|
どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
|
藤田上等兵の状況。今まで語られなかった藤田上等兵の過去が明らかに
第六十話 決死の輸送隊
松井元帥からの通信が途絶えたのは、そのときだった
多分、ライトウォーターの皆は、自分が死んだと思っているだろう
何しろ、あんな感じで途絶したのだから
藤田上等兵「・・・ライト・・・ウォーター・・・司令部・・・松井総帥、応答・・・してください・・・」
松井元帥からの応答は、無い
藤田上等兵「・・・司令部・・・応答を・・・」
確かライトウォーターには、教官だった川島兵長がいたはずだ
藤田上等兵「・・・川島・・・兵長・・・・」
何度か呼びかけて、通信機の電子機器郡を眺めた
通信機の電源が点いている事を示す、電源ランプが消えていた
藤田上等兵「・・・・遂に・・・壊れたか・・・」
そして、壁に寄りかかった
もう、自分が助かることは無いだろう
傍らに横たわった、平岡の遺体を眺めながら、そう思った
藤田上等兵「・・・平岡・・・」
日戦軍団のチョベリング基地・・・当時は総司令部だったところで、同じ通信科に転属してきた、十両の兵士
その中の一両が、平岡だった
――――――――――――――――
CQ暦235年 チョベリング司令部
川島上等兵「平岡、上達してきたな」
平岡二等兵「はい、以前からこういうのは得意だったので」
藤田二等兵「前線に行く時には、もっと上達してるだろうな」
平岡二等兵「だろうな、まあ、ここも総本部だからな」
川島上等兵「国際状況は悪化しつつある。いずれは帝国と戦わねばならん。そうなると、我々通信科が重要になるわけだ」
藤田二等兵「確かに、前線の状況をすばやく、ここに送るわけですからね」
平岡二等兵「機械の整備をしておかないと、情報が伝わらずに、まともな司令が出せず、間接的に我々が友軍を痛めつける結果になりますな」
川島上等兵「整備も、我々が担当するわけだから、当然だな」
――――――――――――――――
藤田上等兵(職務時も・・・なかなか、上手いことを・・・言っていたものだ・・・)
――――――――――――――――
CQ暦244年 ドガスデン基地
平岡一等兵「藤田、聞いたか!?」
藤田一等兵「ああ、ストマニカで、QQQQの将校が荷電粒子砲を放ったんだろ?」
平岡一等兵「今グリシネの本部で、松井総帥と参謀達が話してるらしい」
藤田一等兵「橋本だっけ?あの政治家が、圧力をかけてたって噂だ」
平岡一等兵「国家元首の高柳ってタンクも大変だろうな。上層部は皆『高』の字がついていたから、『国内に異変は無いだろう』と多寡をくくっていたに違いない」
藤田一等兵「全く、お前は洒落が上手いな」
平岡一等兵「たまたまだ、たまたま」
溝口中尉「通信科!冗談を言ってる場合じゃないぞ!」
藤田・平岡両一等兵「はっ!」
溝口中尉「うむ、よろしい。さすが本部の回し者、返答はいいな」
平岡一等兵「本部の回し者なんて無いですよ。せめて派遣通信兵と呼んでください」
佐藤少尉「確かに、回し者は無いですな、隊長?」
溝口中尉「こら、よってかかって俺に総攻撃するな!」
平岡一等兵「溝口中尉、発言には注意したほうがいいですよ」
溝口中尉「おい!平岡!」
藤田一等兵「溝口中尉、もうやめましょうよ!」
宇野沢曹長「そうですよ!藤田が言っている通り、このダジャレ合戦している間に、最前線では凄まじい戦いが繰り広げられています。いつ我々が最前線に派遣されるか分からないんですよ!」
溝口中尉「・・・すまん、宇野沢」
――――――――――――――――
藤田上等兵「・・・溝口大尉・・・」
当時、ドガスデン基地所属だった溝口は、彼らととても仲が良かったのだ
――――――――――――――――
CQ暦340年 ブラウメーア基地
藤田上等兵「放射能?」
平岡上等兵「ああ、ここの基地が荒れてるのは、グンナの核実験の放射能がここまで流れ着いたかららしい。ようはとばっちりだ。そのせいで戦争がはじまっちまうなんてなぁ」
藤田上等兵「そうだな。今、軍令部で海軍主力艦隊の派遣も予定されているらしいぞ」
平岡上等兵「艦隊か。でもグンナの戦力が相手じゃ、勝ち目は無いかもしれんぞ」
藤田上等兵「プロトン空軍だっているんだ。それに、しばらくは攻め込んできた戦力を叩く程度だ。大して激しい戦いにはならないと思うが・・・」
平岡上等兵「攻め込んできた戦力が大きかったら、だな」
藤田上等兵「それこそ、敵味方ともに大損害が予想できるな」
平岡上等兵「まあ、俺達の任務は通信だ。迅速に通信を、グリシネの本部に通達する、それが俺達の任務だ」
――――――――――――――――
藤田上等兵(・・・・でも、時には・・・真面目だった・・・)
Qターレットのブラウメーアでも、グンナ艦隊襲来の情報を直ちに伝え、ターレットシティへ向かい撤退したものだ
数時間前まで、自分達は一緒に、司令部にいた
数時間前までは・・・
藤田上等兵「・・・俺より・・・堅い・・・奴が、俺より・・・先に・・・死んじまう・・・なんて・・・」
もう、平岡と、この司令部で、語り合うことは、出来ない
藤田上等兵(しかし総帥は、俺が死ぬことを、望んではいない)
助けは、来るのだろうか
藤田上等兵「・・・・無理だろうな・・・」
その時、話し声が聞こえた
幻聴だろうか
しかし、だんだんと大きくなる
本当に、誰かがいるのだろうか?
藤田は、近くにいたはずの、モヴァークというレーダー員を見ようとした
しかし、その方角には、瓦礫の姿があった
どうやら、通信機器が壊れたのは、瓦礫の崩落らしい
瓦礫の中では、誰も見つけることは出来ないだろう
しかし、かすかな希望を信じ、瓦礫の隙間から、通路を見た
三両のIV号戦車、フェルデ曹長、ケーベ上等兵、タトラ上等兵は、司令部の姿を見て愕然とした
フェルデ曹長「道でも、間違えたか?」
ケーベ上等兵「・・・地図では、確かにここなんですが・・・」
タトラ上等兵「・・・あれは?」
見れば、通信機のようなものが、いくつか残っていた
レーダーの表示板と思しきものもあった
フェルデ曹長「・・・司令部・・・らしいな・・・」
とりあえず、周辺の瓦礫をどけることにした
瓦礫をどけていると、何両かの戦車の「残骸」があった
すると、ケーベ上等兵が、何かを叫んでいた
ケーベ上等兵「モヴァーク!」
事切れたII号戦車c型を見て、彼はそう言った
司令部付き兵士のリストを見れば、確かに「モヴァーク」の名はあった
モヴァーク二等兵、数日ほど前に重傷を負ってパレンバンへ搬送された、勝山一等兵・・・今は上等兵か。彼の代役として派遣された兵士である
通信科教習所を出て間もない、若き兵士であった
ケーベの親友だったらしい。ケーベは陸戦部隊だから、地元付き合いだろう
直立し、泣いている彼の姿を見て、フェルデは言った
フェルデ曹長「・・・タトラ、俺達だけですませよう」
タトラ上等兵「・・・了解しました」
2両は、一旦ケーベから離れたところで、作業を行うことにした
第六十話 続く
|
|
|
321 hits
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich107186.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>
|
|
|
|