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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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今年最初のチョロQ小説は、まさかの短編小説でした。
キュワールシリーズ短編 二両の提督
薄暗い司令室に、無線機からの声が響き渡る
「第一五三師団、応答せよ!」
それは、かつての戦友からの声だった
しかし、応答するつもりはない
なぜなら、彼らはもはや敵でしかないのだから
「第一五三師団、直ちに帝国総本部指揮下に復帰せよ。さもなくば殲滅する」
無線機越しに響く声が変わる
この声は恐らく、本土防衛部隊総司令官の声だ
「・・・貴様らに、この『帝國の不死鳥』が倒せるとでも?」
無線機のマイクを握る戦車が、不敵な笑みと共に答える
廃工場を改造した司令部には、黒光りするチョロQが数台
私と、その副官ヤークト少佐
その傍らで武器の手配をしているのは、戦友のポルシェ元帥
そして、今無線機のマイクを握り、悪しき帝国の指揮官と話しているのは「帝國の不死鳥」。そう、彼だ
彼の家系は伝統的なレース家系であったのだが、厳密には分家である。「東の大陸」へ移った彼の祖先はQタンクとなり、かつて「王国」を苦しめた
本家の方は・・・「黄金の不死鳥」の異名を持つ、伝説の名レーサー。方やこっちは悪の帝国の片棒を担いでいる
その「悪しき伝統」を断ち切るため、彼は十数年前の戦争で放棄された建物に立て篭もったのだ
「・・・すまんな。俺のけじめにつき合わせて」
私は傍らに居る彼にそう言った
「それを言いたいのはこっちの方だ。『伝統』を断ち切るのは、俺だって同じだ」
本来総本部直属部隊所属の彼が、第一五三師団という一介の師団の指揮官である私と組んでいるのは、私と彼がかつてからの戦友だったからである
そしてなによりも、「悪しき伝統」を断ち切るという同じ志があるからだ
私が彼と出会ったのは、第一次キュワール大戦が開戦したころだった
私の家系は代々帝国側の家系であり、キュワール全土を「解放」すべく行動するということとなっていた
その過程で、QシュタインはQタンクを攻撃した
戦況は互角。しかし、Qタンク王国軍の作戦によって、私の指揮する部隊は壊滅状態に陥った
「こちら第八二一中隊、状況は劣勢です!」
「こちら第八三二中隊!敵の戦力が大きい!」
各方面から苦戦の報告が届いた
救援は困難と思われた
しかし、そのときであった
突然敵の部隊が、謎の部隊の強襲を受けた
瞬く間に砲撃を受け、壊滅する敵部隊
直ちに反転して、撤退していく
「よし、直ちに前進しろ!」
そして、その部隊の指揮を執っていたのは、見慣れない黒い戦車
流線型の車体に、やけに大きな前照灯
そしてその車体上部には、これまた流線型の小さな砲塔が載っていた
彼こそが、噂の「帝國の不死鳥」だったのだ
もっとも、それに気づいたのはそれから数週間後のことだったのだが
彼の考えも、私と同じだった
『キュワールの平和のため、キュワール全土を解放する』
そのために、私と彼は、命をかけて戦ったのだ
第二次キュワール大戦時、私と彼はQターレット戦線の指揮を執った
プロトンの噂の切れ者指揮官と戦うことは無かったが、いずれは戦うときが来るだろうと思っていた
しかし、現実にはその前に停戦を迎えた
そしてこの大戦でも、私と彼は大陸戦線の指揮を任された
キュワールの解放のために・・・
しかし、それは全て解放という名の侵略だった
それに気づいた我々は、今ここに居るのだ
「・・・しかし、『黒騎士』と呼ばれたあんたが、まさかクーデターとはな」
薄暗い司令室で、私は彼に言った
「君こそ『ドガスデンの虎』と呼ばれた猛将だろう」
彼はそう返した
私も前線における奮闘から、いつしか異名を授かるようになっていた
「だが、それが災いして、俺は弟子を失った。あいつが悪いんじゃない、上層部が悪いのに・・・」
CQ暦210年代、私の弟子、ドニゲッテル少将は、ザンブニール戦での敗戦を理由に更迭された
少将はザンブニール付近の平原地帯で敵の攻撃を食い止めていたのだが、敵には噂の切れ者が居たようである
少将の部隊が本隊と戦っている間に、別働隊が迂回してザンブニールに突入していたのだ
ザンブニールにこちらの別働隊が配備されていれば、話は別だった
現に、少将はそれを具申していた
しかし、増援は来なかった・・・
「我々は、過去の罪を償わなければならない。それが、このクーデターだ」
傍らで砲の手配をするポルシェ元帥が言った
「解放という名の侵略」の一番槍を担っていたのが我々なら、その罪を背負うのも我々。償うのも、勿論我々の仕事だ
そのためには、まず我が祖国を変える必要があるのだ
私達がいるのは「前の大戦」で壊滅した廃工場だ。「鉄壁の砦」と呼ばれたこの工場は、特殊部隊の鮮やかな攻撃によって破壊された
あたりは森林地帯だが、かといってこの森林を出るとほとんど木の生えない草原となり、やがて荒々とした砂漠になる
その周辺は小規模な戦闘が行われていたそうで、いくつかのQタンクの遺体が回収されたことがある
この基地を拠点にすると決めたのは、彼だった
廃工場だが元は軍事施設だ。軍事物資が運ばれていても問題は無い。そして何よりも、元々戦略的価値の無かった場所。立地条件も近場に港町があるから問題は無い
精鋭一個師団の後ろ盾もある。明らかにこちらが優位だ
その証拠に、無線機はしばらく沈黙していた
大方、説得の術を失い、攻撃の方法を模索しているところであろう
「・・・覚悟、決めたか?」
その沈黙の中で、彼はそう言った
「・・・どういう意味だ?」
私は聞き返した
「決まっているだろう。恐らく、奴らはここに攻め込むつもりだ。どうなるかは・・・分かっているだろう?」
同胞殺し。そう言うことか
「ああ、勿論だ」
私は、そう答えた
沈黙が打ち破られたのは、それから数分後のことであった
「やむを得ん、突入する!」
「司令、いいんですか?!相手は『帝國の不死鳥』ですよ!?」
「そんなもの、所詮はT−35時代の遺物に過ぎん!突撃ぃぃ!」
無線機から、「敵」の声が聞こえた
「・・・どうやら、向かってくるらしいな」
彼は、窓の外を見ながらそう呟いた
「・・・同胞を殺すことになるのか。仕方あるまい、行くぞ!」
そう言って、私はポルシェ元帥に合図を出した
「撃ち方始めぇ!」
ポルシェ元帥が叫ぶ
砲台が一斉に砲撃を始める
敵戦車、上部から砲撃を受け爆発する
機関銃の射線が、森林を突き進む敵部隊へと降り注ぐ
何両かが蜂の巣と化して、火を噴く
それをかいくぐり、一両のIV号戦車が向かってくる
部下の一両が、迫撃砲を構える
銃弾が、付近の壁に命中する
噴煙と共に、迫撃砲が放たれる
砲弾は見事IV号戦車に直撃、爆発する
さらに後続のIII号戦車が向かってくる
砲台からの一撃により、二両が吹き飛ぶ
しかし、残った数両がこちらに砲撃してきた
砲弾が辺りの壁に命中する
その間、彼はずっと窓の外を見ていた
ふと見ると、壁を無理矢理よじ登ろうとする戦車の姿があった
それらは全て機関銃によって叩き落されたが、その間、別働隊が門から突入しようとしていた
「第二陣地!門周辺の敵を狙え!」
ポルシェ元帥が直ちに指示を出す
直ちに別の陣地が、別働隊を攻撃する
猛砲撃が、敵別働隊に浴びせられる
炎上するI号戦車
II号戦車が砲台に向けて機関砲を放つ
しかし、反撃を受け炎上、横転する
II号自走榴弾砲が、こちらに向かって砲撃する
しかし、砲台からの一撃により撃破された
現在、状況はほぼ互角である
向こうが攻めてくれば、こちらは砲台からの一斉射撃で対応する
そして向こうが引けば、こちらは追撃に数発を発するにとどめる
戦線は膠着状態に陥った
続く
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