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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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松井一真
- 2008/11/17 20:47 -
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スパム対策ついでに急ピッチで執筆、第十二話。
第十二話 北方最大の戦い
ある駅のホームに、初老のチョロQがやってきた
チョロQ「・・・次の電車、何分後だ?」
駅員「ああ、さっき出てったばかりなので・・・十五分後です」
チョロQ「そりゃ、良かった。ちょっと、話を聞いてくれないか?」
駅員「列車が来るまで暇なので、いいですよ」
この路線も、それ程列車が来るわけではない。真昼間に十五分間隔、ラッシュアワーですら一〇分間隔だ
チョロQ「・・・チョロQって、なんだと思う?」
駅員「・・・『走ること』に関わる物だと」
勿論、駅員も列車の運行に携わる物、すなわち列車が走ることに関わっていた
チョロQ「・・・俺も、そう思っていた。だが、現実は違ったよ」
駅員「・・・なんだったのですか?」
チョロQ「俺は昔、レーサーだった。そこそこ名の知れた、な」
チョロQは、自身の過去を語りだした
「駆け出しの頃は散々言われたよ。『田舎物に何ができる』とかな。だが、そんな俺を励ましてくれた奴が一台だけいた。郷にはレースについて話せる奴はあまりいなかったから、伝説の最速レーサーへの対抗手段を二台で語り合った物だ。レースの時はライバルでも、レース場の外じゃ親友だった・・・」
そこまで言って、チョロQは一旦、語るのを止めた
駅員「・・・どこかで、聞いたことがあるような」
チョロQ「だろうな。チョロQならば、どこかで噂ぐらい聞いていたはずだ。だが、その『伝説』もほんの数年で終わっちまった。政治屋の陰謀でな」
チョロQは、再び語りだした
「・・・ある政治屋が、その最速レーサーとやらの悪評を捜していた。そうしているうちに、その政治屋はそのレーサーの親友が、本来レースに参加できないはずの、あるハンディキャップがあったことが明らかになった。そして、そいつは俺の親友そのものだった・・・」
汽笛が響く
駅員は慌てて旗を取り出す
だが、それは肩透かしだった
貨物列車が、線路を通過していく
チョロQ「・・・どうにも引っかかっていたんだよ。奴がしきりにそんなことを言い出したんだ。くだらない規定とかすっ飛ばして、どんなチョロQでもレーサーになれるようにすればいい、なんてな」
駅員「・・・それで、言われた時にはなんとも思っていなかった、ですか?」
チョロQ「ああ。なかなか鋭いじゃねぇか。結局そのときは、喧嘩になっちまった。だが、なんでそいつがそんな話を持ちかけたか、分かるか?」
駅員「もしや、そのレーサーも圧力を受けていた、と?」
チョロQ「そういうこった・・・いつしかレースは政治の道具になっていた。その政治屋が推しているレーサーを一位に仕立てるために、奴らは邪魔だった。そうしたらまとめて潰すことができる要素が揃った。それで、政治屋は奴に圧力をかけた」
語る声が、どことなく悲しげに感じた
チョロQ「・・・それで、奴は・・・」
飛行機の轟音が響く
チョロQ「レース中に自殺した。壁に突っ込んだんだ」
駅員「・・・レース中に?!」
チョロQ「俺は最初、何がなんだかわからなかったよ。目の前を走ってたはずのあいつが突然、事故を装って壁に突っ込んでったんだからな。結局のところ、俺とあいつは和解することが出来なかった」
駅員「・・・それで、レーサーを辞めたのですか」
チョロQ「・・・空しくなったんだよ、走ることが。気づけば最速レーサーも姿を消したらしい」
親友が消えたからか、陰謀に気づいたからか・・・
チョロQ「そいつが雲隠れしてからどうなったかは知らねぇが、俺は堕落の道を辿った。酔っ払って暴れまわったこともあった。そんなある日、あるお偉いさんに目を付けられた。俺の過去を知っていたらしくてな」
あの事件から数年、レースにまつわる法律はたびたび改正されていた
気づけば、「くだらない規定」は消えていた
「そいつの下で指導教官をやって、俺の教え子は見事に強豪に成り上がっていった。そいつも、奴と同じハンディキャップがあった。だがそれを明かした状態のまま強豪になれたんだ。教え子が強豪になったのは嬉しいが、誰かが死んでから法を改めるなんてやり口が気に入らなかった」
法は何度も変わり、レーサーたちは種別分けされた
チーム制度ができ、グランプリもそのチームからメンバーを選出するようになっていた
チョロQ「それから、教え子達のうちの一台が俺の果たせなかった夢を果たしたのを見た俺は、表舞台を完全に去った。俺のすべきことは終わり、後は俺自身がずっと溜めていた問題・・・すなわち、今俺があんたに話したことを、捜してみようと思ってね」
駅員「チョロQの、存在意義ですか」
轟音が鳴り響く
彼らの上空を、戦闘機が飛んでいく
チョロQ「今、世の中は戦争の真っ只中、それも泥沼だ。いつ終わるかも分からねぇ。聞いた話じゃ、ここから南のほうのブルーウェイという島で、また派手にやってるそうだ」
駅員「・・・知り合いに、陸軍の通信士がいましてね。北のほうは膠着状態だ、と言ってましたよ」
聞き役に徹していた駅員が、口を開いた
チョロQ「・・・膠着か。こうしている間にも、前線じゃあチョロQが死んでいるんだな。なんだかやりきれねぇよ」
駅員「『如何なる危険があっても、俺はそこに行かなければならない』・・・その通信士の言っていたことです。前線の兵隊ではありませんが、彼でさえその覚悟。同じチョロQでも、Qタンクは覚悟が違うんです」
チョロQ「・・・Qタンクにとって、チョロQの存在意義ってなんなんだろうな・・・俺には分からねぇ。でも、案外どっかで、その覚悟ってのが分かっちまうかもしれねぇな」
五度目のキュワール大戦。今度こそキュワール全土に戦火が及ぶ。この地が突然爆撃されることもあるだろう
駅員「・・・通信士がもうひとつ、言っていました。『Qタンクの生き甲斐は戦うことだ。だが無闇に戦うのではない。何かを守るために戦うのだ』と。ヒントの一つになれば、幸いです」
チョロQ「・・・そいつには一度会ってみたいものだな。だが、その前に行くところがある」
駅員「・・・どこですか?」
チョロQ「ミリーガーって国が中央海の北のほうにあるそうだ。そこにはレースを生き甲斐としない、珍しいチョロQが住んでいるらしい。つまり、チョロQの『第三の姿』を見られるというわけだ」
駅員「レースを生き甲斐としないなんて、珍しいチョロQもいるものですな」
チョロQ「『戦い』を生き甲斐とするチョロQなら、そこらじゅうにいるのにな。でも、彼らだって平和を望んでいるだろう?・・・分からん物だな、世の中って」
甲高い音が響く
駅員が音の鳴ったほうを見たあと、チョロQに言う
駅員「・・・来ましたよ」
駅員はホームの端へと移動し、旗を挙げる
チョロQ「・・・そうか。それじゃあ、俺は行くよ。まだまだ話し足りないこともあったが・・・」
列車がホームへと滑り込んでくる
ドアが開く
チョロQ「楽しかったぜ。また会えるかどうかは、分からんがな」
駅員「・・・できれば今度は、終戦後にでも会いましょうや」
チョロQは車内へと入っていった
駅員が笛を吹くと、ドアが閉まった
駅員が旗を挙げ、振った
轟音と共に、列車が走り出す
駅員は、旗を降ろした
気づけば、十五分にも及ぶ長話を、淡々と聞いていた
駅員「・・・やはり、あれは・・・」
上空を、無数の航空機が飛んでいった
CQ暦241年、3月下旬。春先のことであった・・・
南方、グッドウェイ諸島にある島、ブルーウェイ島は航空基地を有する島である
マジノライン島と線路が繋がっていないため装甲列車隊の投入は困難であった
そのため、連合軍南方派遣軍の精鋭部隊においても攻略に難航した
日戦軍団海軍軍令部のある幕僚の「我らが海上部隊はどうした。超弩級戦艦はどうしたというのだ」という発言により、戦艦部隊による突入作戦が敢行されることとなった
航空艦隊及び陸上飛行隊による支援があるとはいえ、他の島々や機動部隊からも航空機が飛び立って来る状況。戦艦数隻による大規模突入作戦は自殺行為も同然であった
だが、「与えられた任務をしっかりこなすことが、あの島で散っていった物に対する報い」と、艦隊司令はこの作戦を実行に移した
無数の航空機が、戦艦へと襲い掛かる
高角砲が射撃を開始する
数機が墜落する
機関砲の一撃が命中、敵急降下爆撃機が炎上する
急旋回で魚雷をかわしていく
艦長「舵戻せ!」
副長「舵、戻ぉ〜せぇ〜!」
もう一発をかわす
艦長「・・・成功しますかね、この作戦?」
艦隊司令「分からん。ただ、我々はそれをやるまでだ」
友軍航空隊の支援があるとはいえ、大規模な要塞島へ殴りこむのだ
連合軍最強の戦艦である「大和」でさえ、突破は困難であろう
幸い、敵航空機は急降下爆撃機のみで、艦艇最大の敵とも呼べる雷撃機の姿は殆どない
もっとも、急降下爆撃機も錬度次第では恐ろしい敵になりうる。空母の場合、むしろ急降下爆撃機のほうが恐ろしい
逆ガル翼、固定脚の機影が迫る
高射砲射撃が命中、爆散する爆撃機
低空を飛ぶ双発雷撃機
機関砲が射撃を開始する
銃弾、直撃
火を噴いて散る雷撃機
ブルーウェイ沖、波高し
第十二話 続く
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