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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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青き名将(仮題) 第十五話 松井一真 2009/6/14 23:08

   Re:青き名将(仮題) 第十六話 松井一真 2009/12/31 22:13
   Re:青き名将(仮題) 第十六話 松井一真 2009/12/31 22:14
   Re:青き名将(仮題) 第十六話 松井一真 2009/12/31 22:14
   Re:青き名将(仮題) 第十六話 松井一真 2009/12/31 22:15
   青き名将(仮題) 第十六話 あとがき 松井一真 2009/12/31 23:45


Re:青き名将(仮題) 第十六話
 松井一真  - 2009/12/31 22:13 -
  
交戦。昭和風の雰囲気を出してみた。

第十六話 大艦隊総攻撃
空は晴れ渡り、海は穏やか
しかし、海面には、無数の白波が立っていた
QQQQの駆逐艦たちが、海を埋め尽くすかのように並んでいる
それらは散開して、いくつかの隊列を作る
指揮を執る軽巡洋艦「天塩」には、戦隊指揮官四条大佐と、同艦艦長フォード少佐が座乗している
QQQQ兵士A「目標、前方の海上数海里!後少しです!」
ヘッドセットを被った水測員が言う
前方に白波は無いが、そこに敵がいることは明らかだった
海底から響き渡る地響きは、勿論潜水艦が立てるものではない
「天塩」のソナーは、それをしっかり感知していた
四条大佐「よし、爆雷投下準備!」
フォード少佐「爆雷投下、用意!」
フランクリン大尉「爆雷投下用意!」
副長のフランクリン大尉が復誦する
複数の隊列が、一つのポイントに向かって前進する
QQQQ兵士A「目標地点到達まで、5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・」
フォード少佐「投下!」
フランクリン大尉「投下ぁぁ!」
艦尾の爆雷投下軌条から、次々と爆雷が投下される
水雷戦隊が通り過ぎてしばらく後、海面から巨大な水柱が上がった
再び爆雷が投下される
時間差で調整した爆雷は、海底近い深度で爆発する
再び上がる水柱
あまりにも盛大に上がるが、怪獣に効果があるとは思えない
何しろ、これまでの波状攻撃を、全て耐えぬいたのだから

ノースポート州沿岸部、第一防御陣地
既に空は赤く、日が沈みつつある
大量のクレーン車が、無数の鉄塔を組み立てている
M5牽引車が、野砲を牽引する
土嚢を積むチョロQたち
積みあがった土嚢の後方に、重機関銃を配置する
陣地付近にはショベルカーやモーターグレーダーなどの重機の姿が見える
そしてその傍らには、変電所のような建物があった
これが今回の作戦の主軸である、通電指揮所だ
長原中佐(車種:チャーチルMkIII)「第一管区、起動試験!」
高羽少佐(車種:T−34/76)「第一管区起動!」
指揮官は第一軍に属する長原中佐と高羽少佐である
発電機の起動音が鳴り響き、「第一管区」のランプが点く
QQQQ兵士B「起動試験、よし!」
「第一管区」のランプが消え、発電機の起動音が止まる
高羽少佐「第二管区起動!」
今度は「第二管区」のランプが点き、発電機の起動音が響く
怪獣の上陸地点に応じて、各管区に電力を供給、電撃にて「G」を殲滅するのだ
大方起動試験が完了し、通信兵が無線機を取る
QQQQ通信兵A「有刺鉄条網の起動試験完了!後は『G』を待ち受けるだけです!」
窓の外に見える無数の鉄塔の後方には、155mm榴弾砲の姿がある
その付近に積まれた土嚢の影には、重機関銃が配備されている
第一防御陣地の防備は、完了した

クラウドポリス、怪獣対策本部
急遽設立された怪獣対策本部に、多数の幕僚が集結する
近衛元帥「ひとまず我々にできる防備は完了しました。後は海空軍の出方次第といったところ、ですな」
ルーズベルト大将「今まで時間稼ぎをしてきましたからね。『G』が深いところに潜ってくれて助かった」
既に三重の防御線が構成され、準備を整えている
一つは長原中佐率いる第一二一連隊。第一防御陣地の指揮を執り、有刺鉄条網作戦の要を成す。この他に第一軍に属する三個師団が布陣している
もう一つは有安軍の参謀、シュンジ大佐率いる第二〇一連隊。QQQQ本土防衛部隊の精鋭で、万が一突破された場合の防波堤となる
そしてもう一つが川本中将率いる第四一師団。ノースポート近辺に布陣する最後の砦だが、こちらの指示を聞いてくれるかどうかは分からない
有安元帥は当初さらに部隊を増派する予定だったが、多方面への防備が手薄になることから中止となった
QQQQ通信兵B「司令!有刺鉄条網の展開完了とのことです!」
イソロク中将「了解した。水雷戦隊は引き続き『G』を攻撃、ほんの僅かでもダメージを与えるんだ」
大規模な戦力を配備しての一大防衛網。果たして、「G」を倒すことはできるのか

キョウビーチャ、臨時司令部
通信文を持った兵士が、司令部に駆け込んできた
プロトン通信兵B「QQQQ第二艦隊特別混成郡より入電!『爆雷攻撃を敢行するも効果は見られず。有刺鉄条網の展開は完了したためこれに望みを託す』、以上です!」
リピーレド元帥「完成したのか!?」
プロトン通信兵A「はい、その報告です」
机の上に置かれた地図には、鉄条網の展開された地域を示す線が引かれている
既にこの地域周辺は住民の退去が完了しており、残っているのは主力の三個師団だけだという
ふと、QQQQ時刻に合わせられた時計を見てみると、既に夜になっていた
怪獣が発見されたのは昼だったから、既に五時間以上戦っている計算になる
勿論、これからさらに長い戦いになることは、予想はついている

夜間、第一防御陣地
辺りは闇に包まれ、司令部付近にはサーチライトを搭載した装甲車が待機していた
沖合いの海が、突然荒れ始めた
長原中佐「おいでなすったな」
高羽少佐「第三管区、起動!」
起動音とともに、発電機が動き始める
同時に、隊員達が陣地まで飛び出す
荒れ始めた海に、徐々に大きな波が立ち始める
その波はさらに大きくなり、やがてその中心が割れた
そこから、トカゲとも恐竜ともつかない、異形の怪物が現れた
あれが「G」か
QQQQ将校「撃ち方始めぇ!」
配置された榴弾砲が、一斉に撃ち始める
その砲撃を受け、一旦「G」は立ち止まる
雷鳴のような咆哮が、辺りにこだまする
一帯からの砲撃は、一瞬だけ陣地を照らし、すぐまた暗闇が陣地を覆う
陣地の陰から、サーチライトが照らされる
その光は、「G」の顔を照らした
再び、咆哮がこだまする
QQQQ将校「撃てぇ!目を狙うんだぁ!」
その命令とともに、陣地に光る閃光
それを意にも介さず、「G」は前進する
QQQQ兵士A(通信)「効果ありません!」
長原中佐「砲撃はいい!とにかく有刺鉄条網まで近づけるんだ!」
砲声は通電指揮所にも響き渡っている
そして、遂に「G」が鉄塔へと手を掛けた
閃光と共に、仰け反る「G」
しかし、即座に転進し、鉄塔へ熱線を吹き付けた
配電盤の「第三管区」の文字が不規則に点滅する
直後、閃光と共に鉄塔が倒壊した
QQQQ兵士A(通信)「第三管区、鉄塔一基倒壊!」
高羽少佐「何っ!?」
そのとき、司令室内に轟音が響き渡った
「G」の咆哮だろうか
直後、付近で爆発が起こった
窓の外を見ると、また一つ鉄塔が倒壊していた
大勢の隊員達が退避していく
長原中佐「総員退避だ!急げぇ!」
そう言って、書類を纏める長原中佐
QQQQ兵士B「早くしてください!」
兵士の一両がトラックに飛び乗り、エンジンを掛ける
再び轟音が響く
遠雷のような爆発音
既に指揮系統は混乱。有刺鉄条網作戦は失敗に終わった

眼下に見えるは、異形の怪物
既に何度、飛行場とここを往復しただろう
慣れない対地攻撃任務の命令が入って早三日。二時間ほど前まで海岸にいたはずの「G」は、今自分たちの目の前にいる
この大戦が始まってからという物、どうにもわけのわからない敵たちと戦うことが多すぎる
開戦当初に戦った国籍不明機。後になってQトルックではないかという噂まで立った
あの時に撃墜された雪辱は、勿論忘れていない
既にあの怪物によって、大勢の隊員が倒れた
その敵は、自らが討たなければならない
飛行隊隊長、高杉大佐は、部下に指示を出した
高杉大佐「各機、散開して『G』を攻撃しろ!爆弾が無くなれば機銃掃射でもいい!とにかくやれ!」
七機の戦闘機は、一斉に旋回し、「G」へと向かう
一機が、「G」へ肉薄し、対地爆弾を投下する
見事命中、「G」の背中に火花が上がる
しかし、「G」は構わずに前進する
上空をフライパスする戦闘機
「G」は振り返り、戦闘機を視界に捉える
そのとき、もう一機の戦闘機が爆弾を投下した
再び命中弾、火花とともに咆哮を上げる「G」
間髪いれずに、さらに一発
その巨体の各所に火炎が立ち昇り、消える
高杉機も、「G」に肉薄する
機銃を叩き込んだ後、爆弾を投下、上昇してフライパスする
高杉大佐「これでどうだ!」
しかし、「G」の背後に上った煙が消えたとき、その背中が青白く光った
高杉大佐「熱線来るぞ、避けろぉ!」
凄まじい爆発のような音とともに、発せられる青白い光線
高杉の機体に、青白い熱線が迫る
高杉大佐「あんな怪物に、やられてたまるか!」
急旋回し、熱線をかわす
その間にも、別の機体が「G」に対地爆弾を投下する
再び「G」の胴体に命中し、火花を上げる
QQQQの戦闘機は、対地爆弾を二発搭載できる
今、その二発を使い果たした機体は、今までより鋭い機動で熱線をかわしつつ、機銃を叩き込んだ
高杉機も二発目の爆弾を投下し、機銃掃射の体勢に入った
そのとき、「G」が高杉機のほうを向いた
高杉大佐「しまった!」
急いで操縦桿を倒し、急降下する高杉機
「G」の脇腹を掠めるようにして飛び去る高杉機
背後に響き渡る爆発音と、熱線の噴射音
急降下爆撃機が、「G」へ襲い掛かる
高杉大佐「今のうちに退避だ!体勢を立て直すぞ!」
「G」の周囲に噴煙が上がり、爆発音が響き渡る
高い命中精度を誇るQQQQの爆撃飛行隊だが、「当たっても効果が薄い」のでは意味はほとんど無い
さらに、いざ爆弾を投下すれば身軽ではあるが速度の遅い機体ゆえ、真っ先に「G」に捉えられた
青白い熱線が、急降下爆撃機の編隊を貫通する
航空隊の攻撃は、失敗に終わった
第十六話 続く
引用なし
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Re:青き名将(仮題) 第十六話
 松井一真  - 2009/12/31 22:14 -
  
作戦。そういえば図上演習っぽいのやってる怪獣映画って少ないなぁ。

第十六話 大艦隊総攻撃
一方、激戦は地上でも行われていた
熱線の爆発により、崩れる地面
崩落に巻き込まれ、倒れる兵士
現在この地域では、シュンジ大佐率いるQQQQ精鋭部隊が「G」に地上から攻撃していた
しかし、状況は圧倒的劣勢を強いられており、精鋭部隊は壊滅的打撃を受けていた
QQQQ兵士C(通信)「こちら第582中隊!状況は劣勢!『G』の熱線の威力はかなりの物です!」
数量の戦車が、「G」に遠距離から砲撃する
その砲撃は「G」に直撃し、硝煙を上げる
しかし、「G」の背が青白く光るや否や、青白い熱線が戦車隊を襲った
QQQQ兵士C(通信)「『G』が熱線の発射態勢に入りました!あっ!青い閃光が・・・」
轟音とともに、通信が途絶える
QQQQ通信兵B「・・・第582中隊、壊滅!」
通信士の報告を聞き、シュンジ大佐は愕然とした
彼は信じていた。自分の住む国、QQQQの実力を
絶対にどの国にも負けない強い力。それこそがQQQQの軍事力だと
しかし、勝てない。キュワール最強のQQQQの力をもってしても勝てない、恐ろしい敵
ショウタ中佐「大変です!空軍爆撃飛行隊が壊滅、撤退したとの報告が入りました!」
副官のショウタ中佐が、通信文を持って駆けつける
シュンジ大佐「・・・なんてことだ・・・」
キュワール最強のはずの空軍が敗れる。動きは遅く、図体も大きい。航空機の格好の的のはずだった奴に
シュンジ大佐「ショウタ・・・嘘だろ、そんなこと」
改めて、ショウタ中佐に問いただす
ショウタ中佐「いえ、事実です。どうしてもというなら・・・上空をご覧下さい」
それを聞き、シュンジ大佐は天幕を出て上空を見上げた
QQQQの記章をつけた急降下爆撃機が、「G」に向かって急降下していく
しかし、「G」の背中が青白く発光するや否や、それと同じ色の熱線が放たれる
一撃で吹き飛ばされ、爆発四散する急降下爆撃機
「G」にはいくつもの硝煙が立ち昇るが、ダメージは僅かのようだ
やはり、撤退の報告は本当だった
最強のQQQQ空軍が敗れる。異形の恐ろしい怪物に
目の前の現状に、シュンジ大佐は落胆した
第二防御陣地、壊滅・・・

通信文を持って、一両のM3軽戦車が駆け込んできた
プロトン通信兵B「第二防御陣地、壊滅!」
リピーレド元帥「何ぃっ!?」
その報告を聞き、リピーレド元帥は驚愕した
ロドスシルト少佐「・・・さらに電撃を加えても倒れないというのか・・・」
フェレックス大将「現在の怪獣の予想針路は?!」
プロトン通信兵B「そのままノースポート市街地へと前進しています。ノースポートの壊滅は避けられません!」
壊滅。突然海から現れた異形の怪物によって、一つの大都市が壊滅する
そのようなことがあり得るのか
いや、空想の産物と思われていた「怪獣」が現実に存在することが明らかになった以上、それも考えられる
「怪獣」の能力は、その筋のチョロQによればオーソドックスなものであるらしい
核の影響で誕生し、放射能を有する熱線を放射する。事実、第一防御陣地付近に放射能が検知されたという
そんな怪物が、ノースポートへと襲来するのだ
現在QQQQ空軍の航空隊が、改めて怪獣を攻撃している
効果が薄いことは明らかだが、それでも牽制になるのだから撃っているだけマシなのだという
頼みの綱となるQシュタイン帝国軍の作戦は、一体どういうものなのだろうか
プロトン通信兵A「QQQQから通信です。『ノースポートに非常事態宣言が発令。住民の退避を急いでおり、陸上部隊を展開中』とのことです!」
報告に寄れば、怪獣は既にノースポート付近へと接近。QQQQ陸空軍の攻撃をもろともせず前進している
これを撃滅できるのは、Qシュタイン帝国の作戦しかない
フェレックス大将「そういえば、Qシュタイン帝国軍の作戦についてだが・・・」
リピーレド元帥「そうだ!忘れていたぞ!Qシュタインの作戦はどうなったんだ!?」
会議室の扉を、豪快に開ける一両の九七式中戦車
チハ大佐「それに関しては、私が説明しましょう」
日戦軍団陸軍、第一一中隊司令、チハ大佐
一個中隊指揮官としては異例なほど、単独で姿を見せることが多い彼は、かつてはグリシネ陸軍の名将であった
ある事件がきっかけで「民兵」へと移り、前線で指揮を執っている
チハ大佐とともに入室してきた九五式軽戦車が、地図に戦車の形をした駒を置く
その地図はノースポート市街地の拡大地図であった
地図の郊外に当たる部分に、映画の商品だった怪獣の模型を置く
チハ大佐「怪獣はこのまま、ノースポート市街地へと向かう物と思われます」
そういって、怪獣の模型をノースポートのほうへと進める
チハ大佐「そこで、新開発の熱線砲車を、ノースポート市街地の各所に配置します」
戦車の駒の脇に、熱線砲車に見立てた自走砲の駒を置く
チハ大佐「熱線砲車の攻撃によりダメージを受けた怪獣は、恐らくは一時後退するはずです。そこで・・・」
九五式軽戦車が、グライセンを模した空中戦艦の駒を持ってくる
チハ大佐「グライセンが誘導役を買って出ます」
スピシュード中佐「誘導役!?」
チハ大佐「はい。誘導役です」
一度は怪獣を倒すほどの実力を持っていた「グライセン」を「誘導役」とする
一体、どこへ「誘導」するというのだ
チハ大佐「沖合いにある火山島まで誘導し、火口に落とします」
それは、大方の予想を覆す作戦であった
高い技術力を持つQシュタイン帝国ならば、強力な超兵器を持って怪獣を撃滅する物だと思われていた
しかし実際は、「グライセン」を用いて怪獣を火山島まで誘導し、火口に落とすという至極原始的なものであった
リピーレド元帥「意外と単純な作戦なんだな。その割には随分と準備に時間がかかったが」
チハ大佐「グライセンに特殊装備を搭載するのに手間取っておりました。それと・・・グリシネ沖に、ウルタンク帝国の大規模航空部隊が接近しているとの報告が入りまして、そちらの対応にも追われていました」
その報告を聞き、幕僚達はざわめき始めた
フェレックス大将「ウルタンクの航空部隊!?」
スピシュード中佐「もしこのままどこかの町が襲撃されれば、大損害は免れませんね・・・」
チハ大佐「落ち着いてください。航空隊は恐らく、グリシネに向かう物と思われます。それに関してはわが海軍の航空隊が対応することとします。グリシネは空軍国家です。本国軍の実力も相当なものです」
連合軍が怪獣の襲来により、その対応に追われている隙を突いて、ウルタンク帝国軍は陸軍航空隊をグリシネへと進めていた
Qシュタイン帝国軍のQトルック攻撃において重要な補給拠点となるグリシネを叩けば、一時的とはいえ補給が滞り、高い技術力を持つQトルック軍の反攻を促すことができる。そう考えたウルタンク帝国幕僚の発案であった
チハ大佐「話を怪獣対策に戻しますが、グライセンを使う理由は、もうひとつあります。グライセンが一度怪獣に大ダメージを与えているからです」
スピシュード中佐「・・・一体、どういう意味ですか?」
チハ大佐「実は現在の怪獣の移動経路は、グライセンの飛行ルートとほぼ一致しています」
兵士の一両が、グライセンの飛行ルートを地図に描く
それに続いて、チハ大佐が怪獣の移動経路を描く
チハ大佐「何故そのようなことができるかは分かりませんが・・・一度手傷を負わせた相手を最後まで追跡するという執念を、逆に利用するというわけです」
フェレックス大将「・・・それでは、最初の熱線砲による攻撃は?」
チハ大佐「無論、グライセンが来るまでの足止めです・・・質問は、以上でしょうか?」
チハ大佐の発言の直後、会議室は沈黙に包まれた
フェレックス大将「・・・我々は、黙って状況を見守ることしか出来ない。そう言うことだな?」
チハ大佐「・・・はい、そういうことです」
チハ大佐は、この作戦説明の結論を、プロトンの幕僚達に述べた

ゲープコッチ島沖、一隻の潜水艦が、哨戒任務についていた
プロトン王国所属、潜水艦「アーチャーフィッシュ」。建造されたばかりの最新鋭艦で、試験航海を兼ねてゲープコッチ島沖を航行していた
通信士「こちら潜水艦『アーチャーフィッシュ』。現時点において周辺海域に異常なし」
定時の連絡を終えた通信士は、マイクを置いて休憩に入った
副長「北方海域で怪獣が出たそうですね」
艦長「どうもそうらしいな。連合軍が総出でかかっているようだが・・・まだ倒せていないみたいだ」
怪獣の出現についての報告は、勿論海軍にも伝わっていた
当初はこの海域には水上艦艇が警戒に当たっていたのだが、怪獣の襲来に伴い防備の強化が必要になるとして、北方海域に引き抜かれたのだ
戦時下とはいえ、泥沼の戦況とあっては、流石に現場は疲弊してくる
哨戒任務に当たっている彼らも、先の通信士のようにヘッドセットを置いて休憩しているものもいる
しかし、流石に水測員だけは、きちんとレシーバーを当てて周辺の探知に当たっていた
水雷長「しかし、あれですね。核弾頭でも倒れない怪獣だなんて、どうやって倒せばいいんですかねぇ?」
航海長「聞いた話じゃ、火口に落として動けなくするらしいぞ」
そのとき、乗員たちの雑談を遮るように、水測員が叫んだ
水測員「所属不明艦探知!恐らく駆逐艦・・・いえ、かなりの数の艦艇が!」
艦長「何っ!?」
実はこのとき、ウルタンク軍は二重に渡って攻撃計画を立てていた
陸軍航空隊がグリシネ本土を空爆しているうちに、海軍の機動部隊が補給線の中心となっているゲープコッチを爆撃、連合軍に打撃を与えるというものであった
「民兵」は陸軍航空隊の攻撃は察知していた物の、海軍の攻撃は察知できていなかった
艦長「本部に至急電だ!『ゲープコッチ沖に敵機動部隊出現!空母多数、ゲープコッチ攻撃に向かう物と思われる』!急げ!」
通信士「了解!」
通信士席に腰掛けて休んでいた通信士が、急いで無電を打つ
ゲープコッチにはチョロQアイランド解放作戦の準備のため待機するヒチニリア陸軍がいる。なんとしてでも被害は避けたい
果たして、間に合ってくれるのか
第十六話 続く
引用なし
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Re:青き名将(仮題) 第十六話
 松井一真  - 2009/12/31 22:14 -
  
メーサー作戦発令。この辺、昭和と平成のチャンポンです。

第十六話 大艦隊総攻撃
同時刻、ノースポート市街地
駅のホームで、列車を待つ市民達
ホームは喧騒に包まれているが、一応近くにいるチョロQ同士の会話はできる
どこからか「また逃げなければならないのか」という声が聞こえた
どうやら空中戦艦の空爆の時に逃げてきたチョロQのようだ
市民A「核弾頭二発を受けても倒れないという怪獣を、どうやって倒すというんだろうな」
市民の一台が、隣にいるもう一台に話し掛ける
市民B「さっき通ってった自走砲。あれを使うって噂を聞いたぞ」
隣の一台が答える
市民C「自走砲って・・・あの二両連結のあれか?」
傍らで聞いていたもう一台が聞く
市民B「ああ、そうだ。Qシュタインが開発した新兵器だそうだ」
市民C「へぇ、新兵器か。随分と大きかったな」
市民A「そりゃそうだ。怪獣倒すんだもの」
三台が話をしていたのは、駅に向かう途中ですれ違った自走砲である
二両連結で、後部車両に砲塔を有し、さらにその砲塔から延びる砲身の先端には巨大なパラボラアンテナがつけられていた
新型の熱線砲車だという噂があるが、真偽は不明である
市民C「しっかし、あれだな。その怪獣が現れたのは、軍の核実験だろ。それをまた軍の都合で倒すってのもなぁ」
市民の一台が、鋭い発言をする
確かに、あの怪獣が現れたのは軍の核実験、すなわちQQQQの都合である
その怪獣をQQQQの都合で倒さなければならない。なんとも身勝手な話ではないのか
市民B「そうは言っても、その巻き添えを食うのは俺達なんだよ。このまま軍が何もしなければ、俺達は言葉無き死刑宣告をされたようなものだ」
市民C「・・・そうだけど、なんかやりきれねぇな・・・」
そのとき、構内にチャイムが鳴り響いた
「まもなく一番線に、電車が参ります。白線の内側までお下がりください」
駅員「えーサウスポート方面、快速列車です。臨時列車が続行で参ります。落ち着いてご乗車ください。現在当地区において非常事態宣言がされております」
自動放送のアナウンスに、駅員が付け足す
轟音とともに、列車がやって来る
郊外にあるこの駅は落ち着いているが、市街地では混乱状態に陥っているらしい
臨時列車の度重なる続行運転はそこから来ているようだ
快速列車も、臨時で市街地を通過するほどだった

それから数時間後、ノースポート市街地にサイレンが鳴り響いた
日戦軍団兵士A(通信)「第一班、配置よし!」
日戦軍団兵士B(通信)「第二班、配置よし!」
日戦軍団兵士C(通信)「第三班、配置よし!」
各方面の部隊から、一斉に報告が入る
部隊の指揮官、西田大尉が、各部隊に指示を出す
西田大尉(車種:61式戦車)「よし、『G』の接近を確認出来次第、陣地内の全熱線砲で砲撃を行え。奴が退いたら、そのままグライセンが誘導を行う。頼むぞ!」
日戦軍団兵士(通信)「了解!」
各方面の部隊から、一斉に返答が届く
日戦軍団通信兵「報告!『G』がノースポート市街地に突入しました!」
通信兵が、斥候からの通信を報告する
現在、この部隊に配属された最新式熱線砲車は、Qシュタイン帝国と日戦軍団が共同で開発した新兵器だ
元々は特殊弾頭弾迎撃兵器として開発されたものだが、急遽怪獣対策として導入された
二両連結式で、歩兵戦闘車を思わせる装甲車両の後部に、巨大な熱線砲塔を持つ砲車が連結されている
砲車の車体上には、巨大なパラボラアンテナを有する熱線砲塔が搭載されている
この熱線砲車が、ノースポート市街地の各所に、四両一個班が五班、計二〇両が配備されている
威力に関しては今のところ未知数だが、「G」を撃退することができるだろうか
日戦軍団兵士A(通信)「こちら第一班!『G』の接近を確認!射程圏まで引きつけます!」
前線部隊から、新たな報告が入る
西田大尉「相手は飛び道具を持っている。警戒しろ!」
日戦軍団兵士A(通信)「了解!」
その直後、通信機からの声は聞こえなくなった
代わりに、地響きが通信機越しにこだました
遠方から響く地響きは、「G」の足音か
そして他のどの生き物の鳴き声とも似つかぬ轟音は、「G」の咆哮か
その無言の攻防が数十秒続いた後、再び通信機から声が聞こえ始めた
日戦軍団兵士D(通信)「射程圏内に突入!」
日戦軍団兵士A(通信)「よし、熱線砲照射始め!」
それは、それまで怪獣に一方的に攻撃されていた連合陸軍の、反撃の始まりだった

その命令とともに放たれた熱線は、真っ先に「G」の胴体に直撃した
照射された五つの熱線の放つ光は、建物のガラスに反射してまばゆい光を放つ
「G」は今までとは違う咆哮を上げる
日戦軍団兵士D「効いているようです!」
日戦軍団兵士A「よし、続けろ!」
熱線の照射は「G」に容赦なく浴びせられ、「G」の各所に直撃する
西田大尉「ロケット砲、撃ち方始め!」
さらに畳み掛けるように、陣地に配置されていたロケット砲が咆哮を上げた
大型トラックの荷台に二八連装噴進砲を搭載した自走ロケット砲は、元々陣地攻撃用に開発されたものだった
こちらは各班ごとに十五両が配備されている
噴射煙により、周辺が一瞬だけ曇る
その攻撃は、間違いなく「G」に命中していた
さらに熱線砲の攻撃も相まって、「G」に打撃を与えた
そのとき、「G」が一瞬仰け反った
日戦軍団兵士D「班長!『G』が後退を始めました!」
日戦軍団兵士A「よし、グライセンに出撃要請急げ!」
日戦軍団兵士D「了解!」
兵士の一両が、無線機へ向かっていく
西田大尉(通信)「こちら本部、こちら本部。第一班応答せよ!」
無線機のマイクを持って、兵士が駆けつける
班長が、そのマイクを取る
日戦軍団兵士A「こちら第一班、こちら第一班。『G』が後退を開始。グライセンに出撃要請願います!」
西田大尉(通信)「こちら本部、了解。すぐに飛行場に連絡する」
日戦軍団兵士A「了解!」
通信は一旦、そこで切れた
なおもロケット砲と熱線砲の攻撃が続けられ、「G」は後退を続ける
数十秒後後、付近にジェット機の轟音が響き渡った
QQQQ空軍の誇る空中戦艦、「グライセン」だ

「グライセン」の操縦席には、リベンジに燃えるシン少尉の姿があった
シン少尉「先ほどは倒せなかったが・・・今度こそ!」
「G」をフライパスし、ロケット弾を発射する
ロケット弾は「G」に直撃し、火花を上げる
「G」は「グライセン」のほうへ振り向き、熱線を発射する
それを確認したシン少尉は、操縦桿を倒した
熱線が「グライセン」を掠めて飛んでいく
「グライセン」はそのまま、大通りを一直線に進む
「G」はそれを追って真っ直ぐに進んでくる
QQQQ通信兵C「『G』が追ってきます!」
QQQQ兵士D「誘導作戦は大成功だな」
シン少尉「そのまま海岸線まで前進する。見失うなよ!」
チハ大佐が指摘した「執念」は現実の物となった
誘導作戦の第一段階は見事成功。「グライセン」はそのまま、郊外へと向かった
その間、シン少尉は計器を眺めていた
操縦室内には地図が広げられ、ノースポート沖の火山島まで真っ直ぐの線が引かれていた
眼下の景色は大都会の大通りから、草原へと変わったが、「G」は変わらず付いてきた
時折発せられる熱線をかわしつつ、「グライセン」は「G」へロケット弾を叩き込みながら、「G」を火山島へと誘導していた
第十六話 続く
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Re:青き名将(仮題) 第十六話
 松井一真  - 2009/12/31 22:15 -
  
終結。そういえば怪獣映画の怪獣って結構呆気ない最後多いなぁ。

第十六話 大艦隊総攻撃
「グライセン」は建物の少ないところまで来たところで旋回し、海岸線へと向かった
しかし、この間にも、派閥違いが立ちはだかった
この付近には川本中将率いる第四軍が展開しており、先の戦闘で打撃を受けた有安軍に代わって「G」を撃滅しようと待ち伏せていた
榴弾砲や各種大口径火器などを有し、さらにミサイル自走砲まで有している精鋭部隊は、高杉元帥の派閥と対立する橋本派の部隊だった
「派閥軍隊」。これがQQQQ軍の実情だった
政治派閥に直結し、政治家の意向に左右される軍隊。それがQQQQの軍である
故に、正規軍の大規模クーデターという可能性さえも秘めている
QQQQ兵士E「『G』がミサイル自走砲の射程圏内に突入しました。攻撃の許可を願います!」
双眼鏡を持つ兵士が報告する
川本中将「グライセンの現状は?」
傍らの副官に問う
副官「こちらの存在には気づいていないようです」
どうやら偽装が功を奏したようだ
高性能レーダーを有する「グライセン」を欺けるステルス偽装は、このときも絶大な威力を発揮した
川本中将「よし、偽装を外せ。すぐに撃てるようにしてあるな?」
QQQQ兵士E「勿論です!」
複数の兵士が偽装に取り付き、偽装を取り外す
偽装を外すと、そこには長い砲身が突き出し、さらに砲塔上に連装ミサイル発射機を有する自走砲が現れた
このとき、「グライセン」のレーダースクリーンには、突然自走砲を示す光点が出現した
「HASHIMOTO Grand Force Missile−Tank」。その文字が、光点の周囲を埋め尽くした
川本中将「撃てぇ!」
砲塔上のミサイル発射機から、各二発のミサイルが発射される
QQQQ兵士F「主砲、攻撃始め!」
それに続いて、主砲の大口径砲が咆哮する
その集中砲火が「G」に瞬く間に襲い掛かった
爆炎に包まれる「G」
自走砲の攻撃はさらに続けられる
QQQQ通信兵D「大変です!本部から攻撃中止命令です!」
通信兵が駆け込んでくる
川本中将「構わん!どうせ本部の指揮官は近衛だろう!我々の上官は浜田大将だとでも言っておけ!」
QQQQ通信兵D「しかし・・・」
そのとき、激震が臨時司令部を襲った
川本中将「何事だっ!?」
QQQQ兵士E「『G』の反撃です!」
爆炎を拭い去り、「G」が熱線で反撃したのだ
榴弾砲の果敢な反撃も空しく、「G」の熱線は陣地の各所を粉砕していく
砲身が飴のように垂れ下がり、炎上するミサイル自走砲
QQQQ兵士F「退避!退避だ!うわぁぁぁ!」
爆発とともに、炎上する兵士
川本中将「・・・なんだ、これは・・・!」
周辺一帯が焼け野原と化し、彼らのいる臨時司令部付近だけが生き残っていた
そして、その生き残った臨時司令部に向かって、「G」が進んでいた
川本中将「おいっ、急いで逃げるぞ!」
副官「ダメです!間に合いません!」
「G」が臨時司令部のほうを注視する
直後、その背中が青白く光る
しかし、その発光は、背後からの砲撃により消えた
背中に立ち昇る硝煙
川本中将「・・・なんだっ!?」
臨時司令部をフライパスする戦闘機
確かあれは・・・日戦軍団から入手した最新鋭機だっただろうか
QQQQ兵士E「友軍の空母航空隊です!急いで退避しましょう!」
沖合いに展開していた、空母「白龍」を旗艦とする第八艦隊の艦載機だった
航空機の一機が通信文を投下する
「攻撃作戦は一時中断。沖合いにて第八艦隊が『G』を撃滅する。ただちに退避せよ 以上」
川本中将「よし、全部隊、退避急げ!」
副官「了解!」
川本中将以下、第四軍の残存勢力は、ただちに撤退。QQQQ陸軍の対「G」攻撃は、これで終了となった

さて、誘導作戦を妨害された「グライセン」は、一旦の燃料補給の後再び飛び上がった
いざ飛び上がってみれば、第八艦隊の艦載機が「G」を袋叩きにしていた
このままでは、誘導作戦の続行が困難である
しかし、第八艦隊艦載機が補給に戻るために、撤退を開始する
「グライセン」はその隙を突いた
一度見失った空中戦艦を再確認した「G」は、ただちにそれを追跡した
QQQQ通信兵C「『G』がこちらに気づきました!追って来るようです!」
QQQQ兵士D「・・・梃子摺らせてくれたな・・・」
それも、味方にである
シン少尉「仕方が無いだろう。これがQQQQの実情なんだ」
そのとき、高高度から数機の戦闘機が急降下してきた
第八艦隊の艦載機だ
シン少尉「まだ諦めきれてないのか?!」
QQQQ兵士D「もう海岸線だぞ!」
QQQQ通信兵C「第六艦隊に応援を呼びましょうか?」
少し迷った後、シン少尉は答えた
シン少尉「・・・よし、頼む!」
QQQQ通信兵C「了解!」
勿論、本気で落としに行くわけではない。あくまで牽制である
こんなところで内乱戦はしたくない。これ以上の犠牲は払いたくないのだ
それから数分後、第六艦隊の艦載機が応援に駆けつけた
第八艦隊航空隊は、第六艦隊航空隊を攻撃する
こちらもある意味では囮作戦だ
この間も、「G」は終止「グライセン」を追跡していた
そして、火山島の沖合いまで到着した
後方でいまだ続けられる、航空隊同士の派閥対立を尻目に、「グライセン」と「G」は火山へと一目散に突き進む
シン少尉は火口のほうに機首を向けると、操縦桿を引き起こした
これで「G」の視点を完全に上空に向けることが出来る
「G」は「グライセン」を注視して、そのまま火山島へと突き進んだ
火山島の沖合いには、状況を見守る第六、第八艦隊と、連合軍の哨戒艦隊
「グライセン」が火口をフライパスした数十秒後、轟音が「グライセン」の後方に響き渡った
咆哮とともに、火口へ転落する「G」
その視点は、最後まで「グライセン」へと向けられていた

火山島の沖合いに展開する軽巡「天塩」からは、火口へ転落する「G」の姿が確認できた
フォード少佐「・・・火山への影響は?」
フランクリン大尉「ほとんど無いそうです。だからこそ、この作戦が通ったそうですよ」
四条大佐は、ただ火山のほうを見つめていた
煙は見えず、雲も無く
ただ青い海原と、小さな火山島、そして連合軍の大艦隊だけが、そこに浮かんでいた
その上空を、無数の航空機がフライパスする
それぞれの母艦に戻る艦載機たちだ
攻撃目標が「自滅」したことで、第八艦隊航空隊は母艦へと帰投することとなった
そしで作戦目標を達成した第六艦隊航空隊も、母艦へと帰投するのであった
四条大佐「・・・仕方がないとはいえ・・・少し可哀想なことをしたな」
フォード少佐「・・・はい」
「まだ倒れないのか」といわれつづけた大怪獣は、火山島という自然の猛威に敗れ去った
完全に死んだとは、まだ言い切れない
しかし、火山に転落したことで、その活動を停止させることは出来た
QQQQと「G」の戦いは、このとき終わったのだ

その状況をモニターしていたクラウドポリスの幕僚達に、安堵の空気が立ち込めた
イソロク中将「・・・やりましたな」
近衛元帥「・・・そうだな。なんとか『G』を撃滅することが出来た」
ここに集結した幕僚達も、ほんの数分前まで激論を繰り広げていた
その結果、多大なる犠牲を払いつつも、辛うじて「G」の撃退に成功した
しかし、その間に露呈したのは、QQQQ特有の派閥対立であった
有安元帥「・・・しかし、我々の作戦において、最大の障害となったのが、まさか自国の軍とはな・・・」
高杉元帥「・・・仕方があるまい。建国当時からの、伝統だからな」
その言葉を最後に、会議室は沈黙に包まれた

キョウビーチャの臨時司令部も、同じような状況となっていた
プロトン通信兵A「『パーシバル』から報告です。『怪獣が火山から這い上がってくる様子は無い模様。怪獣の撃退に成功。QQQQの各艦隊は撤収を開始』。以上です」
その報告を聞き、ビスカイト中将は呟いた
ビスカイト中将「・・・あの怪獣が、また起き上がってこないとは限らない。もし、再びQQQQに派閥対立が起こり、あの近くが戦場となれば、きっと・・・」
それからしばらくの間、会議室で発言をする幕僚はいなかった
ただ黙々と、兵士達が地図や駒を片付けていた
ビスカイト中将が、兵士の一両に小声で指示を出す
地図が片付けられてしばらく後、机にチョロ〜ンとグリシネ、そしてチョロQアイランドの地図が敷かれた
それを見たロドスシルト少佐は、机を離れ、退室しようとする
スピシュード中佐「ロドスシルト少佐?!」
フェレックス大将「・・・一体どこへ行くんだ?!」
問い掛ける幕僚達に対し、ロドスシルト少佐は無言で退室した
それからしばらく後、図上演習の駒を持って戻ってきた
グリシネ沖に、いくつかの駒を置く
それは、重爆撃機の駒だった
ロドスシルト少佐「・・・忘れていませんか?グリシネ沖に、敵航空隊が飛来したとの報告」
フェレックス大将「あっ!」
リピーレド元帥「そういえば!」
思い出したように、幕僚達が答える
ロドスシルト少佐「この騒ぎに乗じて、ウルタンクが動き出したようです。QQQQ陸軍の独断行動の時に、もう一つの入電が入っていました。それが・・・これです」
ロドスシルト少佐は、ゲープコッチ沖にいくつかの駒を置いた
それは、複数の空母と艦上機の駒だった
ロドスシルト少佐「・・・ですよね、チハ大佐?」
会議室の隅で直立するチハ大佐に聞く
チハ大佐「・・・そのとおりです」
それまで黙っていたチハ大佐が答える
怪獣対策の混乱に乗じ、連合軍の警戒網をかいくぐったウルタンクの機動部隊は、チョロQアイランド沖に展開。航空隊をゲープコッチ島へと送り込んだ
さらに陸軍航空隊が、グリシネ本土を強襲した
プロトン通信兵B「グリシネから緊急入電!『重爆撃機多数を擁する航空隊が領空に侵入!現在交戦状態に突入』、以上です!」
その報告に、ざわめく幕僚達
大艦隊の総攻撃は、始まったばかりなのだ
第十六話 終わり
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青き名将(仮題) 第十六話 あとがき
 松井一真  - 2009/12/31 23:45 -
  
「行く年来る年」の鐘の音に合わせて投稿。
あとがき:遅れに遅れたから今年中には書き上げるぞ!の意気込みで書き上げた第十六話。結局ものすごくギリギリでした。前回から半年以上経ってます。本当は七月公開の予定だったのに。結局九月〜十一月分の三話が未完成(八月分は一〇月公開の「紀伊」第七十五話で穴埋め)なので、また急ごしらえで短編作るかもしれません。「紀伊外伝」も筋書きが思いつき次第進めます。来年公開分、すなわち次回から作品タイトルの「(仮題)」を取ろうと思います。
今回もSCQ第五十五話〜第五十六話に相当しますが、冒頭のカルオス帝国の内乱はSCQ第五十七話にあったカルオス軍の内乱がモチーフとなっています。
その冒頭の内乱。地名はエースコンバット5に出てきたユークトバニア(ロシアをモチーフとした架空の国家)のバストーク半島から取ってます。
ここでさりげなく初登場するカゾフ兵長。SCQでは第八十五話で初登場し、リゾニア合衆国建国に尽力したチョロQとなっていますが、このときはゲリラ鎮圧部隊の隊員。今回は出ていませんが、第四話で少しだけ登場したドドルハ軍曹もこのゲリラ鎮圧部隊に参加しています。

会議室。試作光学兵器を搭載した攻撃機。たった一行で片付けられる割には随分恐ろしい機体ですが、勿論これは平成の某水爆大怪獣映画に登場したメーサー攻撃機がモチーフ。今後も別用途で出てきて活躍するかも。
今回の唐突(?)過ぎるQQQQ主役回は、ある意味では設定資料集「謎の国家QQQQ」の活用編ともいえます。今まで名前しか出ていなかったQQQQの幕僚達がさまざまな方面で大活躍。前回登場したイルソン中将とかも同じく名前のみ登場だった幕僚の再活用だったりします。
今回真っ先に登場した軽巡「天塩」の面々もその一つ。四条大佐は元々空母艦隊の指揮官という設定でしたが、空母艦隊の指揮官が蔵元将軍に統一されてからは出番がなくなっていました。
そしてフォード少佐とフランクリン大尉はこれまた名前のみ登場の指揮官。前回のあとがきで書いた「フランクリン」は彼です。別個に「セオドア」という海軍将校がいるので、結局ルーズベルト大将の由来がどちらなのかわからなくなっています。
この爆雷攻撃から「G」上陸までの一連の流れは勿論54年版の某水爆大怪獣映画(以下「54年版」)がモチーフ。「有刺鉄条網」という聞きなれない響きもそのまま使ってます。

「G」上陸。この場面でしか登場していない長原中佐と高羽少佐ですが、ちゃんと生き残ってますのでご安心を。因みにサーチライト車が光を当てると云々は、54年版にあった「光を当ててはいけません!ますます怒るばかりです!」のくだりから。サーチライト車が光を当てるまでは熱線を一発も撃ってませんな。

高杉大佐。こちらも下の名前が未設定の兄弟の「弟」がパイロット、「兄」が陸軍の指揮官という設定です。京城兄弟の下の名前の設定さえまだ出来てないのに、またもや兄弟キャラの登場・・・というか、この兄弟はかなり前から出てるんですがね。

有安軍の登場。総司令官の有安元帥は司令部にいるので、副司令官のシュンジ大佐が指揮を執ってます。有安軍も設定のみの登場で、もちろん今回登場したシュンジ大佐とショウタ中佐は今回がシリーズ初登場。設定されてから早六年。随分長い空白でした。

チハ大佐の登場。本来の怪獣映画だったら博士の役割でしょうか。前回が平成風だったのに今回が昭和風だから少し違和感が生じます。ここでチハ大佐がウルタンクの航空隊に付いて触れてますが、ほとんどスルーされていることがラストに繋がっています。リピーレド元帥、重要事項を聞き流すってさりげなくとんでもない奴。

アーチャーフィッシュ。実在の同名艦は、空母「信濃」を撃沈した艦で、図らずして「第二次大戦で最も大きな艦を沈めた潜水艦」の称号を手にしています。
OVA版の「旭日の艦隊」で、原作小説の架空潜水艦に代わってドイツの潜水空母と戦っており、SCQにおいてもそれに似たポジションで登場していました。今回の登場もこれに由来しています。そして今回も試験航行がからんでいるという偶然も。

市民の場面。これは54年版で、国電に乗っていたダンサーが「空襲で疎開してやっと戻ってこれたところなのにまた疎開しなければならないの?」と言う場面と、こちらはカットされて脚本のみのシーンですが、都電が来るのを待ちながら「倒す方法は無いのか?」、「どのみち俺達は死刑宣告を受けたようなものだよ」と会話するサラリーマンの場面があり、これらのオマージュです。
自動放送に付け足す駅員。非常時とかにはよくありますな。特に事故などが発生した際の京急は凄まじい物だと聞いています。さすがに今回のように「本来停車するはずの駅を通過して運行」はありませんが。ちなみに逆は名鉄にあります(事故発生により本来通過するはずの国府・伊奈に停車など)。

メーサー砲。勿論怪獣映画の常連兵器ですね。西田大尉をここで登場させたのは勿論車種が61式戦車だから。
続いて放たれるロケット砲は、怪獣映画の常連の自走ロケット砲に由来。
「グライセン」。そういえばジェット機だったなぁと思い、今回ジェット機として登場させてます。モチーフがスーパーXだし。

川本中将。いわゆる橋本派の指揮官。前回は「第四軍指揮官」としていましたが、今回第四一師団の指揮官となっています。流石に「軍」は規模が大きすぎた。
この第四一師団に所属する自走砲も、某水爆大怪獣映画の昭和後期作品のいくつかに登場していたミサイル自走砲に由来。
これ以降も高杉派と橋本派の対立が続きますが、流石に本作の主役はプロトン王国で、QQQQ側のスピンオフも予定しているのであまり書いてません。多分QQQQのスピンオフでこれを書く時は三部作になるかと。

誘導先が火山。84年版の水爆大怪獣映画(以下「84年版」)に由来してますが、実は本家は見たこと無いです。空の大怪獣も火山噴火を誘発させて云々という展開でしたが。
撃退後のビスカイト中将の台詞は前回の台詞と引っ掛けています。84年版の次の作品で、小笠原諸島付近での諜報機関の小競り合いが原因で怪獣が復活するという展開があったような気がするので。

忘れられてたウルタンク軍の攻撃。ビスカイト中将とロドスシルト少佐が行動してなければ間違いなく会議が解散されていたと思います。フェレックス大将まで忘れてたことが判明し、プロトン陸軍の状況認識の薄さが良く分かります。

さて、最後に今回のサブタイトルについて。サブタイトルは某水爆大怪獣映画にあった「大怪獣総攻撃」に由来しますが、本作における「大艦隊」はウルタンクの機動部隊とQQQQの第六・第八艦隊です。第六・第八艦隊は総攻撃を行っており、またウルタンク軍も総攻撃の準備を行っているので今回のサブタイトルをこれにしました。

さて、次回は本当に総攻撃。その間、プロトン王国は如何なる行動をとるのか。そしてビットレイクの悲劇は再発してしまうのか!?
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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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