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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話
 松井一真  - 2009/10/6 21:59 -
  
会議室の戦い。加筆に加筆を重ねた結果。

第七十五話 放浪の殲滅者
再び時系列を進め、舞台をグリシネ国の統合幕僚本部へと移す
第五主力艦隊が、ルナツー港外に残存していた第三巡洋艦隊艦艇を撃沈後、全速力でフィフス・ルナへ向かっているとの報告が入ったとき、幕僚達は一旦解散していた
報告を受けて、慌てて駆け込んでくる幕僚達
斎藤中将「第五主力艦隊が、反逆車どもの追撃を始めたって!?」
森中将「らしいですよ。ようやくまともにやってくれるようになったらしい」
技術屋でありながらも前線に口を出す斎藤中将と、相変わらず腰巾着な森中将
黒田中将「大日本帝国とやらのキュワール侵攻が近いといわれているのに、全く連中は・・・松井元帥もとんでもない奴だが連中はそれ以上だ!」
その腰巾着をわき目に騒ぎ立てる黒田中将
藤沢中将「海軍どもの馴れ合い体質には呆れた物だな。不穏分子をここまで放っておくとは」
着席しながら、相変わらず小言を呟く藤沢中将
谷村中将「これで粛清が完了するな。清々するよ」
しきりに「粛清」を呟く谷村中将
村瀬中将(車種:九二式重装甲車)「全くですな。これでようやく外惑星とやらの迎撃に集中できそうです」
相変わらず追従の多い村瀬中将
その向かい側には、こちらも別室で待機していた陸海の幕僚達の姿があった
高沢少将「・・・準備は、出来ているかね?」
湊川少佐「勿論です。安心してください」
その外れの机に新型無線機を置いて、新たな入電を待つ湊川少佐と、その部下本村中尉
そのとき、新たな報告が第五主力艦隊から入った
本村中尉(車種:九三式装甲自動車)「主任!第五主力艦隊から報告・・・いえ、これは・・・」
湊川少佐「どうした!?」
無線連絡を聞いた本村中尉は驚愕した
本村中尉「・・・そんな・・・」
藤沢中将「何があったんだ!?読み上げてくれないと分からないではないか!」
一瞬躊躇った後に、本村中尉が通信を読み上げる
本村中尉「・・・『発 第五主力艦隊司令部 宛 グリシネ軍統合幕僚本部 本艦隊は、現時刻を以ってグリシネ軍からの脱退を宣言する。以後、本艦隊並びに第三巡洋艦隊は独自の指揮系統に準じ、資源惑星「フィフス・ルナ」を中心とした二〇浬圏内の制宙権は本艦隊並びに第三巡洋艦隊に帰属する物とし、これを侵した場合は敵対行動と判断する』・・・」
村瀬中将「・・・これは、まさか!?」
湊川少佐「・・・その、まさかです。ミイラ取りがミイラになったようです」
会議室は、一瞬の沈黙の後、再び戦場と化した
黒田中将「・・・貴様らには、恥も誇りも無いのか!?」
谷村中将「ただちに、全艦隊に叛乱軍を撃滅せよとの指示を出せ!」
谷村は向かい側の海軍作戦参謀、稲沢中将に向かって叫ぶ
稲沢中将(車種:四式中戦車)「それは無理です!」
谷村中将「何故だ!?」
稲沢中将「このところの騒ぎで、指揮系統は壊滅状態です。第三主力艦隊は距離がありすぎますし、それ以外の小規模艦隊に至っては命令を拒否・・・」
谷村中将「ふざけているのか、貴様らは!」
西郷中将「ふざけてなどいない!そもそも、キュワールが壊滅するかもしれないという状況下で、何故我々が殺しあわなければならない!森、答えろ!」
向かい側に座るかつての戦友に向かって、西郷中将は叫んだ
森中将「殺し合いを仕掛けたのは海軍だろう!こちらに責任を押し付けるな!」
西郷中将「責任を押し付けたのはそちらのほうだろう!・・・昔のお前なら、そんな事は言わなかったはずだ・・・!」
森中将「昔が何だ!今の俺は空軍作戦参謀だ!キュワールの平和のため、そして祖国のために戦う・・・」
西郷中将「ならば、何故お前はこれほどまでに他に責任を押し付ける!祖国のためを思うなら、かつて祖国のために散った仲間達に詫びるべきだろう!今の祖国が、これほどまでに崩壊してしまったことを!」
森中将「黙れ!・・・俺は、チョロQであることを止めたんだ!」
椅子から直立し、二両の戦車が叫びつづける
傍らの谷村中将は、それを無視して隣に座る情報参謀に聞いた
谷村中将「・・・金居、あれはどうした!?」
金居少将(車種:四式自走迫撃砲)「・・・あれ、と言いますと?」
谷村中将「決まっているだろう。我が空軍の直轄部隊だよ!」
金居少将「精鋭の第二艦隊及び第八機動部隊は、海軍第三主力艦隊同様遠方デヴォリアに停泊中です!他の部隊は・・・」
そのとき、金居少将の弁論を遮るように、谷村中将が立ち上がった
谷村中将「ええぃ、この事態は全て陸海軍の責任だ!貴様ら全員、粛清だ!」
そう言って、谷村中将が発砲した
その砲撃は、軍務参謀の江原少将に命中した
江原少将(車種:特四式内火艇)「貴様らは、鉄砲でしか物が言えんのか!?」
その言葉が引き金となった
再び机は倒れ、会議室の戦闘はさらにヒートアップした
江原少将「貴様らは常に権力に物を言わせて、無理のある作戦計画を次々と通していった!それによって犠牲になったチョロQは何両に及ぶ!?」
西郷中将「今回もそうだ。結果的にこの叛乱を呼び起こしたのは貴様らとも呼べるんだぞ!」
森中将「何を言うか!?部内の統制を出来ないのを、我々のせいにして!」
西郷中将「部内の統制!?貴様らは『統制』という名の虐殺を行ったに過ぎない!知っているんだぞ!谷村中将が以前・・・」
その直後、誰かが椅子を放り投げた
稲沢少将「お、おい、浜野少将!?」
浜野少将(海軍参謀。車種:海軍十二糎自走砲)「現場で叛乱が起こっているというのに、鎮圧の対策もろくに取れねぇ。我々もそうだが空軍の独裁体制はどうも気にいらねぇ。この前の続きだ、派手にやるぞ!」
そう言って、浜野少将は倒れた机を持ち上げた
原田大将「総員、海軍陣営を止めるんだ、急げぇ!」
こうもなると、止めようがない
前回の会議を引きずっていた参謀達は、さらに暴走を開始した
これでは会議以前の問題である
大河内元帥「・・・参ったな、これは」
モントレー元帥「どうも最近、みんなイライラしてるようだからなぁ」
ところが、前回の会議とは一つだけ違う要素があった
三つ巴になっていたのだ
海軍側を止めに入った陸軍も、結局のところ「会議室の戦い」に参加する結果となったからである
次から次へと負傷車が続出する
ガラスは割れ、机は全損、椅子など跡形も無く、湊川少佐の周りだけが異常に整然としていた
湊川少佐「・・・新報は?」
本村中尉「ありません」
湊川少佐「早いうちに入って欲しいな・・・」
もはや参謀達の騒乱には見向きもせず、ひとまず情報の収集に当たる情報部の面々
本村中尉に至っては、ヘッドセットを押し付けて会議室の戦いから遠ざかろうとしている
グリシネ国王「諸君!いいかげんにしないかぁ!」
その言葉に続いて、120mm滑腔砲の砲声が轟いた
窓の外に向かって発砲した木原元帥だった
木原元帥「・・・我々の悪い癖だな、これは。どうしてこの状況下で、同胞同士が殺しあわなければならない。何故なんだ・・・何故私が諸君に砲身を向けなければならないんだ・・・!」
砲声から数十秒後、全ての騒乱は収まった
もはや机も椅子も無く、会議室に並んだ幕僚達は、とりあえず一つの結論を出した
空軍第六・第七艦隊の出撃である
全ての会議が終わり、会議室の修理のために幕僚達は一旦退室した
長年の間、この会議室で戦略会議が行われてきたが、会議室がほぼ破壊されるという事態は始めてであった
元々こういう事態が発生しやすいため、会議室の机や椅子は極力安めのものが使われているという
あえて高めの固定式のものを置いておけば、こんなことにもならないのに
廊下の隅で、窓の外を眺めながら、原田大将は思った
原田大将「・・・西郷、この国はどうなると思う?」
一緒に会議室から出てきた西郷中将に聞く
西郷中将「間違いなく、滅びる。この戦争で」
今まで滅んでいなかったのが不思議とも言える国だ。今度とばかりは、キュワール全土の中では真っ先に滅びるだろう
勿論、内側からだ
原田大将「そうなるとして、俺たちはどうする?」
国家が滅びるのなら、その幕僚達も、勿論滅びることとなる
黒田たち「権力車」はさておき、その「権力車」に対し最後まで抵抗した俺たちは、一体どうするというのだ
西郷中将「俺は最後まで戦う。あんたは・・・祖国へ帰ったほうがいい」
原田大将「どういう意味だ?」
西郷中将「あんたにはこの国を守ってもらう義理はない。戦友を死地に追いやり、自身をも縦社会の中に組み込んだような国家を守る義理など・・・」
原田大将「この国を守る義理はない。だが、戦友を守る義理はある!」
西郷中将「その『戦友』が俺や稲沢さん、そしてレラッフティたちのことと解釈しても、俺には解せない。祖国であんたと共に戦った戦友は、この国は滅びなければ変わらないといっていた」
窓の外から、ジェットエンジンの轟音が聞こえる
どうやら今日も演習があるらしい
原田大将「・・・本当にあいつは・・・松井はそんなことを言っていたのか!?」
西郷中将「それは・・・」
原田大将「・・・俺はそうは思わない。だとしたらあいつは・・・この国の軍隊を抜けた時からそうしてる!でも、あいつは・・・そうしなかった・・・!」
西郷中将は黙り込んだ
実際のところ、軍にいた頃の松井元帥にはとにかく縁が無かった
やたら堅苦しく反抗的で、ちょくちょく海軍に手を出していた破天荒な将校、そう言ったイメージだった
だが、いざ独立してみれば平和主義で、熱い性格とは想像もつかないほど冷静な戦術で、瞬く間に戦局を変えていった
時折彼の書いた本を、松井元帥と共に民兵に移った戦友の薦めで読むことがあった
情報を殆ど開示していなかった当時のQQQQ橋本派の政治体制や兵力などを見事に予想していた
小泉少佐がまだ参謀本部にいた頃、彼の著書を参考に作戦計画を立てた
事実、第六次キュワール大戦でグリシネ海軍は大戦果を挙げた
しかし、それを妬んだ空軍と結託した当時の長官の陰謀により、小泉少佐は前線部隊へと左遷された
当時の長官を更迭したのは、現在の長官である大河内元帥が率いる情報部だった
そして小泉少佐を左遷した空軍幕僚の一両は、親友だったはずの森中将だった
原田大将「・・・俺の祖国は、あいつの仲間が守っている。大丈夫だ。だから俺は、あんた達と共に戦う」
未だ喧騒の残る会議室前の廊下で、原田大将は言った
その傍らで、無線機を持ち出して別室へ移動する情報部の面々
情報を随時入手していかなければ、ただでさえ状況判断が鈍っているこの軍部においては破滅を意味する
今まで軽視されていた物が、ようやく重視されるようになってきたのだ
だが、それは遅かったのかもしれない
高沢少将「・・・戦争が、友情を引き裂く、か。いつの時代も、ありうる話だ」
廊下の隅に立ち止まり、高沢少将は呟いた
第七十五話 続く
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十五話
 松井一真  - 2009/10/6 21:56 -
  
出航。ちょっと時系列をずらしてますが、これに関してはあとがきで。

第七十五話 放浪の殲滅者
同時刻、空母「天城」の格納庫
117空特有の塗装を施した愛機の整備を行う、一両の自走無反動砲
日戦軍団海軍屈指の精鋭飛行隊、第117航空隊の指揮官である彼は、一旦機体の下から出て汗を拭った
京城大佐「・・・よし、方向舵異常なし」
細い胴体に長い主翼、折りたたまれた翼端部
その機影は、日戦軍団屈指の名戦闘機、零戦であった
彼の愛機は、試験的に導入された零戦の後継機候補の一機「電征」であった
この電征は零戦に旋回性能で劣るが、防弾性及び機関砲の威力、そして速力で勝っている
同一の事情で開発された「烈風」に対し、武装が30mm機関砲二門の「電征」は、どちらかというと熟練兵向けであることから、日戦軍団海軍屈指の精鋭部隊である第117航空隊に配備されていた
しかし、数日前に整備兵のミスで発動機が故障してしまい、予備部品も無かったことから現在はかつての愛機である零戦を使うこととなった
とはいえ、仮に発動機が直ったとしても、電征に乗り換えるつもりは無い
第116航空隊の豊島少佐の「機体は消耗品。搭乗員さえ生きて帰ればどうにでもなる」という考えも「何よりも生きて帰ること」と考えればうなずけるが、自身の弟はそれに反して旧式であるがゆえに既に前線を離脱した一一型を使っていた
急降下性能において現行機に劣る一一型は、パレンバンにおける戦闘でその急降下性能が仇となって敵機を逃している
しかし、例え時代から遅れても、自身の機体に愛着を持って扱う、という考えには共感できた
それこそ、まさに「愛機」という言葉がふさわしいからだ
京城大佐「・・・そういえば、前にあいつに会おうとしたら、電征の発動機がいかれたんだっけか・・・」
最も、こちらも五日後に演習を控えている時期だ。陸上基地まで赴く暇は無い
兄弟の再会は、演習終了後になりそうだ

二日後、ライトウォーター近郊宙域
二十四隻の艦隊は、一路ベータへと向かっていた
しかし、この宙域において、その二十四隻全てが一旦停止した
と、言うのも、これから行う「作戦」のためである
ティーガー元帥「各員に告ぐ、これより本艦隊は一路ベータへ向かう。ここまで同行したグリシネ国海軍第三巡洋艦隊とはここでお別れだ。手空きの者は甲板に登って挙手敬礼をするように。以上」
その通信を聞き、多くの乗員が甲板へと駆け上がった
松井元帥「通信長、『ライズナ』との回線を開いてくれ」
通信長「了解!」
甲板上には多くの兵士達が集合する
そして、通信回線の準備が整った
松井元帥「『紀伊』より『ライズナ』へ。運が悪ければこれが今生の別れとなるだろう。しかしそのようなことはめったに無いと思っている。健闘を祈る」
厚木准将(通信)「『ライズナ』より『紀伊』へ。今回のは実在しませんでしたが、いずれは本物の外惑星軍との戦闘に参加する物と存じます。武運長久を祈ります」
ティーガー元帥「総員、敬礼!」
甲板上の乗員たちが、敬礼を行う
それから数十秒後、二つの艦隊は別れて動き始めた
これからの戦いは、さらに熾烈な物となる
両艦隊に待ち受ける運命は、如何なる物か

それから三日後、ルナツー基地
一つの艦隊が、出航準備を整えていた
戦艦八、巡洋艦九、駆逐艦八。グリシネでは標準的な中規模艦隊である
旗艦である戦艦「バージニア」の艦橋には、既に幹部達が詰めていた
通信長「第一特務艦隊から入電です!『ベータ基地駐留の青柳中将から「第三巡洋艦隊はいずこに在りや」との連絡あり』」
通信長の連絡を聞き、艦隊司令官、三川中将は、予定通りの電文を命じた
三川中将(車種:九七式中戦車)「よし、本国に打電!『第三巡洋艦隊は本国ならびに民兵の意思に叛いて、放棄された採掘基地「フィフス・ルナ」に向かっている模様。追撃の許可を求む』、以上!」
通信長「了解!」
通信士たちが、既に書かれていた通信文を、本国へと打電する
返答は、あまりにも早く帰ってきた
通信長「本国から入電です。『ただちに追撃せよ。一隻残らず殲滅せよ』、以上です!」
三川中将「了解!・・・・・これより本艦隊は、第三巡洋艦隊追撃のため、『フィフス・ルナ』へと向かう!」
艦長「両舷、前進微速!」
旗艦の「バージニア」が、轟音を立てて出航する
他の艦艇も、それに続く
そして、出航直後、艦隊は一斉に、近郊宙域に展開する別の艦隊に砲身を向けた
艦長「撃ち方、始め!」
八隻の戦艦から、一斉砲撃が開始される
別の艦隊は射程圏外のようで、反撃は何一つ無い
砲撃を受け、轟沈する駆逐艦
しかし、脱出する乗員の姿は、無い
その後も反撃どころか、動くことも無く、艦隊は壊滅していった
壊滅した艦隊の脇をすり抜け、グリシネ艦隊は進撃を続ける
果たして、この「戦闘」は如何なる意味を成すのか

話は、数十分前に遡る
ベータ基地の軍港には、多くの日戦軍団兵士が並んでいた
が、その近くには、本来近くに並んでいることはありえないQタンクが並んでいた
深緑の車体色。フェンダーに大きな階級章を装備し、さらに車体には無数の勲章
グリシネ空軍の参謀であった
その軍港に、艦隊がやってきた
キュワール屈指の精鋭艦隊、第一特務艦隊である
「紀伊」は、あえて参謀達がいる岸壁へと接岸した
タラップを掛けて、降りてくる松井元帥
松井元帥「・・・やあ、仇の諸君。ご苦労さん」
ベータ基地直属のグリシネ空軍参謀、青柳中将は驚愕した
青柳中将(車種:九八式中戦車)「・・・どういうことかね、これは!?」
松井元帥「本部に報告は上げたはずだよ。『哨戒艦隊を撃退したためここに寄港する』と」
青柳中将「第三巡洋艦隊は、どうしたと聞いているんだ!」
松井元帥「我々とは別の意思に従って行動している、としか、言いようがないな。まあ、その方があなた方も手を出しやすいだろうが」
その言葉を聞き、青柳中将はさらに驚愕した
グリシネ本国どころか、日戦軍団との意思とも異なっての行動
「反逆車」と罵られながらも、「祖国解放」を意にも介さず戦う民兵組織とさえ袂を分かつこの行動は、一体何を意味するのか
松井元帥と別れた青柳中将は、ただちにルナツー基地の第五主力艦隊に対し、第三巡洋艦隊の動向を探るよう打電。それからしばらく後、ライトウォーターの遠方にある放棄された採掘基地「フィフス・ルナ」へと向かっていることが判明した
あまりにも早い返答に、青柳中将は疑問を感じたが、ただちに第五主力艦隊に追撃を指示。これまた思いのほか早く、第五主力艦隊は追撃を開始した
今回の鎮圧作戦の指揮は、表向きには青柳中将に任されていた。しかし、厳密に言えば青柳中将は本国の意向を前線に伝える役目を負わされているに過ぎなかった。このときの指示も、実は「第三巡洋艦隊の行き先が判明次第ただちに第五主力艦隊に追撃を指示せよ」という命令書を受け取っていたためである
この時点で、前線に展開しているグリシネ海軍の艦隊は、第三巡洋艦隊、第五主力艦隊のほかは、デヴォリア方面まで退避した第三主力艦隊を除けば小規模な艦隊のみであった
空軍に関しては、ベータに停泊する二個艦隊のほか、数個艦隊が各基地に展開している。これに関しては後述する
このベータに停泊する二個艦隊に関しても、追撃作戦のバックアップとして出航準備を始めつつあった
その傍らで、出航する小規模な艦隊の姿があった
航空母艦「天城」。赤城型空母の二番艦で、第四機動艦隊の旗艦である
「天城」はこの日、遅れに遅れていた演習を行うため、巡洋艦二、駆逐艦七を伴ってベータ沖へ進出することとなっていた
だが、この日その宙域には、恐るべき敵が待ち受けていた
第七十五話 続く
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宇宙戦艦紀伊 第七十五話
 松井一真  - 2009/10/6 21:55 -
  
スパムがうっとうしいので、そろそろ公開。史上最長の話となった第七十五話です。

第七十五話 放浪の殲滅者
キュワール連合軍、デヴォリア基地
複数隻の輸送船が停泊し、慌しくなったのも束の間、再び静寂が訪れる
しかしそれはただの静寂ではない。緊張を伴う静寂である
軍施設の隅にある、真っ白な鉄筋コンクリート製の建物
戦時下でも攻撃を受けないよう、銃座も土嚢も無く、屋上には赤い十字が描かれている
その建物のある階に、エレベータが昇って来た
鐘の音が鳴り、自動扉が開く
そして、一両の四式中戦車が出てきた
かつての第一一五中隊司令、九龍少佐である
ルナツー戦で負傷してから、前線の第一一五中隊から一旦引き、パレンバンでリハビリに専念していた
このデヴォリア到着後、保留となっていた昇進が叶い、中佐となっている
パレンバン戦の直前には殆ど怪我も治りつつあったが、それでも怪我を心配した部下達の計らいで、ここまで退避してきたのだ
手引きをしたのは憲兵隊に友人がいた天城大尉、そしてその憲兵隊にいる友人、野末曹長である
天城の副官である久村は残って戦うつもりだったが、フレイ中佐の護衛要員が不足していたことから護衛に回されることになったのだ
勿論のこと、船内でリハビリを終えた九龍中佐は、ともに移ってきた天城、そして久村とともに部隊に復帰している
だが、属している部隊は第一一五中隊ではない
パレンバン戦で壊滅的打撃を受けた第一一五中隊は、砂原少佐の下、ルナツー基地において再編が行われている
そしてパレンバンが壊滅したことにより、デヴォリアからルナツーの間、パレンバン周辺に強力な敵の勢力圏が存在する
そこで、時を同じくしてデヴォリアで再編された小隊の指揮官に就任することとなった。無論、天城と久村も一緒である
九龍中佐「・・・たしか、この階だったはずだが」
彼が軍事病院に来たのは他でもない、未だ入院している戦友に会いに来たのだ
九龍中佐「おっ、あったあった」
引き戸をノックして、応答を待つ
しばらく経ってから、応答があった
引き戸を開け、個室に入る九龍中佐
ベッドに横たわっていたのは、中佐の階級章をつけたルノーB1だった
九龍中佐「やぁ、フレイ中佐」
フレイ中佐「おお、九龍・・・中佐か」
フレイ中佐はベータ攻略作戦の折、帝国軍のブービートラップにより重傷を負った
以後、同じくパレンバンで治療を受けていたが、怪我の度合いが酷く「助かったことさえ奇跡」とまで言われていた
そのため、パレンバン撤収の折には天城、久村、そして九龍により車輪つき担架に載せて搬送したほどであった
フレイ中佐「いかんな・・・どうにも、怪我がなかなか治らなくて」
九龍中佐は、持っていた短刀でリンゴの皮をむいている
綺麗に八等分し、その一つをフレイ中佐に渡した
九龍中佐「差し入れだ。憲兵の曹長から一箱貰った」
フレイ中佐「・・・器用だな」
九龍中佐「あぁ、見せて無かったな。隊のみんなから言われてたよ。『宇宙基地所属部隊で一番皮むきが上手い』って」
フレイ中佐は、手渡された一つを貰って食べる
フレイ中佐「・・・ん、うまいな、このリンゴ」
九龍中佐「曹長が厳選したらしいからな。憲兵権限って訳じゃないが」
九龍中佐も、短刀を洗った後に食べ始めた
フレイ中佐「本国の軍隊じゃないんだから、憲兵が威張っちゃいかんだろう」
九龍中佐「全くだ・・・それにしても、元気そうだな」
フレイ中佐「ああ、もうすぐ退院できそうだ」
九龍中佐「そうか、それは良かった」
窓の外の景色は、戦時下とは思えないほど平和である
いつもどおりチョロQたちは、大通りを通っている
ただ、道端のそこここには警備の兵卒の姿が見られるのが、いかにも戦時下らしい
フレイ中佐「・・・大丈夫かなぁ、この基地も」
九龍中佐「隣のセイロンがやられたからな。航空基地の士官が『もしこっちの戦力が万全なら、飛び石で本土に向かう連中を横っ腹から叩き潰したい』なんて言ってたが」
談笑をしながらも、九龍中佐はルナツーにいる戦友たちのことを思っていた
パレンバンの激戦は凄まじい規模に達し、精鋭第七分隊にも犠牲車が出たという
重傷を負った佐軒准尉は別ルートで搬送されたというが、果たして何処に着いたのか。生きて彼らに再会することができるのだろうか・・・

ほぼ同時刻、ルナツー基地
軍楽隊による行進曲の演奏とともに、盛大に出航する艦隊の姿があった
士官「これより本艦隊は、ベータ方面に進出すると見られる敵哨戒部隊の追撃に当たる!」
その艦隊を見送る、基地の住民とキュワール各国軍の兵士達
その一両、一等兵の階級章をつけた三式中戦車の上には、子チョロQが乗っていた
二両は日の丸の旗を振り、出航する大艦隊を見送っていた
周りの兵士達の言葉を真似て叫ぶ子チョロQは、決してその一等兵の家族ではなかった
この数分前、海軍の兵士達が出港式の準備をしている時、自室で準備をしていた一等兵は、子チョロQに名前を聞いた
まだ名前を聞いていなかったからである
すると、子チョロQは元気良く「あやだよ!」と答えた
グリシネ系の女の子であることは、ここまで乗ってきた艦の中での話から推測は出来ていた
一部始終を知っていた分隊長代行兼暫定隊司令の佐藤大尉は、一等兵に子チョロQの面倒を見るように命じた
それからという物、子チョロQと一等兵はまるで兄妹のように港で遊んでいたという
そんな一等兵と子チョロQの平和な姿とは裏腹に、この戦争は大きな動きを見せるようになった
この日出航した艦隊は、その象徴とも言える
任務を発表した士官は、日戦軍団海軍の精鋭、第一特務艦隊に所属している
すなわち、出航した艦隊は第一特務艦隊である。勿論、その戦力はパレンバン奇襲作戦に参加した八隻のみである
だが、その数分後、追って出航する十六隻の艦隊の姿があった
巡洋艦八、駆逐艦八。その艦影はプロトン軍の物に近かったが、識別塗装はグリシネ海軍のそれであった
だが、その日の出港命令に、グリシネ海軍の名は無かった・・・

同時刻、グリシネ国軍総司令部
いきり立つ幕僚達は、会議室の扉を勢いよく開けた
既に陸海の幕僚は集結し、「彼ら」を待ち構えていた
空軍長官「・・・一体どういうことかね!?」
長官席に座った空軍長官は、今まで以上に憤慨していた
谷村中将「即刻銃殺せよと命じたはずだ!」
藤沢中将「貴様らが躊躇したせいで、反逆を防ぐことが出来なかったではないか!」
続いて会議室に座る幕僚達も、状況を聞いて向かい側の幕僚達に敵意を剥き出しにしていた
森中将「西郷、もう貴様には騙されんぞ。士官学校で誓ったことなど、何一つ無い!」
西郷中将「それは間違いだ!厚木准将はまだ反逆など起こしていない!」
斎藤中将「厚木には謹慎命令が下されていたはずだぞ!・・・そもそも、厚木は反逆車どもに加担したから銃殺せよと、長官殿が仰ったではないか!」
湊川少佐「待ってください!今回の出航、ちゃんとした事情があります!これを見てください!」
そう言って、湊川少佐は一枚の指令書を取り出した
幕僚の一両が、指令書を取って眺める
「発 ルナツー基地司令部 宛 第一特務艦隊 哨戒機より敵偵察部隊と思しき小規模艦隊を捕捉との報告、追撃を要請す。支援のために別艦隊の支援が必要な場合は出航後追って知らせよ 以上」
「発 第一特務艦隊 宛 ルナツー基地司令部 艦載機からの報告より、小規模艦隊はベータ沖に向かう物と思われる。第三巡洋艦隊の援護を要請す 以上」
森中将「・・・どういうことかね、これは?!」
湊川少佐「ルナツー基地司令部と第一特務艦隊の通信の内容です。第一特務艦隊より、正規の命令系統で『第三巡洋艦隊』の出航を要請しています。すなわち、これは艦隊自体への出航要請なんです!」
藤沢中将「そんな物、反逆車どもの偽装工作じゃないのかね?!」
湊川少佐「ルナツーの管轄はQシュタイン連邦軍です!」
それを聞いて、幕僚達は一旦着席した
湊川少佐「とにかく、今のところ叛乱の兆候は見られません。新たな情報が入り次第・・・」
そのとき、会議室に一両のウーズレー装甲自動車が駆け込んできた
グリシネ通信兵「主任!日戦軍団から第二報!」
湊川少佐「何っ!?」
グリシネ通信兵「読み上げます!『発 第一特務艦隊 宛 ルナツー基地司令部 小規模艦隊は艦載機部隊の攻撃により撤退。これより本艦隊は艦載機の修理並びに弾薬補給のためベータに向かう 以上』!」
再び会議室は騒然となった
原田大将「報告の通り、同部隊はこれよりベータに向かう。ベータもQシュタインの管轄だ、万が一叛乱があったとしてもQシュタイン側が阻止する!」
黒田中将「そうは思えんな。連中は反逆車を庇護した。あんな連中、信頼など出来まい!」
そのとき、傍らの斎藤中将が黒田中将に耳打ちをした
斎藤中将「・・・参謀、落ち着いてください。我々には直轄部隊があります」
黒田中将「・・・そうだったな」
騒然となっていた会議室は、一応の落ち着きを見せた
「会議室の第一次攻勢」は、収束を迎えた

ほぼ同時刻、ベータ基地第一軍港
そこに停泊する大型艦の機関室で、一両の一式装甲兵車が唸っていた
機関員A「・・・どうしました?」
機関長「・・・どうもおかしいなぁ・・・昨日はこんな音は出なかったが」
この日、この艦の属する艦隊は大規模な演習を控えていた
しかし、出航五日前に限って、機関に異常が見られたのだ
機関員B「全く、演習が近いというのに機関故障だなんて、ついてないなぁ・・・」
機関長「実戦じゃないだけマシだ。これで実戦、それも緊急だったら出航前に叩かれてたぞ」
実は、この艦で起こった異常は機関だけではなかった
赤城型航空母艦、二番艦「天城」。開戦当初から、たびたび戦線に出てきた武勲艦
今まで故障など考えられなかったその艦に、突然故障が多発した
まるで、出航することを嫌がるかのように
機関員A「・・・結局、異常の原因は何なんですか?」
機関長「分からん。ちょっと資料と機材持って来い」
機関員A「はっ!」
修理作業は、なおも続く
結局のところ、全ての修理が完了するのはそれから四日後のことであったという
第七十五話 続く
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Re:近況報告
 松井一真  - 2009/9/22 20:51 -
  
> 現在第七十六話設定を構想中。グリシネ戦から戦局が変わっていく予定です。
>
> 並びにQタンク王国艦艇設定も進行中。進行率は60%程です。
>
>
> 他にも現在リリカルなのはの小説も構想中。ここには載せられませんが^^;

スパムの波状攻撃が激化してきましたな。江素弐千さんと連絡が取れればよいのですが。

第七十五話、どうも「厚木准将に都合よすぎるなぁ」と思っているので次から次へとハードルを用意していくつもりです。現在その対グリシネ空軍戦まで終了。
戦況の変化と共に日戦軍団の面々も戦いに疑問を抱き始める雰囲気で書いていく予定です。今回の第七十五話は明らかに(オルキス以外は)グリシネ民族同士の戦いですので。
戦力が一方的過ぎる戦い(一時期言ってた「マンチェスターの法則」って結局どういう内容だったか最近分からなくなった。錬度と装備の差によって戦況は変化するみたいな内容だったか。「いずれにせよ一方的はありえない」みたいな感じだったか)というのが苦手なのでどうも進まない。

ということで、第七十五話が如何なる作品になるか、ご期待ください。
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近況報告
 ダークスピリッツ  - 2009/9/22 19:23 -
  
現在第七十六話設定を構想中。グリシネ戦から戦局が変わっていく予定です。

並びにQタンク王国艦艇設定も進行中。進行率は60%程です。


他にも現在リリカルなのはの小説も構想中。ここには載せられませんが^^;
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Re:第七十五話設定後編
 ダークスピリッツ  - 2009/8/30 0:20 -
  
戦闘結果

厚木叛乱軍及びオルキス統合軍・日本戦車軍団

叛乱艦隊

元グリシネ国第3巡洋艦隊(司令厚木准将車種五式中戦車)
旗艦レイスト級駆逐艦「ライズナ」小破
ピッツバーグ級新鋭装甲巡洋艦1隻(アナポリス)中破
ロチェスター級装甲巡洋艦3隻損傷
シカゴ級防護巡洋艦4隻損傷
レイスト級駆逐艦2隻損傷、1隻無傷
ベインブリッジ級駆逐艦3隻損傷、1隻無傷
残存16隻 航空機4機(全て偵察機)

元グリシネ国第5主力艦隊(司令三川中将車種九七式中戦車)
旗艦イリノイ級戦艦「バージニア」中破
イリノイ級戦艦1隻損傷
インディアナ級戦艦4隻損傷、2隻無傷
ロチェスター級装甲巡洋艦4隻損傷
ボストン級装甲巡洋艦4隻損傷
シカゴ級防護巡洋艦1隻損傷
ベインブリッジ級駆逐艦1隻沈没、7隻損傷
残存24隻 航空機なし

オルキス軍ゲリラ艦隊

オルキス統合軍第7守備艦隊(司令マクベイ中将車種M2中戦車)
旗艦エルガウィン級最新鋭高速戦艦「ホンゴウ」小破
エネルギア級最新鋭戦艦1隻損傷
ボルドー級最新鋭装甲巡洋艦1隻損傷
タルウェク級最新鋭駆逐艦3隻損傷、1隻無傷
残存7隻 航空機31機(ほぼ戦闘機)

日本戦車軍団支援部隊

日本戦車軍団陸軍飛行第361戦隊(隊長藤岡少佐車種三式中戦車)
九五式戦闘機・・・28機
九七式戦闘機・・・3機
二式単座戦闘機「鍾馗」・・・3機(隊長機含む)
残存34機

日本戦車軍団海軍第762航空隊(司令柴田少佐車種九五式軽戦車)
爆撃・雷撃
九五式陸上攻撃機・・・34機
九六式陸上攻撃機・・・11機
護衛
九五式艦上戦闘機・・・23機
残存68機(戦闘機23、攻撃機45)

叛乱軍及びオルキス統合軍・日本戦車軍団残存戦力計 
艦艇47隻 航空機133機(戦闘機88、攻撃機45) 損傷艦、機超多数

グリシネ国軍(空軍)

グリシネ国空軍第6艦隊(司令橋本少将車種九七式中戦車)
旗艦さがみ型戦艦「おうみ」大破炎上降伏
さがみ型戦艦1隻沈没
あさま型重巡洋艦3隻沈没、3隻損傷
つしま型軽巡洋艦2隻沈没
やまかぜ型駆逐艦12隻沈没、6隻損傷
残存10隻 航空機52機(偵察機12、戦闘機40機)

グリシネ国空軍第7艦隊(司令未定 車種九七式中戦車)
旗艦さがみ型戦艦「あさひ」大破炎上降伏
さがみ型戦艦1隻沈没
あさま型重巡洋艦4隻沈没、2隻損傷
つしま型軽巡洋艦1隻沈没、1隻損傷
やまかぜ型駆逐艦9隻沈没、9隻損傷
残存13隻 航空機34機(偵察機18、戦闘機16)

グリシネ国軍残存戦力計23隻 航空機86機(偵察機30、戦闘機56)


ベータ基地近辺

日本戦車軍団

日本戦車軍団第4機動艦隊一部(司令元山少将車種八九式中戦車)
旗艦:赤城型正規空母「天城」大破炎上、消化曳航
青葉型重巡洋艦1隻損傷、1隻無傷
神風型駆逐艦7隻無傷
残存10隻 航空機111機(戦闘機46 雷爆撃機37 偵察機28)(※延焼廃棄)

グリシア帝国軍

グリシア帝国海軍通商破壊艦
バリッラ級最新鋭大型潜宙艦「バリッラ」小破
残存1隻 航空機なし
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Re:第七十五話設定中編3
 ダークスピリッツ  - 2009/8/25 23:23 -
  
第一報は「天城」を護衛する駆逐艦からだった。雷跡視認の報を受け、「天城」は元山少将及び艦長の命により急速回頭を行ったが時既に遅し。3本の宇宙魚雷が右舷に命中、右舷から爆発と黒煙、炎が噴き上げた。元山少将は直ちに消化復旧作業を命じ、兵が配置に付こうとした時更に右舷で爆発が起こった。時間差で発射された魚雷の内1本が命中したためである。運悪く機関部近くに命中し、機関に重大なダメージを負った。そして残った2本は直進し、内1本が外周に位置していた青葉型重巡洋艦「加古」の右舷中央に命中、艦からは炎が上がった。

これを受け護衛艦艇は「バリッラ」を探知、猛烈な爆雷攻撃を行ったがあえなく逃すという失態を演じている。

訓練を終え、仲間達と格納庫内で雑談をしていた京城大佐は突然の爆発音と振動で仲間もろともバランスを崩し倒れた。そして一早く起き上がると状況を確認、自らも消化作業に加担するため新竹大尉と数両の仲間と共に格納庫を飛び出した。
艦の右舷側は火の海であり機関も停止、艦は完全に停止したが「天城」の乗員達は諦める事無く艦を必死に救おうと消化作業を続けていた。艦は右に傾斜し乗員も多数が死傷していたが彼らは諦めなかった。京城大佐も仲間と共に航空機弾薬庫に火が回らないように奮闘していた・・・。


そして半日という時が過ぎ、遂に艦の状態は峠を越え回復に向かい始めた。火災も小康状態となり、暫くして完全に消し止められた。その代わり多大な車的被害が出たが。
しかし機関は未だ復旧せず、艦隊の中で無傷かつ一番大きい青葉型重巡洋艦「奥入瀬」がベータまで曳航する事となった。ちなみにもう1隻の被弾艦「加古」は自力航行が出来たため自力でベータまで向かう事となり、低速であるが艦隊はベータに向かって進み始めた。

ベータに到着し仕事を始めていた松井元帥もこの報には驚き一時は「天城」の放棄、自沈も考えたが、消化復旧の報を受けほっと胸を撫で下ろしたという・・・。


戦闘に勝利し、「フィフス・ルナ」へと帰還した後、厚木准将及び三川中将、そして空軍艦隊指揮官の橋本少将は連合各国へ向けてグリシネからの離脱の旨を伝える声明を発表し、未来のグリシネ軍と、王政復古、空軍支配廃絶を目指し、名前を「神聖グリシネ王国軍」と称する事とした。そして各地に展開するグリシネ国軍部隊へ賛同する部隊は「フィフス・ルナ」まで来るようにと付け加えた。ちなみにオルキス艦隊は母星奪還まで義勇軍として「神聖グリシネ王国軍」に加わる事となった。この事は空軍司令部を震撼させ、後の空軍支配廃絶、王政復古の先駆けとなっていく・・・。


数日後、セイロン基地から大規模な艦隊が発進した。日本軍グリシネ解放部隊である。この時日本軍の目的はグリシネ攻略では無く寧ろグリシネ解放を目的としたものであった(大日本帝国では既にグリシネを自分達のルーツとなった国と認識しており、天皇、そして大本営直々の命令によりグリシネを空軍の支配から解放、解放後外惑星連合軍から離反、QW連合軍に帰順する事となり、侵攻と共にそれを極秘に連合各国へと伝える。)。これは後に戦争を引っくり返す大事件となる。
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Re:第七十五話設定中編2
 ダークスピリッツ  - 2009/8/25 23:22 -
  
戦闘開始

先に動いたのはグリシネ空軍であった。まず二列単縦陣の先頭を行く「おうみ」、「あさひ」からそれぞれ「ライズナ」、「バージニア」へ80cm大型レーザー砲が発射された。しかしこの砲撃は厚木、三川両司令官と、乗員の卓越した技量により回避された。
その後先頭艦を中心とした砲撃の応酬が続くなか、両艦隊は単縦陣のまま近づいていったが、厚木艦隊が回頭し、グリシネ艦隊も同方向へ回頭したことにより、同航戦へと突入した。

当初は射程距離に優れるグリシネ艦隊が一方的に砲撃していたが、ここに錬度の低さが如実に現れ未だ厚木艦隊艦艇への命中弾はゼロだった。そして同航戦へと移行してからは厚木艦隊艦艇の砲撃が次々とグリシネ艦隊の大型艦艇に命中し始めた。厚木艦隊の砲撃が大型艦艇へと集中したのは航空機搭載艦を少しでも減らし、次に控える日本戦車軍団の航空攻撃を安易せしめるためである。そしてあさま型重巡洋艦2隻が僅差で厚木艦隊第2群(要は三川中将が指揮する第5艦隊)の戦艦群によって撃沈され、遂にグリシネ空軍艦隊に初の沈没艦が発生した。しかし、厚木艦隊側も沈没艦こそ無いものの、複数の艦艇が大なり小なりの被害を受けていた。ここで貴重な戦力を失う訳にはいかないと思った厚木准将は一度後退する事も考えていた。しかしここで「ホンゴウ」から通信が入り、これより敵艦隊に突入するとの事だった。オルキス艦隊の到着である。


被害こそこちらの方が大きいものの少しずつ叛乱艦隊を押して来ていたグリシネ空軍艦隊であったが、艦隊の将兵達の高まり始めた士気は「おうみ」の艦橋に入った見張り兵の言葉により、もろくも崩れ去る事となった。
橋本少将は所属不明艦隊報告があった方角、叛乱艦隊とは反対舷の方向に視線を向け―――――驚いた。何故なら自分の艦隊よりも遥かに高速で迫ってきていたのだ。20ktという自艦隊速度としても明らかに60kt以上は出ている。それが猛烈な勢いで自艦隊に迫ってくるのだ。艦隊の多くの将兵は大いに混乱していたが、橋本少将は迅速に速力で対抗できる艦隊の水雷戦隊に迎撃を命じた。折角叛乱艦隊に勝てそうな状況で艦隊を2分する事は得策ではないが、見知らぬ、それも猛烈な速度で迫ってくる艦隊に自艦隊に突入されるよりはましだと判断したからだ。

70ktという高速で突き進むオルキス艦隊(通常は40ktが最高だが、機関を戦闘可能な状態を保ったまま星間飛行状態にする事で、短時間だが70ktという高速を出す事ができる。実際はもっと出せるが。)旗艦「ホンゴウ」のマクベイ中将は迎撃艦隊が出てきた事を報告で聞き、速度を落とし迎撃艦隊と戦闘する事を選択。20隻の敵第6艦隊水雷戦隊と相対した。こちらは「ホンゴウ」を含め僅か7隻。数では圧倒的に不利だが伊達に修羅場を何度もくぐって来たわけではなく兵達の士気は依然最高であった。

そして双方の間で砲雷撃戦が始まった。高速水雷戦重視で設計されているグリシネ空軍艦艇であったが、やはりそれを使う兵の質は低く、次々と主砲や魚雷を発射するも、厚木艦隊をも上回る錬度と圧倒的な高性能を誇るオルキス艦隊の前にことごとく回避されてしまっていた。そうこうしている内に水雷戦隊旗艦であるつしま型2隻に、「ホンゴウ」エネルギア級戦艦「シラカミ」、ボルドー級装甲巡洋艦「アカツキ」の集中砲火が始まった。そして内1隻は「ホンゴウ」の主砲弾数発が命中し、その後貫通力・速射性に優れる102mmレールガンが多数命中し火の海に包まれた後、弾薬庫に引火し爆沈。もう1隻も3隻の集中砲火を受けあえなく撃沈された。これを受け残存した駆逐艦隊の士気・統率力は大幅に失われた。

その後オルキス艦隊と共同してグリシネ空軍艦隊を挟撃し、形成逆転となった厚木艦隊であるが、厚木准将は時計を見てそろそろ時間だ、とつぶやき艦隊を後退させるように指示した。オルキス艦隊にも同様に連絡を入れた。作戦第3段階航空支援の始まりである。

後退している両艦隊を見て怪訝に思った橋本少将だが、上空を監視していた兵士によって、敵機編隊発見の報がなされた事により叛乱艦隊の意図が判明した。しかし叛乱艦隊の航空戦力は僅かであるはずだと思ったが、大方日戦軍団がバックにいるんだろうと予想した。そしてその予想は、見張り兵の機種報告によって的中し、橋本中将は各艦に急ぎ迎撃機の発進を命じた。

日戦軍団の爆撃編成は対艦任務という事で雷撃機が多く、その数は全攻撃機48機中雷撃が30、爆撃が18であった。そしてその周囲を守る護衛戦闘機は陸海軍合わせて60。敵機総数は180あまりという事で護衛能力に大いに不安が残ったがそれまでに厚木艦隊が戦闘機搭載艦を減らすという事で出撃する事となった。
そして日戦軍団陸軍飛行第361戦隊では戦死した古田少佐に代わり、藤岡少佐(隊長就任により昇進)が勤める事になり、これが就任後の初任務であった。古田少佐に負けないようにと愛機のコクピットに古田少佐と写った写真を貼り付けて出撃していった。

そして戦闘区域に突入。誤爆を防ぐために厚木・オルキス両艦隊艦艇に味方である事を示す印が至る所に掲げられていたので間違う事なく敵艦隊を発見する事が出来た。そして発見すると同時に前方から編隊がこちらに向かって来る。グリシネ空軍の戦闘機隊であった。
そして空中戦が始まり、味方戦闘機隊が敵戦闘機隊へ突入。攻撃隊は降下、攻撃準備に入った。

最初の突入を他の僚機に任せ、藤岡少佐が率いる鍾馗隊3機は上空から敵機の状況を把握していた。敵機の数は大体90機程。総数の半分程となっていたが、それは厚木艦隊がきちんと仕事をしたという事だと思った。そして機種はプロトン海軍から供与されたF7C及びF4Bであった。どちらも複葉機であり機動性が高いが一撃離脱重視の藤岡鍾馗隊から見ればカモでしか無かった。そして一通り把握した後藤岡鍾馗隊は上空から突入、元々機銃戦に慣れていないグリシネ空軍の迎撃戦闘機隊は歴戦の猛者ばかりである日戦軍団の護衛戦闘機隊によってとても攻撃隊の攻撃など出来ない程に混乱していた。
当の藤岡少佐も一撃離脱戦法に徹した戦い方でグリシネ空軍機を蹴散らしていった・・・。

敵艦隊に辿り着いた攻撃隊は敵艦隊の陣形が対艦隊戦時の二列単縦陣を取っているためこれを好機として、左右両舷方向から同時攻撃を掛ける事とした。そして攻撃位置に付くと一斉に攻撃開始。その間も敵艦隊からの鮮烈な対空砲火に見舞われたが錬度の低さここに極まれりといった感じで1機が落とされただけに留まった。そして行われた爆弾と魚雷の波状攻撃により重巡2隻、駆逐艦3隻が沈没、他複数の艦が損傷を受けるという被害を被った。「おうみ」も例外ではなく、次々と飛来する敵攻撃機の爆弾、魚雷をよけ続けたが、遂に肉薄した3機の九六式陸攻の放った魚雷3本を右舷に喰らい更に九五式陸攻が放った魚雷2本、500kg爆弾数発を被弾し中破した。(「あさひ」も集中攻撃が行われ魚雷4本、爆弾9発を喰らい損傷した)

敵艦隊の士気が下がっていた事、錬度が低かった事、対空陣形を取っていなかった事等の事象が重なり攻撃隊の被害は被撃墜3機、損傷十数機と微々たる物であった。

そして護衛の戦闘機隊も敵迎撃戦闘機隊に勝利を収め、推定40機以上を撃墜との報告がもたらされた。特に藤岡隊は全体で9機、藤岡少佐だけで4機の撃墜を報告した。

敵艦隊に大きな損害を与えた日戦軍団航空隊が撤退した後、混乱する敵艦隊に対して厚木・オルキス両艦隊は作戦の最終段階に入った。再び射程圏内まで左右から接近。混乱し、乱れた敵艦隊に対して左右から砲撃を浴びせかけた。
厚木艦隊第2群の前弩級戦艦8隻が敵艦隊のさがみ型戦艦2隻に集中砲火を浴びせる。さがみ型戦艦は新型の超弩級戦艦であるが、統制を失った上に距離1000mという近距離まで接近されて前弩級戦艦の強みである近距離での主砲・副砲・その他備砲の一斉射撃を受けてはさすがのさがみ型でも溜まったものではない。主砲や機銃で反撃を試みるものの統制の取れた8隻相手には無駄な努力に過ぎず遂に沈黙、2隻とも爆沈した。

そのころ厚木准将座乗の駆逐艦「ライズナ」旗下の駆逐艦7隻を引きつれ敵艦隊に高速で突入、至近距離から一斉に魚雷を放った。大量の宇宙魚雷は敵艦隊に降り注ぎ更に混乱を煽った。

オルキス艦隊も反対側から戦艦・装甲巡洋艦3隻による一斉射撃を炎上する「おうみ」、「あさひ」に続けており、既に「ホンゴウ」が放った16インチ光学弾の機関部への直撃により「あさひ」は停止、完全に沈黙した。続けて「おうみ」に砲撃が集中したが、「おうみ」側も必死に反撃し数発の主砲弾を「シラカミ」「アカツキ」に命中させていた。

その後数十分の砲撃戦が続き、遂にグリシネ空軍艦隊から逃亡艦が相次ぎ空軍艦隊は完全に崩壊、橋本少将が座乗する戦艦「おうみ」も乱戦の末に大破炎上、周囲を包囲された。

艦橋では空軍司令部から派遣されてきた参謀数両が未だに無謀な抗戦論をぶち上げていた。それを聞いていた橋本少将はそれを無視し通信兵に降伏の意図を伝えるように伝えた。それを聞いた参謀達は橋本少将に詰め寄ったが、橋本少将に一喝され、更に衛兵によって逮捕されるという事態にまで発展していた。

「おうみ」の降伏を受諾した厚木・オルキス連合艦隊は降伏を受け入れた戦艦「おうみ」、「あさひ」他数隻の艦艇を引き連れて「フィフス・ルナ」へ帰還した。そして帰還後橋本少将の口から直に残存艦隊は厚木艦隊に帰順するという事が伝えられ縄につかれた参謀達が引き渡される事となった。厚木准将を捕まえに来た参謀達が逆に厚木准将に捕まるという滑稽なニュースはすぐに連合国や本国に伝わり、厚木准将の名声を大いに上げ、逆にグリシネ空軍の威信を大いに下げる事となった・・・。


所変わってベータ沖。日本戦車軍団第4機動艦隊旗艦である「天城」は9隻の護衛艦を引き連れてベータ沖にて航空訓練を行っていた。周囲は厳重な対潜警戒状態にあったが、それを遠目から監視する1隻の潜宙艦がいた。グリシア帝国海軍潜宙艦「バリッラ」である。「バリッラ」は先の戦いの後僚艦である「アントニオ・シエサ」と別れ、単独行動を取っていた所、この機動部隊を発見したのである。この獲物を逃すまいと追跡を始め今に至る。幸い敵は気づいた様子も無く航空機を発艦させ訓練を行っているようであった。そして訓練を終え艦載機を回収した後、こちらに横腹を向けるという絶好のチャンスが訪れた。艦長のイマノフ中佐はこのチャンスを逃す事無く、艦首魚雷発射管から4本の宇宙魚雷を発射、そして急速反転後時間差で更に艦尾魚雷発射管から2本の計6本の魚雷を「天城」に向けて放った。
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Re:第七十五話設定中編
 ダークスピリッツ  - 2009/8/25 23:18 -
  
第七十五話

経過

デヴォリア基地
デヴォリア基地内にある病院の一室の入り口に一両の四式中戦車が佇んでいた。パレンバンから退避していた九龍中佐である(デヴォリア基地に退避直後に昇進)。彼は既にリハビリも終わり新たな部隊(小隊)の指揮官として軍務に復帰していた。本来ならば第115中隊の指揮官として復帰したかったが、パレンバン戦以来中隊はルナツーへ撤退、そしてルナツー〜デヴォリア間の制空権、制宙権が敵に奪われているため、ルナツーへ行く事は危険きわまりない。だから現在は新たに編成された部隊の指揮官となっているのだ。そんな彼が病院に来る訳はこの部屋にいる車両への見舞いである。そしてノックをし応答を待ってから部屋へ入る。そこに居たのはパレンバンの病院からの付き合いであるフレイ中佐であった。九龍中佐は先に退院していたが、フレイ中佐は思ったより治りが遅く今でも病院生活を強いられている。そのため九龍中佐は退院してからも度々見舞いに訪れていた。幸い話しを聞くともうすぐ退院できるようであった。暫く雑談をした後は持ってきたリンゴを剥いてフレイ中佐と共に食べる(九龍中佐は意外にも器用である)。食べながら今は平和であるこの基地であるがいつ敵に侵攻されるのか、そして第115中隊の戦友達と会える日は来るのかと不安を募らせていた・・・(九龍中佐が病院に入院している佐軒准尉と再会を喜び会うのはそのすぐ後の事である)。

同じ頃ルナツー基地
ルナツー基地に撤退していた第115中隊の隊員である池内一等兵は佐藤大尉から家族と会える日が来るまでその子チョロQの面倒を見るように命じられていた。理由は池内一等兵に一番懐いていたからである。自室に戻った池内一等兵は子チョロQに「そういえばまだ名前を聞いていなかったね」と話しかける。すると子チョロQは元気良く「あやだよ!」と答えた。女の子でグリシネ系だとは見た目と声からわかっていたので、名前を聞いても納得する事が出来た。そしてそれを聞いて池内一等兵はその子の名前を呼びながら笑顔で答えた。そしてその後の二台の光景を見た兵士からは「まるで妹と遊ぶ兄のようだ」(特に第115中隊の隊員から)と言われるようになったのである。

そしてその日盛大に見送られながらこの基地を出航した艦隊があった。まず先に出港したのが松井元帥率いる第一特務艦隊の8隻。続いて後を追って出港したのが厚木准将率いる第3巡洋艦隊の16隻である。数隻湾外にて待機となっていたのは例の作戦のためである。謹慎中の身であるにも関わらず艦隊を動かしている事に空軍司令部は激怒し即刻拘束しようとしたが松井元帥(第3巡洋艦隊(厚木ではなく)に護衛を要請した事にしている)や西郷中将等多数の陸海軍参謀達の反対にあったためさすがに手が出せなかった。しかしベータにはようやく前線配備された(錬度はともかく)空軍直轄艦隊が存在していたため、空軍の参謀達はベータ入港後にそれら空軍の軍事力を使って厚木准将を捕らえようと画策していた・・・。

その頃のベータ基地の軍港に停泊している赤城型航空母艦2番艦「天城」が慌しく出港準備を行っていた。艦載機発着艦訓練等や爆撃演習等一連の軍事訓練に参加するためなのだが、当初の予定より遅れていた。どういう訳か天城艦内で故障が相次ぎ修理におわれていたからだ。まるでそれは天城自身が訓練に出たくないと言っているようであった・・・。(結局修理が完了したのは訓練予定日の前日の事であった)

そして格納庫では京城大佐が念入りに自機の整備を行っていた。ちなみに現在の愛機は一旦はその操縦席から降りた零戦二一型。期待の試作新型戦闘機「電征」はというとこの前新任の整備兵がやらかして発動機が使い物にならなくなり、補給の目処も立たなかったのであえなく倉庫にしまわれてしまっている。そこで前の愛機だった二一型を引っ張り出していたのだ。しかし京城大佐自身もこの妙に馴染む二一型に愛着を持っており、今では「電征」が直っても機体を変えるつもりは無かった。そして、それまでは古い機体を使い続ける弟に何か古臭いとかそういう気持ちを持っていたが、ここに至って京城大佐は弟の世代が代わっても自分の愛機を使い続けるという気持ちに共感が持てるようになっていた。そして訓練が終わったら久々に弟と会ってやろうと上機嫌に整備を進めていった。

出港してから数日後、ライトウォーター沖では二つの艦隊が停泊していた。松井元帥率いる第一特務艦隊はこのままベータへ、厚木准将率いる第3巡洋艦隊はこれより独自の意志に基づき元資源小惑星基地「フィフス・ルナ」へ向かうのである。両艦隊の乗員が上甲板へあがり第一特務艦隊からは作戦の成功を、第3巡洋艦隊からはこれからの武運長久を祈り敬礼を行った後両艦隊は別れていった・・・

更に数日後ベータに到着した松井艦隊を見て驚いたのがグリシネ国空軍である。既に第3巡洋艦隊捕縛の準備が整えられていたが、どうやら途中で別れたらしく当てが外れてしまったのだ。しかしそれと同時にルナツー基地の第5主力艦隊から「厚木准将及び第3巡洋艦隊に叛乱の恐れあり、追撃の許可求む」との連絡が入り、厚木准将を抹殺出来る口実が見つかったため、空軍司令部は大急ぎで海軍司令部に命令し、第5主力艦隊に追撃させる事とした。

それを受け取った第5主力艦隊では既に出撃準備が整えられており、艦隊司令官三川中将の号令により次々と所属艦艇が出港、港外にて待機している第3巡洋艦隊の艦艇(乗員は既に退避)を砲撃により撃沈。その後「バージニア」を旗艦とする3列単縦陣にて第3巡洋艦隊の追跡を開始した(勿論本当に追撃するわけではない)。

それと同じ頃ベータ基地では訓練のため第4機動艦隊から空母を中心とする10隻の機動部隊が出撃、ベータ沖にて訓練を開始していた。それを1隻のグリシア潜宙艦が追跡しているとも知らずに・・・。

最大戦速で追跡を開始した第5主力艦隊は無事「フィフス・ルナ」に到着、沖で待機していた第3巡洋艦隊と合流し、グリシネ国に対するクーデターを宣言したのであった・・・。

それを聞いた空軍司令部は驚きと共に怒り狂い会議において海軍に全ての責任を押し付け即刻叛乱軍を鎮圧せよと迫ったものの、海軍側も既に鎮圧の命令は出したが宇宙にいる全ての艦隊が命令を拒否しているのですぐに艦隊を動かすのは不可能、そしてQW連合軍に敵対しないと発表していると真っ向から空軍側と対決し、更に会議は熱を帯びたものとなっていった。そして遂にというかまたもや空軍の参謀がキレて海軍の参謀に発砲し、それに応戦した海軍対空軍対それを止めようと参戦した陸軍の間で三つ巴の争乱となってしまった。そしてまたもや木原元帥、そして遂にブチ切れたグリシネ国王により争乱は鎮められた。その後の会議の結果、海軍がどうしてもやらないなら自分達でやるとベータに配備されている空軍宇宙艦隊を使って鎮圧を敢行する事となった・・・。

同時期「フィフス・ルナ」の近辺において哨戒を行っていた厚木艦隊の装甲巡洋艦「アナポリス」は接近する所属不明の艦隊を発見し接触を試みていた。発光信号により連絡を取った所オルキスの残存部隊である事が判明し、「アナポリス」はオルキス艦隊の旗艦である最新鋭高速戦艦「ホンゴウ」に横付けし、事情聴取及び確認のため艦長含む複数の将校が「ホンゴウ」へ移乗する事になった。移乗する前にも一同は「ホンゴウ」の流れるような流麗で美しい船体と青色の塗装に見惚れていたが、移乗後にも驚かされていた。内装や装置は高度な技術がちりばめられ局地的には「紀伊」を上回っているようだった。そして通された部屋で司令官のマクベイ中将と会談し、これまでのゲリラ戦の内容や弾薬、食料等の不足によりこの宙域まで退避してきた事を知った。そしてマクベイ中将はこちらに寄港できる港と補給を要請してきていた。その事でこちら側もマクベイ中将に今までの経緯やグリシネ本国の情勢を話し、それをふまえて港はあるが、今のところ弾薬、食料の補給は最低限だと伝えた所マクベイ中将は快く了承し、ひとまず「フィフス・ルナ」にある、設営途上の拠点まで向かう事になった。

そのすぐ後ベータ軍港から2つの艦隊が出撃した。宇宙に配備されて間もない空軍直轄第6、第7艦隊である。彼らは空軍司令部からの強烈な要請を受け出撃したが、司令官である橋本少将は乗り気ではなかった。錬度不足で統制は低く、兵員の質もいいものでは無かった。そして艦隊の航空戦力である計180機あまりの戦闘機隊もミサイル戦に慣れたパイロットばかりのため機銃を主に扱う戦闘機に不慣れという欠点もあり、こうして多くの不安要素を抱えたまま空軍直轄艦隊は初めての戦闘に向けて出撃していった・・・。

それを松井元帥の情報で察知した厚木准将はすぐさま迎撃のため全艦艇の出撃を命令、そして敵に航空戦力が多数含まれている事も松井元帥から知らされていたため松井元帥に航空支援を要請。それを受け松井元帥はベータに配備されている海軍第762航空隊及び陸軍飛行第361戦隊に厚木艦隊の援護に向かうよう要請。要請を受けた両飛行隊は直ちに出撃準備を整えていった・・・。

「フィフス・ルナ」に寄港していたオルキス艦隊にもその情報は伝わっており、厚木准将はマクベイ中将へ退避するように伝えたが、最低限ではあるが、補給をしてもらい更に寄港して乗員の休息も取らせてもらった恩があるマクベイ中将及びオルキス艦隊の将兵は、自分達も戦列に加わると言ってきた。それを受けて厚木准将とマクベイ中将はいくつか確認をとった後、オルキス艦隊の参戦を認め、それぞれ別個で行動を取る事になった。
出撃した厚木艦隊は追撃してきた空軍直轄艦隊を迎え撃つように展開、またオルキス艦隊は開戦後、その高速力と攻撃力を生かして敵を側面から攻撃するため、一度戦闘域を離れていった。逃亡ではないか?と疑う声もでたが厚木准将や三川中将はマクベイ中将を信じてそのまま作戦を遂行する事とした。

そして追撃してきた空軍直轄艦隊が「フィフス・ルナ」沖に現れ、両艦隊はそれぞれ単縦陣で向かいあった。
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第七十五話設定前編 改訂
 ダークスピリッツ  - 2009/8/25 23:17 -
  
ちょっと誤記があったので訂正します

第七十五話

フィフス・ルナ沖

厚木叛乱軍及びオルキス統合軍・日本戦車軍団

叛乱艦隊

元グリシネ国第3巡洋艦隊(司令厚木准将車種五式中戦車)
旗艦レイスト級駆逐艦「ライズナ」(艦長小泉少佐車種四式中戦車)
ピッツバーグ級新鋭装甲巡洋艦1隻(アナポリス)
ロチェスター級装甲巡洋艦3隻
シカゴ級防護巡洋艦4隻
レイスト級駆逐艦3隻
ベインブリッジ級駆逐艦4隻
計16隻 航空機4機(全て偵察機)

元グリシネ国第5主力艦隊(司令三川中将車種九七式中戦車)
旗艦イリノイ級戦艦「バージニア」
イリノイ級戦艦1隻
インディアナ級戦艦6隻
ロチェスター級装甲巡洋艦4隻
ボストン級装甲巡洋艦4隻
シカゴ級防護巡洋艦1隻
ベインブリッジ級駆逐艦8隻
計25隻 航空機なし

オルキス軍ゲリラ艦隊

オルキス統合軍第7守備艦隊(司令マクベイ中将車種M2中戦車)
旗艦エルガウィン級最新鋭高速戦艦「ホンゴウ」
エネルギア級最新鋭戦艦1隻
ボルドー級最新鋭装甲巡洋艦1隻
タルウェク級最新鋭駆逐艦4隻
計7隻 航空機31機(ほぼ戦闘機)

日本戦車軍団支援部隊

日本戦車軍団陸軍飛行第361戦隊(隊長藤岡少佐車種三式中戦車)
九五式戦闘機・・・30機
九七式戦闘機・・・3機
二式単座戦闘機「鍾馗」・・・3機(隊長機含む)
計36機

日本戦車軍団海軍第762航空隊(司令柴田少佐車種九五式軽戦車)
爆撃・雷撃
九五式陸上攻撃機・・・36機
九六式陸上攻撃機・・・12機
護衛
九五式艦上戦闘機・・・24機
計72機(戦闘機24、攻撃機48)

叛乱軍及びオルキス統合軍・日本戦車軍団戦力計 
艦艇48隻 航空機139機(戦闘機91、攻撃機48)

グリシネ国軍(空軍)

グリシネ国空軍第6艦隊(司令橋本少将車種九七式中戦車)
旗艦さがみ型戦艦「おうみ」
さがみ型戦艦1隻
あさま型重巡洋艦6隻
つしま型軽巡洋艦2隻
やまかぜ型駆逐艦18隻
計28隻 航空機124機(偵察機36、戦闘機88)

グリシネ国空軍第7艦隊(司令未定 車種九七式中戦車)
旗艦さがみ型戦艦「あさひ」
さがみ型戦艦1隻
あさま型重巡洋艦6隻
つしま型軽巡洋艦2隻
やまかぜ型駆逐艦18隻
計28隻 航空機124機(偵察機36、戦闘機88)

海軍にも出撃命令が下ったが命令無視、離反艦が相次いだため出撃した艦隊はなし

グリシネ国軍戦力計 艦艇56隻 航空機248機(偵察機72、戦闘機176機)


ベータ基地近辺

日本戦車軍団

日本戦車軍団第4機動艦隊一部(司令元山少将車種八九式中戦車)
旗艦:赤城型正規空母「天城」
青葉型重巡洋艦2隻
神風型駆逐艦7隻
計10隻 航空機126機(戦闘機53 雷爆撃機45 偵察機28)

グリシア帝国軍

グリシア帝国海軍通商破壊艦
バリッラ級最新鋭大型潜宙艦「バリッラ」(艦長イマノフ中佐)
計1隻 航空機なし
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カルオス帝国の艦艇 総括
 松井一真  - 2009/8/15 20:23 -
  
宮崎に行って来ました(県庁には行ってません)。ある書店でなんとオウバードフォース(初代)の攻略本を315円という超安価で入手。これで詰まってた「討伐艦隊」から先に進める。他にも両陣営のメカニックが細かく紹介されてて嬉しい。因みにアフターも買いましたが「初代をクリアするまでは手をつけない」ということにしています。

・駆逐艦編
所々グンナ帝国などと艦名の被りがあったため、いくつか修正が行われています。
たとえばミンスク級→フォークト級、オブライエン級→エルベ級といった具合。その点において日戦軍団と大日本帝国は上手い具合にかわしてますね(一部かわしきれてないものがありますが)。
搭載兵装は帝国陣営としては平均的。ローレンス級以降は魚雷発射管が五連装になっています。
フォレスト級以降の主砲は13.5cm砲。やや見慣れないタイプですが確かどこかで見たような。
ヴァイゲル級では遂に61cm魚雷を装備。対潜兵装もヘッジホッグならぬインフェルノを装備。そういえば今まで潜宙艦主役の外伝って構想自体になかったなぁ・・・

・防護/軽巡洋艦編
メガ粒子砲を主砲とする防護巡洋艦郡。50cmといえど魚雷も積んでいるのでなかなか強そう。
レムリア級。艦名を見て東宝怪獣映画を思い出しました。これ以降は類別が軽巡洋艦に。連装メガ粒子砲を有し、魚雷も53.3cmに拡大されています。
続くガールシュタウス級の主砲は18cm連装メガ粒子砲。45mmという破格の大口径機関砲まで搭載。61cm魚雷もあるので火力は絶大。
個人的には「新・紺碧の艦隊」のパロディをやったことで印象深いムサイ級。対空火力においてはガールシュタウス級に勝る物のメガ粒子砲の門数では劣る。機動性の高い航空巡洋艦。
ヴッパーダール級はガールシュタウス級の強化発展型。遂に主砲を三連装砲とした艦。

・装甲/重巡洋艦編
基本的にカルオス軍において口径15cm以上の対艦兵装はメガ粒子砲となっている模様。他国よりやや火力がありそう。
流石に装甲巡ともなると魚雷は無し。代わりに25.4cmメガ粒子砲(フォールリバー級以前は21cm)という大口径砲を装備しています。
チベ級は30.5cmメガ粒子砲を装備。実質ポケット戦艦クラス。
ザンジバル級。航空機のようなデザインが特徴。機動性重視で防御力ではチベ級に劣る。
バルバロッサ級。艦首波動砲オミットの逸話まで。今度の設定変更で大和型は最新鋭に予定してます。

・戦艦/空母編
グワジン級などのお馴染みの面々がいる一方、主兵装が軒並みメガ粒子砲に。やっぱり日戦軍団艦艇の速力設定は史実の同名艦に即したものにする予定です(紀伊だけは若干優速にする予定。主人公だからなぁ)。
グワジン級は実質的に航空戦艦。48.3cm砲を有していたりとなかなか強力。
リミア級にはAD兵器を装備。発射管が回転式・・・いわゆるリボルバー?
ロンバルディア級。こいつも結構印象深い出番のある艦。カルオス艦艇というと熱田がらみの話があった戦艦郡が印象深い。そういえば熱田はしばらく水雷戦隊の指揮を担当するという設定だった。
グワダン級。グワジン級ともども序盤から出番の多かった艦。ただ設定変更の影響でそれまで出番があった部分はグワジン級のほうになっているような。55mm機関砲というこれまた大口径の機関砲を搭載。艦載機六〇機を搭載する航空戦艦にもなっています。

空母は欧州風に各艦種一個ずつ。護衛空母の呼称が「対潜空母」になっているのが特徴。勿論搭載する音波探信儀は優秀。
ソーサリス級は航空機搭載能力の他、防護巡洋艦程度の戦闘能力も有する。いわゆるグラーフ・ツェッペリン的な艦。
フォラールベルク級以降は両用砲が12.7cmから13.5cmに拡大されています。そして最新鋭正規空母のバルキリー級は強力な戦闘能力と航空機搭載能力を有する装甲空母。艦隊指揮に当たってそう。

・潜宙艦/警備艇/その他編
あまり活躍しているイメージの無いカルオスの潜宙艦。潜宙艦主体の外伝とか書きたいところ。タイトルが思いつかないけど、「真夏のオリオン」みたいな感じの潜宙艦対沿岸警備艇の対決とか。最初期から設定に載ってるのにグンナのシグレートとか具体的に出番無かったなぁと思ったので。

シュルクーフよろしく砲撃能力を兼ね備えた潜宙艦。実はUボートも15cm砲を搭載した物が計画されていましたが、VII型の成功から取り消されたようです。
その中で一際目立つユーコン級。破格の高速と18cm連装×3という強力な浮上火力から、並みの駆逐艦など返り討ちにできる程度の性能がありそうです。

そういえば初期設定では日戦軍団の伊号潜は軒並み深度300まで潜れるという設定だった(呂号はその限りではない)なぁ。今考えると浮上火力が不足がちな日戦軍団艦は艦載機と魚雷の威力、そしてこの潜航能力でカバーしてたわけだ。

ベータを巡っての戦闘で初めて登場したドロス級。グワダン級並みの火力と三〇〇機という多数の航空機を搭載する大きさ。そのため戦艦並みの速力となっているのが欠点で、多数の艦艇が護衛についている。亜空間ドライブシステムが搭載されているという噂も。

沿岸警備艇。速力を除いては駆逐艦並みの性能。シュライデン級に代表されるように防空支援が主な任務になっている模様。
パンノニア級にはインフェルノも搭載されています。潜宙艦キラーとして活躍しそう。

余談の続き。宮崎の書店で紺碧の艦隊の今まで手に入らなかった六巻と八巻を入手。この二冊は路線が「三〜五年ほど技術が進歩した日米独の戦い」から「トンでも近未来兵器戦争(こっちはサブ)+大高流社会主義論(こっちがメイン)」に転換しつつある時期の巻とあって、F−86(あろうことか「噴式零戦」という名前で登場。零戦じゃないし。OVA版では「嶺花」に改名)だの誘導ミサイル(但し無線誘導)だの技術が六〜七年進歩したような兵器が出てたりする一方で海中要塞がいたりと結構面白いことになってます。ただ六巻の前半部は8月15日という設定のため延々と「あの戦争は間違いだった」という内容を(そもそもこの作品世界では「あの戦争(=太平洋戦争)」が続いているにもかかわらず)語る首脳陣が登場するなど、九巻以降の「大高流社会主義論」への転換が垣間見えます。巻末にはファンによる紺碧艦隊所属兵器郡の図面が描かれていたりして興味深い。
噴式零戦/嶺花は艦隊シリーズでは現実味があって好きなメカなんですが、なぜかこの六巻にしか出ないんですよね。七巻以降はまたターボプロップの電征に逆戻りしてる(但し「英軍に供与された」という設定)し、「旭日の艦隊」でジェット戦闘機が久々に出てきたかと思えば「噴式電征」になってるし(OVA版では嶺花)。
同じ六巻でデビューした噴式春嵐(エンテ型で双ブームという異形の機体。六巻巻末に図面あり)も、ちょうど紺碧艦隊にミサイルが搭載されるようになった時期に登場したので出番が薄くなってしまったのが残念。基本的に魚雷しか搭載していない紺碧艦隊だからこその艦載機だったのに。そう言う点ではストーリーにあまり貢献していない真面目な新兵器たち。
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Re:短編小説 栄光を求める者 あとがき
 松井一真  - 2009/7/29 11:16 -
  
> > あとがき:七月公開分の「青き名将」第十六話がどうにも進まないので、急ごしらえで作った短編です。
> すいません返信が遅れました

僕もカルオス兵器の総括のほうが遅れております。

> > 例の「青き名将」第十二話冒頭に登場した駅員のスピンオフです。主人公の駅員は「藤田」ですが、日戦軍団の藤田上等兵とは別のチョロQです。ただ、冒頭で語られているように藤田上等兵とも何らかの関連性があります。多分親戚か何か。いずれ明かす予定です。
> まさかと思いましたがやはりそうでしたか。

藤田上等兵は「紀伊」本編では上手く扱えていないので短編とかでバックステージを描いていこうかと思います。

> > ちなみに、今回登場する駅は地元の駅がモデルです。実際は十時過ぎると一時間に一本の無人駅です。
> 俺の最寄駅は大体10分に1本電車が来ます。(京浜急行)

京急ですか。「中京の赤い電車(=名鉄)」の利用者としては一度シーメンスVVVFの加速音を生で聞いてみたい物です。東京に行っても品川に寄らないからなぁ。某動画サイトで見たんですが各駅ごとに異なる接近メロディも凄い温度差。
僕の地元で15分に1本は豊橋鉄道です。名鉄グループなのに車両が東急。

> > 今回は登場チョロQの名前を台詞の鍵括弧の手前に書きませんでした。登場チョロQが二台しかないのでちょっと変わった試みを。ということで。
> 確かに名前が書いてありませんでした。ですがやはり登場チョロQが多くなると書いた方がわかりやすいかもですね。

江素弐千さんが「Crusader One」の初版で試験的に導入していました。これと同じく擬音表現の撤廃も行われましたが、いずれも第二版で復活しています。

> > ゲストとなるチョロQは元レーサー。そういえばこのシリーズってレーサーをレーサーとして登場させたことが無かったなと思って。最も今回も引退してますがね。
> 引退ってだけなら「紀伊」ではフェラーリ中将が登場したっきりでしたね。

しかもフェラーリ中将は「元レーサー」という要素があまり出てませんからね。

> > 「ろくなことが書かれて無い記事」。実は各記事ごとに元ネタがあります。一番最初から順番に「ケーニヒとノルキアの両親が死んだ事故(チョロQHG4)」、「フィズィキさんのアレンジ小説で語られた大事故」、「フォレスト大統領の辞任(チョロQHG2)」、「ノルキアの自決(チョロQHG4)」、「チャーランキ逮捕(チョロQHG4)」。もう少し小説ネタを出したかったんですが、そういえばキュワールシリーズ系列でレースものってフィスィキさんの作品しかなかったなぁと思って。
> HG4が多いですね。チョロQHGシリーズにはそんなドラマが・・・持ってないのであまり知りませんでした。

改めてみてみるとあまりネタバレになってない部分が多いですな。HG4は結構多彩なドラマが見られます。

> > 今回は「青き名将」第十二話の冒頭の続編的要素が強いです。後半部は藤田駅員が聞いたノラヒカの過去についてで占められてますし。
> >
> > 今回みたいな短編も、気が向いたらたびたび執筆する予定です。一応今回同様グリシネの北町地区を舞台とした方がやりやすいんですが、他の国々の「銃後」を題材とした物も予定してます。
> > 勿論、「青き名将」第十六話及び、「紀伊」の外伝も執筆中です。また行き詰まったらCCQ小説を続けるかな・・・
>
> こちらも第七十五話の原案がかなり行き詰ってQタンク王国の艦艇を書いてしまっている始末です。何とか今月、または来月上旬には仕上げたいです。

「青き名将」第十六話、とりあえず参考資料として借りてきた東宝怪獣映画を見ながら進めています。初期の東宝自衛隊は地味に海自が出てきて面白い。自衛隊には配備されてないはずのM4A1までいる。
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Re:短編小説 栄光を求める者 あとがき
 ダークスピリッツ  - 2009/7/28 21:20 -
  
> あとがき:七月公開分の「青き名将」第十六話がどうにも進まないので、急ごしらえで作った短編です。
すいません返信が遅れました
> 例の「青き名将」第十二話冒頭に登場した駅員のスピンオフです。主人公の駅員は「藤田」ですが、日戦軍団の藤田上等兵とは別のチョロQです。ただ、冒頭で語られているように藤田上等兵とも何らかの関連性があります。多分親戚か何か。いずれ明かす予定です。
まさかと思いましたがやはりそうでしたか。
> ちなみに、今回登場する駅は地元の駅がモデルです。実際は十時過ぎると一時間に一本の無人駅です。
俺の最寄駅は大体10分に1本電車が来ます。(京浜急行)
> 今回は登場チョロQの名前を台詞の鍵括弧の手前に書きませんでした。登場チョロQが二台しかないのでちょっと変わった試みを。ということで。
確かに名前が書いてありませんでした。ですがやはり登場チョロQが多くなると書いた方がわかりやすいかもですね。
> ゲストとなるチョロQは元レーサー。そういえばこのシリーズってレーサーをレーサーとして登場させたことが無かったなと思って。最も今回も引退してますがね。
引退ってだけなら「紀伊」ではフェラーリ中将が登場したっきりでしたね。
> 「ろくなことが書かれて無い記事」。実は各記事ごとに元ネタがあります。一番最初から順番に「ケーニヒとノルキアの両親が死んだ事故(チョロQHG4)」、「フィズィキさんのアレンジ小説で語られた大事故」、「フォレスト大統領の辞任(チョロQHG2)」、「ノルキアの自決(チョロQHG4)」、「チャーランキ逮捕(チョロQHG4)」。もう少し小説ネタを出したかったんですが、そういえばキュワールシリーズ系列でレースものってフィスィキさんの作品しかなかったなぁと思って。
HG4が多いですね。チョロQHGシリーズにはそんなドラマが・・・持ってないのであまり知りませんでした。
> 今回は「青き名将」第十二話の冒頭の続編的要素が強いです。後半部は藤田駅員が聞いたノラヒカの過去についてで占められてますし。
>
> 今回みたいな短編も、気が向いたらたびたび執筆する予定です。一応今回同様グリシネの北町地区を舞台とした方がやりやすいんですが、他の国々の「銃後」を題材とした物も予定してます。
> 勿論、「青き名将」第十六話及び、「紀伊」の外伝も執筆中です。また行き詰まったらCCQ小説を続けるかな・・・

こちらも第七十五話の原案がかなり行き詰ってQタンク王国の艦艇を書いてしまっている始末です。何とか今月、または来月上旬には仕上げたいです。
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Re:Qシュタイン連邦海軍宇宙艦艇 戦艦・巡洋戦艦 大きさ・武装改...
 松井一真  - 2009/7/27 16:35 -
  
最近は東宝自衛隊を調べるのにはまってます。初期の白黒作品に出てくるマイナーメカが気になる。初代モスラに九六式高射機銃(らしき火器)が出てて驚いた。M4A1って東宝自衛隊に参加してたんだ。
まだカルオス側の総括が終わっていないのでこちらは端的に。

ブランデンブルグ級は151mから156mへ拡大。排水量も500t増加。
カイザー・フリードリヒ三世級は166mから172mへ拡大。排水量は18560tから19200tに。
ヴィッテルスバッハ級は181mから188mへ拡大。排水量は20480tから21100tに。
ブラウンシュバイク級は192mから205mへ拡大。排水量は24140tから27000tに。
ナッサウ級は226mから263mへ拡大。排水量は35300tから46500tに。また武装も28.3cm連装砲が一基増設されている。
フォン・デア・タン級は284mから318mへ拡大。排水量は45600tから54300tに。また武装も28.3cm連装砲が一基、20mm単装機銃が二基増設されている。
ヘルゴラント級は275mから317mへ拡大。排水量は47900tから65000tに。武装は30.5cm連装砲が一基増設されている。
モルトケ級は308mから364mへ拡大。排水量は52900tから75900tに。武装は28.3cm連装砲と20mm連装機関砲が各二基増設されている。戦闘速度も28ktから30ktに向上している。
カイザー級は292mから335mへ拡大。排水量は59300tから80300tに。武装は30.5cm連装砲が一基増設されている。
ザイドリッツ級は331mから392mへ拡大。排水量は59400tから82400tに。武装は28.3cm連装砲、20mm連装機関砲、37mm連装機関砲が各二基増設されている。戦闘速度も29ktから30ktに向上している。
ケーニヒ級は315mから350mへ拡大。排水量は67100tから87700tに。武装は30.5cm連装砲が一基、8.8cm連装両用砲が二基増設されている。
デアフリンガー級は357mから426mへ拡大。排水量は64700tから93200tに。武装は30.5cm連装砲が三基、8.8cm連装両用砲が四基、20mm連装機関砲が六基、37mm連装機関砲が四基増設、さらに70cm大型レーザー砲が搭載され、戦闘速度も30ktから31ktに向上している。
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Re:Qシュタイン連邦海軍宇宙艦艇 戦艦・巡洋戦艦 大きさ・武装改...
 ダークスピリッツ  - 2009/7/27 4:17 -
  
Qシュタイン連邦海軍宇宙艦艇

ブランデンブルク級戦艦
全長156m
排水量16510t
武装28cm連装砲3基6門(上部3基)
  10.5cm単装砲12基12門(上部両舷各6基)
  8.8cm単装両用砲4基4門(上部両舷各2基)
  20mm単装機関砲6基6門(上部両舷各3基)
  37mm単装機関砲4基4門(上部両舷各2基)
  戦闘速度18kt
Qシュタイン連邦海軍戦艦。Qシュタイン海軍の主力戦艦。機動性は低いが堅牢な防御力を持つ。現在300隻程竣工。

カイザー・フリードリヒIII世級戦艦
全長172m
排水量19200t
武装24cm連装砲3基6門(上部3基)
  15cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm単装両用砲6基6門(上部両舷各3基)
  20mm単装機関砲8基8門(上部両舷各4基)
  37mm単装機関砲4基4門(上部両舷各2基)
  戦闘速度19kt
Qシュタイン連邦海軍戦艦。Qシュタイン海軍の主力戦艦。主砲口径こそ24cmとブランデンブルク級より威力は低下しているがこの50口径24cm砲はこの口径で速射砲であり1分間に10発以上もの弾丸を吐き出す事のできる高性能砲である。また副砲も強化され威力よりも手数で勝負する戦艦となっている。現在260隻程竣工。

ヴィッテルスバッハ級戦艦
全長188m
排水量21100t
武装24cm連装砲4基8門(上部4基)
  15cm単装砲18基18門(左右側面ケースメイト各9基)
  8.8cm単装両用砲8基8門(上部両舷各4基)
  20mm単装機関砲10基10門(上部両舷各5基)
  37mm単装機関砲4基4門(上部両舷各2基)
  戦闘速度19kt
Qシュタイン連邦海軍戦艦。Qシュタイン海軍の主力戦艦。カイザー・フリードリヒIII世級の拡大改良型であり全体的に大型化し武装が強化されている。現在220隻程竣工。

ブラウンシュヴァイク級新鋭戦艦
全長205m
排水量27000t
武装28cm連装砲3基6門(上部3基)
  17cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm単装両用砲8基8門(上部両舷各4基)
  20mm単装機関砲10基10門(上部両舷各5基)
  37mm単装機関砲4基4門(上部両舷各2基)
  戦闘速度21kt
Qシュタイン連邦海軍新鋭戦艦。Qシュタイン海軍の主力戦艦。主砲は新型の52口径28cm速射砲を搭載し他国の戦艦より威力は劣るが他国が1分間に2〜3発程度なのに対して10発以上もの28cm弾を投射する事ができる優秀な主砲(24cm速射砲を拡大改良したもの)を搭載している。また副砲も強化され総合的な砲火力は他国新鋭戦艦を超えると言われている。現在170隻程竣工。

ナッサウ級新鋭戦艦
全長263m
排水量46500t
武装28.3cm連装砲8基16門(上部4基、同両舷各2基)
  15cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm単装両用砲10基10門(上部両舷各5基)
  20mm単装機関砲12基12門(上部両舷各6基)
  37mm単装機関砲6基6門(上部両舷各3基)
  戦闘速度21.5kt
Qシュタイン連邦海軍新鋭戦艦。Qシュタイン海軍が建造した初の弩級戦艦。新設計の28.3cm砲(速射砲ではない)を8基搭載し強力な攻撃力・防御力を持つ。また対空兵装や甲板装甲もブラウンシュヴァイク級より強化された。現在130隻程竣工。

フォン・デア・タン級最新鋭巡洋戦艦(低出力電磁シールド搭載)
全長318m
排水量54300t
武装28.3cm連装砲7基14門(上部5基、同両舷各1基)
  15cm単装砲14基14門(左右側面ケースメイト各7基)
  8.8cm単装両用砲12基12門(上部両舷各6基)
  20mm連装機関砲10基20門(上部両舷各5基)
  37mm連装機関砲6基12門(上部両舷各3基)
  戦闘速度26.8kt
Qシュタイン連邦海軍最新鋭巡洋戦艦。Qシュタイン海軍が建造した初の巡洋戦艦。船体はナッサウ級の拡大改良型であり武装もほぼ同一だが速度を出すために主兵装はナッサウ級より少なくなっている。また他国巡洋戦艦と比べると装甲が厚く耐弾性が高い事も特徴。現在80隻程竣工。

ヘルゴラント級最新鋭戦艦(低出力電磁シールド搭載)
全長317m
排水量65000t
武装30.5cm連装砲9基18門(上部5基、同両舷各2基)
  15cm単装砲18基18門(左右側面ケースメイト各9基)
  8.8cm単装両用砲12基12門(上部両舷各6基)
  20mm連装機関砲10基20門(上部両舷各5基)
  37mm連装機関砲8基16門(上部両舷各4基)
  戦闘速度23kt
Qシュタイン連邦海軍最新鋭戦艦。Qシュタイン海軍の最新鋭弩級戦艦。ナッサウ級の拡大改良型であるが主砲に新式62口径30.5cm砲(威力は実質34.3cm砲に匹敵)を搭載する等攻撃力・防御力は格段に向上している。現在30隻程竣工。

モルトケ級最新鋭巡洋戦艦(低出力電磁シールド搭載)
全長364m
排水量75900t
武装28.3cm連装砲9基18門(上部5基、同両舷各2基)
  15cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm連装両用砲8基16門(上部両舷各4基)
  20mm連装機関砲14基28門(上部両舷各7基)
  37mm連装機関砲12基24門(上部両舷各6基)
  航空機5機搭載可能(艦後部格納庫内5機 発着口1基)
  戦闘速度30kt
Qシュタイン連邦海軍最新鋭巡洋戦艦。Qシュタイン海軍の最新鋭巡洋戦艦。フォン・デア・タン級の拡大改良型として建造され30ktの高速力と他国の戦艦並みの重防御力を持つ。現在2隻竣工。複数建造中。

カイザー級最新鋭戦艦(中出力電磁シールド搭載)
全長335m
排水量80300t
武装30.5cm連装砲9基18門(上部5基、同両舷各2基)
  15cm単装砲18基18門(左右側面ケースメイト各9基)
  8.8cm連装両用砲10基20門(上部両舷各5基)
  20mm連装機関砲12基24門(上部両舷各6基)
  37mm連装機関砲10基20門(上部両舷各5基)
  戦闘速度24kt
Qシュタイン連邦海軍最新鋭戦艦。Qシュタイン海軍が建造している最新鋭戦艦。砲配置が梯形配置となり舷側方向への主砲全門斉射が可能となっている。これによりヘルゴラント級より攻撃力が大幅に向上している。また対空兵装も強化されている。現在「カイザー」竣工。複数建造中。

ザイドリッツ級建造中最新鋭巡洋戦艦(中出力電磁シールド搭載)
全長392m
排水量82400t
武装28.3cm連装砲9基18門(上部5基、同両舷各2基)
  15cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm連装両用砲12基24門(上部両舷各6基)
  20mm連装機関砲16基32門(上部両舷各8基)
  37mm連装機関砲14基28門(上部両舷各7基)
  航空機10機搭載可能(艦後部格納庫内10機 発着口1基)
  戦闘速度30kt
Qシュタイン連邦海軍建造中最新鋭巡洋戦艦。Qシュタイン海軍がX計画に基づいて建造している最新鋭巡洋戦艦。モルトケ級の拡大改良型でありフォン・デア・タン級から続いていた派生型(モルトケ級もフォン・デア・タン級の改良型)の最終型である。モルトケ級より防御力・機動性・対空攻撃力が向上している。また水上での航洋性も改善された。現在複数建造中。

ケーニヒ級建造中最新鋭戦艦(中出力電磁シールド搭載)
全長350m
排水量87700t
武装50.8cm連装砲1基2門(下部格納1基)
  30.5cm連装砲9基18門(上部7基、左右側面各1基)
  15cm単装砲18基18門(左右側面ケースメイト各9基)
  8.8cm連装両用砲12基24門(上部両舷各6基)
  20mm連装機関砲14基28門(上部両舷各7基)
  37mm連装機関砲12基24門(上部両舷各6基)
  航空機5機搭載可能(艦後部格納庫内5機 発着口1基)
  戦闘速度26kt
Qシュタイン連邦海軍建造中最新鋭戦艦。カイザー級に続いて建造されている弩級戦艦で上部主砲塔を全て首尾線上配置とし良好な射界を持ち、カイザー級より防御力・機動性が向上している。また艦下部に紀伊と同じ20インチ砲を搭載し砲火力も増大している。現在複数建造中。

デアフリンガー級計画中最新鋭巡洋戦艦(中出力電磁シールド搭載)
全長426m
排水量93200t
武装70cm長砲身単装砲1基1門(下部格納1基)
  30.5cm連装砲10基20門(上部6基、左右側面各2基)
  15cm単装砲16基16門(左右側面ケースメイト各8基)
  8.8cm連装両用砲16基32門(上部両舷各8基)
  20mm連装機関砲24基48門(上部両舷各9基、左右側面各3基)
  37mm連装機関砲16基32門(上部両舷各8基)
  航空機10機搭載可能(艦後部格納庫内10機 発着口1基)
  戦闘速度31kt
Qシュタイン連邦海軍計画中最新鋭巡洋戦艦。X計画に基づいて建造が決定した最新鋭巡洋戦艦。全くの新設計となり戦艦と同じ主砲を搭載しカイザー級と同等の防御力、高い機動性、下部に搭載された紀伊と同じ70cm大型砲等ケーニヒ級を超えると言われる程優秀な性能を持つ。現在計画中。
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短編小説 栄光を求める者 あとがき
 松井一真  - 2009/7/20 23:35 -
  
あとがき:七月公開分の「青き名将」第十六話がどうにも進まないので、急ごしらえで作った短編です。
例の「青き名将」第十二話冒頭に登場した駅員のスピンオフです。主人公の駅員は「藤田」ですが、日戦軍団の藤田上等兵とは別のチョロQです。ただ、冒頭で語られているように藤田上等兵とも何らかの関連性があります。多分親戚か何か。いずれ明かす予定です。
ちなみに、今回登場する駅は地元の駅がモデルです。実際は十時過ぎると一時間に一本の無人駅です。
今回は登場チョロQの名前を台詞の鍵括弧の手前に書きませんでした。登場チョロQが二台しかないのでちょっと変わった試みを。ということで。
ゲストとなるチョロQは元レーサー。そういえばこのシリーズってレーサーをレーサーとして登場させたことが無かったなと思って。最も今回も引退してますがね。
「ろくなことが書かれて無い記事」。実は各記事ごとに元ネタがあります。一番最初から順番に「ケーニヒとノルキアの両親が死んだ事故(チョロQHG4)」、「フィズィキさんのアレンジ小説で語られた大事故」、「フォレスト大統領の辞任(チョロQHG2)」、「ノルキアの自決(チョロQHG4)」、「チャーランキ逮捕(チョロQHG4)」。もう少し小説ネタを出したかったんですが、そういえばキュワールシリーズ系列でレースものってフィスィキさんの作品しかなかったなぁと思って。
今回は「青き名将」第十二話の冒頭の続編的要素が強いです。後半部は藤田駅員が聞いたノラヒカの過去についてで占められてますし。

今回みたいな短編も、気が向いたらたびたび執筆する予定です。一応今回同様グリシネの北町地区を舞台とした方がやりやすいんですが、他の国々の「銃後」を題材とした物も予定してます。
勿論、「青き名将」第十六話及び、「紀伊」の外伝も執筆中です。また行き詰まったらCCQ小説を続けるかな・・・
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Re:短編小説 栄光を求める者
 松井一真  - 2009/7/20 23:32 -
  
後半。個人的にもややグダグダ感があると思ってたり。

「栄光」を求める者

ふと、藤田は吊り下げられた時計を見た
まだ、五分強の時間を残していた
「・・・しかし、何もあなたまで辞めることは、無かったんじゃないですか?」
「レーサーってのは、ただ走るだけじゃないんですよ。強い奴がいないと、張り合いが無いんです」
以前出会った強豪レーサーも語っていた。彼も張り合いが無くなってレースの表舞台を去ったという
だが、彼とは勝手が違っていた気がする
「戦うにも、戦い甲斐のある相手が・・・いなくなってしまったんですよ」
「・・・戦い甲斐のある相手が、後にも先にも、一台だけというわけではないでしょう」
規則的なジョイント音が鳴り響く
その音が、ほんの数秒だけ大きくなる
向かい側のホームに、反対方向へ行く列車が到着する
「・・・そうかもしれませんが、あれから、そいつがどうなったのかを、知りたいんです。過去の栄光を、求めているだけかもしれませんが・・・」
「それが知ってよかった内容なら、いいんですがね」
「・・・どういうことですか?」
元レーサーのチョロQが聞く
「以前会ったレーサーから聞いたんです。『栄光は儚い。強豪の末路ってのは、悲惨な物だ』・・・」
藤田は、以前ある国の強豪レーサーに会っていた
前の大戦の最中のことであった
「三〇数年前」に起こった事故で引退したが、その後も後進レーサーの指導にあたっていたという
引退からしばらくの間、やけになってレーサー時代に通っていた喫茶店で酔っ払っていたところ、当時の理事に過去の経歴を見抜かれ、指導員として働くことになったらしい
「理事の娘がレーサーを志していたそうです。理事は『世相が許さん』と反対しましたが、そのレーサーは、無理を通して世相を覆した。しかし、その『世相』はそのレーサーにとっては敵の一つだった・・・」
その後指導員を辞めた彼は、故郷の街を離れてひっそりと暮らしていたが、たまたま街中で暴走族を捕まえた時に、からまれていたらしいチョロQを見て驚いた
街で噂になっていた暴走族にあっさりと勝利したその実力。磨けばきっと自身をも超えられる、そう確信した
そうして彼は、そのチョロQの指導をすることとした
一年後、彼はそのチョロQを一人前のレーサーに仕立て上げた
自身の果たせなかった夢、グランプリ優勝を、そのチョロQは果たした
かつての自身のライバルとも、再会に成功した。しかし・・・
「・・・そのチョロQが優勝した当日、しのぎを削って争っていた最大のライバルで、親友だったというチョロQが・・・病死した」
「・・・・・・」
「優勝の式典の翌日、最強のレーサーとなったチョロQは、親友の葬儀を行った。まだ優勝の余韻が残る辺りの紙ふぶきが、妙に悲しげだったそうです。最も、指導員だった元レーサーは、その模様を見てなかったそうですがね」
彼は、その日には飛行場にいた
「チョロQのあり方」を考えるためだった
その旅の途上で、この駅に立ち寄ったのだ
「レースを生き甲斐としないチョロQが住む、ここいらの国々を見て回ってたそうです。その後は、ミリーガーという、『レースや戦いを生き甲斐としないチョロQが住む国』に行ったそうですがね」
「・・・そんな国が、あったんですか?」
「キュワールは広いですからね。そんなチョロQがいたっておかしくない。私もチョロQというのは、走ることや戦うことに関わる物だと信じていたので、彼からその話を聞いた時には驚きました」
レース日和の青空を、白い筋が通っていく
「空軍の国」であるグリシネだから、そろそろサーキット上空を飛ぶ戦技飛行隊がスタンバイをする頃だろう
「・・・そして、これは別の国の話ですが・・・その国ではトップクラスの実力を持っていたレーサーが、マスコミから追及されて引退に追い込まれた、なんて話もあるそうです。その原因は・・・ボディだったそうです」
ここから少し離れた小さな島国で、普通はレースをしないであろうチョロQがレーサーになった
そのレーサーはレースチームのサブリーダーとなり、リーダーのチョロQと共に次々とレースで好成績をたたき出した
しかし、強豪レーサーとして称えられていくうちに、そのボディが枷となった
強豪レーサーとしてふさわしくないボディは、まさに「醜い強豪」であった
挙句の果てに、そのレーサーの出場したレースで観客に急病車が発生した。原因は定かではないが、なぜかそのレーサーがバッシングされたという
「さっきあなたが言ったように、レースってのは戦場みたいです。我々・・・いや、私は駅員でしたな。私の周りのQタンクたちは、前の大戦での出征経験があるものもいます。空軍の国ですから空軍の話をしますと、エースパイロットというのはそう呼ばれてしばらく経つと撃墜される、なんてこともあるそうです。落とされない奴もいるんですがね」
「・・・一体、あなたは何故、そんな話を?」
「軍事主体の国家であるグリシネでも、レースの情報ってのは入ってくるもんです。新聞の隅ですがね」
「いや、何故知っているのかではなく・・・僕にそんな話をしたのか、と」
「・・・例え強豪がいたとしてもそれは過去の話です。せっかくレースを観に行くのなら、未来の強豪に注目するべきだ・・・そういうことです」
奇しくもその日のレースは、ややランクが低めの物であった
流石に高レベルな競走は見られないが、きっといずれは強豪となるものもいるはずだ
「過去の栄光を求めるより、未来の栄光を探したほうが良い。私はそう思います。レースという物を知らない私が、こういうのもなんですがね」
「・・・なるほど、そう言う意図がありましたか・・・ところで」
警報音が鳴り響く
続いて、遠方から規則的なジョイント音が響き始める
「何でしょうか?」
「さっきの話に出てきた『指導員をやっていた元レーサー』って・・・」
轟音と共に、列車がやって来る
「・・・ご想像に、お任せします」
やや不満そうに、客は列車に乗る
だが、その後座席に座り、窓を開けた客は言った
「・・・車種、オレンジ色をした、葉巻型のレーシングカーじゃ、ありませんでした?」
どうやら想像は、藤田の会ったチョロQそのものになったようだ
何も言わず、藤田はホイッスルを吹き、旗を上げた
一〇三〇、定刻通りに、列車は出発した
それから数分後、後を追うように戦技飛行隊のジェット機が、五つの飛行機雲を残して飛んでいった

終わり
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短編小説 栄光を求める者
 松井一真  - 2009/7/20 23:32 -
  
「青き名将(仮題)」第十六話が行き詰まっているので、とりあえず短編小説を執筆。

「栄光」を求める者

CQ暦253年、グリシネは平和だった
QQQQの内部抗争が起こり、グリシネ沖に大艦隊が襲来したあの日以来・・・
あの時はこの北町から程近い北方軍港が攻撃を受けようとしていた
政府の陰謀だった
いや、軍部の陰謀だった
だが、「民兵組織」によって、それは対処された
それ以来、グリシネは今のところ、平和である
また「敵派」が襲い掛かってこない限り・・・
北町地区は、その名の通りグリシネの北方にある
大きな貿易港があり、元来貿易で栄えてきた地域である
しかし、ここ数年で様変わりした
この付近にも防衛基地が出来、やや古めかしいビルの一室に軍の司令部が出来た
「民兵組織」の本部である
それと入れ替わりに、爆音を撒き散らしていた空軍機の姿が見えなくなった
一体どういうことがあったのかは、よく分からない
しかし、それにより北町地区は他の地域と比べ、平穏で静かな場所となっている
「・・・あれから、ものの三ヶ月。以来この北町に訪れる兵隊は無し。平和な物だ」
北町駅のベテラン駅員、藤田は、空を見上げて呟いた
「次期駅長候補」とまで呼ばれる彼は、かの「民兵組織」と縁のあるQタンクである
とはいえ、自身はホーム警備に留まっており、出札などは後輩達に任せている
「・・・駅員さん、次の電車はいつですか?」
ホームに入ってきたスポーツカーが話し掛けてきた
客だ。二面二線の対向式ホームである小さな駅ゆえ、客入りは少ない
だが、それでもいるものだ
休日のホームは普段以上に客は少ない
「あっ、一〇三〇ピッタリです」
十時を過ぎれば、後は一時間に僅か三〜四本。そういう路線だ
あまりに小さな駅なので、時刻表さえも貼っていない
それでも駅員が勤務しているのは、「民兵組織」の管理委託駅であるからだった
「どうもありがとうございます」
・・・それにしても、妙な身なりの車だ
トラックなどの大型車以外の非武装のチョロQを見るのは久々だ
ましてやスポーツカータイプなど、さらに見た事が無い
「・・・今日はレースがあるそうだから、増発してもおかしくないんですがね・・・」
二つ前の大戦が終わった辺りの頃か、それまでほとんど無かったQタンク系の国々とチョロQ系の国々が国交を交わし、いつしかQタンク系の国家にもサーキットが、チョロQ系の国家にも防衛基地ができるようになった
そうして起こったのが前の大戦であった
この日は港の近くにあるサーキットでレースがあった。確か昼前からの開催だったはずだ
「・・・実は、僕はそのレースに行くんです」
客のチョロQは、藤田の独り言を聞いて言った
「参加車、ですか?」
列車が来るまで、客も駅員も暇である
その間、雑談を交わすのがこの駅の習慣となっている
不思議と、いつもその雑談には客が乗ってくれていた
「・・・いえ、レーサーではなく・・・」
レーサーらしき客のチョロQは、少し間を置いて否定した
「・・・応援ですか?」
レースというものはチョロQにとって一大イベントである。軍事国家であるグリシネからも観戦に行くQタンクがいるほどなのだから、わざわざ海外から来るものもいてもおかしくない
だが、レーサーでないのだとしたら、何故レーサーのような格好をしているのだろうか
「・・・レーサーから足を洗ったんですよ、僕は」
「・・・そうでしたか」
レーサーから足を洗った。戦争が始まった今、レーサーを辞める者は大勢いる
しかし、「足を洗った」と表現するということは、軍部に徴兵されたわけでもないようだ
それに、彼はレースを観に行くのだ
「・・・少し前まで、筋のいい奴がいたんですがね」
「・・・少し前、まで?」
藤田は聞き返した
「・・・そう、少し前まで」
元レーサーのチョロQは、そう答えた
「ほんの二〜三年前の出来事です。そのレーサーの友人が、事故で大怪我を負った。その恐怖で、彼はレーサーを辞めた・・・」
レースというものは、常に危険と隣り合わせである
何しろ十台以上のチョロQが、一〇〇km以上の高速で走り回るのだ
衝突などすれば、ひとたまりも無い
「メディアでの扱いは散々でした。なにせ、逃げるように消えましたからね」
このグリシネやプロトン、Qシュタインといった国々ではそれ程ではないが、チョロQアイランドなどの国々において、レースは国民的人気を誇っている
それゆえに高い技量を誇っていながらも謎の失踪を遂げたレーサーについて、メディアが追究することも多々あった
軍事国家グリシネでも、それなりに記事は出ている
『レースコース建設現場で落盤 現場監督以下十二台死亡』、『ブラドン最大のサーキットで大火災 死傷車四〇〇台越える』、『チョロQ王国大統領、レースで辞任表明?』、『強豪レーサー、謎の事故死』、『闇レース疑惑 ゲープコッチ閣僚逮捕』・・・新聞に取り上げられるレース関連のニュースはろくな物が無かった
「確か三ヶ月前でしたか?ここの沖合いで、海戦があったの。僕ら・・・いや、もう僕は含みませんな。彼らレーサーたちにとっては、レースはある意味戦いです」
上空を飛行機が通過していく

続く
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グリシネ空軍機に関して
 松井一真  - 2009/7/5 1:59 -
  
> なんか勢いで書いた。空軍艦隊初登場(爆)ところで空軍の戦闘機の機種が知りたいです。(宇宙なので現代機はなしで・・・)
>

最初はカルオス航空機の総括で書こうかとも思ったんですがなかなか進まないので独立。

グリシネ空軍の航空機はプロトン陸軍とほぼ同一機です。ただ性能主義なのでたまに他国から高性能機を輸入していることもある様子(勿論日戦軍団機とQシュタイン機は無い)。

それにしてもまたしても司令部の描写が凄まじいことになりそうだ。
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Re:カルオス帝国航空軍 飛行艇・輸送機
 ダークスピリッツ  - 2009/7/4 15:57 -
  
カルオス帝国航空軍航空機

飛行艇

飛行艇ARK−3/KE(チェトベリコフ)
全長15.2m
馬力2400hp(1200×2)
最高速度350km(降下制限速度750km)
航続距離3000km(最大搭載時4500km)
武装7.62mm機銃×2(機首旋回2丁)
  12.7mm機銃×2(後上方旋回2丁)
  爆弾・爆雷最大1500kg(150kg×10、250kg×6、500kg×3)
カルオス帝国航空軍哨戒飛行艇。海軍航空隊の主力双発飛行艇。武装や発動機が強化されている以外はグンナ製の機体とあまり変わらない。現在各基地に配備中。

最新鋭飛行艇MDR−6/KE(チェトベリコフ)
全長17.3m
馬力3400hp(1700×2)
最高速度450km(降下制限速度850km)
航続距離6700km(最大搭載時10100km)
武装12.7mm機銃×4(機首・後上方旋回各2丁)
  爆弾・爆雷最大1500kg(150kg×10、250kg×6、500kg×3)
カルオス帝国航空軍最新鋭哨戒飛行艇。海軍航空隊の最新鋭双発飛行艇。グンナ製の機体より全般的に強化されている(全長が延伸されているのは燃料タンク増設のため)。

開発中最新鋭飛行艇MDR−6KV(チェトベリコフ)
全長17.9m
馬力4200hp(2100×2)
最高速度520km(降下制限速度850km)
航続距離7600km(最大搭載時11400km)
武装20mm機関砲×6(機首・前上方・後上方旋回各2丁)
  爆弾・爆雷最大2500kg(250kg×10、500kg×5)
カルオス帝国航空軍開発中最新鋭哨戒飛行艇。カルオスがMDR−6をベースに開発している最新型双発飛行艇。航続距離や速度性能、兵装搭載量等が向上し、より長距離の哨戒が可能となっている。現在試験中。

輸送機

ANT−9やLi−2等グンナ帝国と同型の機体が運用されている。

最新鋭輸送機Li−2KV(リスノーフ)
全長28.1m
馬力6800hp(1700×4)
最高速度490km(降下制限速度800km)
航続距離8000km(最大搭載時12000km)
武装12.7mm機銃×6(前上方・後上方・尾部旋回各2丁)
  兵員最大50両または貨物最大6000kg搭載可能
カルオス帝国航空軍最新鋭大型輸送機。Li−2を元にして開発された四発大型輸送機。Li−2を大幅に上回る性能を持つ。現在一部の基地に配備中。

開発中最新鋭輸送機Tuk−12(ツポレフ)
全長34.2m
馬力9400hp(2350×4)
最高速度540km(降下制限速度850km)
航続距離13000km(最大搭載時19500km)
武装20mm機関砲×4(後上方・尾部旋回各2丁)
  兵員最大90両または貨物最大12000kg搭載可能
カルオス帝国航空軍開発中最新鋭大型輸送機。カルオス帝国が独自開発している最新鋭四発大型輸送機。航空軍の中でも最大級の大きさを有し、長大な航続距離と優秀なペイロードを持つ。現在開発中。
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