|
どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
|
「青き名将(仮題)」第十六話が行き詰まっているので、とりあえず短編小説を執筆。
「栄光」を求める者
CQ暦253年、グリシネは平和だった
QQQQの内部抗争が起こり、グリシネ沖に大艦隊が襲来したあの日以来・・・
あの時はこの北町から程近い北方軍港が攻撃を受けようとしていた
政府の陰謀だった
いや、軍部の陰謀だった
だが、「民兵組織」によって、それは対処された
それ以来、グリシネは今のところ、平和である
また「敵派」が襲い掛かってこない限り・・・
北町地区は、その名の通りグリシネの北方にある
大きな貿易港があり、元来貿易で栄えてきた地域である
しかし、ここ数年で様変わりした
この付近にも防衛基地が出来、やや古めかしいビルの一室に軍の司令部が出来た
「民兵組織」の本部である
それと入れ替わりに、爆音を撒き散らしていた空軍機の姿が見えなくなった
一体どういうことがあったのかは、よく分からない
しかし、それにより北町地区は他の地域と比べ、平穏で静かな場所となっている
「・・・あれから、ものの三ヶ月。以来この北町に訪れる兵隊は無し。平和な物だ」
北町駅のベテラン駅員、藤田は、空を見上げて呟いた
「次期駅長候補」とまで呼ばれる彼は、かの「民兵組織」と縁のあるQタンクである
とはいえ、自身はホーム警備に留まっており、出札などは後輩達に任せている
「・・・駅員さん、次の電車はいつですか?」
ホームに入ってきたスポーツカーが話し掛けてきた
客だ。二面二線の対向式ホームである小さな駅ゆえ、客入りは少ない
だが、それでもいるものだ
休日のホームは普段以上に客は少ない
「あっ、一〇三〇ピッタリです」
十時を過ぎれば、後は一時間に僅か三〜四本。そういう路線だ
あまりに小さな駅なので、時刻表さえも貼っていない
それでも駅員が勤務しているのは、「民兵組織」の管理委託駅であるからだった
「どうもありがとうございます」
・・・それにしても、妙な身なりの車だ
トラックなどの大型車以外の非武装のチョロQを見るのは久々だ
ましてやスポーツカータイプなど、さらに見た事が無い
「・・・今日はレースがあるそうだから、増発してもおかしくないんですがね・・・」
二つ前の大戦が終わった辺りの頃か、それまでほとんど無かったQタンク系の国々とチョロQ系の国々が国交を交わし、いつしかQタンク系の国家にもサーキットが、チョロQ系の国家にも防衛基地ができるようになった
そうして起こったのが前の大戦であった
この日は港の近くにあるサーキットでレースがあった。確か昼前からの開催だったはずだ
「・・・実は、僕はそのレースに行くんです」
客のチョロQは、藤田の独り言を聞いて言った
「参加車、ですか?」
列車が来るまで、客も駅員も暇である
その間、雑談を交わすのがこの駅の習慣となっている
不思議と、いつもその雑談には客が乗ってくれていた
「・・・いえ、レーサーではなく・・・」
レーサーらしき客のチョロQは、少し間を置いて否定した
「・・・応援ですか?」
レースというものはチョロQにとって一大イベントである。軍事国家であるグリシネからも観戦に行くQタンクがいるほどなのだから、わざわざ海外から来るものもいてもおかしくない
だが、レーサーでないのだとしたら、何故レーサーのような格好をしているのだろうか
「・・・レーサーから足を洗ったんですよ、僕は」
「・・・そうでしたか」
レーサーから足を洗った。戦争が始まった今、レーサーを辞める者は大勢いる
しかし、「足を洗った」と表現するということは、軍部に徴兵されたわけでもないようだ
それに、彼はレースを観に行くのだ
「・・・少し前まで、筋のいい奴がいたんですがね」
「・・・少し前、まで?」
藤田は聞き返した
「・・・そう、少し前まで」
元レーサーのチョロQは、そう答えた
「ほんの二〜三年前の出来事です。そのレーサーの友人が、事故で大怪我を負った。その恐怖で、彼はレーサーを辞めた・・・」
レースというものは、常に危険と隣り合わせである
何しろ十台以上のチョロQが、一〇〇km以上の高速で走り回るのだ
衝突などすれば、ひとたまりも無い
「メディアでの扱いは散々でした。なにせ、逃げるように消えましたからね」
このグリシネやプロトン、Qシュタインといった国々ではそれ程ではないが、チョロQアイランドなどの国々において、レースは国民的人気を誇っている
それゆえに高い技量を誇っていながらも謎の失踪を遂げたレーサーについて、メディアが追究することも多々あった
軍事国家グリシネでも、それなりに記事は出ている
『レースコース建設現場で落盤 現場監督以下十二台死亡』、『ブラドン最大のサーキットで大火災 死傷車四〇〇台越える』、『チョロQ王国大統領、レースで辞任表明?』、『強豪レーサー、謎の事故死』、『闇レース疑惑 ゲープコッチ閣僚逮捕』・・・新聞に取り上げられるレース関連のニュースはろくな物が無かった
「確か三ヶ月前でしたか?ここの沖合いで、海戦があったの。僕ら・・・いや、もう僕は含みませんな。彼らレーサーたちにとっては、レースはある意味戦いです」
上空を飛行機が通過していく
続く
|
|
|
5,347 hits
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; YTB720)@ntaich074246.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>
|
|
|
|