|
どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
|
ダークスピリッツ
- 2009/8/25 23:18 -
|
|
第七十五話
経過
デヴォリア基地
デヴォリア基地内にある病院の一室の入り口に一両の四式中戦車が佇んでいた。パレンバンから退避していた九龍中佐である(デヴォリア基地に退避直後に昇進)。彼は既にリハビリも終わり新たな部隊(小隊)の指揮官として軍務に復帰していた。本来ならば第115中隊の指揮官として復帰したかったが、パレンバン戦以来中隊はルナツーへ撤退、そしてルナツー〜デヴォリア間の制空権、制宙権が敵に奪われているため、ルナツーへ行く事は危険きわまりない。だから現在は新たに編成された部隊の指揮官となっているのだ。そんな彼が病院に来る訳はこの部屋にいる車両への見舞いである。そしてノックをし応答を待ってから部屋へ入る。そこに居たのはパレンバンの病院からの付き合いであるフレイ中佐であった。九龍中佐は先に退院していたが、フレイ中佐は思ったより治りが遅く今でも病院生活を強いられている。そのため九龍中佐は退院してからも度々見舞いに訪れていた。幸い話しを聞くともうすぐ退院できるようであった。暫く雑談をした後は持ってきたリンゴを剥いてフレイ中佐と共に食べる(九龍中佐は意外にも器用である)。食べながら今は平和であるこの基地であるがいつ敵に侵攻されるのか、そして第115中隊の戦友達と会える日は来るのかと不安を募らせていた・・・(九龍中佐が病院に入院している佐軒准尉と再会を喜び会うのはそのすぐ後の事である)。
同じ頃ルナツー基地
ルナツー基地に撤退していた第115中隊の隊員である池内一等兵は佐藤大尉から家族と会える日が来るまでその子チョロQの面倒を見るように命じられていた。理由は池内一等兵に一番懐いていたからである。自室に戻った池内一等兵は子チョロQに「そういえばまだ名前を聞いていなかったね」と話しかける。すると子チョロQは元気良く「あやだよ!」と答えた。女の子でグリシネ系だとは見た目と声からわかっていたので、名前を聞いても納得する事が出来た。そしてそれを聞いて池内一等兵はその子の名前を呼びながら笑顔で答えた。そしてその後の二台の光景を見た兵士からは「まるで妹と遊ぶ兄のようだ」(特に第115中隊の隊員から)と言われるようになったのである。
そしてその日盛大に見送られながらこの基地を出航した艦隊があった。まず先に出港したのが松井元帥率いる第一特務艦隊の8隻。続いて後を追って出港したのが厚木准将率いる第3巡洋艦隊の16隻である。数隻湾外にて待機となっていたのは例の作戦のためである。謹慎中の身であるにも関わらず艦隊を動かしている事に空軍司令部は激怒し即刻拘束しようとしたが松井元帥(第3巡洋艦隊(厚木ではなく)に護衛を要請した事にしている)や西郷中将等多数の陸海軍参謀達の反対にあったためさすがに手が出せなかった。しかしベータにはようやく前線配備された(錬度はともかく)空軍直轄艦隊が存在していたため、空軍の参謀達はベータ入港後にそれら空軍の軍事力を使って厚木准将を捕らえようと画策していた・・・。
その頃のベータ基地の軍港に停泊している赤城型航空母艦2番艦「天城」が慌しく出港準備を行っていた。艦載機発着艦訓練等や爆撃演習等一連の軍事訓練に参加するためなのだが、当初の予定より遅れていた。どういう訳か天城艦内で故障が相次ぎ修理におわれていたからだ。まるでそれは天城自身が訓練に出たくないと言っているようであった・・・。(結局修理が完了したのは訓練予定日の前日の事であった)
そして格納庫では京城大佐が念入りに自機の整備を行っていた。ちなみに現在の愛機は一旦はその操縦席から降りた零戦二一型。期待の試作新型戦闘機「電征」はというとこの前新任の整備兵がやらかして発動機が使い物にならなくなり、補給の目処も立たなかったのであえなく倉庫にしまわれてしまっている。そこで前の愛機だった二一型を引っ張り出していたのだ。しかし京城大佐自身もこの妙に馴染む二一型に愛着を持っており、今では「電征」が直っても機体を変えるつもりは無かった。そして、それまでは古い機体を使い続ける弟に何か古臭いとかそういう気持ちを持っていたが、ここに至って京城大佐は弟の世代が代わっても自分の愛機を使い続けるという気持ちに共感が持てるようになっていた。そして訓練が終わったら久々に弟と会ってやろうと上機嫌に整備を進めていった。
出港してから数日後、ライトウォーター沖では二つの艦隊が停泊していた。松井元帥率いる第一特務艦隊はこのままベータへ、厚木准将率いる第3巡洋艦隊はこれより独自の意志に基づき元資源小惑星基地「フィフス・ルナ」へ向かうのである。両艦隊の乗員が上甲板へあがり第一特務艦隊からは作戦の成功を、第3巡洋艦隊からはこれからの武運長久を祈り敬礼を行った後両艦隊は別れていった・・・
更に数日後ベータに到着した松井艦隊を見て驚いたのがグリシネ国空軍である。既に第3巡洋艦隊捕縛の準備が整えられていたが、どうやら途中で別れたらしく当てが外れてしまったのだ。しかしそれと同時にルナツー基地の第5主力艦隊から「厚木准将及び第3巡洋艦隊に叛乱の恐れあり、追撃の許可求む」との連絡が入り、厚木准将を抹殺出来る口実が見つかったため、空軍司令部は大急ぎで海軍司令部に命令し、第5主力艦隊に追撃させる事とした。
それを受け取った第5主力艦隊では既に出撃準備が整えられており、艦隊司令官三川中将の号令により次々と所属艦艇が出港、港外にて待機している第3巡洋艦隊の艦艇(乗員は既に退避)を砲撃により撃沈。その後「バージニア」を旗艦とする3列単縦陣にて第3巡洋艦隊の追跡を開始した(勿論本当に追撃するわけではない)。
それと同じ頃ベータ基地では訓練のため第4機動艦隊から空母を中心とする10隻の機動部隊が出撃、ベータ沖にて訓練を開始していた。それを1隻のグリシア潜宙艦が追跡しているとも知らずに・・・。
最大戦速で追跡を開始した第5主力艦隊は無事「フィフス・ルナ」に到着、沖で待機していた第3巡洋艦隊と合流し、グリシネ国に対するクーデターを宣言したのであった・・・。
それを聞いた空軍司令部は驚きと共に怒り狂い会議において海軍に全ての責任を押し付け即刻叛乱軍を鎮圧せよと迫ったものの、海軍側も既に鎮圧の命令は出したが宇宙にいる全ての艦隊が命令を拒否しているのですぐに艦隊を動かすのは不可能、そしてQW連合軍に敵対しないと発表していると真っ向から空軍側と対決し、更に会議は熱を帯びたものとなっていった。そして遂にというかまたもや空軍の参謀がキレて海軍の参謀に発砲し、それに応戦した海軍対空軍対それを止めようと参戦した陸軍の間で三つ巴の争乱となってしまった。そしてまたもや木原元帥、そして遂にブチ切れたグリシネ国王により争乱は鎮められた。その後の会議の結果、海軍がどうしてもやらないなら自分達でやるとベータに配備されている空軍宇宙艦隊を使って鎮圧を敢行する事となった・・・。
同時期「フィフス・ルナ」の近辺において哨戒を行っていた厚木艦隊の装甲巡洋艦「アナポリス」は接近する所属不明の艦隊を発見し接触を試みていた。発光信号により連絡を取った所オルキスの残存部隊である事が判明し、「アナポリス」はオルキス艦隊の旗艦である最新鋭高速戦艦「ホンゴウ」に横付けし、事情聴取及び確認のため艦長含む複数の将校が「ホンゴウ」へ移乗する事になった。移乗する前にも一同は「ホンゴウ」の流れるような流麗で美しい船体と青色の塗装に見惚れていたが、移乗後にも驚かされていた。内装や装置は高度な技術がちりばめられ局地的には「紀伊」を上回っているようだった。そして通された部屋で司令官のマクベイ中将と会談し、これまでのゲリラ戦の内容や弾薬、食料等の不足によりこの宙域まで退避してきた事を知った。そしてマクベイ中将はこちらに寄港できる港と補給を要請してきていた。その事でこちら側もマクベイ中将に今までの経緯やグリシネ本国の情勢を話し、それをふまえて港はあるが、今のところ弾薬、食料の補給は最低限だと伝えた所マクベイ中将は快く了承し、ひとまず「フィフス・ルナ」にある、設営途上の拠点まで向かう事になった。
そのすぐ後ベータ軍港から2つの艦隊が出撃した。宇宙に配備されて間もない空軍直轄第6、第7艦隊である。彼らは空軍司令部からの強烈な要請を受け出撃したが、司令官である橋本少将は乗り気ではなかった。錬度不足で統制は低く、兵員の質もいいものでは無かった。そして艦隊の航空戦力である計180機あまりの戦闘機隊もミサイル戦に慣れたパイロットばかりのため機銃を主に扱う戦闘機に不慣れという欠点もあり、こうして多くの不安要素を抱えたまま空軍直轄艦隊は初めての戦闘に向けて出撃していった・・・。
それを松井元帥の情報で察知した厚木准将はすぐさま迎撃のため全艦艇の出撃を命令、そして敵に航空戦力が多数含まれている事も松井元帥から知らされていたため松井元帥に航空支援を要請。それを受け松井元帥はベータに配備されている海軍第762航空隊及び陸軍飛行第361戦隊に厚木艦隊の援護に向かうよう要請。要請を受けた両飛行隊は直ちに出撃準備を整えていった・・・。
「フィフス・ルナ」に寄港していたオルキス艦隊にもその情報は伝わっており、厚木准将はマクベイ中将へ退避するように伝えたが、最低限ではあるが、補給をしてもらい更に寄港して乗員の休息も取らせてもらった恩があるマクベイ中将及びオルキス艦隊の将兵は、自分達も戦列に加わると言ってきた。それを受けて厚木准将とマクベイ中将はいくつか確認をとった後、オルキス艦隊の参戦を認め、それぞれ別個で行動を取る事になった。
出撃した厚木艦隊は追撃してきた空軍直轄艦隊を迎え撃つように展開、またオルキス艦隊は開戦後、その高速力と攻撃力を生かして敵を側面から攻撃するため、一度戦闘域を離れていった。逃亡ではないか?と疑う声もでたが厚木准将や三川中将はマクベイ中将を信じてそのまま作戦を遂行する事とした。
そして追撃してきた空軍直轄艦隊が「フィフス・ルナ」沖に現れ、両艦隊はそれぞれ単縦陣で向かいあった。
|
|
|
1,399 hits
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR...@i60-47-144-2.s04.a014.ap.plala.or.jp>
|
|
|
|