■BBS - Bulletin Board System
掲示

ホーム > BBS > チョロQ小説板

雑談板 チョロQ小説板  

どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
145 / 523 ツリー ←次 | 前→

宇宙戦艦紀伊 第五十九話 松井一真 2006/11/2 23:14
  Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話 松井一真 2006/11/2 23:14
   Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話 松井一真 2006/11/2 23:16
   Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話 ダークスピリッツ 2006/11/3 2:40
   Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話 松井一真 2006/11/3 10:09
   :宇宙戦艦紀伊 第六十話 松井一真 2006/11/5 20:50
   Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話 松井一真 2006/11/5 20:52
   Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話 松井一真 2006/11/5 20:53
   Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話 松井一真 2006/11/5 20:55
   Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話 ダークスピリッツ 2006/11/6 22:45
   Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話 松井一真 2006/11/6 22:57


宇宙戦艦紀伊 第五十九話
 松井一真  - 2006/11/2 23:14 -
  
第五十九話完成。今回は長編です
第五十九話 戦友、ベータに死す
ベータ空襲は凌いだキュワール連合軍だったが、艦隊戦に敗退、上陸戦は地底戦車を用いて何とか凌ぐが、地底戦車が破壊され、再び敗勢に傾いたのであった
進撃を開始したのはウルタンク帝国第352大隊、第455大隊であった
支援部隊である第352大隊は、P40以外は軽戦車で編成されている
何しろM13/40あたりは「前進一速、後進五速」と呼ばれ、挙句の果てに「胸に刻むは退却魂」「他の追随を許さぬ弱さ」などといわれるほどの柔らかぶりを発揮しているのだ(おい)
方や第455大隊、これは主力部隊である
かつてはM4中戦車を主力とした超物量部隊であったのに対し、最近は武装を増強し、何故かドイツ戦車で編成されている
パンターやティーガーIIが含まれているため、もはや対抗しようが無い戦力であった
ライトウォーター司令部
松井元帥「・・・予備は間に合いそうに無いな・・・」
司令部で「蒼空改」に積み込んでいる六三式地底戦車のことである
まだ積み込みが完了していないのだ
輸送部隊第二陣として発進させることにしたのだが、本当は第一陣にしたかったのだ
コピック中佐「・・・松井元帥・・・」
松井元帥「玉砕覚悟だな・・・」
「玉砕」。その一言を聞き、皆は沈黙した
今まで、松井元帥が一度も、戦場で口にしなかった単語である
確かに、日本戦車軍団は、そこまで追い込まれることが無かったのだ
ティーガー元帥「・・・一体、どういうことですか?」
松井元帥「・・・これほどの戦力が相手では、我々は勝てない。もはや最後の一兵まで、奴らと戦うしか無いのかも知れん」
陸軍潜宙艦隊による艦隊攻撃も、専ら通用しなくなっていると聞く
所詮気休めにしかならない攻撃だったか
マグス中佐「・・・しかし、ここでベータを見捨てれば、我々の反攻作戦の橋頭堡が失われることになりますよ!」
松井元帥「分かっている。ドニゲッテルという優秀な指揮官がいるんだ。彼らを失うのは惜しい」
ティーガー元帥「でしたら、早急に援軍を出すべきでしょう!」
松井元帥「第875航空隊がいつまで持つか分からんのだぞ!そんな中、非武装の輸送機を出せると思うか!?」
ティーガー元帥「・・・・・・・」
もう、手段は無かった
ドニゲッテル少将とフェラーリ中将の指示で部隊が集まりつつあったが、敵将、ライト中将は冷静な男であった
先のニビリア軍奇襲部隊に第352大隊を差し向け、自らの部隊を正面に向けたのだ
もっとも、これぐらいのことは誰でも考えるかもしれないが
ベータ基地
Qシュタイン将校「現在、防衛戦が続いています!支援願います!」
所々に、さまざまな砲台郡の残骸が見える中、防衛戦が続いていた
西田大佐「・・・勝ち目は無いかもしれんぞ!」
大島二等兵「しかし、ここで戦わずして、死ぬわけにはいきません!」
日戦軍団の機動戦法と、第253小隊の狙いを外さぬ支援砲撃で、何とかその場を凌いでいた
大島二等兵「畜生!どれだけ倒せばいいんだ!」
日戦軍団兵士A「そんなこと知るか!大島!」
大島二等兵「俺たちはここで生き延びるんだ!なんとしてでも!」
そんな中、入り口近辺の指揮所で異変が起こった
アコース中佐「損害が増える一方だ!一旦後退を・・・」
その直後、アコース中佐からの通信が途絶えた
装甲が貫徹されていたのだ
Qシュタイン兵士A「司令が被弾した!」
Qシュタイン兵士B「大丈夫ですか?!」
移動不可能、車体に損傷あり。戦闘続行不能とみなし、二両の兵士が牽引していった
小隊指揮は、カシアス大尉に任された
カシアス大尉「自分が指揮を続行する!この場を凌ぐぞ!」
一方、左翼進出の奇襲部隊である
指揮官であるサーナイト少佐は、状況が不利であることを悟っていた
サーナイト少佐(車種:ソミュアS35)「敵の攻撃を回避しつつ、できるだけ後退しろ!」
苦戦は必至と見ていたため、後退を開始した
第231特科分隊残存戦力も、後退を始めていた
そして、中央部の二個小隊である
やはり、6000両以上の戦力が相手では、勝ち目は無かった
西田大佐「・・・まずいな・・・」
カシアス大尉「西田大佐・・・ここはひとまず、後退すべきでしょう」
西田大佐「・・・俺もそう思っていた。後退する。我々は左方向へ、諸君は右方向だ。頼むぞ」
カシアス大尉「了解しました」
残存中央戦力も後退を開始した
第189小隊は第58連隊左方奇襲部隊と合流し、第253小隊は第231特科分隊残存戦力と合流した
第231特科分隊残存戦力と共に、先ほど後退したアコース中佐の姿があった
沖合いを眺めると、幾度か爆炎が上がる中、敵艦隊が動き回っている
陸軍潜宙艦隊が戦っているのだというが、気休め程度にしかならないらしい
カシアス大尉「完全に、孤立したようですね・・・」
カシアス大尉はそう呟くと、敵部隊のほうを見た
そのとき、彼は目を疑った
敵部隊は、どこか統制の取れない、混乱した動きを取っていた
アコース中佐「・・・カシアス大尉、どうした?」
カシアス大尉「・・・・司令・・・あれは・・・」
フェラーリ中将たちが戦っていたのだ
第231特科分隊とは違い、後退しなかったのだ
フェラーリ中将は機関砲やミサイルで武装している。側面からミサイルを発射しつつ、高速で動き回る彼の姿は、まるでレコードブレイカーだ
ルクレール達も、最大速力で戦っていた
さすがに、彼らルクレール達は後退してきたが、一発も当たっていないフェラーリ中将はなおも奮戦を続けた
すると、敵シュトルモビクが急降下してきた
アコース中佐「危ない!」
そして、シュトルモビクが爆弾を投下した
それを察知したフェラーリ中将は
フェラーリ中将「甘い!」
直ちに増速し、敵弾をかわしたのだ
シュトルモビクを振り切り、ミサイルで撃墜した
皆は、唖然としていた
ルクレール部隊の司令、ハイエル少佐が語る
ハイエル少佐(車種:ルクレール)「司令は、元レーサーなんです」
何の理由でレーサーを辞めて、こんな戦場にやってきたかどうかは定かではないが、確かにあの速さはレーサーでないと出せないだろう
ドリフトしながら退避してくるフェラーリ中将を眺めて、アコース中佐は思った
アコース中佐「しかし、敵機を振り切るチョロQなんて、初めて見たぞ」
直後、物凄い轟音が上空に響いた
ベータ司令部
平岡上等兵「司令!敵襲です!」
ドニゲッテル少将「第875航空隊は?!」
Qシュタイン兵士C「燃料補給で着陸中です!」
ドニゲッテル少将「畜生、肝心な時に使えん奴らだ!」
ユゴス少佐「これはまずいですね・・・」
そのとき、レーダーを監視する兵士が、更に驚くべき敵影を捉えた
この日は、藤田ではなく、Qシュタインの通信員が監視していたのだ。勝山の代わりに派遣されてきた、Qシュタインの隊員だ
名は、モヴァークという
モヴァーク二等兵(車種:II号戦車c型)「ベータ沖に艦影!」
レーダー監視のベテラン、藤田上等兵が駆けつける
藤田上等兵「・・・260・・・270・・・280・・・290・・・300隻以上、輸送船級は内60隻程度!」
援軍であった
平岡上等兵「奴ら、占領に時間食ってるから、援軍呼んできたのか・・・」
そのとき、物凄い轟音が、司令部にも聞こえた
モヴァーク二等兵「何ですか?!」
藤田上等兵「敵襲だ!シュトルモビクが来た!」
Qシュタイン兵士C「敵機、急降下!」
平岡上等兵「避けろ!」
間に合わなかった。
物凄い銃弾の嵐が、司令部を襲ったのだ
必死に、副司令官ユゴス少佐に近づく、ドニゲッテル少将
直後、爆弾が投下され、周囲の床が落下、二両は消息を絶った
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich161169.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話
 松井一真  - 2006/11/2 23:14 -
  
ドニゲッテルの戦闘。そして平岡達の最期
第五十九話 戦友、ベータに死す
気が付けば、そこは表面部だった
見れば、敵機はなおも司令部を攻撃している
ドニゲッテル少将「・・・これじゃ、虐殺じゃねぇか・・・」
二両はミサイルを構える
いざという時には敵機を撃墜するのだ
ユゴス少佐「・・・あれが、奴らのやり方なんでしょう」
直後、二発のミサイルが見えた
ドニゲッテル少将「ハープーンか!?」
とっさに叫んだ、その名前は艦対艦ミサイルの名前であった
ユゴス少佐「いえ、あれは多分・・・」
マーヴェリック対地ミサイル。おそらく、それの艦船仕様であろう
5発のミサイルを放つが、間に合わなかった
司令部は、炎に包まれた

司令部で、何両かの兵士はそれに気づいた
迎撃のミサイルが間に合わない
対地ミサイルが来る
モヴァーク二等兵「ミサイルだ!」
平岡上等兵「そんなこと叫んでる場合か!」
既に、ミサイルは大きく見えてきた
とっさに、平岡が叫んだ
平岡上等兵「退避!」
数両のレーダー員たちと共に、近くにいた平岡は必死に逃げた
物凄い爆発音が響く
平岡上等兵「藤田!」
藤田へと、近づく
藤田上等兵「平岡!」
平岡上等兵「藤田!俺は間に合わない!お前だけでも・・・」
直後、物凄い爆発が、二両を引き離した
藤田上等兵「平岡!平岡!平岡ぁぁーーーーー!」
直後、爆風で、藤田上等兵も、姿を消した・・・

ドニゲッテル少将「・・・あれじゃ、生き延びた奴はいないだろうな・・・」
ユゴス少佐「・・・藤田上等兵・・・平岡上等兵・・・」
ドニゲッテル少将「松井元帥からの贈り物を、こんな風に亡くしちまうとはな・・・」
松井元帥により、ルナツー司令部から派遣された三両のエリート通信兵
その一両、勝山はこの前の空襲で重傷を負い、パレンバンに搬送された
通信隊の中で一番若い隊員で、ベテランの平岡との漫才のような掛け合いが人気だった
彼の上等兵への昇進報告が、この前届いた
藤田は、松井元帥の下で働きつづけた、エリートの通信兵で、通信機器、電探類の扱いが得意な隊員であった
そして、平岡は陸戦隊から転属した隊員で、勝山の次に若かった。通信以外でもさまざまな分野で活躍し、特に戦闘時以外での面白い一面は、皆を楽しませ

ていた
勝山の代役として派遣されてきた、名前もよく覚えていないII号戦車c型。奴と藤田との話も、愉快なものであった
自分としては何度も見てきた、レーダー員たち。彼らも、数時間前まで冗談を言い合っていたのだ
各方面への通信士官たちも、愉快な奴らがそろっていた
あれほどの「仲間」が、一瞬にして失われたのだ
ドニゲッテル少将「・・・松井元帥・・・」
すると、眼前に敵部隊が見えた
ウルタンク帝国だ
ウルタンク将校「敵基地指揮官と思しき戦車を捕捉。これより攻撃にかかる」
敵は十両。こちらは二両だ
ドニゲッテル少将「タイミングが悪かったようだな。ちょうど、再装填が終わったところだ」
そう言うと、ドニゲッテルは手始めにロケットランチャーを放った
二両の戦車が、炎上した
続いて、ユゴス少佐がミサイルを放つ
損傷を負った敵戦車を破壊した
ユゴス少佐「攻撃初め!ここが我々の墓場になるまで、どれぐらいの時間がかかるか!」
ドニゲッテル少将「連邦の自由のために!久々に暴れまわろうじゃないか!」
38cm臼砲の一撃で、複数の戦車が炎上した
ドニゲッテルは砲兵隊上がりで、それゆえにロケットランチャーを装備している
ユゴスが参謀になったのは第五次キュワール大戦のときだ。なかなか詩人的な奴であった
今はそのような一面はなかなか見せないが、参謀としてもいい奴であることは、長年の付き合いでわかった
敵分隊が複数、押し寄せてきた
差は、倍以上だ
ドニゲッテル少将「・・・どうやら、押されてきたようだな」
ユゴス少佐「しかし、最後まで戦うのみです。司令部で散った、平岡上等兵たちのために!」
直後、敵戦車数両が、炎を上げて倒れた
大塚中尉「司令、助けにきました!」
第231特科分隊の大塚中尉だ
その後ろには複数の戦車が見える
良く見れば、ニビリア軍の兵士も見える
18両の戦車は奮戦し、敵数個分隊を撃退した
ドニゲッテル少将「周囲の奴らは、あらかた片付けたようだな」
ハイエル少佐「・・・司令、なかなかやりますね」
ドニゲッテル少将「ニビリアの士官・・・いや、ハイエル少佐だったな。君もやるではないか」
大塚中尉「・・・ところで、司令、通信隊は・・・」
ドニゲッテル少将「・・・全滅だ・・・」
大塚中尉「そうでしたか・・・」
彼らの向こうでは、なおも戦闘が続いていた・・・
第五十九話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich161169.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話
 松井一真  - 2006/11/2 23:16 -
  
藤田の通信。そして、勝山たちの現状
第五十九話 戦友、ベータに死す
ふと、気づけば、瓦礫の中であった
必死に這い上がった、上等兵の階級章を持つ、一両の九四式軽装甲車
藤田だ。
その傍らには、既に息絶えた特二式内火艇。平岡上等兵だ
藤田上等兵「・・・平・・・岡・・・」
数日前まで、冗談を言い合った、II号戦車c型。勝山の代役だったという。名前は確か・・・モヴァークだったか
藤田上等兵「・・・生きてるのは・・・俺、だけか・・・」
ふと、眼前には通信機のマイクがぶら下がっていた
スピーカーからは、聞きなれた声が聞こえた
藤田上等兵「・・・・・・総・・帥?」
松井元帥(通信)「ベータ司令部!応答せよ!応答せよ!藤田!平岡!」
藤田上等兵「・・・通信機が・・・動い・・・てる・・・」
1発の250kg爆弾、二十発ほどのロケット弾、2発のマーヴェリック。これほどの攻撃を受けたのに、なおも動きつづける通信機器
自分と同じく、タフな奴だ
藤田上等兵「・・・まだ、勝機はある!」
藤田は、力を振り絞り、通信機のマイクを手にした

ライトウォーター司令部
松井元帥「藤田!平岡!生きているか!応答しろ!呼ばれたら返事ぐらいするんだ!」
松井元帥の今まで以上に熱い叫びが、空しく響く
コピック中佐「司令、やはり、通信隊はやられてしまったんじゃないんですか?」
松井元帥「通信隊はタフな奴ばかりだ!たかがマーヴェリック二発・・・」
ふと、松井元帥はマーヴェリックの威力を確かめた
弾頭部は確か、強力な火薬だったはず
HMXオクトーゲンだったか。日戦軍団の艦艇が使用する下瀬式火薬とは、圧倒的に威力が異なっている
松井元帥「・・・・まずいな・・・」
藤田上等兵(通信)「・・・・・・・・総帥・・・・」
かすれた声で、必死に、藤田が呟く
松井元帥「・・・その声は・・・藤田か!状況を簡潔に説明してくれ!」
藤田上等兵(通信)「・・・・敵機の・・・・猛攻・・・ならびに・・・艦艇の・・・ミサイル・・・攻、撃を・・受け・・・司令部は・・・全壊・・・司令・・・ならびに・・・副・・・司令は・・・消息・・・不明・・・」
驚くべき情報であった。よりによってドニゲッテルとユゴスが行方不明なのだ
松井元帥「平岡は!?連邦のレーダー員たちは!?」
藤田上等兵(通信)「・・・自分の、目の前で・・・息を・・・引きとり・・・ました・・・」
松井元帥「・・・そんな・・・」
藤田上等兵(通信)「生存車は・・・自分、だけです・・・」
松井元帥「藤田、お前はどうなんだ!?」
藤田上等兵(通信)「・・・自分も・・・もう・・・持ちません・・・損傷率・・・九割・・・五分・・・もう・・・だめです・・・」
松井元帥「藤田!あきらめるな!お前だけでも生き延びるんだ!」
藤田上等兵(通信)「・・・九割・・・八分・・・突破・・・もう・・・やばいです・・・」
松井元帥「もう喋るな!あまり喋ると、富岡大尉が来る前に・・・」
藤田上等兵(通信)「・・・・・ベータは・・・まだ・・・諦めないで・・・くだ・・・さい・・・」
川島兵長「藤田!藤田!藤田ぁぁーーーーー!」
それまで口を開かなかった、川島が唐突に叫んだ
川島は、藤田の教官だった
川島兵長「俺が死ぬ前に、俺が死ぬ前に、貴様らが死ぬなど、何かの間違いだ!」
松井元帥「川島!これは紛れも無い事実だ!」
松井元帥も、心なしか、悲しげに叫んだ
直後、松井元帥は直立した
松井元帥「・・・・藤田も・・・平岡も・・・・戻っては来ない・・・」
泣いていた
ティーガー元帥「・・・司令・・・」
長い間、松井元帥の近くにいた、ティーガー元帥は、彼が泣くところを初めて見た
初めに彼に出会ったのは、叛乱に失敗し、国外追放された時だった
プロトン王国陸軍が、引き取ってくれる。そのことを、報告しにきた時であった
第四次キュワール大戦を前にして起こったクーデターで、T−35が政権を取り戻した
それを聞いた、彼は「ドニゲッテルが、やってくれたようだ。戦争が終わったら、君も国に帰れる」と、語っていた
大損害があっても、泣くことは無く、どこか冷酷な一面があるように見えた
軍人気質の、上層部らしい、冷酷な男。それが、ティーガー元帥が見た、彼の最初の印象であった
しかし、ライトウォーター司令部で直立し、微動だにせず、部下の名を呟いた彼は、部下思いの熱い将校であった

平岡の戦死を聞いたのは、パレンバンの司令部だった・・・
一両の九二式重装甲車が通信作業をしている
彼の名は、勝山だった
臨時通信員として働いていた勝山は、先輩であった平岡が、敵機の空襲で死んだということを、パレンバンで親しくなった連邦の兵士、ディール二等兵から聞いた
勝山上等兵「・・・本当に、本当に平岡さんが死んだんですか?!」
ディール二等兵(車種:II号戦車F型)「はい。たった今、ライトウォーターより通信が届きました。自分の戦友も、死にました」
彼の親友、モヴァーク二等兵も、ミサイルの爆発に巻き込まれ、死亡したのだ
勝山上等兵「モヴァーク?」
ディール二等兵「はい。モヴァーク二等兵。通信科所属で、数日前にライトウォーターに行ったばかりの若い兵士です。車種は、II号戦車のc型です」
勝山は悟った。自分の代役として派遣されてきた隊員だと
自分が重傷を負い、パレンバンに運ばれた。だから、代役としてモヴァークが派遣され、爆撃で死んだ。もし、自分が前の空襲で重傷を負わなければ、彼は死ぬことが無かったのかもしれない
勝山上等兵「・・・自分だけが・・・生き残って・・・自分より若い兵隊が・・・死んで行く・・・一体・・・この戦争は・・・」
ディール二等兵「・・・勝山上等兵・・・」
ボルナソス大佐「勝山!ディール!」
勝山上等兵「ボルナソス大佐!」
ボルナソス大佐「貴様ら、戦友が死んだことで悔やんでるんだろ。自分があの場に残っていれば彼らが死ぬことが無かったと」
彼にはお見通しであった。さすが、全ての大戦を経験した男だ
ボルナソス大佐「俺も悲しい経験なんかいくつもある。だが、それが戦争なんだ。戦場に赴くからには、こういうことも考えなければならないんだ」
勝山上等兵「・・・ボルナソス大佐・・・」
それが戦争だ、と割り切ってしまえる。ボルナソス大佐は語った
確かに、戦争では何度かそういうことがあるらしい
京城大佐の話では、名前も知らない機銃兵が、眼下で戦友の遺骸を抱え、何かを叫んでいるのを、ライトウォーター上空で見たそうだ
その機銃兵は、プロトン軍の爆撃機の、次の爆弾投下で見えなくなったらしい
敵味方で、こんなことが何度もある、それが戦争らしい
ボルナソス大佐「それに、あいつらも、自分達の思うように戦ってきた。あいつらの思う、未来のために。あいつらが、かなえられなかったことを、貴様らがかなえるんだ。あいつらの分まで、生き延びろ」
ボルナソス大佐は、何度も、いくつかの司令部で語った、この発言で、会話を締めた

その場の沈黙を打ち破ったのは、沈黙を作り上げた松井自身であった
松井元帥「・・・大西!」
直立を保ったまま、松井元帥は部下の名前を呼んだ
現在、ライトウォーター第一滑走路に着陸している、輸送機に乗り込んだ士官の名だ
大西准将(第319中隊司令。車種:五式中戦車)(通信)「はっ!」
松井元帥「・・・・搭載状況は?」
大西准将(通信)「全員、搭乗完了です!いつでもどうぞ!」
松井元帥「・・・平岡、いや、ベータで死んだ兵士の弔い合戦だ。ベータ基地は健在、これより救援に向かえ」
航空隊の司令、川井少佐が返答をする
川井少佐(第八一航空隊司令。車種:特四式内火艇)(通信)「了解!各機出撃!」
大西准将(通信)「・・・生きて帰ってきます!」
松井元帥「・・・健闘を祈る!」
川井少佐(通信)「発動機回せ!」
レシプロエンジン独特の轟音が響く
別の飛行場から、プロトン合衆国の輸送機が次々と発進していく
護衛は、第一独立艦隊の艦載機だ
Qシュタイン連邦、第345大隊の中で、航空機の操縦ができるノイン以下数名が、航空機を操縦し、離陸していく
あの時の、Bv283Cも、姿を見せている
そして第八一航空隊の、零式輸送機がゆっくりと発進していく
後を追い、指揮機を含め、一式輸送機が動き出す
そして、離陸。彼らの向かう先は、ベータ基地である
これまでの、犠牲車を、弔うために。そして、自分達が必死で奪還した、あの基地を、守るために・・・
第五十九話 終わり
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich161169.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話
 ダークスピリッツ  - 2006/11/3 2:40 -
  
五十九話お疲れ様です。
今回は平岡上等兵、モヴァーク二等兵含め多数の司令部員が亡くなってしまいます。(こんだけ犠牲車を出したかったのはこれが戦争だと設定書いてる自分自身に思わせるためです。)
フェラーリ中将の元レーサーだった設定は書いてて成り行きでこうなりました(おい
あと藤田上等兵がかなり死亡フラグ立ってますがこの藤田上等兵だけは生き残る予定でいます。その詳細は次の六十話設定で。

勝山上等兵はまた前線に復帰しますか?
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NE...@softbank219202220145.bbtec.net>


Re:宇宙戦艦紀伊 第五十九話
 松井一真  - 2006/11/3 10:09 -
  
> 五十九話お疲れ様です。
> 今回は平岡上等兵、モヴァーク二等兵含め多数の司令部員が亡くなってしまいます。(こんだけ犠牲車を出したかったのはこれが戦争だと設定書いてる自分自身に思わせるためです。)
> フェラーリ中将の元レーサーだった設定は書いてて成り行きでこうなりました(おい
> あと藤田上等兵がかなり死亡フラグ立ってますがこの藤田上等兵だけは生き残る予定でいます。その詳細は次の六十話設定で。
自分も第一話以来久々の長編が書けてよかったです。今回は敵軍の描写は無く、代わりに「最前線のQシュタイン連邦軍、日戦軍団」、「司令部で状況を見る松井元帥たち」、「遂に白兵戦を決意するドニゲッテル少将たち」、「崩壊した司令部で力を振り絞り通信を敢行する藤田上等兵」、「パレンバンで平岡達の訃報を聞く勝山上等兵たち」と、大勢のキュワール連合軍兵士の描写がされることになりました
モヴァーク二等兵は最後の段階で名前を付けました。ドニゲッテル少将の描写で「名前も良く覚えていないII号戦車c型」とあるのはその名残だったりします
> 勝山上等兵はまた前線に復帰しますか?
また前線に復帰すると思われます。ディール二等兵と共に

ちなみに、松井元帥が直立不動し、泣く描写は、藤田からの通信が途絶えたという設定を見ただけで思い浮かびました

ついでに、今回のネタは複数あります
まずは冒頭のM13/40の話。「前進一速、後進五速」は本当に言われていた話ですが、残り二つはやわらか戦車のパクリだったりします
また、ドニゲッテル少将の「ハープーンか?!」は、映画「亡国のイージス」での劇中の台詞だったりします。ちなみに、シースパローは航空機用と艦艇用で名前が変わってますが、ハープーンは名前が変わってません。おそらく対空目標に対して撃つスパローと、対艦目標に対して撃つハープーンでは何かが違うんでしょう
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich162095.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


:宇宙戦艦紀伊 第六十話
 松井一真  - 2006/11/5 20:50 -
  
第六十話完成。ところで気になったんですが、サーナイト少佐の名前ですが、どこかで聞いたような気がするんですが・・・
第六十話 決死の輸送隊
ベータ基地第一次空襲こそ耐えたものの、次のベータ沖戦で敗北、上陸戦に関しては善戦するも、地底戦車が破壊されたことにより再び形勢逆転、不利になり、司令部が破壊された今、もはや指揮系統など無いに等しかった
パレンバン司令部
勝山上等兵「・・・それで、藤田さんは?」
ディール二等兵「ライトウォーターからの通信によれば、損傷率は98%らしいです」
勝山上等兵「・・・ベータ司令部要員は、全滅ですか・・・」
ボルナソス大佐「いや、生きているよ」
勝山上等兵「え?」
ボルナソス大佐「藤田は生きている。なんとなく、そう思えるんだ」
ディール二等兵「・・・どういう・・・ことですか?」
ボルナソス大佐「あいつは、ここにいた頃から丈夫な奴だったからな」
常に松井元帥の行くところに派遣されてきた藤田上等兵は、やはりパレンバン基地に所属していた時期があった
ボルナソス大佐「司令部に砲弾が飛び込んだときも、あいつは無事だったからな・・・」
ディール二等兵「そういえば、前にそんな話があったような・・・」
パレンバン沖、「紀伊」が奮戦していた時、司令部に一発の流れ弾が飛び込んできた
ほとんどの通信員が負傷したが、藤田だけが無傷だった
ボルナソス大佐「何かと、あいつは運がいい奴だったからな。ここで死ぬとは思わない」
ボルナソス大佐は、遥か遠くにある、ベータの方角を見つめていた・・・
ベータ基地
西田大佐「司令部がやられた?!」
大塚中尉(通信)「はい、ドニゲッテル少将によると、爆弾一発、ロケット弾二十発前後、マーヴェリックと思しき艦対地ミサイル二発の直撃により、司令部は全壊、藤田上等兵以下、通信隊はおそらく全滅とのことです」
大島二等兵「藤田さんが?!」
大塚中尉(通信)「・・・大島、どうやら、そのようだ」
大島二等兵「平岡さんは、どうなんですか!?」
大塚中尉(通信)「・・・・・・分からない」
大島は、ベータ第一次空襲時に、平岡と共に、重傷を負った勝山を搬送したのである
西田大佐「藤田が行方不明なんだ。平岡も助からんだろう」
大島二等兵「そ、そんな!」
西田大佐「・・・これが、戦争だ。我々は戦場に赴くからに、こういうことを覚悟せねばならない」
大島二等兵「・・・・・」
すると、先ほど到着した第58連隊左方戦力の司令、サーナイト少佐がやってきた
サーナイト少佐「西田大佐!」
西田大佐「君は、確か第58連隊の・・・」
サーナイト少佐「司令部が壊滅した今、各部隊ごとに独自で行動をとらなければならないようです。しかし、我々も軽戦車部隊ゆえ・・・」
西田大佐「どうやら、君の部隊と共同で戦うことになるようだな」
サーナイト少佐「階級と経験から、西田大佐に指示願います」
西田大佐「了解。これより本隊は、ベータ基地守備のため行動に移る」
「行動に移る」とは言ったが、行動自体が不可能であろう
司令部が壊滅した今、外部からの情報が全く入って来ない
従って、いつ援軍がやってくるのかが全く分からなかった
最後に伝わった情報は、輸送機の手配が進んでいるということ、援軍の指揮官は大西准将であることであった
方や、要塞内部の第501中隊である
真上で物凄い爆発音を聞き、隊員たちは本隊壊滅を覚悟した
音は、司令部の方角であった
Qシュタイン連邦、第501中隊に所属する、フェルデ曹長は、他の隊員たちが騒ぎ出すのを聞いた
フェルデ曹長(車種:IV号戦車F2型)「そう騒ぐな!基地が陥落したわけじゃない!」
ローレル大佐(第501中隊司令。車種:パンターG型)「先ほど、西条中佐に、設営隊員を連れて第一飛行場に集合するように打電しておいた。地下格納庫なら大丈夫だ!」
第一設営隊の指揮は西条中佐が担当している。彼なら要領よく第一飛行場地下格納庫に全員を収容するだろう
第一飛行場 地下格納庫
西条中佐「急げ!早くしないと貴様らの身が危ないぞ!」
斎藤中佐「一体何なんですか?」
西条中佐「司令部がやられたってのは分かるな?」
斎藤中佐「はい、あれでは全壊は確実・・・まさか!」
西条中佐「地下格納庫は、基地で一番防御が堅い場所だったな?」
斎藤中佐「了解しました!」
そして、全員の収容が確認された
ローレル大佐「ビューシンク大尉、格納庫防衛隊の指揮を頼む」
ビューシンク大尉(車種:III号戦車H型)「了解しました!」
フンケ中佐「我々も、防衛を担当するが、何分陸戦はあまりやったことが無いのでな。諸君に任せるよ」
第875航空隊の航空兵も、ここの防衛を担当することになった
弾薬類は所持していなかったため、武器庫にあったものが支給された
ビューシンク大尉「しっかり、頼みますよ」
フンケ中佐「一応タンクだからな。ある程度の陸戦はできる」
ビューシンク大尉「まあ、お互い頑張りましょう」
フンケ中佐「そうだな」
後は、富岡大尉以下救護班だ。医務室に残っているらしい
ローレル大佐以下100両で、迎えに行くことになっている
ローレル大佐「よし、出発だ。地図はあるな?」
ケーベ上等兵(車種:IV号戦車F2型)「はっ!」
ローレル大佐「・・・・結構遠いんだな。まあ、まだ敵はいないが、いつ現れるか分からん。早めに行くぞ」
と、医務室に向かい進み始めた。そのとき、ふとあることを思い出した
ローレル大佐「・・・司令部の状況が分からないままだったな。全壊は確実と見られているが、生存車がいるかも知れん。フェルデ曹長、ケーベ、タトラ両上等兵、司令部の調査を頼む」
フェルデ曹長「了解!」
三両のIV号戦車F2型に、司令部での捜索活動を頼んだ
一方、第231特科分隊、第253小隊、そして第58連隊のフェラーリ中将以下十両は、ドニゲッテル少将たちを救出した大塚中尉たちと合流した
村山大尉「大塚、どうだった?」
大塚中尉「ドニゲッテル少将と、ユゴス少佐を救出しました!」
ドニゲッテル少将「村山大尉、ご苦労だった」
村山大尉「はい。しかし、地底戦車がやられてしまいましたね」
ドニゲッテル少将「ライトウォーターから予備が来ると聞いたが?」
大塚中尉「この猛砲撃では無理でしょう」
ユゴス少佐「援軍は来るみたいですが、司令部が全壊した今・・・」
フェラーリ中将「全壊?!」
ドニゲッテル少将「藤田達も助からんだろう・・・」
大塚中尉「藤田上等兵が?!」
フェラーリ中将「通りで本部からの連絡が途絶えたかと思いました」
ドニゲッテル少将「一旦、要塞側面部に後退、援軍到着まで待機せよ」
村山大尉「了解!」
ドニゲッテル少将の指揮下に入った第231特科分隊、第253小隊、第58連隊一個分隊は、要塞側面部へと後退した
一方、ウルタンク帝国軍である
ウルタンク将校「くそっ、全く貫通しない!」
戦艦の砲撃にも耐えるとされる防弾シャッターに、通常の砲撃など通用するはずも無い
ライト中将(第455大隊司令。車種:ティーガーII)「まだ出来んのか?」
ハリス准将(第352大隊司令。車種:P40重戦車)「これでは無理ですね」
ライト中将「貫通できん、ということか」
ハリス准将「そうなりますね」
ウルタンク将校「通常砲撃では通用しません」
ライト中将「・・・・・・」
ハットン少将「手を貸しましょうか?」
ライト中将「ハットン少将、すまん」
ハットン少将「例の特殊砲弾ですな。了解」
カルオス軍の特殊砲弾攻撃で、ようやく効果が出始めたようであった
それでも、貫通には時間がかかりそうだ
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich107186.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話
 松井一真  - 2006/11/5 20:52 -
  
藤田上等兵の状況。今まで語られなかった藤田上等兵の過去が明らかに
第六十話 決死の輸送隊
松井元帥からの通信が途絶えたのは、そのときだった
多分、ライトウォーターの皆は、自分が死んだと思っているだろう
何しろ、あんな感じで途絶したのだから
藤田上等兵「・・・ライト・・・ウォーター・・・司令部・・・松井総帥、応答・・・してください・・・」
松井元帥からの応答は、無い
藤田上等兵「・・・司令部・・・応答を・・・」
確かライトウォーターには、教官だった川島兵長がいたはずだ
藤田上等兵「・・・川島・・・兵長・・・・」
何度か呼びかけて、通信機の電子機器郡を眺めた
通信機の電源が点いている事を示す、電源ランプが消えていた
藤田上等兵「・・・・遂に・・・壊れたか・・・」
そして、壁に寄りかかった
もう、自分が助かることは無いだろう
傍らに横たわった、平岡の遺体を眺めながら、そう思った
藤田上等兵「・・・平岡・・・」
日戦軍団のチョベリング基地・・・当時は総司令部だったところで、同じ通信科に転属してきた、十両の兵士
その中の一両が、平岡だった
――――――――――――――――
CQ暦235年 チョベリング司令部
川島上等兵「平岡、上達してきたな」
平岡二等兵「はい、以前からこういうのは得意だったので」
藤田二等兵「前線に行く時には、もっと上達してるだろうな」
平岡二等兵「だろうな、まあ、ここも総本部だからな」
川島上等兵「国際状況は悪化しつつある。いずれは帝国と戦わねばならん。そうなると、我々通信科が重要になるわけだ」
藤田二等兵「確かに、前線の状況をすばやく、ここに送るわけですからね」
平岡二等兵「機械の整備をしておかないと、情報が伝わらずに、まともな司令が出せず、間接的に我々が友軍を痛めつける結果になりますな」
川島上等兵「整備も、我々が担当するわけだから、当然だな」
――――――――――――――――
藤田上等兵(職務時も・・・なかなか、上手いことを・・・言っていたものだ・・・)
――――――――――――――――
CQ暦244年 ドガスデン基地
平岡一等兵「藤田、聞いたか!?」
藤田一等兵「ああ、ストマニカで、QQQQの将校が荷電粒子砲を放ったんだろ?」
平岡一等兵「今グリシネの本部で、松井総帥と参謀達が話してるらしい」
藤田一等兵「橋本だっけ?あの政治家が、圧力をかけてたって噂だ」
平岡一等兵「国家元首の高柳ってタンクも大変だろうな。上層部は皆『高』の字がついていたから、『国内に異変は無いだろう』と多寡をくくっていたに違いない」
藤田一等兵「全く、お前は洒落が上手いな」
平岡一等兵「たまたまだ、たまたま」
溝口中尉「通信科!冗談を言ってる場合じゃないぞ!」
藤田・平岡両一等兵「はっ!」
溝口中尉「うむ、よろしい。さすが本部の回し者、返答はいいな」
平岡一等兵「本部の回し者なんて無いですよ。せめて派遣通信兵と呼んでください」
佐藤少尉「確かに、回し者は無いですな、隊長?」
溝口中尉「こら、よってかかって俺に総攻撃するな!」
平岡一等兵「溝口中尉、発言には注意したほうがいいですよ」
溝口中尉「おい!平岡!」
藤田一等兵「溝口中尉、もうやめましょうよ!」
宇野沢曹長「そうですよ!藤田が言っている通り、このダジャレ合戦している間に、最前線では凄まじい戦いが繰り広げられています。いつ我々が最前線に派遣されるか分からないんですよ!」
溝口中尉「・・・すまん、宇野沢」
――――――――――――――――
藤田上等兵「・・・溝口大尉・・・」
当時、ドガスデン基地所属だった溝口は、彼らととても仲が良かったのだ
――――――――――――――――
CQ暦340年 ブラウメーア基地
藤田上等兵「放射能?」
平岡上等兵「ああ、ここの基地が荒れてるのは、グンナの核実験の放射能がここまで流れ着いたかららしい。ようはとばっちりだ。そのせいで戦争がはじまっちまうなんてなぁ」
藤田上等兵「そうだな。今、軍令部で海軍主力艦隊の派遣も予定されているらしいぞ」
平岡上等兵「艦隊か。でもグンナの戦力が相手じゃ、勝ち目は無いかもしれんぞ」
藤田上等兵「プロトン空軍だっているんだ。それに、しばらくは攻め込んできた戦力を叩く程度だ。大して激しい戦いにはならないと思うが・・・」
平岡上等兵「攻め込んできた戦力が大きかったら、だな」
藤田上等兵「それこそ、敵味方ともに大損害が予想できるな」
平岡上等兵「まあ、俺達の任務は通信だ。迅速に通信を、グリシネの本部に通達する、それが俺達の任務だ」
――――――――――――――――
藤田上等兵(・・・・でも、時には・・・真面目だった・・・)
Qターレットのブラウメーアでも、グンナ艦隊襲来の情報を直ちに伝え、ターレットシティへ向かい撤退したものだ
数時間前まで、自分達は一緒に、司令部にいた
数時間前までは・・・
藤田上等兵「・・・俺より・・・堅い・・・奴が、俺より・・・先に・・・死んじまう・・・なんて・・・」
もう、平岡と、この司令部で、語り合うことは、出来ない
藤田上等兵(しかし総帥は、俺が死ぬことを、望んではいない)
助けは、来るのだろうか
藤田上等兵「・・・・無理だろうな・・・」
その時、話し声が聞こえた
幻聴だろうか
しかし、だんだんと大きくなる
本当に、誰かがいるのだろうか?
藤田は、近くにいたはずの、モヴァークというレーダー員を見ようとした
しかし、その方角には、瓦礫の姿があった
どうやら、通信機器が壊れたのは、瓦礫の崩落らしい
瓦礫の中では、誰も見つけることは出来ないだろう
しかし、かすかな希望を信じ、瓦礫の隙間から、通路を見た

三両のIV号戦車、フェルデ曹長、ケーベ上等兵、タトラ上等兵は、司令部の姿を見て愕然とした
フェルデ曹長「道でも、間違えたか?」
ケーベ上等兵「・・・地図では、確かにここなんですが・・・」
タトラ上等兵「・・・あれは?」
見れば、通信機のようなものが、いくつか残っていた
レーダーの表示板と思しきものもあった
フェルデ曹長「・・・司令部・・・らしいな・・・」
とりあえず、周辺の瓦礫をどけることにした
瓦礫をどけていると、何両かの戦車の「残骸」があった
すると、ケーベ上等兵が、何かを叫んでいた
ケーベ上等兵「モヴァーク!」
事切れたII号戦車c型を見て、彼はそう言った
司令部付き兵士のリストを見れば、確かに「モヴァーク」の名はあった
モヴァーク二等兵、数日ほど前に重傷を負ってパレンバンへ搬送された、勝山一等兵・・・今は上等兵か。彼の代役として派遣された兵士である
通信科教習所を出て間もない、若き兵士であった
ケーベの親友だったらしい。ケーベは陸戦部隊だから、地元付き合いだろう
直立し、泣いている彼の姿を見て、フェルデは言った
フェルデ曹長「・・・タトラ、俺達だけですませよう」
タトラ上等兵「・・・了解しました」
2両は、一旦ケーベから離れたところで、作業を行うことにした
第六十話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich107186.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話
 松井一真  - 2006/11/5 20:53 -
  
藤田上等兵救出。富岡たちが滑走路に向かうタイミングは少し早くしました
第六十話 決死の輸送隊
隙間から見えたのは、三両のIV号戦車だ
一両は、直立して泣いている
おそらく、松井総帥も、少し前はこんな状況だっただろう
何かを言おうとしたが、上手く言うことは出来ない
もう、だめだろうか
いや、自分で「基地は諦めないで下さい」と言ったんだ。ここで諦めてはならない
力を振り絞り、言いたいことを言った
藤田上等兵「・・・助けて・・・くれ・・・」

フェルデ曹長「・・・・なんだ?」
タトラ上等兵「どうしました?」
フェルデ曹長「あのあたりで・・・何か聞こえたんだ・・・」
タトラ上等兵「生存車がいるかもしれません!行ってみましょう!」
そして、瓦礫をどけると、二両の兵士がいた
一両、特二式内火艇は、事切れていた
フェルデ曹長「・・・死んでるな・・・」
リストを見ると、特二式内火艇は平岡という上等兵らしい
日戦軍団のエリート通信兵らしい
しかし、壁に寄りかかった、九四式軽装甲車は、まだ息があった
フェルデ曹長「生存車だ!」
フェルデは、思わず、そう叫んだ

隙間が開き、二両のIV号戦車が近づいたのは、そのときだった
一両、おそらくまとめ役だろう。その戦車が、生存車だ、と叫んだ
もう一両が、近づいてきて、こういった
タトラ上等兵「大丈夫ですか?!」
既に、何も言うことは出来ない
フェルデ曹長「ケーベ!その辺に救護用具入れがあったはずだ!」
ケーベ上等兵「・・・これですか?」
フェルデ曹長「担架を持って来い!」
ケーベ上等兵「・・・了解!」
司令部付きの兵士は、自分以外、全員死んでいたらしい
大勢の兵士が、死んだようだ
そして、担架に乗せられた
医務室に運ぶらしい

医務室では、ローレル大佐たちが、富岡大尉と合流したところだった
フェルデ曹長「司令!」
ローレル大佐「フェルデ曹長!生存車がいたようだな!」
フェルデ曹長「はい!しかし重傷を負っています」
富岡軍医大尉「重傷?!ローレル大佐、撤退する前に、一旦彼の手術をさせてください!」
ローレル大佐「了解!」
何しろ、大尉ではあるが名医として知られる富岡の発言である。逆らうことは、兵士を見殺しにすることになる

そして、無事手術が完了した
しかし、既に医療設備がまともにつかえない状況下だったため、未だ危険である
富岡軍医大尉「ローレル大佐、確か、援軍は輸送機でやってくるんでしたよね?」
ローレル大佐「ああ、はい。確かにそうですが・・・」
富岡軍医大尉「着陸するのはどこの滑走路ですか?」
そのとき、ローレル大佐は確信した。藤田を別の基地の軍事病院に搬送しようとしているのを
無茶な作戦だとは思ったが、松井元帥の大事な部下、いや、それ以前に1両の「重傷車」だ。見殺すことは出来ない
ローレル大佐「第五滑走路です」
富岡軍医大尉「了解しました。成田、一緒に来てくれ」
成田衛生兵「了解!」
成田以下数名ほどの兵士が、担架を持って、富岡軍医大尉と共に第五滑走路へと向かっていった

上空から見た基地の景色は、焼け野原だった
本当に、ここが軍事施設なのだろうか
辺り一体に広がったタンクの残骸のようなものが、そこが「戦場」であることを示している
第345大隊直轄特務飛行隊のノイン上等兵は、危険な飛行であることを悟っていた
ルドルフ曹長は二番機のJu−52に搭乗しており、パレンバンで学んだ操縦技術を早速披露している
あの時発進した、第五滑走路が近づく
その時、航空電探に、新たな反応を見た
ノイン上等兵「敵機か!?」
既に、戦闘隊の航空電探も探知したようだ
自分の搭乗する、Bv238Cを、複数のF4FIIが追い抜いていく
第135航空隊、隊長は鳴神少尉だ

初の実戦である。僚機を連れて、敵機の迎撃に向かった
鳴神少尉(車種:61式戦車)「各機、目標は敵戦闘機だ。それぞれ、二機一組で行動せよ!」
確か、Qシュタインのパイロットが開発した戦法だったはずだ
さて、敵機はMig−3が五十機程度だ。たやすい相手であろう
前方、接近する敵機に対し、射撃を開始した
鳴神少尉「射撃開始!」
銃弾は見事、敵Migに直撃し、火を噴いた
続いて、別の機体を狙う
敵機は上昇していた
前方を狙い射撃開始、撃墜した
続いて、輸送機を狙い降下する敵機を狙い、降下した
見事後ろに付く
後は、射撃を開始するのみ
敵機、瞬時に火を噴き、撃墜
さすがに、合衆国で幾度か鍛えただけのことはある
続き、編隊飛行で飛来する敵機
編隊を解除し、各個でそれぞれの機体を狙うようだ
僚機が一機との空中戦を開始した
その時、もう一機が僚機の後ろを取ろうとした
いつぞやかに、日戦軍団のエリートパイロット、新竹大尉を撃墜したサッチウェーブ戦法だ
しかし、そもそも、僚機が空中戦を先に始めたのがサッチウェーブであった
後ろを取った敵機を、こちらが更に後ろに回りこむ
鳴神少尉「裏をかいた戦法、といったところか。射撃開始!」
この落ち着いた口調は、遺伝なのだろうか。妙なところは似たものだ
そして、僚機が、前方の敵機を撃墜し、続いてこちらも、敵機を撃墜した
錬度に差があるのか、こちら側が優位である
いや、錬度だけではない、第112航空隊の最新鋭機の力もあった
ナルア大尉以下、ロドリグ第112航空隊は、J−1サンポート戦闘機とJ−2サイバー戦闘機で編成されている
いずれも、日戦軍団の零戦、烈風とほぼ互角の性能を有する機体だ。無論、このF4FIIも、それなりの性能は有しているのだが
質、量共に勝っていたため、敵機の殲滅は短時間で完了した
第六十話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich107186.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話
 松井一真  - 2006/11/5 20:55 -
  
空中戦。一応、機銃は搭載されている設定にしました
第六十話 決死の輸送隊
その報告を聞いたのは、飛行訓練を終えた練習機が格納庫に収容された時だった
管制塔からの通信管制を行っていた二両の戦車、いや、厳密に言えば一両の戦車と一両の装甲車は、藤田上等兵が重傷を負いながらも生存しているという話を聞き、大変驚いた
勝山上等兵「藤田さんが生きてるんですか?!」
ガランタン大尉「ああ、ベータ第五飛行場管制塔から、藤田上等兵をライトウォーターの軍事病院に搬送するという報告が入った」
ディール二等兵「ボルナソス大佐の予想通りですね・・・」
勝山上等兵「それで、管制塔ということは輸送機のようですが、護衛に関しては・・・」
ガランタン大尉「護衛は無しだ。第一独立艦隊艦載機が撤退した今、護衛を付けることが出来ない」
ディール二等兵「丸腰で敵制空権の中を突き進むんですか!?」
ガランタン大尉「ノイン上等兵のことだ。やってくれるだろう」
ノイン、確か数日ほど前まで、このパレンバンにいた兵士だ
第345大隊所属でありながら、航空機の操縦ができる兵士として、ここの航空教習所で、六発大型機の免許を取得すべく勉強に励んでいた
そもそも、彼の存在が、第345大隊直轄特務飛行隊編成に至った重大な要素であった
ディール二等兵「確か、元陸軍輸送隊の兵士だったんですよね?」
ガランタン大尉「ああ、第六次キュワール大戦時のころに活躍したものだが・・・」
勝山上等兵「しかし彼ならやってくれるでしょう。免許もなしに、あの機体で飛び立ったんですから」
ガランタン大尉「じゃあ、俺は本部に戻る。通信の受信、頼むぞ」
勝山上等兵「了解!」
眼下の飛行場では、大勢のタンクたちが、格納庫を後に、兵舎へと戻ろうとしていた

Qシュタイン兵士「敵襲!」
銃手の二等兵が叫ぶ
予想通りだ。敵戦闘機が来襲した
La−7が二機。一機の輸送機が相手なら妥当であろう
こちらにも13mm機銃が十二丁と20mm機関砲が二丁あるが、まだ銃手が少ない
一機が銃撃を開始した
左旋回でなんとか回避する
しかし、二機の執拗な攻撃は続いた
機銃で対抗するが、派手な挙動を取っているため、ほとんど敵機には当たらない
斜め後方に回り込んだ一機の敵機が、射撃を開始した
その時、銃弾が胴体、左翼に立て続けに命中した
Qシュタイン兵士「左翼被弾、炎上!」
ノイン上等兵「左翼第三エンジンを停止させろ!」
エンジンへの燃料供給を停止させ、火災を止めるのだ
そして、左翼第三エンジンが停止、無事、火災は止まった
まだ、エンジンは五基残っている。特に問題は無いが、敵機を振り切ることは難しい
ノイン上等兵「副機長、例のものは出来ますね?」
副機長「燃料を大幅に消費しますが、可能ですね」
ノイン上等兵「了解、ロケットブースター起動!」
出撃前に、主翼端に、二機のロケットエンジンを搭載していたのだ
そして、そのロケットエンジンが始動した
550kmを指していた速度計は数秒後に750kmを指した
二機の敵機は、たちまち後方に過ぎ去っていき、遂に電探の索敵範囲外に消えていった
ノイン上等兵「ロケットブースター停止!」
後は、ライトウォーターへ直行するだけだ
無論、燃料は少なくなっているが、その分ライトウォーターには近づいたので充分だろう
燃料がほぼ無くなりかけたころに、ライトウォーターの飛行場が見えてきた
管制塔からも、着陸許可の通信が入る
そして、ライトウォーターの第一滑走路に着陸した。緊急輸送が完了した

司令部に報告が届いたのはそれから数秒後だ
重傷を負った藤田上等兵が、軍事病院に搬送されたとのことだ
松井元帥「何っ!?藤田が軍事病院に!?」
川島兵長「重傷を負いながらも生還したということですよね!」
松井元帥「ティーガー元帥、一旦、指揮を頼む」
ティーガー元帥「了解!」
二両は、司令室を出て、軍事病院へと向かった
山岡大佐たちによって作られた、真新しい施設だ
見張り員たちとすれ違いながら、軍事病院の、藤田が収容された病室へと駆け込む
川島兵長「藤田!」
そこには、ベッドで眠る藤田上等兵と、部屋に残った成田衛生兵の姿があった
成田衛生兵「司令、一命は、取り留めたとのことです」
松井元帥「そうか。良かった・・・」
二両は安心した
川島兵長「ところで、一体、誰がここまで・・・」
成田衛生兵「ノイン上等兵です。よくこんな任務を引き受けてくれたもんですよ」
松井元帥「・・・一両の重傷車だ。あんなに大勢のタンクが死んだんだから、一両でも多く救い出したかったんだろうな」
成田衛生兵「今、機体の整備を行っているそうですよ」
川島兵長「確かに、敵制空権下を強行突破したのでは、損傷ぐらいはありますよね」
松井元帥「まだ、色々と残っているからな、また後で来るよ」
成田衛生兵「了解しました」
そう言うと、二両は医務室を後にした

報告は、直ちにパレンバンへと伝えられた
勝山上等兵「藤田上等兵の軍事病院への搬送完了、状態は良好です」
その報告を終えた、勝山は安心して、再び通信機を眺めた
ディール二等兵「良かったですね、勝山上等兵」
勝山上等兵「一番うれしいのは、多分松井元帥でしょう」
ボルナソス大佐「・・・さすがノイン上等兵。あのロケットブースター、このために用意したのか・・・」
勝山上等兵「・・・・ボルナソス大佐?」
ボルナソス大佐「あのロケットブースター、あいつがわざわざ俺に、あの機体に積ませてくれと頼んだ奴なんだ」
ディール二等兵「ということは、初めから敵制空権下を飛ぶことを予測していた・・・ということですか?」
ボルナソス大佐「強行輸送作戦の計画は以前からあったからな」
パレンバンの軍港には、複数の艦艇が集結しつつあった
この艦艇にも、何らかの任務があるようだ
その任務に関しては、次回に語るとしよう
第六十話 終わり
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich107186.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話
 ダークスピリッツ  - 2006/11/6 22:45 -
  
今回の六十話もかなり長編でしたね
そういえば第五十九話から新たにディール二等兵という新キャラが追加されてますね勝山上等兵とは仲良しなようです。
ウルタンク軍とカルオス軍がシャッター破壊にてこずっていますが次の第六十一話で突破される予定です。後既に敵増援部隊も到着してますし敵戦力は合計35000両程となりますね。第五十四話から始まったベータ防衛作戦編も既に中盤を迎えています。これから後半にかけてQW軍がベータ基地を取り戻していきます。藤田上等兵の過去ですが溝口大尉とも仲良しだったんですね。後ドガスデンってどこですか??
モヴァークとケーベの関係は成り行きで作りました。

さて第六十一話ではデトロワがある恐ろしい兵器をライトウォーターに使用予定です。
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NE...@softbank219202220145.bbtec.net>


Re::宇宙戦艦紀伊 第六十話
 松井一真  - 2006/11/6 22:57 -
  
> 今回の六十話もかなり長編でしたね
11月になった途端に長編に。ってことで「11月の長編集」の予感がします
> そういえば第五十九話から新たにディール二等兵という新キャラが追加されてますね勝山上等兵とは仲良しなようです。
ディールもモヴァークと同じく、適当に付けた名前だったりするんですが。基地での通信任務時に、同じ当直だたので仲良くなったという設定だったりします
> ウルタンク軍とカルオス軍がシャッター破壊にてこずっていますが次の第六十一話で突破される予定です。後既に敵増援部隊も到着してますし敵戦力は合計35000両程となりますね。第五十四話から始まったベータ防衛作戦編も既に中盤を迎えています。これから後半にかけてQW軍がベータ基地を取り戻していきます。藤田上等兵の過去ですが溝口大尉とも仲良しだったんですね。後ドガスデンってどこですか??
大西准将たちが到着しました。副官の山田中尉はなんとなく思いついたキャラクターだったり。大西の指示を受けて「はっ、了解しました!」と答える、元輸送隊士官という設定です
今回は二両ともチョい役出演でした。松井元帥が「大西!」と、苗字だけで呼んでいますが、松井元帥は基本的に部下を苗字で呼ぶようです。ただし、総司令部所属のチリ元帥達は、設立当初からの親友だったためか、階級をつけて呼んでいる様子。名前も名前ですし
さて、ドガスデンですが、CCQに登場した、Qタンク王国の主要都市です。規模はQタンク王国第二の大都市です。Qシュタイン連邦に同じ構造の「ベロリン」という街が登場します。いずれも、「ドレスデン」、「ベルリン」から来ていますね
日戦軍団は、もともと国家ではないため、いかなる国々にも浸透できる柔軟な軍事組織という設定で、Qタンク王国にも部隊が派遣されていたというわけです
ちなみに、松井元帥とT−35総統は旧知の仲で、第一話であっさりマル五計画を承認したのはそういう理由があったりします
> モヴァークとケーベの関係は成り行きで作りました。
実はケーベも成り行きで作ったキャラだったりします
> さて第六十一話ではデトロワがある恐ろしい兵器をライトウォーターに使用予定です。
・・・そういえば第九話でルナツー基地を崩落させた「シスター・レイ」や、改良型「セーファ・レイ」はどうなったんですかね?あれからまったく姿を見ませんが・・・
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich019237.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
145 / 523 ツリー ←次 | 前→
ページ:  |  記事番号:
49,078
(SS)C-BOARD v3.3.10 is Free.

んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


"Tamashii no Katamari" is created...