々はイルソン中将は「イルソン中佐」という設定でしたが、イソロク中将のライバルとして登場させることにしたので変更しました。
なんか半島のあの国の人の父親を彷彿とさせますな(爆)核ミサイル発射するとかでもう(爆)
> 東部方面第一艦隊の艦艇は日清戦争時の清国海軍の艦名がモデルになっています。半島のあの国の艦は知らないので。核弾頭を搭載した戦艦という設定は初代チョロQ大戦争時代には無く、初代チョロQ大戦争でQグリーン海軍を葬ったのは荷電粒子砲でした。
橋本派の艦艇も清国・中国海軍の艦艇が元となっております。
>
> 駆逐艦「パーシバル」。そういえば「真夏のオリオン」で同じ名前の船が出ましたね。SCQのときは「真夏のオリオン」は影も形も無かったのですが、なぜかこの名前の艦が登場していたので今回登場させました。
そういえばもうすぐ公開ですね。楽しみだなぁ
>
> グライセン。QQQQのぶっ飛び設定の一つでもある空中戦艦。せっかく怪獣が出たんならこいつをスーパーXに見立てようということで、今回はスーパーXの登場シーンのオマージュをいくつかやってます。
どのくらいの大きさがあるのだろうか・・・熱線砲も搭載してるなんて確かにぶっ飛んでるww
>
> 倒されたかと思った怪獣が復活。今回はビットレイクへのクッション的な話を二回ほどやろうかと思ったので。都筑・・・もとい、続きは次回です。
さすがにこの程度ではGは倒せないようで。
>
> それにしても今回ほど「謎の国家QQQQ」が役に立った話はないなぁ。作っといて良かった。
「紀伊」でも橋本派をどれだけ出せるか・・・
>
> さて、次回は遂に大怪獣QQQQに上陸。QQQQの陸海空軍は如何にして怪獣と戦うか。そして日戦軍団とQシュタインの立ち上げる作戦とは。内部事情の運命や如何に(おい)。
第七十五話。かなり難航。外伝、次回。期待。(おい
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> > あとがき:どうしても五月中に書ききれなかった第十五話、SCQでは第五十五話〜第五十六話に当たります。
> 今回はかなりぶっ飛んでましたねwwモデルはやはりゴジラでしょうねww
原作サブタイトルは「ゴ○ラ上陸!」でした(ストーリー上では上陸前に撃退されていたにも関わらず)。流石にこれはまずいだろうということで(例えそれがゴジラではなく「ゴリラ(キングコング的な意味で)」だったとしても)、「G」にしました。怪獣っぽいし。
暗い展開を吹き飛ばすには絶好の題材だったので使いました。でも結局この次(第十七話)はビットレイク戦になりそう。
> > この二話は高杉さん執筆で、話数番号で分かるとおり「55→某野球選手の背番号→水爆大怪獣」、「56→五十六→連合艦隊司令長官(と同名の指揮官)」がそれぞれ登場する回です。
> ゴジラは元は何の動物だったんでしょうか?
日本版においては明確には呼ばれておらず(平成シリーズでは「ゴジラザウルス」という恐竜が存在したという設定)、昭和シリーズにおいては「海底に潜んでいた太古の生物が核実験の影響で蘇った」とされています(デザインモチーフは肉食恐竜)。アメリカ版ではイグアナの突然変異という設定。
> > 冒頭の漁船。怪獣ものといったらまず漁船。「小林丸」はスタートレックの方じゃなくてアメリカ版のマグロ怪獣のほうがモデル。その後に海保・・・じゃなくて警備隊が登場するのはあのメーサー砲のデビュー作「サンダ対ガイラ」がモデル。
> う〜む怪獣系はモスラとガメラしか見てません・・・
そういえば以前ラドンをネタにした際にそのようなことを聞いたような。そういえば怪獣映画はラドンしか見てないなぁ(おい)。
> > 会議室に着席する幕僚。今日やってた「亡国のイージス」がモデルです。今日の放映版では首相が来る場面はカットされてました。
> そういえばやってましたね。最後の一時間ぐらいみました。
前半は特にカットが多く少し不満なところがありました。主要登場人物の中では菊政(魚雷の下敷きになって死んでしまう乗員)と若狭(如月行を怒鳴り散らしていた仙石の同僚)、そして風間(「いそかぜ」の幹部の一人)の出番が大幅にカットされていました。特に風間は後半まで出番がほぼゼロで、あおりを受けて他の幹部達の出番も減っていました。
個人的に「せとしお」の登場シーンがカットされていないにも関わらず、仙石たちが艦尾魚雷発射管に駆け込んで「せとしお」に合図を送るために(「せとしお」の手前で爆発するよう設定した)魚雷を発射するシーンがカットされていたのが「何かバランス悪いなぁ」と思いました。
> > 初登場のイソロク中将。実はSCQ時代は陸軍所属という設定でしたが、後の設定を考慮して海軍所属にしてます。ルーズベルト大将といういかにも正反対な名前の海軍長官は多分今回名前が出るだけかと思われます。
> ルーズベルト大将・・・元ネタはどっちのルーズベルトかな(爆)
実は「フランクリン」、「セオドア」と名づけられた別の海軍将校が設定資料に書かれており、このルーズベルト大将がどちらがモデルになっていたかは不明です。
> > 近衛元帥、イソロク中将以外の歴史上の人物の名前を使った登場キャラクターは、基本的に設定資料「謎の国家QQQQ」で名前が出てきただけの指揮官だったりします。
> どうやら海軍も高杉派と橋本派がいるようで。
勿論陸軍だけじゃなく空軍にまである派閥なので海軍にもいます。木内派は空軍勢力しかいないようですが。
> > 名前だけ出ているロック大将は後々橋本派海軍の幕僚として登場してますね。
> > 「有安軍」。実はQQQQは高杉派内に「高杉軍」、「有安軍」などと複数の軍が属していたという設定があり(本当に初期の設定ですが)、SCQ本編で使われなかったこの要素を今回サルベージしてみました。
> 指揮系統は同じですか?
指揮系統自体はそれ程変わっておらず、実質的に高杉軍に併合されています。
> > 「G」。お分かりのとおり、東宝の誇るあの水爆大怪獣です。大映の亀怪獣でも松竹の宇宙怪獣でも日活の河童怪獣でもありません。こうやって見ると全部頭文字が「G」なんですね(某自動車漫画じゃなくて)。
> そういえばそうですね。あわせたのかな?
松竹の宇宙怪獣「ギララ」は公募で決まった名前で「目がギラギラしているから」、日活の河童怪獣「ガッパ」は「河童の訛り」なので、どうにも偶然っぽいです。ちなみに水爆大怪獣「ゴジラ」は「ゴリラとクジラを合わせた」、大映の亀怪獣「ガメラ」は言わずもがな。
> > 東部方面第一艦隊の幕僚。最近ミサイルで話題になっている半島のあの国の人ではありません。多分高杉さんはそれを使ってネタをやろうとしたのかと思うのですが。元々はイルソン中将は「イルソン中佐」という設定でしたが、イソロク中将のライバルとして登場させることにしたので変更しました。
> なんか半島のあの国の人の父親を彷彿とさせますな(爆)核ミサイル発射するとかでもう(爆)
多分某国の創始者が名前の由来です。核弾頭ってのはある意味狙ってました。
実は先述のギララの続編「ギララの逆襲〜洞爺湖サミット危機一発!〜」では本当に「『北の将軍様』が怪獣に核弾頭ミサイルを発射」というネタがあるんです。
> > 東部方面第一艦隊の艦艇は日清戦争時の清国海軍の艦名がモデルになっています。半島のあの国の艦は知らないので。核弾頭を搭載した戦艦という設定は初代チョロQ大戦争時代には無く、初代チョロQ大戦争でQグリーン海軍を葬ったのは荷電粒子砲でした。
> 橋本派の艦艇も清国・中国海軍の艦艇が元となっております。
まあ結果的にこれにあわせざるを得なかったわけです。
> > 駆逐艦「パーシバル」。そういえば「真夏のオリオン」で同じ名前の船が出ましたね。SCQのときは「真夏のオリオン」は影も形も無かったのですが、なぜかこの名前の艦が登場していたので今回登場させました。
> そういえばもうすぐ公開ですね。楽しみだなぁ
公開、始まったそうですがまだ観に行けてません。本屋に行ったら割引券があったので貰ってきた。
> > グライセン。QQQQのぶっ飛び設定の一つでもある空中戦艦。せっかく怪獣が出たんならこいつをスーパーXに見立てようということで、今回はスーパーXの登場シーンのオマージュをいくつかやってます。
> どのくらいの大きさがあるのだろうか・・・熱線砲も搭載してるなんて確かにぶっ飛んでるww
今回は「ゴジラvsデストロイア」に登場したスーパーX3に引っ掛けました。実際のスーパーX3は熱線砲ではなく「冷線砲」を搭載しているという設定でした(ゴジラを冷凍して核反応を抑えるという設定)。
ちなみに原作のSCQ第五六話では本当に核弾頭積んでいるという設定でした。
> > 倒されたかと思った怪獣が復活。今回はビットレイクへのクッション的な話を二回ほどやろうかと思ったので。都筑・・・もとい、続きは次回です。
> さすがにこの程度ではGは倒せないようで。
勿論怪獣ですから、ミサイルの連射や熱線の一斉射だけでは何ともならないのです。
> > それにしても今回ほど「謎の国家QQQQ」が役に立った話はないなぁ。作っといて良かった。
> 「紀伊」でも橋本派をどれだけ出せるか・・・
そもそも一国の一派閥というかなり限定的なメンバーですからね。
> > さて、次回は遂に大怪獣QQQQに上陸。QQQQの陸海空軍は如何にして怪獣と戦うか。そして日戦軍団とQシュタインの立ち上げる作戦とは。内部事情の運命や如何に(おい)。
>
> 第七十五話。かなり難航。外伝、次回。期待。(おい
相当難航してますが、何とか進めていきます。
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松井一真
- 2009/12/31 22:12 -
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今年最後の投稿です。良いお年を。
第十六話 大艦隊総攻撃
カルオス帝国領、バストーク地方
レイオガルとの国境が近いこの地方には、多数の部隊が駐留していた
しかし、レイオガル、カルオス両国軍の主力部隊が突如として「消失」するという事件があってから、この地方における緊張状態は事実上解かれている
それゆえ、銃後の落ち着いているようで落ち着いていない雰囲気が取り戻されている
しかし、その奇妙な平和も、終わる時が来た
ある都市の一角で、突如噴煙が巻き起こる
進撃する戦車隊
あたり一帯で響き渡る銃声
一両のAMX−13が、土嚢の陰に隠れる
弾着の音
カルオス将校「第283小隊は一旦回り込め!かなり大規模なゲリラだ!」
同じく土嚢の陰に隠れるルノーR35が叫ぶ
付近に弾着、派手に土煙を上げる
AMX−13が土煙をかいくぐり、その先の建物の陰へ回りこむ
銃声は途絶えることを知らず、所々でこだまする
建物の陰に隠れたAMX−13、カゾフ兵長は、この街で突然発生したテロ事件の鎮圧に当たっていた
被害はそれ程大きくないが、戦力の大半が「消失」しているカルオス軍内部において、突然発生した事件の衝撃は大きかった
付近の町に駐留する陸軍一個中隊を派遣し、事態の鎮圧に当たったが、テロを引き起こした集団はかなりの大規模勢力であった
ただのゲリラとは違う。一体何者なのか
事態を大きく見た陸軍総司令部は、ルノー少佐率いる本土防衛の精鋭、第201中隊を派遣することとなった
カゾフ兵長もその一台だ
突如、付近に銃声
壁に命中する弾丸
そのほうへ向かって、無反動砲を撃つ
命中、大爆発を起こす
その噴煙の陰から、一両のFCM36が現れる
どうやら問題のゲリラ兵らしい
しかし、その姿に、カゾフ兵長は見覚えがあった
カゾフ兵長「貴様は・・・ベルリエ!?」
それを聞いたFCM36は、持っていた軽機関銃を降ろした
ベルリエ上等兵(車種:FCM36軽戦車)「班長・・・どうして!?」
軽機関銃を持ったFCM36は、かつて同じ分隊に属していたベルリエ上等兵だった
数週間前の演習から消息を絶っていたのだが、よもやゲリラ勢力に属していたとは・・・
カゾフ兵長「聞きたいのはこっちだ!何故貴様はこんなことをしている!」
遠方で爆音が響く
ベルリエ上等兵「・・・妙だとは思いませんか!?皇帝陛下も、ゾルドルク閣下も、デスゴッド大陸に行ってから音沙汰が無い・・・レイオガル軍に殺されたに違いありません!」
数年前、「死神の大陸」と仇名される北方の大陸に挑んだカルオス帝国軍主力部隊は、レイオガル軍主力部隊との交戦を最後に消息を絶った
カゾフ兵長「その確証は無い!キュワール最強の我が国の、皇帝陛下が敗れ去ることなど・・・!」
カルオス軍本土防衛部隊の内部では、「レイオガル軍に殲滅されたのだ。ただちにジャクリオンガルパゴスを爆撃し報復するべし」と考える物と、「レイオガル軍も消息を絶っている。もしかしたら別の事情があるのでは」と考える物に分かれていた
ベルリエ上等兵「・・・では、何故我が国の同盟国は、いとも簡単に敗れ去ったのですか!?」
再び遠方に爆発音
機関銃の銃声が響く
CQ暦241年の「カルセオリア」作戦失敗以来、GKU三大帝国軍は守勢に転じている
「東の民兵」の猛攻、Qシュタイン帝国軍の思わぬ防衛戦略、そしてプロトン軍の突進作戦と車海戦術。それによる物だった
チョロ〜ン帝国軍は、巧みな防衛戦略と空中戦艦によって辛うじて凌いでいるが、それでも重要拠点キョウビーチャを失っている
既にGKU陣営は、勝機を失っているとも言えた
カゾフ兵長「・・・理屈はもういい、こんなことをすれば、我が祖国は・・・」
ベルリエ上等兵「これをしなければ、祖国は間違いなく、崩壊します!」
付近で爆発
通りを見ると、ルノーR35が部下を率いて突撃していく
再び遠方で銃声
そのほうを振り返ったあと、カゾフ兵長は言った
カゾフ兵長「武器に頼ることしか出来ないのか!?」
その言葉を聞き、ベルリエ上等兵は沈黙した
カゾフ兵長「祖国の崩壊を止めるには、武器を頼るしかないというのか!?」
爆発音が再び響く
カゾフ兵長「・・・もう少し、手段はあったはずだ!」
すると、カゾフ兵長の付近に榴弾が着弾した
叛乱将校「・・・言いたい事はそれだけか?」
少佐の階級章をつけた、一両のAUF−1
どうやらこのゲリラ部隊の指揮官らしい
叛乱将校「奇麗事が通じるような時代でもない。現にカイオグル閣下は、QQQQの非業なる病院空爆の折に戦死されたのだ!」
カゾフ兵長「まだそうとは決まっていない!ドドルハ軍曹の報告では、消息不明と・・・」
叛乱将校「消息不明から既に何年経った?」
弁論を遮るように、将校が言う
叛乱将校「既に四年が経過している。仮に生きていたとして、四年も経って、発見されないはずがないだろう」
確かにそうであった
行方不明の将校が四年も経って生存が確認される。南方の孤島ならいざ知らず、猛空爆が行われた軍事病院。死んだと見るほうが有力であった
叛乱将校「・・・戦争とは、こういうものだ」
そのとき、付近の建物が爆発した
慌てて退避するカゾフ兵長
そしてその噴煙が収まったとき、二両のタンクの姿はなかった
カゾフ兵長「・・・・逃げられたか」
CQ暦241年、春。キュワール最強と謳われた帝国は、大混乱に満ちていた
同年正月の「カルセオリア」作戦失敗、二月以降のチョロ〜ンの泥沼戦、ウルタンクの報告にあった謎の巨大生物。帝国勢力には不利な情勢が続いた
それが生んだ物は各都市での叛乱事件。度重なるテロ。そしてQQQQによる散発的な攻撃
主力部隊の喪失に始まるカルオス帝国内の混乱は、ピークに達していた
この情勢自体はレイオガル王国も似たようなもので、テロ事件には至らないものの部内でのいざこざが相次いでいる
ノースグリーンに、平和は訪れるのか
一方、キョウビーチャに設営された臨時司令部では、怪獣に対する航空攻撃の戦果が発表された
試作光学兵器を搭載した攻撃機による攻撃を試したが、こちらも効果は薄かったようだ
ロドスシルト少佐「・・・一体どうすれば・・・」
会議室に置かれた資料を見ながら、ロドスシルト少佐が言う
ビスカイト中将「・・・そういえば、Qシュタイン帝国軍の作戦の準備は完了したのか?」
プロトン通信兵A「・・・いえ、まだ完了していないようです」
リピーレド元帥「怪獣は着実にノースポートに近づいているんだぞ!こんなんで大丈夫なのか?!」
リピーレド元帥が騒ぎ立てる
フェレックス大将「落ち着いてください!・・・現場の指揮官が落ち着かなくてどうするんですか!?」
そのとき、無線機を取った通信兵が、新たな情報を報告した
プロトン通信兵A「クラウドポリスより入電です!『沿岸部に有刺鉄条網を展開、電撃により怪獣を仕留める』・・・以上です!」
問題の生物は海から現れた。海洋動物は電撃に弱い。この理論で沿岸部に電線を張ったようだ
通じるかどうかは分からないが、少なくとも足止めにはなるだろう
報告によれば、「事態は海軍のみでは収拾がつかない」として、陸軍総司令部の近衛元帥、空軍幕僚本部のヨシツネ大将が着任したという
他、本土防空本部司令の富樫元帥、陸軍本土防衛隊司令の有安元帥などの幕僚が集結、怪獣対策に全力を尽くすとのことだ
ビスカイト中将「QQQQの幕僚達が雁首構えて待ち構えているわけだ。これで怪獣を撃退できなければQQQQの軍事力はハリボテということになるぞ」
勿論、QQQQの軍事力がキュワール連合軍において強力なものであることを承知しての発言である。怪獣を後一歩のところまで追い詰めているQQQQならば、撃退できないはずが無い、という意味だ
フェレックス大将「・・・問題は、QQQQ内部の派閥対立といったところかな」
派閥対立。これが、QQQQの軍事力をほぼ無力化せしめている要素である
現在の与党、高杉派はいわゆる穏健派で、貿易重視の政策をとっている
だが野党、橋本派は、「キュワール最強の国家」を旗印に、軍備重視の政策をとっている
戦時下とあって、現在は橋本派がやや優位で膠着状態となっている
さらに橋本派を後援する木内派などの派閥や、一部では強大な武装組織が潜んでいるという噂さえもある
ノースグリーン大陸南東部に位置するチョロ〜ン系の国家、元帝国と接しているというさらに荒唐無稽な噂まで上がっているが、橋本派を打ち崩すほどの勢いは持っていない
橋本派のほうは全て高杉派によるデマで、高杉派は従来より戦果捏造を行っていたと「噂」を逆手に取った作戦で反撃している
戦時下でありながらも国内の対立が激しいため、核弾頭を保有する軍事大国QQQQはあまり動き出せないようだ
緒戦の段階ではノースグリーン強襲など思い切った行動をとっていたが、ことごとく失敗したためか最近はそうでもない
カースゲース進駐、A−307事件、本土空襲、そして今回の怪獣の出現
我が国プロトンも核保有国となったわけだが、やはりこのような受難がいずれ襲うのだろうか
第十六話 続く
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松井一真
- 2009/12/31 22:13 -
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交戦。昭和風の雰囲気を出してみた。
第十六話 大艦隊総攻撃
空は晴れ渡り、海は穏やか
しかし、海面には、無数の白波が立っていた
QQQQの駆逐艦たちが、海を埋め尽くすかのように並んでいる
それらは散開して、いくつかの隊列を作る
指揮を執る軽巡洋艦「天塩」には、戦隊指揮官四条大佐と、同艦艦長フォード少佐が座乗している
QQQQ兵士A「目標、前方の海上数海里!後少しです!」
ヘッドセットを被った水測員が言う
前方に白波は無いが、そこに敵がいることは明らかだった
海底から響き渡る地響きは、勿論潜水艦が立てるものではない
「天塩」のソナーは、それをしっかり感知していた
四条大佐「よし、爆雷投下準備!」
フォード少佐「爆雷投下、用意!」
フランクリン大尉「爆雷投下用意!」
副長のフランクリン大尉が復誦する
複数の隊列が、一つのポイントに向かって前進する
QQQQ兵士A「目標地点到達まで、5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・」
フォード少佐「投下!」
フランクリン大尉「投下ぁぁ!」
艦尾の爆雷投下軌条から、次々と爆雷が投下される
水雷戦隊が通り過ぎてしばらく後、海面から巨大な水柱が上がった
再び爆雷が投下される
時間差で調整した爆雷は、海底近い深度で爆発する
再び上がる水柱
あまりにも盛大に上がるが、怪獣に効果があるとは思えない
何しろ、これまでの波状攻撃を、全て耐えぬいたのだから
ノースポート州沿岸部、第一防御陣地
既に空は赤く、日が沈みつつある
大量のクレーン車が、無数の鉄塔を組み立てている
M5牽引車が、野砲を牽引する
土嚢を積むチョロQたち
積みあがった土嚢の後方に、重機関銃を配置する
陣地付近にはショベルカーやモーターグレーダーなどの重機の姿が見える
そしてその傍らには、変電所のような建物があった
これが今回の作戦の主軸である、通電指揮所だ
長原中佐(車種:チャーチルMkIII)「第一管区、起動試験!」
高羽少佐(車種:T−34/76)「第一管区起動!」
指揮官は第一軍に属する長原中佐と高羽少佐である
発電機の起動音が鳴り響き、「第一管区」のランプが点く
QQQQ兵士B「起動試験、よし!」
「第一管区」のランプが消え、発電機の起動音が止まる
高羽少佐「第二管区起動!」
今度は「第二管区」のランプが点き、発電機の起動音が響く
怪獣の上陸地点に応じて、各管区に電力を供給、電撃にて「G」を殲滅するのだ
大方起動試験が完了し、通信兵が無線機を取る
QQQQ通信兵A「有刺鉄条網の起動試験完了!後は『G』を待ち受けるだけです!」
窓の外に見える無数の鉄塔の後方には、155mm榴弾砲の姿がある
その付近に積まれた土嚢の影には、重機関銃が配備されている
第一防御陣地の防備は、完了した
クラウドポリス、怪獣対策本部
急遽設立された怪獣対策本部に、多数の幕僚が集結する
近衛元帥「ひとまず我々にできる防備は完了しました。後は海空軍の出方次第といったところ、ですな」
ルーズベルト大将「今まで時間稼ぎをしてきましたからね。『G』が深いところに潜ってくれて助かった」
既に三重の防御線が構成され、準備を整えている
一つは長原中佐率いる第一二一連隊。第一防御陣地の指揮を執り、有刺鉄条網作戦の要を成す。この他に第一軍に属する三個師団が布陣している
もう一つは有安軍の参謀、シュンジ大佐率いる第二〇一連隊。QQQQ本土防衛部隊の精鋭で、万が一突破された場合の防波堤となる
そしてもう一つが川本中将率いる第四一師団。ノースポート近辺に布陣する最後の砦だが、こちらの指示を聞いてくれるかどうかは分からない
有安元帥は当初さらに部隊を増派する予定だったが、多方面への防備が手薄になることから中止となった
QQQQ通信兵B「司令!有刺鉄条網の展開完了とのことです!」
イソロク中将「了解した。水雷戦隊は引き続き『G』を攻撃、ほんの僅かでもダメージを与えるんだ」
大規模な戦力を配備しての一大防衛網。果たして、「G」を倒すことはできるのか
キョウビーチャ、臨時司令部
通信文を持った兵士が、司令部に駆け込んできた
プロトン通信兵B「QQQQ第二艦隊特別混成郡より入電!『爆雷攻撃を敢行するも効果は見られず。有刺鉄条網の展開は完了したためこれに望みを託す』、以上です!」
リピーレド元帥「完成したのか!?」
プロトン通信兵A「はい、その報告です」
机の上に置かれた地図には、鉄条網の展開された地域を示す線が引かれている
既にこの地域周辺は住民の退去が完了しており、残っているのは主力の三個師団だけだという
ふと、QQQQ時刻に合わせられた時計を見てみると、既に夜になっていた
怪獣が発見されたのは昼だったから、既に五時間以上戦っている計算になる
勿論、これからさらに長い戦いになることは、予想はついている
夜間、第一防御陣地
辺りは闇に包まれ、司令部付近にはサーチライトを搭載した装甲車が待機していた
沖合いの海が、突然荒れ始めた
長原中佐「おいでなすったな」
高羽少佐「第三管区、起動!」
起動音とともに、発電機が動き始める
同時に、隊員達が陣地まで飛び出す
荒れ始めた海に、徐々に大きな波が立ち始める
その波はさらに大きくなり、やがてその中心が割れた
そこから、トカゲとも恐竜ともつかない、異形の怪物が現れた
あれが「G」か
QQQQ将校「撃ち方始めぇ!」
配置された榴弾砲が、一斉に撃ち始める
その砲撃を受け、一旦「G」は立ち止まる
雷鳴のような咆哮が、辺りにこだまする
一帯からの砲撃は、一瞬だけ陣地を照らし、すぐまた暗闇が陣地を覆う
陣地の陰から、サーチライトが照らされる
その光は、「G」の顔を照らした
再び、咆哮がこだまする
QQQQ将校「撃てぇ!目を狙うんだぁ!」
その命令とともに、陣地に光る閃光
それを意にも介さず、「G」は前進する
QQQQ兵士A(通信)「効果ありません!」
長原中佐「砲撃はいい!とにかく有刺鉄条網まで近づけるんだ!」
砲声は通電指揮所にも響き渡っている
そして、遂に「G」が鉄塔へと手を掛けた
閃光と共に、仰け反る「G」
しかし、即座に転進し、鉄塔へ熱線を吹き付けた
配電盤の「第三管区」の文字が不規則に点滅する
直後、閃光と共に鉄塔が倒壊した
QQQQ兵士A(通信)「第三管区、鉄塔一基倒壊!」
高羽少佐「何っ!?」
そのとき、司令室内に轟音が響き渡った
「G」の咆哮だろうか
直後、付近で爆発が起こった
窓の外を見ると、また一つ鉄塔が倒壊していた
大勢の隊員達が退避していく
長原中佐「総員退避だ!急げぇ!」
そう言って、書類を纏める長原中佐
QQQQ兵士B「早くしてください!」
兵士の一両がトラックに飛び乗り、エンジンを掛ける
再び轟音が響く
遠雷のような爆発音
既に指揮系統は混乱。有刺鉄条網作戦は失敗に終わった
眼下に見えるは、異形の怪物
既に何度、飛行場とここを往復しただろう
慣れない対地攻撃任務の命令が入って早三日。二時間ほど前まで海岸にいたはずの「G」は、今自分たちの目の前にいる
この大戦が始まってからという物、どうにもわけのわからない敵たちと戦うことが多すぎる
開戦当初に戦った国籍不明機。後になってQトルックではないかという噂まで立った
あの時に撃墜された雪辱は、勿論忘れていない
既にあの怪物によって、大勢の隊員が倒れた
その敵は、自らが討たなければならない
飛行隊隊長、高杉大佐は、部下に指示を出した
高杉大佐「各機、散開して『G』を攻撃しろ!爆弾が無くなれば機銃掃射でもいい!とにかくやれ!」
七機の戦闘機は、一斉に旋回し、「G」へと向かう
一機が、「G」へ肉薄し、対地爆弾を投下する
見事命中、「G」の背中に火花が上がる
しかし、「G」は構わずに前進する
上空をフライパスする戦闘機
「G」は振り返り、戦闘機を視界に捉える
そのとき、もう一機の戦闘機が爆弾を投下した
再び命中弾、火花とともに咆哮を上げる「G」
間髪いれずに、さらに一発
その巨体の各所に火炎が立ち昇り、消える
高杉機も、「G」に肉薄する
機銃を叩き込んだ後、爆弾を投下、上昇してフライパスする
高杉大佐「これでどうだ!」
しかし、「G」の背後に上った煙が消えたとき、その背中が青白く光った
高杉大佐「熱線来るぞ、避けろぉ!」
凄まじい爆発のような音とともに、発せられる青白い光線
高杉の機体に、青白い熱線が迫る
高杉大佐「あんな怪物に、やられてたまるか!」
急旋回し、熱線をかわす
その間にも、別の機体が「G」に対地爆弾を投下する
再び「G」の胴体に命中し、火花を上げる
QQQQの戦闘機は、対地爆弾を二発搭載できる
今、その二発を使い果たした機体は、今までより鋭い機動で熱線をかわしつつ、機銃を叩き込んだ
高杉機も二発目の爆弾を投下し、機銃掃射の体勢に入った
そのとき、「G」が高杉機のほうを向いた
高杉大佐「しまった!」
急いで操縦桿を倒し、急降下する高杉機
「G」の脇腹を掠めるようにして飛び去る高杉機
背後に響き渡る爆発音と、熱線の噴射音
急降下爆撃機が、「G」へ襲い掛かる
高杉大佐「今のうちに退避だ!体勢を立て直すぞ!」
「G」の周囲に噴煙が上がり、爆発音が響き渡る
高い命中精度を誇るQQQQの爆撃飛行隊だが、「当たっても効果が薄い」のでは意味はほとんど無い
さらに、いざ爆弾を投下すれば身軽ではあるが速度の遅い機体ゆえ、真っ先に「G」に捉えられた
青白い熱線が、急降下爆撃機の編隊を貫通する
航空隊の攻撃は、失敗に終わった
第十六話 続く
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松井一真
- 2009/12/31 22:14 -
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作戦。そういえば図上演習っぽいのやってる怪獣映画って少ないなぁ。
第十六話 大艦隊総攻撃
一方、激戦は地上でも行われていた
熱線の爆発により、崩れる地面
崩落に巻き込まれ、倒れる兵士
現在この地域では、シュンジ大佐率いるQQQQ精鋭部隊が「G」に地上から攻撃していた
しかし、状況は圧倒的劣勢を強いられており、精鋭部隊は壊滅的打撃を受けていた
QQQQ兵士C(通信)「こちら第582中隊!状況は劣勢!『G』の熱線の威力はかなりの物です!」
数量の戦車が、「G」に遠距離から砲撃する
その砲撃は「G」に直撃し、硝煙を上げる
しかし、「G」の背が青白く光るや否や、青白い熱線が戦車隊を襲った
QQQQ兵士C(通信)「『G』が熱線の発射態勢に入りました!あっ!青い閃光が・・・」
轟音とともに、通信が途絶える
QQQQ通信兵B「・・・第582中隊、壊滅!」
通信士の報告を聞き、シュンジ大佐は愕然とした
彼は信じていた。自分の住む国、QQQQの実力を
絶対にどの国にも負けない強い力。それこそがQQQQの軍事力だと
しかし、勝てない。キュワール最強のQQQQの力をもってしても勝てない、恐ろしい敵
ショウタ中佐「大変です!空軍爆撃飛行隊が壊滅、撤退したとの報告が入りました!」
副官のショウタ中佐が、通信文を持って駆けつける
シュンジ大佐「・・・なんてことだ・・・」
キュワール最強のはずの空軍が敗れる。動きは遅く、図体も大きい。航空機の格好の的のはずだった奴に
シュンジ大佐「ショウタ・・・嘘だろ、そんなこと」
改めて、ショウタ中佐に問いただす
ショウタ中佐「いえ、事実です。どうしてもというなら・・・上空をご覧下さい」
それを聞き、シュンジ大佐は天幕を出て上空を見上げた
QQQQの記章をつけた急降下爆撃機が、「G」に向かって急降下していく
しかし、「G」の背中が青白く発光するや否や、それと同じ色の熱線が放たれる
一撃で吹き飛ばされ、爆発四散する急降下爆撃機
「G」にはいくつもの硝煙が立ち昇るが、ダメージは僅かのようだ
やはり、撤退の報告は本当だった
最強のQQQQ空軍が敗れる。異形の恐ろしい怪物に
目の前の現状に、シュンジ大佐は落胆した
第二防御陣地、壊滅・・・
通信文を持って、一両のM3軽戦車が駆け込んできた
プロトン通信兵B「第二防御陣地、壊滅!」
リピーレド元帥「何ぃっ!?」
その報告を聞き、リピーレド元帥は驚愕した
ロドスシルト少佐「・・・さらに電撃を加えても倒れないというのか・・・」
フェレックス大将「現在の怪獣の予想針路は?!」
プロトン通信兵B「そのままノースポート市街地へと前進しています。ノースポートの壊滅は避けられません!」
壊滅。突然海から現れた異形の怪物によって、一つの大都市が壊滅する
そのようなことがあり得るのか
いや、空想の産物と思われていた「怪獣」が現実に存在することが明らかになった以上、それも考えられる
「怪獣」の能力は、その筋のチョロQによればオーソドックスなものであるらしい
核の影響で誕生し、放射能を有する熱線を放射する。事実、第一防御陣地付近に放射能が検知されたという
そんな怪物が、ノースポートへと襲来するのだ
現在QQQQ空軍の航空隊が、改めて怪獣を攻撃している
効果が薄いことは明らかだが、それでも牽制になるのだから撃っているだけマシなのだという
頼みの綱となるQシュタイン帝国軍の作戦は、一体どういうものなのだろうか
プロトン通信兵A「QQQQから通信です。『ノースポートに非常事態宣言が発令。住民の退避を急いでおり、陸上部隊を展開中』とのことです!」
報告に寄れば、怪獣は既にノースポート付近へと接近。QQQQ陸空軍の攻撃をもろともせず前進している
これを撃滅できるのは、Qシュタイン帝国の作戦しかない
フェレックス大将「そういえば、Qシュタイン帝国軍の作戦についてだが・・・」
リピーレド元帥「そうだ!忘れていたぞ!Qシュタインの作戦はどうなったんだ!?」
会議室の扉を、豪快に開ける一両の九七式中戦車
チハ大佐「それに関しては、私が説明しましょう」
日戦軍団陸軍、第一一中隊司令、チハ大佐
一個中隊指揮官としては異例なほど、単独で姿を見せることが多い彼は、かつてはグリシネ陸軍の名将であった
ある事件がきっかけで「民兵」へと移り、前線で指揮を執っている
チハ大佐とともに入室してきた九五式軽戦車が、地図に戦車の形をした駒を置く
その地図はノースポート市街地の拡大地図であった
地図の郊外に当たる部分に、映画の商品だった怪獣の模型を置く
チハ大佐「怪獣はこのまま、ノースポート市街地へと向かう物と思われます」
そういって、怪獣の模型をノースポートのほうへと進める
チハ大佐「そこで、新開発の熱線砲車を、ノースポート市街地の各所に配置します」
戦車の駒の脇に、熱線砲車に見立てた自走砲の駒を置く
チハ大佐「熱線砲車の攻撃によりダメージを受けた怪獣は、恐らくは一時後退するはずです。そこで・・・」
九五式軽戦車が、グライセンを模した空中戦艦の駒を持ってくる
チハ大佐「グライセンが誘導役を買って出ます」
スピシュード中佐「誘導役!?」
チハ大佐「はい。誘導役です」
一度は怪獣を倒すほどの実力を持っていた「グライセン」を「誘導役」とする
一体、どこへ「誘導」するというのだ
チハ大佐「沖合いにある火山島まで誘導し、火口に落とします」
それは、大方の予想を覆す作戦であった
高い技術力を持つQシュタイン帝国ならば、強力な超兵器を持って怪獣を撃滅する物だと思われていた
しかし実際は、「グライセン」を用いて怪獣を火山島まで誘導し、火口に落とすという至極原始的なものであった
リピーレド元帥「意外と単純な作戦なんだな。その割には随分と準備に時間がかかったが」
チハ大佐「グライセンに特殊装備を搭載するのに手間取っておりました。それと・・・グリシネ沖に、ウルタンク帝国の大規模航空部隊が接近しているとの報告が入りまして、そちらの対応にも追われていました」
その報告を聞き、幕僚達はざわめき始めた
フェレックス大将「ウルタンクの航空部隊!?」
スピシュード中佐「もしこのままどこかの町が襲撃されれば、大損害は免れませんね・・・」
チハ大佐「落ち着いてください。航空隊は恐らく、グリシネに向かう物と思われます。それに関してはわが海軍の航空隊が対応することとします。グリシネは空軍国家です。本国軍の実力も相当なものです」
連合軍が怪獣の襲来により、その対応に追われている隙を突いて、ウルタンク帝国軍は陸軍航空隊をグリシネへと進めていた
Qシュタイン帝国軍のQトルック攻撃において重要な補給拠点となるグリシネを叩けば、一時的とはいえ補給が滞り、高い技術力を持つQトルック軍の反攻を促すことができる。そう考えたウルタンク帝国幕僚の発案であった
チハ大佐「話を怪獣対策に戻しますが、グライセンを使う理由は、もうひとつあります。グライセンが一度怪獣に大ダメージを与えているからです」
スピシュード中佐「・・・一体、どういう意味ですか?」
チハ大佐「実は現在の怪獣の移動経路は、グライセンの飛行ルートとほぼ一致しています」
兵士の一両が、グライセンの飛行ルートを地図に描く
それに続いて、チハ大佐が怪獣の移動経路を描く
チハ大佐「何故そのようなことができるかは分かりませんが・・・一度手傷を負わせた相手を最後まで追跡するという執念を、逆に利用するというわけです」
フェレックス大将「・・・それでは、最初の熱線砲による攻撃は?」
チハ大佐「無論、グライセンが来るまでの足止めです・・・質問は、以上でしょうか?」
チハ大佐の発言の直後、会議室は沈黙に包まれた
フェレックス大将「・・・我々は、黙って状況を見守ることしか出来ない。そう言うことだな?」
チハ大佐「・・・はい、そういうことです」
チハ大佐は、この作戦説明の結論を、プロトンの幕僚達に述べた
ゲープコッチ島沖、一隻の潜水艦が、哨戒任務についていた
プロトン王国所属、潜水艦「アーチャーフィッシュ」。建造されたばかりの最新鋭艦で、試験航海を兼ねてゲープコッチ島沖を航行していた
通信士「こちら潜水艦『アーチャーフィッシュ』。現時点において周辺海域に異常なし」
定時の連絡を終えた通信士は、マイクを置いて休憩に入った
副長「北方海域で怪獣が出たそうですね」
艦長「どうもそうらしいな。連合軍が総出でかかっているようだが・・・まだ倒せていないみたいだ」
怪獣の出現についての報告は、勿論海軍にも伝わっていた
当初はこの海域には水上艦艇が警戒に当たっていたのだが、怪獣の襲来に伴い防備の強化が必要になるとして、北方海域に引き抜かれたのだ
戦時下とはいえ、泥沼の戦況とあっては、流石に現場は疲弊してくる
哨戒任務に当たっている彼らも、先の通信士のようにヘッドセットを置いて休憩しているものもいる
しかし、流石に水測員だけは、きちんとレシーバーを当てて周辺の探知に当たっていた
水雷長「しかし、あれですね。核弾頭でも倒れない怪獣だなんて、どうやって倒せばいいんですかねぇ?」
航海長「聞いた話じゃ、火口に落として動けなくするらしいぞ」
そのとき、乗員たちの雑談を遮るように、水測員が叫んだ
水測員「所属不明艦探知!恐らく駆逐艦・・・いえ、かなりの数の艦艇が!」
艦長「何っ!?」
実はこのとき、ウルタンク軍は二重に渡って攻撃計画を立てていた
陸軍航空隊がグリシネ本土を空爆しているうちに、海軍の機動部隊が補給線の中心となっているゲープコッチを爆撃、連合軍に打撃を与えるというものであった
「民兵」は陸軍航空隊の攻撃は察知していた物の、海軍の攻撃は察知できていなかった
艦長「本部に至急電だ!『ゲープコッチ沖に敵機動部隊出現!空母多数、ゲープコッチ攻撃に向かう物と思われる』!急げ!」
通信士「了解!」
通信士席に腰掛けて休んでいた通信士が、急いで無電を打つ
ゲープコッチにはチョロQアイランド解放作戦の準備のため待機するヒチニリア陸軍がいる。なんとしてでも被害は避けたい
果たして、間に合ってくれるのか
第十六話 続く
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松井一真
- 2009/12/31 22:14 -
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メーサー作戦発令。この辺、昭和と平成のチャンポンです。
第十六話 大艦隊総攻撃
同時刻、ノースポート市街地
駅のホームで、列車を待つ市民達
ホームは喧騒に包まれているが、一応近くにいるチョロQ同士の会話はできる
どこからか「また逃げなければならないのか」という声が聞こえた
どうやら空中戦艦の空爆の時に逃げてきたチョロQのようだ
市民A「核弾頭二発を受けても倒れないという怪獣を、どうやって倒すというんだろうな」
市民の一台が、隣にいるもう一台に話し掛ける
市民B「さっき通ってった自走砲。あれを使うって噂を聞いたぞ」
隣の一台が答える
市民C「自走砲って・・・あの二両連結のあれか?」
傍らで聞いていたもう一台が聞く
市民B「ああ、そうだ。Qシュタインが開発した新兵器だそうだ」
市民C「へぇ、新兵器か。随分と大きかったな」
市民A「そりゃそうだ。怪獣倒すんだもの」
三台が話をしていたのは、駅に向かう途中ですれ違った自走砲である
二両連結で、後部車両に砲塔を有し、さらにその砲塔から延びる砲身の先端には巨大なパラボラアンテナがつけられていた
新型の熱線砲車だという噂があるが、真偽は不明である
市民C「しっかし、あれだな。その怪獣が現れたのは、軍の核実験だろ。それをまた軍の都合で倒すってのもなぁ」
市民の一台が、鋭い発言をする
確かに、あの怪獣が現れたのは軍の核実験、すなわちQQQQの都合である
その怪獣をQQQQの都合で倒さなければならない。なんとも身勝手な話ではないのか
市民B「そうは言っても、その巻き添えを食うのは俺達なんだよ。このまま軍が何もしなければ、俺達は言葉無き死刑宣告をされたようなものだ」
市民C「・・・そうだけど、なんかやりきれねぇな・・・」
そのとき、構内にチャイムが鳴り響いた
「まもなく一番線に、電車が参ります。白線の内側までお下がりください」
駅員「えーサウスポート方面、快速列車です。臨時列車が続行で参ります。落ち着いてご乗車ください。現在当地区において非常事態宣言がされております」
自動放送のアナウンスに、駅員が付け足す
轟音とともに、列車がやって来る
郊外にあるこの駅は落ち着いているが、市街地では混乱状態に陥っているらしい
臨時列車の度重なる続行運転はそこから来ているようだ
快速列車も、臨時で市街地を通過するほどだった
それから数時間後、ノースポート市街地にサイレンが鳴り響いた
日戦軍団兵士A(通信)「第一班、配置よし!」
日戦軍団兵士B(通信)「第二班、配置よし!」
日戦軍団兵士C(通信)「第三班、配置よし!」
各方面の部隊から、一斉に報告が入る
部隊の指揮官、西田大尉が、各部隊に指示を出す
西田大尉(車種:61式戦車)「よし、『G』の接近を確認出来次第、陣地内の全熱線砲で砲撃を行え。奴が退いたら、そのままグライセンが誘導を行う。頼むぞ!」
日戦軍団兵士(通信)「了解!」
各方面の部隊から、一斉に返答が届く
日戦軍団通信兵「報告!『G』がノースポート市街地に突入しました!」
通信兵が、斥候からの通信を報告する
現在、この部隊に配属された最新式熱線砲車は、Qシュタイン帝国と日戦軍団が共同で開発した新兵器だ
元々は特殊弾頭弾迎撃兵器として開発されたものだが、急遽怪獣対策として導入された
二両連結式で、歩兵戦闘車を思わせる装甲車両の後部に、巨大な熱線砲塔を持つ砲車が連結されている
砲車の車体上には、巨大なパラボラアンテナを有する熱線砲塔が搭載されている
この熱線砲車が、ノースポート市街地の各所に、四両一個班が五班、計二〇両が配備されている
威力に関しては今のところ未知数だが、「G」を撃退することができるだろうか
日戦軍団兵士A(通信)「こちら第一班!『G』の接近を確認!射程圏まで引きつけます!」
前線部隊から、新たな報告が入る
西田大尉「相手は飛び道具を持っている。警戒しろ!」
日戦軍団兵士A(通信)「了解!」
その直後、通信機からの声は聞こえなくなった
代わりに、地響きが通信機越しにこだました
遠方から響く地響きは、「G」の足音か
そして他のどの生き物の鳴き声とも似つかぬ轟音は、「G」の咆哮か
その無言の攻防が数十秒続いた後、再び通信機から声が聞こえ始めた
日戦軍団兵士D(通信)「射程圏内に突入!」
日戦軍団兵士A(通信)「よし、熱線砲照射始め!」
それは、それまで怪獣に一方的に攻撃されていた連合陸軍の、反撃の始まりだった
その命令とともに放たれた熱線は、真っ先に「G」の胴体に直撃した
照射された五つの熱線の放つ光は、建物のガラスに反射してまばゆい光を放つ
「G」は今までとは違う咆哮を上げる
日戦軍団兵士D「効いているようです!」
日戦軍団兵士A「よし、続けろ!」
熱線の照射は「G」に容赦なく浴びせられ、「G」の各所に直撃する
西田大尉「ロケット砲、撃ち方始め!」
さらに畳み掛けるように、陣地に配置されていたロケット砲が咆哮を上げた
大型トラックの荷台に二八連装噴進砲を搭載した自走ロケット砲は、元々陣地攻撃用に開発されたものだった
こちらは各班ごとに十五両が配備されている
噴射煙により、周辺が一瞬だけ曇る
その攻撃は、間違いなく「G」に命中していた
さらに熱線砲の攻撃も相まって、「G」に打撃を与えた
そのとき、「G」が一瞬仰け反った
日戦軍団兵士D「班長!『G』が後退を始めました!」
日戦軍団兵士A「よし、グライセンに出撃要請急げ!」
日戦軍団兵士D「了解!」
兵士の一両が、無線機へ向かっていく
西田大尉(通信)「こちら本部、こちら本部。第一班応答せよ!」
無線機のマイクを持って、兵士が駆けつける
班長が、そのマイクを取る
日戦軍団兵士A「こちら第一班、こちら第一班。『G』が後退を開始。グライセンに出撃要請願います!」
西田大尉(通信)「こちら本部、了解。すぐに飛行場に連絡する」
日戦軍団兵士A「了解!」
通信は一旦、そこで切れた
なおもロケット砲と熱線砲の攻撃が続けられ、「G」は後退を続ける
数十秒後後、付近にジェット機の轟音が響き渡った
QQQQ空軍の誇る空中戦艦、「グライセン」だ
「グライセン」の操縦席には、リベンジに燃えるシン少尉の姿があった
シン少尉「先ほどは倒せなかったが・・・今度こそ!」
「G」をフライパスし、ロケット弾を発射する
ロケット弾は「G」に直撃し、火花を上げる
「G」は「グライセン」のほうへ振り向き、熱線を発射する
それを確認したシン少尉は、操縦桿を倒した
熱線が「グライセン」を掠めて飛んでいく
「グライセン」はそのまま、大通りを一直線に進む
「G」はそれを追って真っ直ぐに進んでくる
QQQQ通信兵C「『G』が追ってきます!」
QQQQ兵士D「誘導作戦は大成功だな」
シン少尉「そのまま海岸線まで前進する。見失うなよ!」
チハ大佐が指摘した「執念」は現実の物となった
誘導作戦の第一段階は見事成功。「グライセン」はそのまま、郊外へと向かった
その間、シン少尉は計器を眺めていた
操縦室内には地図が広げられ、ノースポート沖の火山島まで真っ直ぐの線が引かれていた
眼下の景色は大都会の大通りから、草原へと変わったが、「G」は変わらず付いてきた
時折発せられる熱線をかわしつつ、「グライセン」は「G」へロケット弾を叩き込みながら、「G」を火山島へと誘導していた
第十六話 続く
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松井一真
- 2009/12/31 22:15 -
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終結。そういえば怪獣映画の怪獣って結構呆気ない最後多いなぁ。
第十六話 大艦隊総攻撃
「グライセン」は建物の少ないところまで来たところで旋回し、海岸線へと向かった
しかし、この間にも、派閥違いが立ちはだかった
この付近には川本中将率いる第四軍が展開しており、先の戦闘で打撃を受けた有安軍に代わって「G」を撃滅しようと待ち伏せていた
榴弾砲や各種大口径火器などを有し、さらにミサイル自走砲まで有している精鋭部隊は、高杉元帥の派閥と対立する橋本派の部隊だった
「派閥軍隊」。これがQQQQ軍の実情だった
政治派閥に直結し、政治家の意向に左右される軍隊。それがQQQQの軍である
故に、正規軍の大規模クーデターという可能性さえも秘めている
QQQQ兵士E「『G』がミサイル自走砲の射程圏内に突入しました。攻撃の許可を願います!」
双眼鏡を持つ兵士が報告する
川本中将「グライセンの現状は?」
傍らの副官に問う
副官「こちらの存在には気づいていないようです」
どうやら偽装が功を奏したようだ
高性能レーダーを有する「グライセン」を欺けるステルス偽装は、このときも絶大な威力を発揮した
川本中将「よし、偽装を外せ。すぐに撃てるようにしてあるな?」
QQQQ兵士E「勿論です!」
複数の兵士が偽装に取り付き、偽装を取り外す
偽装を外すと、そこには長い砲身が突き出し、さらに砲塔上に連装ミサイル発射機を有する自走砲が現れた
このとき、「グライセン」のレーダースクリーンには、突然自走砲を示す光点が出現した
「HASHIMOTO Grand Force Missile−Tank」。その文字が、光点の周囲を埋め尽くした
川本中将「撃てぇ!」
砲塔上のミサイル発射機から、各二発のミサイルが発射される
QQQQ兵士F「主砲、攻撃始め!」
それに続いて、主砲の大口径砲が咆哮する
その集中砲火が「G」に瞬く間に襲い掛かった
爆炎に包まれる「G」
自走砲の攻撃はさらに続けられる
QQQQ通信兵D「大変です!本部から攻撃中止命令です!」
通信兵が駆け込んでくる
川本中将「構わん!どうせ本部の指揮官は近衛だろう!我々の上官は浜田大将だとでも言っておけ!」
QQQQ通信兵D「しかし・・・」
そのとき、激震が臨時司令部を襲った
川本中将「何事だっ!?」
QQQQ兵士E「『G』の反撃です!」
爆炎を拭い去り、「G」が熱線で反撃したのだ
榴弾砲の果敢な反撃も空しく、「G」の熱線は陣地の各所を粉砕していく
砲身が飴のように垂れ下がり、炎上するミサイル自走砲
QQQQ兵士F「退避!退避だ!うわぁぁぁ!」
爆発とともに、炎上する兵士
川本中将「・・・なんだ、これは・・・!」
周辺一帯が焼け野原と化し、彼らのいる臨時司令部付近だけが生き残っていた
そして、その生き残った臨時司令部に向かって、「G」が進んでいた
川本中将「おいっ、急いで逃げるぞ!」
副官「ダメです!間に合いません!」
「G」が臨時司令部のほうを注視する
直後、その背中が青白く光る
しかし、その発光は、背後からの砲撃により消えた
背中に立ち昇る硝煙
川本中将「・・・なんだっ!?」
臨時司令部をフライパスする戦闘機
確かあれは・・・日戦軍団から入手した最新鋭機だっただろうか
QQQQ兵士E「友軍の空母航空隊です!急いで退避しましょう!」
沖合いに展開していた、空母「白龍」を旗艦とする第八艦隊の艦載機だった
航空機の一機が通信文を投下する
「攻撃作戦は一時中断。沖合いにて第八艦隊が『G』を撃滅する。ただちに退避せよ 以上」
川本中将「よし、全部隊、退避急げ!」
副官「了解!」
川本中将以下、第四軍の残存勢力は、ただちに撤退。QQQQ陸軍の対「G」攻撃は、これで終了となった
さて、誘導作戦を妨害された「グライセン」は、一旦の燃料補給の後再び飛び上がった
いざ飛び上がってみれば、第八艦隊の艦載機が「G」を袋叩きにしていた
このままでは、誘導作戦の続行が困難である
しかし、第八艦隊艦載機が補給に戻るために、撤退を開始する
「グライセン」はその隙を突いた
一度見失った空中戦艦を再確認した「G」は、ただちにそれを追跡した
QQQQ通信兵C「『G』がこちらに気づきました!追って来るようです!」
QQQQ兵士D「・・・梃子摺らせてくれたな・・・」
それも、味方にである
シン少尉「仕方が無いだろう。これがQQQQの実情なんだ」
そのとき、高高度から数機の戦闘機が急降下してきた
第八艦隊の艦載機だ
シン少尉「まだ諦めきれてないのか?!」
QQQQ兵士D「もう海岸線だぞ!」
QQQQ通信兵C「第六艦隊に応援を呼びましょうか?」
少し迷った後、シン少尉は答えた
シン少尉「・・・よし、頼む!」
QQQQ通信兵C「了解!」
勿論、本気で落としに行くわけではない。あくまで牽制である
こんなところで内乱戦はしたくない。これ以上の犠牲は払いたくないのだ
それから数分後、第六艦隊の艦載機が応援に駆けつけた
第八艦隊航空隊は、第六艦隊航空隊を攻撃する
こちらもある意味では囮作戦だ
この間も、「G」は終止「グライセン」を追跡していた
そして、火山島の沖合いまで到着した
後方でいまだ続けられる、航空隊同士の派閥対立を尻目に、「グライセン」と「G」は火山へと一目散に突き進む
シン少尉は火口のほうに機首を向けると、操縦桿を引き起こした
これで「G」の視点を完全に上空に向けることが出来る
「G」は「グライセン」を注視して、そのまま火山島へと突き進んだ
火山島の沖合いには、状況を見守る第六、第八艦隊と、連合軍の哨戒艦隊
「グライセン」が火口をフライパスした数十秒後、轟音が「グライセン」の後方に響き渡った
咆哮とともに、火口へ転落する「G」
その視点は、最後まで「グライセン」へと向けられていた
火山島の沖合いに展開する軽巡「天塩」からは、火口へ転落する「G」の姿が確認できた
フォード少佐「・・・火山への影響は?」
フランクリン大尉「ほとんど無いそうです。だからこそ、この作戦が通ったそうですよ」
四条大佐は、ただ火山のほうを見つめていた
煙は見えず、雲も無く
ただ青い海原と、小さな火山島、そして連合軍の大艦隊だけが、そこに浮かんでいた
その上空を、無数の航空機がフライパスする
それぞれの母艦に戻る艦載機たちだ
攻撃目標が「自滅」したことで、第八艦隊航空隊は母艦へと帰投することとなった
そしで作戦目標を達成した第六艦隊航空隊も、母艦へと帰投するのであった
四条大佐「・・・仕方がないとはいえ・・・少し可哀想なことをしたな」
フォード少佐「・・・はい」
「まだ倒れないのか」といわれつづけた大怪獣は、火山島という自然の猛威に敗れ去った
完全に死んだとは、まだ言い切れない
しかし、火山に転落したことで、その活動を停止させることは出来た
QQQQと「G」の戦いは、このとき終わったのだ
その状況をモニターしていたクラウドポリスの幕僚達に、安堵の空気が立ち込めた
イソロク中将「・・・やりましたな」
近衛元帥「・・・そうだな。なんとか『G』を撃滅することが出来た」
ここに集結した幕僚達も、ほんの数分前まで激論を繰り広げていた
その結果、多大なる犠牲を払いつつも、辛うじて「G」の撃退に成功した
しかし、その間に露呈したのは、QQQQ特有の派閥対立であった
有安元帥「・・・しかし、我々の作戦において、最大の障害となったのが、まさか自国の軍とはな・・・」
高杉元帥「・・・仕方があるまい。建国当時からの、伝統だからな」
その言葉を最後に、会議室は沈黙に包まれた
キョウビーチャの臨時司令部も、同じような状況となっていた
プロトン通信兵A「『パーシバル』から報告です。『怪獣が火山から這い上がってくる様子は無い模様。怪獣の撃退に成功。QQQQの各艦隊は撤収を開始』。以上です」
その報告を聞き、ビスカイト中将は呟いた
ビスカイト中将「・・・あの怪獣が、また起き上がってこないとは限らない。もし、再びQQQQに派閥対立が起こり、あの近くが戦場となれば、きっと・・・」
それからしばらくの間、会議室で発言をする幕僚はいなかった
ただ黙々と、兵士達が地図や駒を片付けていた
ビスカイト中将が、兵士の一両に小声で指示を出す
地図が片付けられてしばらく後、机にチョロ〜ンとグリシネ、そしてチョロQアイランドの地図が敷かれた
それを見たロドスシルト少佐は、机を離れ、退室しようとする
スピシュード中佐「ロドスシルト少佐?!」
フェレックス大将「・・・一体どこへ行くんだ?!」
問い掛ける幕僚達に対し、ロドスシルト少佐は無言で退室した
それからしばらく後、図上演習の駒を持って戻ってきた
グリシネ沖に、いくつかの駒を置く
それは、重爆撃機の駒だった
ロドスシルト少佐「・・・忘れていませんか?グリシネ沖に、敵航空隊が飛来したとの報告」
フェレックス大将「あっ!」
リピーレド元帥「そういえば!」
思い出したように、幕僚達が答える
ロドスシルト少佐「この騒ぎに乗じて、ウルタンクが動き出したようです。QQQQ陸軍の独断行動の時に、もう一つの入電が入っていました。それが・・・これです」
ロドスシルト少佐は、ゲープコッチ沖にいくつかの駒を置いた
それは、複数の空母と艦上機の駒だった
ロドスシルト少佐「・・・ですよね、チハ大佐?」
会議室の隅で直立するチハ大佐に聞く
チハ大佐「・・・そのとおりです」
それまで黙っていたチハ大佐が答える
怪獣対策の混乱に乗じ、連合軍の警戒網をかいくぐったウルタンクの機動部隊は、チョロQアイランド沖に展開。航空隊をゲープコッチ島へと送り込んだ
さらに陸軍航空隊が、グリシネ本土を強襲した
プロトン通信兵B「グリシネから緊急入電!『重爆撃機多数を擁する航空隊が領空に侵入!現在交戦状態に突入』、以上です!」
その報告に、ざわめく幕僚達
大艦隊の総攻撃は、始まったばかりなのだ
第十六話 終わり
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松井一真
- 2009/12/31 23:45 -
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「行く年来る年」の鐘の音に合わせて投稿。
あとがき:遅れに遅れたから今年中には書き上げるぞ!の意気込みで書き上げた第十六話。結局ものすごくギリギリでした。前回から半年以上経ってます。本当は七月公開の予定だったのに。結局九月〜十一月分の三話が未完成(八月分は一〇月公開の「紀伊」第七十五話で穴埋め)なので、また急ごしらえで短編作るかもしれません。「紀伊外伝」も筋書きが思いつき次第進めます。来年公開分、すなわち次回から作品タイトルの「(仮題)」を取ろうと思います。
今回もSCQ第五十五話〜第五十六話に相当しますが、冒頭のカルオス帝国の内乱はSCQ第五十七話にあったカルオス軍の内乱がモチーフとなっています。
その冒頭の内乱。地名はエースコンバット5に出てきたユークトバニア(ロシアをモチーフとした架空の国家)のバストーク半島から取ってます。
ここでさりげなく初登場するカゾフ兵長。SCQでは第八十五話で初登場し、リゾニア合衆国建国に尽力したチョロQとなっていますが、このときはゲリラ鎮圧部隊の隊員。今回は出ていませんが、第四話で少しだけ登場したドドルハ軍曹もこのゲリラ鎮圧部隊に参加しています。
会議室。試作光学兵器を搭載した攻撃機。たった一行で片付けられる割には随分恐ろしい機体ですが、勿論これは平成の某水爆大怪獣映画に登場したメーサー攻撃機がモチーフ。今後も別用途で出てきて活躍するかも。
今回の唐突(?)過ぎるQQQQ主役回は、ある意味では設定資料集「謎の国家QQQQ」の活用編ともいえます。今まで名前しか出ていなかったQQQQの幕僚達がさまざまな方面で大活躍。前回登場したイルソン中将とかも同じく名前のみ登場だった幕僚の再活用だったりします。
今回真っ先に登場した軽巡「天塩」の面々もその一つ。四条大佐は元々空母艦隊の指揮官という設定でしたが、空母艦隊の指揮官が蔵元将軍に統一されてからは出番がなくなっていました。
そしてフォード少佐とフランクリン大尉はこれまた名前のみ登場の指揮官。前回のあとがきで書いた「フランクリン」は彼です。別個に「セオドア」という海軍将校がいるので、結局ルーズベルト大将の由来がどちらなのかわからなくなっています。
この爆雷攻撃から「G」上陸までの一連の流れは勿論54年版の某水爆大怪獣映画(以下「54年版」)がモチーフ。「有刺鉄条網」という聞きなれない響きもそのまま使ってます。
「G」上陸。この場面でしか登場していない長原中佐と高羽少佐ですが、ちゃんと生き残ってますのでご安心を。因みにサーチライト車が光を当てると云々は、54年版にあった「光を当ててはいけません!ますます怒るばかりです!」のくだりから。サーチライト車が光を当てるまでは熱線を一発も撃ってませんな。
高杉大佐。こちらも下の名前が未設定の兄弟の「弟」がパイロット、「兄」が陸軍の指揮官という設定です。京城兄弟の下の名前の設定さえまだ出来てないのに、またもや兄弟キャラの登場・・・というか、この兄弟はかなり前から出てるんですがね。
有安軍の登場。総司令官の有安元帥は司令部にいるので、副司令官のシュンジ大佐が指揮を執ってます。有安軍も設定のみの登場で、もちろん今回登場したシュンジ大佐とショウタ中佐は今回がシリーズ初登場。設定されてから早六年。随分長い空白でした。
チハ大佐の登場。本来の怪獣映画だったら博士の役割でしょうか。前回が平成風だったのに今回が昭和風だから少し違和感が生じます。ここでチハ大佐がウルタンクの航空隊に付いて触れてますが、ほとんどスルーされていることがラストに繋がっています。リピーレド元帥、重要事項を聞き流すってさりげなくとんでもない奴。
アーチャーフィッシュ。実在の同名艦は、空母「信濃」を撃沈した艦で、図らずして「第二次大戦で最も大きな艦を沈めた潜水艦」の称号を手にしています。
OVA版の「旭日の艦隊」で、原作小説の架空潜水艦に代わってドイツの潜水空母と戦っており、SCQにおいてもそれに似たポジションで登場していました。今回の登場もこれに由来しています。そして今回も試験航行がからんでいるという偶然も。
市民の場面。これは54年版で、国電に乗っていたダンサーが「空襲で疎開してやっと戻ってこれたところなのにまた疎開しなければならないの?」と言う場面と、こちらはカットされて脚本のみのシーンですが、都電が来るのを待ちながら「倒す方法は無いのか?」、「どのみち俺達は死刑宣告を受けたようなものだよ」と会話するサラリーマンの場面があり、これらのオマージュです。
自動放送に付け足す駅員。非常時とかにはよくありますな。特に事故などが発生した際の京急は凄まじい物だと聞いています。さすがに今回のように「本来停車するはずの駅を通過して運行」はありませんが。ちなみに逆は名鉄にあります(事故発生により本来通過するはずの国府・伊奈に停車など)。
メーサー砲。勿論怪獣映画の常連兵器ですね。西田大尉をここで登場させたのは勿論車種が61式戦車だから。
続いて放たれるロケット砲は、怪獣映画の常連の自走ロケット砲に由来。
「グライセン」。そういえばジェット機だったなぁと思い、今回ジェット機として登場させてます。モチーフがスーパーXだし。
川本中将。いわゆる橋本派の指揮官。前回は「第四軍指揮官」としていましたが、今回第四一師団の指揮官となっています。流石に「軍」は規模が大きすぎた。
この第四一師団に所属する自走砲も、某水爆大怪獣映画の昭和後期作品のいくつかに登場していたミサイル自走砲に由来。
これ以降も高杉派と橋本派の対立が続きますが、流石に本作の主役はプロトン王国で、QQQQ側のスピンオフも予定しているのであまり書いてません。多分QQQQのスピンオフでこれを書く時は三部作になるかと。
誘導先が火山。84年版の水爆大怪獣映画(以下「84年版」)に由来してますが、実は本家は見たこと無いです。空の大怪獣も火山噴火を誘発させて云々という展開でしたが。
撃退後のビスカイト中将の台詞は前回の台詞と引っ掛けています。84年版の次の作品で、小笠原諸島付近での諜報機関の小競り合いが原因で怪獣が復活するという展開があったような気がするので。
忘れられてたウルタンク軍の攻撃。ビスカイト中将とロドスシルト少佐が行動してなければ間違いなく会議が解散されていたと思います。フェレックス大将まで忘れてたことが判明し、プロトン陸軍の状況認識の薄さが良く分かります。
さて、最後に今回のサブタイトルについて。サブタイトルは某水爆大怪獣映画にあった「大怪獣総攻撃」に由来しますが、本作における「大艦隊」はウルタンクの機動部隊とQQQQの第六・第八艦隊です。第六・第八艦隊は総攻撃を行っており、またウルタンク軍も総攻撃の準備を行っているので今回のサブタイトルをこれにしました。
さて、次回は本当に総攻撃。その間、プロトン王国は如何なる行動をとるのか。そしてビットレイクの悲劇は再発してしまうのか!?
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