■BBS - Bulletin Board System
掲示

ホーム > BBS > チョロQ小説板

雑談板 チョロQ小説板  

どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
139 / 523 ツリー ←次 | 前→

宇宙戦艦紀伊 第六十一話 松井一真 2006/11/11 0:12
  Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話 松井一真 2006/11/11 0:14
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話 松井一真 2006/11/11 0:15
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話 ダークスピリッツ 2006/11/11 17:39
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話 松井一真 2006/11/11 18:00
   宇宙戦艦紀伊 第六十二話 松井一真 2006/11/19 0:29
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話 松井一真 2006/11/19 0:31
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話 松井一真 2006/11/19 0:33
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話 松井一真 2006/11/19 0:34
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話 ダークスピリッツ 2006/11/20 16:00
   Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話 松井一真 2006/11/20 18:29


宇宙戦艦紀伊 第六十一話
 松井一真  - 2006/11/11 0:12 -
  
第六十一話完成。まずはスパイ関連から
第六十一話 隠されし兵装
パレンバンに集結していた艦艇は、直ちにライトウォーターへと向かった
そして、ライトウォーターに集結した輸送船団。それらを見て、松井元帥は愕然とした
護衛の艦艇が少ないのだ
まだ第一特務艦隊などの整備が完了していないため仕方が無いが、Qシュタイン連邦の駆逐艦隊が2つと、ようやく配備されたリゾニアの駆逐艦隊だけではないか
他の艦隊ももう少し引っ張り出せたであろうに
松井元帥「・・・何個もの艦隊が取り巻いているというのに、これだけで戦えるのかね?」
作戦の指揮を取るのは、独立艦隊のクラシス・コスナー大佐であった
クラシス「大丈夫です。我々の特殊艦艇を、あの船団に紛れ込ませておきましたので」
特殊艦艇、そういえば輸送船に偽装した大型巡洋艦が、プロトン合衆国に大量に配備されているという話を聞いた
港に停泊するタンカーと思しき大型艦を見て、おそらくあれだろう、と思った
その船は、あの日、空襲を防げず、一度も実戦に参加することなく姿を消した、あの戦艦であった・・・
松井元帥「・・・米沢」
米沢大将(第443連隊司令。車種:74式戦車)「はっ!」
松井元帥「今回の作戦は、大西に続いての強行突入だ。諸君の力で、ベータを救い出すのだ」
米沢大将「はっ、心して任務にあたります!」
松井元帥「うむ。それで、物資の搭載に関してはどうなっている?」
米沢大将「全て予定より早く進んでおります。若干、作戦開始時刻を早めても、充分いけますね」
松井元帥「山岡の奴が搭載任務に参加してくれたって話だからな。まあ、彼がいれば上手くいくだろうと思ったが」
小沢中将(第245連隊指令。車種:61式戦車)「司令、先ほど、妙な奴を基地で見かけましたが」
松井元帥「茅野二曹だな。怪しいので見張りをつけていたが、まだ情報をつかめずにいる」
米沢大将「敵のスパイとかじゃないんですかね?」
松井元帥「だろうな。早めに処理しておくべきだな。そちらに関しては、我々が片付ける。諸君の任務はベータ基地救援だ。以上、健闘を祈る!」
小沢中将「はっ!」
二両が去った後、松井元帥は、基地作業兵の茅野を探した
コピック中佐「司令、茅野二曹ですが、笠井兵長の話では、観測機で偵察に行って以来行方不明とのことで・・・」
松井元帥「観測機!?機種は!?」
コピック中佐「カ号観測機ですが・・・」
松井元帥「すぐに探せ!発見したら即座に降伏勧告を送るんだ!」
既に、船団は出航していた
眼下では大勢の兵士が見送っている
ヴァイゲル中将(第224連隊司令。車種:ティーガーII)「我が第224連隊および、第221連隊はこれより、ベータ基地の救援に向かう!」
アイスナー少将(第221連隊司令。車種:ティーガーII)「ベータ基地を奪回し、反攻作戦の橋頭堡とする!」
Qシュタイン連邦の士官たちが、堂々と演説をしている
松井元帥「えらいことになったな・・・」
マグス中佐「・・・それで、笠井兵長からの連絡は?」
笠井兵長(車種:短十二糎自走砲)(通信)「笠井より本部!笠井より本部!茅野二曹は大日本帝国のスパイです!」
松井元帥「なんだって!?」
笠井兵長(通信)「現在自分は、三式連絡機で追撃に出ておりますが、降伏勧告には応じません!」
松井元帥「やむを得ん、威嚇射撃を開始しろ!」
笠井兵長(通信)「了解!」
射撃が開始された。直後、観測機から脱出する一両の二式軽戦車の姿が見えた。茅野二曹だ
笠井兵長(通信)「脱出!?」
松井元帥「ちっ、脱出しやがったか・・・」
笠井兵長(通信)「燃料が少ないのでこれで撤退します!」
ゆっくりと降下していく一機のカ号観測機。直後、機は爆発した
その後、茅野は大日本帝国軍の潜宙艦に搭乗、そのまま通信を敢行することにした
大日本帝国軍 潜宙艦「伊−365」
茅野二等兵曹(車種:二式軽戦車)「戦艦『ニマスト』へ。敵増援部隊出航。駆逐艦四十、輸送船六十九!」
艦長「しかし、あの脱出は派手過ぎないか?」
茅野二等兵曹「敵機に追われていたので。それに、この艦に格納庫が無いので・・・」
艦長「まあいい、君が生き残っていたところでよい」
カルオス帝国軍 戦艦「ニマスト」
カルオス通信兵「潜宙艦『伊−365』より入電、『敵増援部隊出航。駆逐艦四十、輸送船六十九』以上です」
熱田中将「了解。ウルタンク帝国の第2、第3巡洋艦隊を、敵船団に向ける」
カルオス通信兵「しかし、潜入部隊の茅野二曹は気づかれたため基地を脱出したとのことです」
熱田中将「だろうな。この状況では・・・・あの男も黙ってはおるまい」
カルオス通信兵「・・・あの男?」
熱田中将「・・・・特に、意味は無い」
いずれにせよ、二個艦隊が本隊を離れ、船団に向かうのである
これは脅威であろう
一方、トノス基地において、大量の巡航ミサイル発射機の姿が見えた
先ほどのマーヴェリック弾などによるベータ司令部強襲に続いて、巡航ミサイル「ストーム」を用いたライトウォーター強襲作戦を敢行することが決定されたのだ
弾頭の炸薬はなんと1000kg。ハープーンの227kg、トマホークの450kgを大幅に上回る規模である
また、クラスター弾頭型も使用されることが決定されている。これで司令部を殲滅するようだ
ラファリエスおよびデトロワにより発案されたこの作戦はGKU連合作戦総本部の同意により(グンナ帝国軍総司令部は難色を示した)、通常弾頭弾5発、クラスター弾頭弾5発、計10発を、トノス基地より発射、ライトウォーターを全壊させるという作戦が発令されたのだ
約1時間をかけて、十発の巡航ミサイルが発射された
向かう先は、ライトウォーター司令部・・・
第六十一話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich108056.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話
 松井一真  - 2006/11/11 0:14 -
  
艦隊戦。リゾニア上層部が本作初登場
第六十一話 隠されし兵装
一方、ベータ近郊において、連合軍大型輸送船「マッコーレ」は、敵の戦艦四、重巡三十二、駆逐艦四十四の大艦隊を捉えた
キュワール連合軍輸送船団 大型輸送船「マッコーレ」
通信兵「艦長!敵二個艦隊接近!戦艦二、重巡十六、駆逐艦二十二が2つです!」
サリス中佐(マッコーレ艦長。車種:M26パーシング)「・・・こちら側の戦闘艦艇は約半数・・・」
直後、砲撃戦が始まった
リゾニア合衆国第五駆逐艦隊 軽巡「トルスク」
リゾニア兵士A「敵駆逐艦撃沈!」
エンフェト大佐(第五駆逐艦隊司令。車種:M4A3シャーマン)「一応、これほどの戦闘は可能だが・・・」
リゾニア兵士B「苦戦していますね・・・」
エンフェト大佐「既に護衛駆逐艦二を失っている。友軍艦隊と合同で何隻かは沈めているが・・・」
ユリス大佐(第七駆逐艦隊司令。車種:IV号戦車G型)(通信)「こちら第七駆逐艦隊、敵重巡一を撃沈せるも、駆逐艦三が沈没」
エンフェト大佐「・・・了解。これでは全滅は必至だな・・・」
Qシュタイン連邦第四駆逐艦隊 軽巡「ベーヨン」
ナカト大佐(第四駆逐艦隊司令。車種:パンターA型)「状況は劣勢だな・・・」
Qシュタイン兵士A「各艦共に損害が出ております。無傷の船はほとんどいません」
ナカト大佐「くっ・・・一体、どうやってこれを切り抜けばいいんだ・・・」
直後、電波探信儀にさらに恐ろしいものが浮かび上がった
Qシュタイン兵士B「敵増援部隊出現!」
ナカト大佐「何っ!?」
ユリス大佐(通信)「重巡、駆逐艦それぞれ十二隻。まずいな・・・」
重巡十二、駆逐艦十二の別働隊が、輸送船団側面の方向に出現したのだ
しかも、既に砲撃体勢に入っていたのだ
直後、爆発音が響いた
ナカト大佐「どうした?!」
Qシュタイン兵士A「プロトン合衆国軍タンカー『エンパウロ』が爆発!所属船団の他の船舶も爆発しました!」
キュワール連合軍輸送船団 大型輸送船「マッコーレ」
サリス中佐「何っ!?『エンパウロ』が爆発した!?」
通信兵「はっ、『エンパウロ』以下、タンカー十四隻が突如爆発しました!」
一方で、敵増援艦隊も、攻撃準備を中止させたようだ
直後、煙の中から、十四隻の「軍艦」が出現した
サリス中佐「あ、あれは・・・」
先頭を進む戦艦は、プロトン合衆国で極秘裏に建造されていたプロトン級。残りは、仮装巡洋艦ダルース級が十三隻であった
25cm連装レーザー砲をはじめ、さまざまな武装を装備したれっきとした重巡洋艦である
旧式化し、輸送船団の護衛任務に使用されているキラム級の代替として建造されたもの、と聞いた
そして先頭を進むプロトン級戦艦は、60.8cm三連装レーザー砲を初め、50.8cm連装レーザー砲など、さまざまな新兵器が搭載されていた
プロトン空襲を防ぐことが出来ず、しばらくザンブニールのドックに「放棄」されていた巨大艦である
リゾニア合衆国第五駆逐艦隊 軽巡「トルスク」
エンフェト大佐「・・・プロトン級じゃないか・・・」
リゾニア兵士A「総本部のルノー少佐より通信です」
ルノー少佐(リゾニア陸軍総司令部所属。車種:シャールB1bis)(通信)「こちら陸軍総司令部。先ほどプロトン合衆国から連絡が入った。戦艦一、重巡十三の艦隊を、タンカー十四の船団に偽装して配備した、とのことだ」
カイオグル元帥(リゾニア軍総司令官。車種:90式戦車)(通信)「わざわざ、友邦プロトンに頼んでおいたんだ。クラシス・コスナーという空軍出の若造がうまくやってくれたらしくてな」
エンフェト大佐「カイオグル司令の要請によるものなんですか!?」
カイオグル元帥(通信)「ああ、もっとも、向こうもそれを模索していたらしいがな」
ルノー少佐(通信)「プロトン級戦艦は恐るべき火力を誇る。これで敵艦隊の殲滅が可能であろう」
カイオグル元帥(通信)「わざわざ隠しておいたのは、スパイを考慮しておいてのことらしい」
カイオグル元帥、元カルオス帝国陸軍元帥であり、カルオス帝国先代皇帝である
CQ暦245年初頭、レイオガル・カルオス国境間(現:レイオガル平野)においての戦闘で、ルノー少佐の指揮下の一個小隊が、オンドゥ大佐指揮下のレイオガル軍一個小隊を撃破したという快挙に出たが、既に戦闘能力を失っていたルノー少佐と、複数の部下の提案により、両国は講和、リゾニア合衆国という連合国に統一されたのだ
その後帰還した両国国家元首だが、レイオガル国王はそのままリゾニア合衆国大統領に、カイオグル元帥はリゾニア合衆国総司令官に就任。現在に至るという
しかし、残存する帝国一派がグンナ星に移住、建国したのが現在のカルオス帝国だ
ルノー少佐(通信)「今日はいないようだが、この基地には反乱軍、いや帝国軍がいる。彼らを撃破し、再び平和をもたらしていただきたい」
実は、講和を実施したルノー少佐は、あの戦闘で、最愛の恩師、ドドルハ軍曹を失ったのだ
ドドルハは正面から接近してきたレイオガルのエリート兵、ジェイ一等兵を撃破するが、後続していたエリート兵、ナック上級伍長に捕捉され、戦闘の末に戦死したのだ
その一方で、自分もあの戦闘で、レイオガル軍のエリート士官、オンドゥ大佐との戦闘において重傷を負いながらも生還したのだ。あの時ほんの数秒、ガトリング斉射が遅れていたら、ルノー少佐は死亡していたであろう
カイオグル元帥(通信)「あの時、悲惨な経験をしたというのに、まだ戦いを続けようとする馬鹿な幹部。奴らを倒さねば、平和は訪れない。諸君の腕に、我が国の将来がかかっているのだ!総本部からの連絡は以上、健闘を祈る!」
そして、通信が終わった
エンフェト大佐「総本部の激励は以上のようだな」
リゾニア兵士A「総本部が激励に参加するとは思いませんでしたね」
エンフェト大佐「カイオグル元帥はかつてから部下を大事にすると聞いているが?」
CQ暦230年代末期、カルオス軍エリート兵、ジオン大尉が、レイオガル近辺の地域に秘匿されていた新型光学兵器「K−9999(カルオス超兵器番号9999。通称「K−nineteen」)」を始動させるべく、レイオガル・カルオス国境間に差し掛かった際、QQQQ軍の攻撃を受けた
日本戦車軍団の士官の制止も受けず、QQQQ軍は攻撃を行おうとした
そんな中、突如現れたのは、カイオグル元帥であった
部下を救うべくやってきたのだ
そして、連続攻撃でQQQQ軍を撃破し、日戦軍団の士官と、少々の会話を終えて、去っていったという
その後、ジオン大尉は降伏し、日戦軍団総司令部で航空機の操縦訓練を行った
そして、鹵獲したカルオス軍爆撃機に搭乗し、任務に従事、終戦後帰国するが、帰国のために鹵獲爆撃機で移動中、橋本派のものと思しきQQQQ戦闘機の攻撃を受けたのだ
エンフェト大佐「・・・その際も、自らが率先して、QQQQへの物資輸出を中止させたのだというのだから、部下を思う気持ちは凄まじいものなのだろう」
一方で、戦艦「プロトン」を初めとする艦隊は、敵艦船を次々と撃沈していった
プロトン合衆国第一特務艦隊 戦艦「プロトン」
アジート元帥(第一特務艦隊司令。車種:M60スーパーパットン)「よし、また一隻撃沈したぞ!」
プロトン兵士A「敵重巡を撃沈!」
直後、60.8cm主砲が放たれた
主砲弾は敵グリーン級戦艦に直撃。敵戦艦は爆発を起こした
プロトン兵士B「敵戦艦を撃沈!」
アジート元帥「よくやった、砲術員諸君!」
プロトン兵士C(通信)「ありがとうございます!」
次々と、敵艦艇を撃沈していく
そして、戦果は戦艦一、重巡十四、軽巡九、駆逐艦十一撃沈、軽巡一大破、戦艦二、重巡十一、軽巡七、駆逐艦七中破、重巡四、軽巡三、駆逐艦六小破となった
その後、大破した軽巡が、爆発を起こして沈んだ
プロトン兵士B「敵艦隊、撤退していきます!」
アジート元帥「・・・任務は完了したようだな」
そして、五十五隻の輸送船は、全て無事に、ベータ基地の軍港に寄港した
損害は、三隻が流れ弾で軽損傷、それだけであった
駆逐艦十七が沈没したが、これはプロトン艦隊参戦前だったので仕方ない話であろう
第六十一話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich108056.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話
 松井一真  - 2006/11/11 0:15 -
  
デトロワの巡航ミサイル攻撃。何かまたもや日戦軍団の新手が登場
第六十一話 隠されし兵装
カルオス帝国軍 戦艦「ニマスト」
熱田中将「・・・プロトン級?」
カルオス通信兵「はっ、報告によりますと、突如敵タンカーが爆発、戦艦へと変貌し、砲撃を仕掛けてきたとのことです」
熱田中将「そんな馬鹿な話が・・・いや、待てよ・・・」
通商破壊艦。いつぞやかにQトルック帝国が行っていた、輸送船に偽装した戦闘艦・・・
熱田中将「・・・プロトン級戦艦と、謎の高性能重巡。仕方あるまい。それで、デトロワ軍の作戦に関しては?」
カルオス通信兵「現在、ミサイルはベータ近辺を通過したとのことです」
無論、連合軍艦隊は、それに気づいていない
カルオス通信兵「ライトウォーター司令部破壊は、時間の問題です」
熱田中将「だろうな。茅野を脱出に追い込んだ奴らも、これで終わりか・・・」
カルオス通信兵「・・・我々の逆転も、可能ということですね」
熱田中将「参謀長、一旦、指揮を預ける」
参謀長「はっ!」
そう言うと、熱田中将は、艦橋を後にした

総司令部に報告が入った際、皆が歓喜した
友軍輸送船団が、沈没艦も無く、ベータに寄港したのだ
司令部のルノー少佐は、すぐに「トルスク」に連絡を出した
ルノー少佐「作戦は成功したようだな。ご苦労だった」
エンフェト大佐(通信)「いえ、自分のおかげではありません。特務艦隊派遣を要請してくださった、カイオグル元帥のおかげです」
カイオグル元帥「そういうな、照れるじゃないか」
ルノー少佐「・・・元帥?」
カイオグル元帥「まあいい、それで、何か新しい情報は?」
カゾフ兵長(総司令部通信科長。車種:AMX−13戦車)「はっ、特にありませんが・・・」
カイオグル元帥「了解」
タチフブ元上等兵(陸軍特務士官。車種:Mle.61自走榴弾砲)「元帥閣下!哨戒任務中の日戦軍団高速飛行船より入電!『敵軍の高速飛行物体、計十がライトウォーターに接近!」
カイオグル元帥「高速飛行物体!?」
トゥーエバー曹長(陸軍所属。車種:TH301)「おそらく巡航ミサイルでしょう。そうでなければ航空隊が探知しています」
カイオグル元帥「それで、目標はライトウォーターか」
タチフブ元上等兵「ベータに続いて、司令部を破壊するつもりでしょうな」
よりによって、今度はライトウォーターだ
諜報部の報告によれば、通常弾頭五発、クラスター弾頭五発の巡航ミサイルが発射されたらしい

日戦軍団所属の高速飛行船の搭乗員は、すぐ横を飛んでいった巡航ミサイルを見て愕然とした
何しろ、見た目にも分かるほど、巨大なミサイルだったのだ
機長の河野大尉が叫ぶ
河野大尉(車種:九八式中戦車)「敵高速飛行物体十発がライトウォーターに接近!」
日戦軍団兵士A「機長、一体何故あんなものが・・・」
河野大尉「外惑星連合の新型AD兵器だろう。あんなものが全部ライトウォーターに命中したら、えらいことになるぞ!」
日戦軍団兵士B「先ほどの通信、全司令部が傍受してくれればいいんですが・・・」
河野大尉「あとはライトウォーター基地の対空兵装に期待するしかないな・・・」
そう言うと、操縦士に反転を命じた
そろそろ、哨戒の交代時刻だ
もっとも、しっかり、後続の機体が残っているかが、疑問なのだが

一方で、電探を監視していた川島兵長は、複数の飛行物体を確認した
表示は「SLCM」となっている。巡航ミサイルだ
川島兵長「敵巡航ミサイル、数十発!まっすぐ司令部に接近中!」
コピック中佐「全対空兵装、撃ち方始め!」
次々と上がっていく弾幕。最近の輸送でようやく配備されたものだ
しかし相手は巡航ミサイル、ほとんどは当たらない。命中弾があっても、効果は薄い
直後、一発の巡航ミサイルが、空中で爆発した
Qシュタイン兵士D「一発を撃墜!」
傍らのレーダー員が叫ぶ
続いて、もう一発の反応が消える
川島兵長「一発、更に撃墜!残り八発が向かってきます!」
マグス中佐「SAM、撃ち方初め!」
続いてはSAMだ。こちらは誘導性が高いため、巡航ミサイルには良く当たる。それでも、相手は巡航ミサイルである。大きいため、撃墜が困難なのだ
Qシュタイン兵士D「二発撃墜!」
川島兵長「更に二発撃墜!残り二発が向かってきます!」
撃墜数は八発。残る二発は通常弾頭。損害は最小限に抑えられるが・・・
ティーガー元帥「第二射初め!」
Qシュタイン兵士D「間に合いません!」
もう、迎撃の術は無い。コピック中佐は叫んだ
コピック中佐「総員退避!」
しかし、その声を聞いても、ティーガー元帥は直立不動だ
マグス中佐「ティーガー元帥!」
コピック中佐「・・・総員退避!」
その時、司令室のドアから、川島達数両ほどの通信兵が出て行った

書斎にいた松井元帥は、ミサイル接近の情報を聞きつけた
松井元帥「巡航ミサイルだと!?」
巡航ミサイルとなれば、司令部は持たないだろう
松井元帥「全員を安全に退避させなければ・・・」
読みかけの小説を机に置き、松井元帥は書斎を出た
途中、川島兵長とすれ違った
川島兵長「司令!」
松井元帥「川島!先に避難しろ!」
川島兵長「司令は、どうするんですか!?」
松井元帥「司令部の状況を確認する!」
川島兵長「そんな無茶な!」
松井元帥「無茶は承知の上。俺は既に覚悟はある!」
川島兵長「司令!」
松井元帥「必ず戻ってくる!諸君はなんとしてでも生き延びろ!」
松井元帥は、司令室へと駆け出した

コピック中佐たち二両は、大型通信機の陰に伏せた
まだ、ティーガー元帥は動かなかった
コピック中佐「ティーガー元帥!退避だ!」
まだ、彼は動かなかった

司令室への通路を進む松井元帥
もうすぐ、司令室だ
警報音が鳴り響いている
松井元帥「迎撃しそこなったか!?」
ようやく、司令室のドアへたどり着く
しかし、物凄い爆音が、内部で響いた
かと思えば、物凄い爆風が、松井元帥を襲った
司令室の窓硝子を突き破り、二発の巡航ミサイルが、爆発したのであった

気がつけば、そこは廊下だった
松井元帥「畜生・・・」
司令室のドアは無くなっていた
司令室は、煙が立ち込めていた
松井元帥「・・・本部、応答せよ!」
応答は、無い
入ってみれば、瓦礫の山であった
ベータも、このような状況だったのだろうか
コピック中佐たちを探していると、何かにぶつかった
通信兵の、遺体であった
松井元帥「・・・・くそっ、またやられてしまったか・・・」
周りを見れば、兵士の遺体まみれであった
松井元帥「・・・おそらく、ベータもこのような状況だったのだろう・・・」
すると、大型通信機の影から二両の戦車が姿を見せた
コピック中佐と、マグス中佐であった
松井元帥「コピック中佐!」
コピック中佐「間一髪、大型通信機に隠れて助かりましたよ」
マグス中佐は、ほとんど動かない
やはり重傷を負ったようだ
コピック中佐も傷を負っているが、無事なようだ
コピック中佐「まだ生きています。こいつを連れて、通信機に隠れてよかったもので」
ふと、後ろから声が聞こえた
ティーガー元帥であった
ティーガー元帥「・・・司令・・・」
松井元帥「おい、大丈夫か!」
ティーガー元帥「はい・・・一応・・・大丈夫ですが・・・」
砲身は折れ、車体の損傷も尋常ではない
重傷である
すると、司令室に複数のタンクがやってきた
川島兵長「司令!」
川島兵長が、救護班を連れてきたのだ
成田衛生兵「・・・重傷車が多いようですな。すぐ搬送しましょう」
そして、負傷車は軍事病院へと搬送された
松井元帥は、「ご苦労だった」と言おうとしたが、全身に激痛が走った
側面装甲にドアの破片が刺さっていたのだ
右側面装甲には亀裂も入っている
成田衛生兵「司令も、怪我をしたようですな。いっしょに行きましょう」
成田と川島に連れられ、軍事病院の一室にやってきた
先の船団でベータへ行った、ここの軍医の代わりに、富岡軍医大尉が手術を行った
富岡軍医大尉「しかし、わざわざ危険が迫っている司令室へ向かうとは、さすがですな」
松井元帥「今日は、ちょっと無茶をしたな」
近くにある滑走路に、一機の高速飛行船が着陸した
河野の機体だ
富岡軍医大尉「まあ、あとは安静にしてください。ベータの状況に関しては、通信機を持ち込んでおきましたので」
そういえば、通信機用のスペースが残されていたのであった
松井元帥の車体には、包帯が巻かれていた
司令部の修復まで、書斎で待機することにした
再び、机に置いた小説を読み始めた
松井元帥「・・・状況は、刻一刻と変化している・・・」
ふと、書斎のドアを叩く音が聞こえた
松井元帥「入れ」
入ってきたのは、高速飛行船の河野大尉であった
河野大尉「河野以下八名、無事帰還しました!」
松井元帥「うむ、ご苦労」
河野大尉「司令、先の攻撃で負傷したとのことですが」
松井元帥「ああ、たいした事はない。悪いが、君も次の哨戒まで基地修復に協力してくれ」
河野大尉「はっ、了解しました!」
河野は報告を終えて、書斎を出て行った
松井元帥「・・・これで、状況がすぐに優勢になるとは、思えないな・・・」
松井元帥は、通信機と電探で状況を確認しつつ、戦略を練ることにしたのであった
ベータでの戦闘は、更に過激化するようであった
第六十一話 終わり
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich108056.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話
 ダークスピリッツ  - 2006/11/11 17:39 -
  
第六十一話お疲れ様ですここの所長編が続いてますね

何故スパイを大日本帝国にしたかというと日戦軍団と同族な為分かりにくいかなと思ったからです。
後三式連絡機で追撃してますね。戦闘機でも良かったような気がしますが搭乗員に事情があるようですね。
そして今回リゾニア軍を初登場させました。そろそろ出してもいいころでしたので^^;
更に今回はプロトン級を活躍させました。プロトン級は優秀な能力がありながらも全然活躍してなかったので・・・。
後シスター・レイの事ですがあれはトノス・メサイア両基地に配備されている予定です。
次の第六十二話ですが今まで出てなかった日戦軍団の艦隊を登場させます。

あと日戦軍団の艦隊と新型艦艇(空母・戦艦)が良く分からないのでもう一度書いてくれませんか?
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NE...@softbank219202220145.bbtec.net>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十一話
 松井一真  - 2006/11/11 18:00 -
  
> 第六十一話お疲れ様ですここの所長編が続いてますね
はい。せっかく11月に入ったので長編で行ってみました
> 何故スパイを大日本帝国にしたかというと日戦軍団と同族な為分かりにくいかなと思ったからです。
> 後三式連絡機で追撃してますね。戦闘機でも良かったような気がしますが搭乗員に事情があるようですね。
> そして今回リゾニア軍を初登場させました。そろそろ出してもいいころでしたので^^;
> 更に今回はプロトン級を活躍させました。プロトン級は優秀な能力がありながらも全然活躍してなかったので・・・。
> 後シスター・レイの事ですがあれはトノス・メサイア両基地に配備されている予定です。
> 次の第六十二話ですが今まで出てなかった日戦軍団の艦隊を登場させます。
と言う事で、怪しい奴と言う事で今回新しく茅野二等兵曹(大日本帝国軍諜報部隊所属)を登場させました。名前の元ネタは某小説に登場する工作員の仮名だったりします。笠井兵長および河野大尉が登場しましたが、河野が搭乗した高速飛行船のデータがまだ出てなかったので投稿しておきます
> あと日戦軍団の艦隊と新型艦艇(空母・戦艦)が良く分からないのでもう一度書いてくれませんか?
了解、後で「日戦軍団の艦艇 戦艦・空母編」を投稿しておきます
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich075229.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 松井一真  - 2006/11/19 0:29 -
  
第六十二話完成。QQQQとQトルックを登場させてみました
第六十二話 超戦艦の最期
宇宙大戦初頭、あっさりと占領された基地、メサイア
他の宇宙基地と比べ、規模が大きかったため、大きな司令部が設けられている
この司令部において、日に日に力を増していくキュワール連合軍宇宙艦艇への対策会議が行われていた
バルバロッサ元帥(ウルタンク帝国総司令官。車種:バルバロッサ(CCQ登場架空戦車))「・・・特に我が仇敵、松井元帥率いる日本戦車軍団の艦艇はとてつもなく厄介だ。ファルメル元帥、何かいい案が無いかね?」
ファルメル元帥(ウルタンク帝国宇宙艦隊総司令官。車種:ティーガーIIヘンシェル砲塔)「・・・それが、自分にもわからないんです。ほとんどの性能において、我々に勝っております」
バルバロッサ元帥「カルオスの熱田とやらがいなければ、我々の敗北は必至だったであろう。あのような名将を連れてきた、カルオス軍総司令部に感謝せねばな」
山崎元帥(QQQQ橋本派空軍総司令官)「そうですな。しかし彼の出身はどこなんでしょうかねぇ?」
庄田元帥(QQQQ橋本派陸軍総司令官。車種:M4A3シャーマン(T34ロケット砲搭載型))「ん?山崎も知らんのか。俺もだ。一体どこの奴なんだろうかな。口調からすりゃ、グリシネ系っぽいが、よりによって我らの英雄がグリシネ系じゃぁな・・・」
ライン元帥(QQQQ橋本派軍部総司令官。車種:JSU−152)「まさか、軍団じゃないだろうな?」
今回の会議には、彼ら橋本派幹部も参加している
まだまともな宇宙艦隊がそろっていないそうだが、航空機の性能に関しては凄まじい
バルバロッサ元帥「・・・まあいい、日戦軍団の新型艦に関してのデータも取れてるんだろうな?」
ファルメル元帥「はっ、確認できている中でも、もっとも強いのがこの『摂津』型戦艦です」

摂津型超弩級戦艦
全長:450m
武装:40cm四連装レーザー砲四基(上部二、下部二)
   40cm連装レーザー砲二基(上部二、下部二)
   長砲身10cm連装高角レーザー砲八十四基
   25mm三連装レーザー機銃六十基
   ミサイルVLS十六連装発射機四基六十四門
   対地ミサイル「震風」発射管一基
   艦載機十機(機首問わず)
補助兵装:不明(電磁防壁は確認済み)
解説:日本戦車軍団の誇る超弩級戦艦。長門型を拡大した船体に巨大な四連装レーザー砲を搭載する。その威力は旧式空母を一撃で撃沈するほどである。当然ながらAD兵器「震風」の発射機が搭載されている

バルバロッサ元帥「・・・これほどの戦艦がいるというのかね?」
ファルメル元帥「はい、最前線での目撃報告はありませんが・・・」
砲配置は、かつての「キング・ジョージV」を思わせる物であったが、その砲力は凄まじい。日戦軍団最新型の40cmレーザー砲はエネルギー再充填速度および、命中精度が高く、一斉射撃されれば勝ち目は無いのだ

しかし、最大の難点があった
高性能ゆえに、生産数が少ないことだ
カルオス軍士官「敵は少数精鋭を主点としています。大量生産した優秀な艦艇でかかれば、こちらが有利かと思われます」
バルバロッサ元帥「・・・思いつかなかったな。以前から少数精鋭に関しては言及されていたが・・・」
ファルメル元帥「ということは、決定ですな」
Uグリーン元帥(Qグリーン軍総司令官。車種;JS−2)「うむ。今度こそあの忌まわしい『紀伊』を沈めてくれる!」
ライン元帥「・・・しかし、本当に『紀伊』が来るんですか?」
Uグリーン元帥「分からんが、この『摂津』は『紀伊』に準ずる性能だからな。こいつを沈められれば『紀伊』の撃沈が容易であることが分かるはずだ」
庄田元帥「司令!『摂津』はあくまで的なんですか?!」
Uグリーン元帥「我々の目標はあくまで『紀伊』の撃沈だ!」
バルバロッサ元帥「待て、本当に『紀伊』が来るかどうか分からんのだぞ。いずれにせよ、敵艦艇を撃破するのが先決だ。戦艦を沈めても、残りに壊滅されては・・・」
モイゼ元帥(Qトルック帝国総司令官。車種:マウス)「日戦軍団は我が仇敵です!なんとしてでも撃破しなければ!」
バルバロッサ元帥「いずれにせよ、戦力の殲滅が最優先だな」
モイゼ元帥「・・・我々にも艦隊があれば・・・」
激論は続くが、既に結論は出ていた
「大多数の艦艇で撃破する」。これであった

カルオス帝国、航空母艦「ドロス」。ドロス級空母の一番艦で、今回のキュワール連合主力艦隊殲滅作戦の総旗艦である
通信兵「艦長、『ビストロイ』より入電です」
第四偵察艦隊の偵察駆逐艦「ビストロイ」からだ。今まで幾多もの基地に接近し、敵情を探ってきた武勲艦である
数日前に改装が施され、索敵範囲がさらに広がったらしい
通信兵「敵艦隊出現、作戦開始準備を開始されたし、以上です」
艦長「了解」
艦長の返答は短かった
そして、艦隊司令がすかさず命令する
艦隊司令「ランティス中将に通信を繋げ」
通信兵「了解!」
ランティス中将、彼はグンナ帝国第二艦隊司令である
出身地は不明だが、プロトン合衆国という噂もある
ランティス中将(車種:シルビアS14)(通信)「こちらグンナ帝国第二艦隊司令!」
艦隊司令「先ほど第四偵察艦隊から敵艦隊出現との情報が入った。貴艦隊は友軍艦隊と共に直ちに作戦に移れ!」
ランティス中将(通信)「了解!」
既に、カルオス軍第一特務艦隊が動き出していた
熱田のことだ、独断で行動を開始したのだろう
続いて、第一機動艦隊のマルコス少将だ
マルコス少将(車種:JS−2)(通信)「はっ!こちら第一機動艦隊!」
艦隊司令「敵艦隊が出現した。第二艦隊に続いて、作戦行動に移れ」
マルコス少将(通信)「了解!」
熱田中将(通信)「司令、敵艦隊がいつ行動を開始するか分からないので、我が艦隊は、敵艦隊の状況を探っておきます」
艦隊司令「君ならそうすると思った。分かった、頼むぞ」
そう言うと、艦隊司令は通信を切った

ライトウォーター司令部、ある書斎で、一両の90式戦車が、小説を読んでいた
松井元帥だ
松井元帥「・・・『アパッチ、すなわち、超大国の反抗勢力の名を持つ、AH−64こそが、打倒枢軸の形そのものであると。しかし、あえて言おう。国としてのありようを失い、語るべき未来の形も見えないこの国を守る者に、何の意味があるのか・・・』」
読んでいるのは「亡国のアパッチ」だ。ある作家がプロトン合衆国を舞台に書いた、超大作だ
度重なる戦勝で、国にはいかなる敵も進入しない。戦争が終わって何十年も経ち、平和が訪れた。他の国では、紛争がいくつも続いていて、そこに軍隊がいくつか派遣されていく
そして、国の中の者達は、未来をつかめずにいた
松井元帥「・・・難しい物だな。国というものも」
その小説は、ある陸軍将校が、AH−64数機で編成された航空隊で叛乱を起こし、制圧したザンブニール航空基地のミサイル発射機一基にBC兵器弾頭のミサイルを搭載、バチェリットに発射すると警告した、という内容である
松井元帥「・・・過激な国であるから、こんな本が出来たのだろうな・・・」
この書斎からは、軍港が一望できる
わざわざ、この場所を選んだのだ
ドアを開け、入ってくる士官がいた
彩帆中将と、鳴神中将だ
彩帆中将「司令、第七艦隊、出航準備完了しました!」
松井元帥「すまんな、『新高』の改装が完了しとらんのに、ライトウォーターへの出港命令を出してしまって」
そう、「新高」以下、本来の第七艦隊所属の数隻の新型艦は、改装のためパレンバンのドックにいるのだ
代わりに、何隻かの艦艇を派遣したわけだ
最近はようやく、日戦軍団も生産ラインを作ることが出来たのだ。駆逐艦の建造も早々としている
何かと、損害が多いのだ
鳴神中将「第四艦隊、出航準備完了しました」
松井元帥「・・・熱田も、戦闘に参加するだろうな」
彩帆中将「司令、まだ彼のことを?」
鳴神中将「・・・確かに、俺達の同期だからな。気になるところですが・・・」
松井元帥「・・・今の熱田は・・・熱田ではない・・・あの時、自分でこういったのにな・・・」
彩帆中将「司令、大丈夫です。自分は、いざとなれば『ニマスト』と刺し違えるつもりでいます」
松井元帥「できれば、生きて帰ってきてくれ。まあ、『ニマスト』と『摂津』が刺し違えて沈もうとも、君なら戻って来れるだろうがな」
彩帆中将「そうでしょうね」
鳴神中将「敵は物量で攻めて来るでしょう。しかし、そこを突破するのが、我々ですからね」
松井元帥「うむ。そろそろ出航時刻だから、話を終わろう。健闘を祈る!」
二両は敬礼を済ませ、書斎を出て行った
軍港には、一両のパンターIIがたたずんでいる
巡洋戦艦「マッケンゼンII」のアウグス少佐である
松井元帥「・・・シャルンホルスト級だったな・・・第三艦隊のメーヴェ准将も、久々の前線だったな・・・」
軍港
メーヴェ准将「おお、アウグス少佐か。どうした?」
アウグス少佐(車種:パンターII)「いえ、なんでもないんですが・・・」
メーヴェ准将「そうか、ならいいんだが」
アウグス少佐「・・・司令、『紀伊』が参戦しないということですが・・・」
メーヴェ准将「仕方ないだろう、松井元帥が負傷し、ティーガー元帥に至っては重傷だからな」
艦隊司令の松井元帥は負傷、書斎にて静養中、ティーガー元帥は重傷を負って軍事病院にいるのだ
スハーフェン中佐「第四艦隊と第七艦隊が支援にきてくれると聞きましたからな」
メーヴェ准将「第四艦隊の鳴神中将も、第七艦隊の彩帆中将も、歴戦の名将だからな。我々と同じだ」
アウグス少佐「しかし、第七艦隊旗艦『摂津』の性能は、未知数のはずでは・・・」
ゲオルグ大佐(第一巡洋艦隊司令。車種:パンターA型)「松井元帥がわざわざ指名して持ってきた戦艦だ。きっと高性能だろう」
メーヴェ准将「そろそろ、出航予定時刻だな。船に戻るぞ」
若き艦長、アウグス少佐は、どこか不安であった
多大な物量が相手で、「紀伊」無しで戦うのだ
まして、敵はあの松井元帥を苦戦させた、熱田中将であるのだ
図上演習でも模擬戦でも、ほとんどの確率で勝っていた熱田中将なのだ
メーヴェ准将「・・・たとえ熱田が相手であっても、俺達はできる限りのことをする」
ラングストン中佐(プロトン合衆国第八駆逐艦隊司令。車種:M26パーシング)「相手が『量』でかかってくるなら、こっちは乗組員の『質』でやるしかない、そうですよね?」
メーヴェ准将「そのとおりだ。よく分かったな」
ラングストン中佐「メーヴェ准将、今じゃそれが普通ですよ」
メーヴェ准将「そういうものか。さて、そろそろ行くか」
また、基地要員があわただしく動いている
その中の一両、短十二糎自走砲が、こちらに敬礼をした
確か、数日前に茅野とかいうスパイを追っかけた、笠井兵長だったか
敬礼で返し、旗艦である戦艦「ティルピッツII」に乗り込む
多数の兵士たちが敬礼をする
それに返しながら、艦橋へと進む
そして、メーヴェ准将と、艦隊参謀であるスハーフェン中佐は艦橋へ立った
メーヴェ准将「これより本艦隊は、敵艦隊を撃破し、ベータ近辺の制宙権を確保する!」
コピック中佐(通信)「全艦隊、出航を許可!」
ベルゲン中佐「了解、微速前進!」
メーヴェ准将「全艦、我に続け!」
そして、Qシュタイン連邦第三艦隊は、久々の戦場へと赴いた
そこは、かつて、松井元帥が戦友を、亡くしたはずの場所であった・・・
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich074151.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 松井一真  - 2006/11/19 0:31 -
  
またも日戦軍団の新手登場。笠井再び
第六十二話 超戦艦の最期
眼下で、出航していく艦艇を眺める松井元帥は、ふと、一言呟いた
松井元帥「・・・熱田の二の舞には、なるなよ・・・」
ドアを開けて、一両の装甲車が入ってくる
富岡軍医大尉だ
富岡軍医大尉「松井元帥、また港を見ているんですか・・・」
松井元帥「・・・やはり、部下が心配でな・・・」
富岡軍医大尉「・・・熱田さんの話は、確かに残念でしたね・・・」
松井元帥「・・・・・・・そうだな。浦塩の奴から、あの報告を聞いた時には愕然としたからな・・・」
浦塩少佐、今はルナツー沖で哨戒活動を行っている、「伊−168」の艦長だ
松井元帥「・・・さて、今度はどうなることやら・・・」
富岡軍医大尉「・・・松井元帥、本当は、戦闘に参加したかったんですよね?」
松井元帥「・・・当たり前だ。まだ『紀伊』の戦闘能力を全て発揮したわけではない・・・」

それから数時間後、駆けつけてきた笠井から連絡が入った
笠井兵長「司令!戦艦『美濃』の本郷大佐から入電です!」
西島大佐(戦艦「美濃」艦長。車種:九七式指揮戦車)(通信)「こちら第七艦隊、戦艦『美濃』、敵艦隊多数を確認!」
データ照合の結果、以下の艦隊であった

グンナ帝国:第2主力艦隊(司令:ランティス中将 車種:シルビアS14)
旗艦:グンナIII級最新鋭巨大戦艦
ザクス級正規空母:2隻
グンナR級主力戦艦:7隻
デーベルンR級巡洋戦艦:8隻
カフカズ級最新鋭重巡洋艦:6隻
アドミラル・ヒッパーR級重巡洋艦:12隻
アプサラス級軽巡洋艦:8隻
ラファーダ級駆逐艦:16隻
計:60隻 航空機:398機

Qグリーン連邦:第1機動艦隊(司令:マルコス少将 車種:JS−2重戦車)
旗艦:ジブラルタル級大型空母「アッシリア」
ジブラルタル級大型空母:3隻
サラトガ級正規空母:6隻
アキーラ級中型空母:6隻
グリーンII級新鋭主力戦艦:8隻
グリーン級主力戦艦:14隻
キャンベラII級重巡洋艦:8隻
ザラ級重巡洋艦:8隻
ルイジ級新鋭軽巡洋艦:4隻
ザムス・ナーダ級駆逐艦:16隻
レオーネ級最新鋭駆逐艦:6隻
計:80隻 航空機:1804機

Qグリーン連邦:第2巡洋艦隊
旗艦:ザムス・ギリ級主力戦艦
ザムス・ギリ級主力戦艦:1隻
キャンベラII級重巡洋艦:8隻
ザラ級重巡洋艦:8隻
ルイジ級新鋭軽巡洋艦:6隻
カルロ・ミラベロ級駆逐艦:16隻
計:40隻 航空機:104機

カルオス帝国:第1特務艦隊(司令:熱田中将 車種:五式中戦車)
旗艦:グワダン級大型戦艦「ニマスト」
グワダン級大型戦艦「グワゾン」
グワジン級大型戦艦:4隻
ロンバルディア級最新鋭高速戦艦:4隻
ドゴス・ギア級主力戦艦:8隻
ミンスク級駆逐艦:18隻
計:36隻 航空機:860機

松井元帥「・・・四個艦隊か・・・我々の戦力は四個艦隊に加え駆逐艦隊二が含まれている。しかし・・・」
笠井兵長「しかし?」
松井元帥「艦船の『質』では、敵が勝っている・・・」
彩帆中将(通信)「敵は三個艦隊のようです。現在航空隊が発進しました」
松井元帥「まずは航空戦だな・・・」

上空では、物凄い激戦が繰り広げられていた
竹村大尉(第125航空隊隊員。車種:試製中戦車チニ)「よし、そのまま二機一組で攻撃を行う!」
前方に飛来する航空機は、とてつもなく多い
どこからこんなに引っ張り出してきたんだ
機種はG50の改良型と、MC200である
対して、こちらの第125航空隊主戦力は、零戦の五二型、五四型であった
竹村が搭乗しているのは新型艦上戦闘機、烈風であった
前方、飛来する敵G50を狙う
敵は果敢に格闘戦を挑んできた。しかし、烈風が相手では分が悪い
急旋回で、背後を取る
射撃開始、まずは一機を撃墜した
直後、上から、一気に急降下するG50を確認した
サッチウェーブなど、既に見切っている
急旋回で、まずは射線をかわす
続いて、急降下した敵機を負い、射撃開始
竹村大尉「よし、G50を二機撃墜!」
僚機からも、敵機撃墜の報告が入る
しかし、航空機の「量」の差は歴然であった
損害報告も次々と入る
苦戦は続いているようだ
MC200が五機、一斉に飛来する
その全ての銃撃をかわし、攻撃を開始した
一機、また一機と、次々と墜落するMC200
そして、五機全てを撃墜し、爆撃機の援護に向かった

第四艦隊旗艦、戦艦「常陸」では、ある男を待ちつづけている男がいた
鳴神であった
鳴神中将「まだなのか、熱田!」
眼前に見えるのはQグリーンの艦艇ばかりで、カルオスの軍艦の姿は無い
鳴神中将「貴様なら、貴様ならちゃんと正面からかかって来やがるだろうが!」
彼は、既にカルオス帝国特務艦隊が、この戦闘に参加することを知っていたのだ
艦橋の者達は唖然としてその状況を見ていた
プロトンの艦艇が、次々とQグリーン艦を撃沈していく
「常陸」も、後方からの援護で敵を撃沈する
何しろ、Qグリーン第二巡洋艦隊は、ザムス・ギリ級戦艦二を除けば、ほとんど巡洋艦と駆逐艦で編成されているのだ
長門型戦艦の敵ではない
上空では激しい戦いが続いている
その情景を見て、鳴神は叫んだ
鳴神中将「貴様ら、最低限打撃ぐらいは与えておけ!」

一方、第七艦隊旗艦、戦艦「摂津」では、凄まじい戦闘が行われていた
しかし、彩帆も、やはりカルオスの艦隊を待っていた
彩帆中将「・・・あいつめ、また姑息な手を使ってくるに違いない・・・」
熱田は、正面からの水雷戦と、航空機による攻撃を主体としていた
今の奴の艦隊には、航空機はほとんど無い。だとすれば、水雷戦か・・・
彩帆中将「・・・いや、今の奴には波動砲がある・・・」
上空では、凄まじい戦いが続いていた
損害報告と戦果報告が相次ぐ
彩帆中将「・・・これほどの戦闘となれば、熱田との一騎打ちは無理だろうな・・・」
艦橋から、その凄まじい光景を眺めながら、呟いた

前方に見えるのは空母艦隊らしい。あの中の一隻でも撃沈できれば、敵の航空能力は大幅に減るはずだ
メサイア戦以来、ほとんど戦闘を行うことが無かった名将、メーヴェ准将は、前方の艦隊の怪しさに気づいた
メーヴェ准将「・・・ライトウォーター基地からの報告では、敵は四個艦隊ではなかったか?」
スハーフェン中佐「あれ?そういえば・・・」
確かに、こちらは艦隊を二分させること無く、そのまま戦っている
正面の敵は三個艦隊。残る1つは・・・
メーヴェ准将「・・・おそらく、来るのは後だろうな。よし、空母各艦に通達、第二次攻撃隊を前方の敵機動艦隊に向けろ!」
かくして、各空母から航空機が再び発進した
しかし、何か後味が悪い
メーヴェ准将(・・・判断ミスだったか?)

やはり、それは判断ミスだったのだろうか
おびただしい数の航空機は、三個艦隊を狙い次々と攻撃を仕掛けていた
しかし、それを見るもう一つの艦隊があった
カルオス帝国特務艦隊だ
戦艦「ニマスト」の艦橋で指揮を執るのは、言うまでも無く、あの熱田中将だ
熱田中将「よし、各艦、波動砲砲撃はじめ!」
その指示と共に、十八隻の戦艦から、波動砲が放たれた

電探には、既にその姿が捉えられていた
彩帆中将「各艦、独自に回避運動を取れ!」
しかし、既に遅かった
数隻の船が、炎を上げて沈んでいく
だが、損害は軽微だ
彩帆中将「・・・まずい!このままでは・・・」
魚雷戦主体の熱田にしては珍しい、波動砲である
しかし、これは航空機の代わりであろう
彩帆中将「・・・小癪な・・・」
彩帆は、既に分かっていたのだ
波動砲の針路は、そのままQシュタイン連邦の艦隊を貫通する方向にあったのだ
グラーフ・ツェッペリン級空母一を含む、多数の艦艇が沈没した、との報告が入った
第七艦隊は壊滅しかかっていた
彩帆中将「熱田の野郎め・・・」
現在、二個艦隊の集中砲火を受け、第七艦隊は苦戦気味である
新高型重巡一が、九頭龍型軽巡一を引き連れて、戦艦「ニマスト」に肉薄している
新高型の砲撃が「ニマスト」に命中する
小破程度の損害は与えたようだ
しかし、「ニマスト」の反撃を受け、二隻は轟沈した
彩帆中将「・・・電磁防壁の効果が無いとは・・・」
その時、友軍の戦艦「ホルスタイン」より通信が入った
ゲオルグ大佐(通信)「我、第一巡洋艦隊。これより貴艦隊を援護する」
彩帆中将「・・・救援感謝する」
これで、ようやく互角となった
第六十二話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich074151.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 松井一真  - 2006/11/19 0:33 -
  
松井元帥の後方指揮。そして「グワゾン」登場
第六十二話 超戦艦の最期
その報告を受け、鳴神は激怒した
鳴神中将「熱田!貴様らしくないじゃないか!」
接近して水雷戦、もしくは航空戦艦を用いた砲撃戦を行うのが、彼のやり方、鳴神はそう信じていた
しかし、一度は自分自身を葬った、波動砲集中砲火戦法を使っているではないか
松井元帥(通信)「・・・やはりな。あいつはもはや熱田では無いのだろう・・・」
鳴神中将「司令!」
松井元帥(通信)「・・・もう、奴に対する希望は無い。しかし、この戦闘の勝機はある!」
鳴神中将「はっ!」
松井元帥(通信)「先の攻撃で損傷を受けた、Qシュタイン連邦第三艦隊の支援に向かえ!」
鳴神中将「了解!」
松井元帥、久々の指揮である

上空では、苦戦が続いていた
敵機、La−7および、Mig−3は、精鋭飛行隊なら楽に撃ち落せる機体だ
しかし、編成直後から、まともに実戦が無かった各飛行隊では、苦戦は必至である
ベテランの竹村ですら、そう感じていたのだ
竹村大尉「・・・一体、どうすればいいんだ・・・」
飛行隊長、田川少佐は、全機に指示を出す
田川少佐(車種:九八式軽戦車)「各機、共に戦闘機に注意せよ!」
それが、最大限の指示であった

一方、メーヴェ准将は、敵空母に照準を向けるよう指示を出した
ベルゲン中佐「よし、波動砲発射用意!」
艦長のベルゲン中佐が叫ぶ
メーヴェ准将「これで、奴を沈める」
敵は大型空母、サラトガ級である
Qシュタイン兵士「発射用意良し!」
ベルゲン中佐「発射秒読み初め!10秒前・・・9、8、7、6・・・」
メーヴェ准将「5、4、3、2、1、0!」
ベルゲン中佐「撃てっ!」
閃光と共に、波動砲が放たれた
それから数秒後、前方の空母が爆発する
Qシュタイン兵士「命中!撃沈です!」
電探から、空母が消滅する
ベルゲン中佐「戦友たちの分だ!」
メーヴェ准将「・・・砲術長、お見事」
砲術長「はっ!」
メーヴェ准将、名とは裏腹に、冷静な士官である
スハーフェン中佐「あとは、カルオス艦隊ですな」
メーヴェ准将「そうだな。しかし、この状況では、まずいな・・・」

「摂津」の艦橋では凄まじい報告が行われていた
砲戦はわがほうが優位であるとのことだ
その時、一隻の戦艦が近づいてくる
グワダン級戦艦「ニマスト」である
彩帆中将「・・・どうやら、奴のお出ましのようだな・・・」
直後、敵艦が発砲を始めた
いや、それだけではない
魚雷まで発射を始めたのだ
日戦軍団兵士「敵艦、魚雷発射!」
彩帆中将「魚雷だと!?」
戦艦に魚雷とは、一体どういうことなのだろうか
確かに、我が軍も「筑波」型航空戦艦に魚雷艇を搭載しているが・・・
敵艦を中破に追い込むが、こちら側には物凄い爆発が起こった
電磁防壁の効果は、ほとんど無かった

「美濃」の艦橋要員たちは、その砲戦能力に唖然としていた
西島大佐「・・・なんてこった・・・」
空母を一撃で葬り去ると言われた、「摂津」型戦艦の砲撃ですら、まともに被害を与えられない
それは、ドレッドノートの竣工で、竣工すらしていないのに旧式の烙印を押された欧州の戦艦のようであった
西島大佐「・・・なんで、なんで『摂津』で倒せないんだ・・・」
「ニマスト」はグワダン級の三番艦。二番艦の艦名は「グワゾン」である
カルオスの特務艦隊に所属している、という情報があったのは、「グワゾン」と「ニマスト」の2隻である
前方から接近しつつあるのは「グワゾン」であろう
砲戦は、こちらが不利だ
西島大佐「・・・四連装砲だってあるんだぞ。なんで・・・」
すると、「マッケンゼンII」が接近してきた
アウグス少佐(通信)「我、Qシュタイン連邦所属、巡洋戦艦『マッケンゼンII』、これより貴艦を援護します!」
西島大佐「・・・救援感謝する。しかし・・・」
電探には、十隻の艦艇の反応が確認されていた
「ロンバルディア」以下四隻の高速戦艦と、ミンスク級駆逐艦六隻が接近していたのだ
西島大佐「不利な状況だ。十一隻に対し二隻では・・・」
アウグス少佐(通信)「日戦軍団の士官は、その最期まで諦めない。そうじゃないんですか?」
松井元帥が、幾度か司令室で漏らした言葉である
それから数分間、砲戦が続いた
ゲオルグ大佐(通信)「『ホルスタイン』以下七隻、これより支援にかかる!」
一隻の戦艦と、六隻の重巡が加わった
しかし、九隻対十一隻では、苦戦は必至である
西島大佐「ゲオルグ大佐!この状況では・・・」
ゲオルグ大佐(通信)「俺達も最期まで諦めない!我々が勝ってみせるのだ!」

一方、「摂津」の艦橋では、ようやく彩帆が立ち上がった
機関はほとんど動かなくなっていた
機関長(通信)「機関室がやられました!もうだめです!」
彩帆中将「・・・まずいな・・・」
見れば、「美濃」が、グワダン級戦艦「グワゾン」と砲戦を繰り広げていた
ほかには「マッケンゼンII」「ホルスタイン」などの姿がある
しかし、それは凄まじい爆炎で姿が見えなくなった
第二弾薬庫に被弾したのだ
再び、彼ら艦橋員は爆風に吹き飛ばされることとなった
彩帆中将「消火急げ!」
日戦軍団兵士「消火初め!」
そのとき、電探に反応があった
旗艦を示す旗のマークの船には、「BB HITACHI」と書かれていた
鳴神中将(通信)「彩帆!助けにきたぞ!」
第四艦隊が助けに来たのだ
なおも砲撃を続ける「グワゾン」に対し、第四艦隊が砲撃を始めた
第六十二話 続く
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich074151.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 松井一真  - 2006/11/19 0:34 -
  
「マッケンゼンII」の最期。最後の最後に新手が出てきました
第六十二話 超戦艦の最期
砲戦は優位に立っていた
鳴神中将の第四艦隊の能力は凄まじい。長門型戦艦の猛威である
何しろ第四艦隊の中核を担う「常陸」と「相模」は、他の長門型をも超越する凄まじい装甲を持っているのだ
なんと「紀伊」型と同等である
西島大佐「このまま、『グワゾン』を撃沈する!」
すると、前方の戦艦が、不意にこちらに主砲を向けた
電探には「BB LOMBARDY」と書かれていた
「ロンバルディア」。つまり、敵の高速戦艦だ
西島大佐「・・・・・ここまでか・・・」

そのとき、艦長が出した決断は、凄まじいものであった
アウグス少佐「全速前進!囮となって、『美濃』を守る!」
機関長(通信)「えっ!?」
アウグス少佐「聞こえないのか?!全速前進だ!」
副長「艦長!このままでは・・・」
アウグス少佐「副長!俺達の『マッケンゼンII』はオンボロの巡洋戦艦だ。しかし、『美濃』は最新鋭、錬度も高い。ここで死なれるわけにはいかない!」
副長「しかし!」
アウグス少佐「諦めてたまるか!俺は、最期まで諦めない!」
航海長「・・・艦長、了解しました!」
副長「・・・航海長!」
アウグス少佐「・・・副長、そこまで言うなら、退艦希望車を募り、艦載艇で脱出してくれ」
副長「・・・艦長、それは余計です。私は、艦長についていくつもりです。他のものも、この船の沈没が確定するまで、残るつもりです」
アウグス少佐「・・・そうか・・・ならよい。全速前進!」
操舵手「・・・全速前進!」
皆の心は、一つだった
恩師の部下を、戦友を、そして国家を守る。それだけだった

そのとき、不意に「BB MACKENSENII」と書かれている船が速度を増した
電探長「艦長!『マッケンゼンII』が速力を上げました!」
西島大佐「何っ!?」
速度は、40Qktを超えた
そうとは知らず、「ロンバルディア」が発砲した
直後、物凄い閃光が、目の前に広がった
しかし、爆風は、無い
電探長「・・・『マッケンセンII』が・・・」
ゆっくり、傾斜しつつ、沈んでいく「マッケンゼンII」の姿が、そこにあった
甲板から、何両かが、内火艇へ飛び降りていく
艦橋から、何両もの兵士たちが、司令室を飛び出していく
しかし、一両のパンターIIが、何両かの将校と共に、こちらを見ながら敬礼をしている
西島大佐「・・・アウグス少佐・・・」

アウグス少佐「・・・未来は・・・託しました・・・」
アウグス少佐は、敬礼をしながら、そう呟いた
副長「・・・皆・・・出て行ってしまいましたね・・・」
敬礼をしながら、副長は言った
アウグス少佐「・・・『沈没が確定するまで』だからな。副長、もう出て行ってよいぞ」
副長「・・・いえ・・・このままいさせてください・・・」
アウグス少佐「・・・何も、君まで残ることはない・・・」
航海長「・・・自分は、退艦します!」
航海長が、艦橋を出て行った
どのみち、助かる可能性は低いのだろうが・・・
アウグス少佐「・・・艦長命令だ。君は退艦してくれ。これは俺の問題だ」
副長「・・・何を言っても、自分は残ります。航海長が、電探長が、通信長が、操舵員が出て行っても、私と艦長は、残るんです。死ぬのは、我々だけで充分です」
アウグス少佐「・・・君も、変わった奴だな」
副長「・・・最期の、最期まで・・・諦めませんから・・・」
そして、物凄い爆炎と爆風が、二両を包み込んだ
「マッケンゼンII」は、彼ら「死ぬことを決意した乗組員」達と共に、大爆発を起こした

西島大佐「・・・あいつら、俺たちに未来を託したんだ・・・」
傍らの内火艇がゆっくりと動き出していく
電探長「・・・艦長・・・・」
「BB MACKENSENII」の表示は、消えていた
電探には「BB LOMBARDY」と「BB MINO」が映っていた
西島大佐「・・・アウグス少佐・・・あの男は・・・最期まで諦めなかった・・・」
そのとき、Qグリーンの艦艇が、反転していくのが、電探越しに見えた
「CV ASSYRIA」の表示を筆頭に、さまざまな艦艇が、方向を転換していく
第一機動部隊旗艦「アッシリア」から、指示が出されたのだろう
いずれにせよ、「BB NIMAST」と「BB GWAZON」、「BB LOMBARDY」などの反応は、そのまま残るだろう
空母二を初め、多数の艦艇が、沈んだ
しかし、駆逐艦を、自慢の連装砲で撃沈。続いて、ドゴス・ギア級戦艦を、四連装砲で撃沈
他、友軍艦艇の戦果を含め、戦艦一、駆逐艦五を撃沈。あわせて戦艦二、駆逐艦六を撃沈した
松井元帥(通信)「・・・状況は聞いた。アウグス少佐は勇敢な男だ。しかし・・・何もあそこまですることは無かっただろうに・・・」
西島大佐「・・・司令、それが彼なりのけじめだったんですよ」
松井元帥(通信)「・・・そうか。後、暗号にて司令を送る」

暗号解読の結果は、以下のとおりであった
「発 ライトウォーター司令部 宛 ベータ制海権奪取作戦展開部隊 敵艦隊を壊滅させ撤退に追い込むも、被害は甚大。直ちに後退せよ」
彩帆中将「・・・相打ち、か・・・」
数隻の友軍艦に引かれた「摂津」の艦橋で、彩帆は呟いた
電探長「・・・また、攻撃を行う必要性がありそうですね」
彩帆中将「・・・だろうな・・・」
ゆっくりと、艦隊は後退を始めた

ライトウォーターに寄港し、多数の艦艇が修理されている
メーヴェ准将「・・・作戦は成功したが、損害も多かったな」
スハーフェン中佐「そうですな。しかし、これも戦闘が本格化したからでしょう」
ラングストン中佐「・・・あれ?彩帆中将はどこですか?」
メーヴェ准将「ああ、あそこだ」
彩帆は、「摂津」の近くで、基地要員たちの姿を見ていた
ラングストン中佐「・・・また、なんであんなところに・・・」
メーヴェ准将「・・・仕方ないんだろうな。彼もミスを犯したのだから・・・」
エバンス大佐「・・・そこの、岸壁にいるのは?」
ベルゲン中佐「『美濃』の西島大佐です」
エバンス大佐「・・・西島大佐か・・・」
ゲオルグ大佐「・・・誇れる部下を持ったものです」
メーヴェ准将「・・・ゲオルグ・・・」
スハーフェン中佐「・・・全く、すごい奴ですね・・・」
「美濃」でも火花が散り、溶接作業が行われている
西島は、岸壁に直立していた
西島大佐「・・・アウグス少佐・・・」
アウグス少佐の、最期の姿を、彼は忘れられなかった・・・
笠井兵長「・・・西島大佐」
基地通信員の、笠井兵長が近づいてきた
西島大佐「・・・笠井兵長?」
笠井兵長「・・・司令部に、戻りましょう。松井元帥が、待っておられます」
西島大佐「そうか。すぐに行かなければ」
西島は、岸壁から、司令部へと向かっていった
笠井兵長「・・・そういう、ものなんですね・・・戦場という物は・・・」
船山曹長(車種:特三式内火艇)「笠井!戻るぞ!」
通信班のベテラン、船山が叫ぶ
笠井兵長「はい!」
笠井も、司令部へと戻っていった
またも、ベータの戦闘は、活発化していくのであった
第六十二話 終わり
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich074151.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 ダークスピリッツ  - 2006/11/20 16:00 -
  
第六十二話お疲れ様です
今回は熱田艦隊&彩帆艦隊&鳴神艦隊主体で設定を書きました。
シャルンホルスト級の盾ははっきりいって思いつきです^^;(おい
といっても実際あるゲームで最新鋭空母の盾になって沈んだ巡洋艦を見ましたけど・・・。
あとそろそろQシュタインやプロトンの艦艇を新しくしなければいけませんね。話中でもシャルンホルスト級の事をアウグス中佐はオンボロの巡洋戦艦といっていますからね^^;時間が空いたら書こうと思います。
あと松井元帥が読んでいた「亡国のアパッチ」ですがあれ現実世界でいうと多分「亡国のイージス」の事ですよね
次の第六十三話からはまた地上戦が始まり、更にその後の話からはオルキス防衛戦も始まります。
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NE...@softbank219202220145.bbtec.net>


Re:宇宙戦艦紀伊 第六十二話
 松井一真  - 2006/11/20 18:29 -
  
> 第六十二話お疲れ様です
> 今回は熱田艦隊&彩帆艦隊&鳴神艦隊主体で設定を書きました。
そういえば熱田VS鳴神はパレンバン戦以来ですね。彩帆に至っては初参戦ですし
> シャルンホルスト級の盾ははっきりいって思いつきです^^;(おい
> といっても実際あるゲームで最新鋭空母の盾になって沈んだ巡洋艦を見ましたけど・・・。
以前、ある小説で空母の盾となって沈んだ駆逐艦を見ました。史実ではレイテ沖での秋月がそれであると一時期呼ばれましたが、実際は魚雷の誘爆なんだそうで
> あとそろそろQシュタインやプロトンの艦艇を新しくしなければいけませんね。話中でもシャルンホルスト級の事をアウグス中佐はオンボロの巡洋戦艦といっていますからね^^;時間が空いたら書こうと思います。
ちなみにサブタイトルの「超戦艦」と言うのは、竣工当初は超戦艦でも、いまやオンボロ巡戦、という意味でつけました。あえて「紀伊」と見せかけてこいつでした、ってことで
ちなみに、アウグスの階級は「少佐」です。
> あと松井元帥が読んでいた「亡国のアパッチ」ですがあれ現実世界でいうと多分「亡国のイージス」の事ですよね
はい、以前江素弐千さんがジョークでここに投稿した物を元ネタにしました
ちなみに、「亡国のイージス」が元ネタなのは他に茅野二等兵曹(原作では北朝鮮工作員が偽名として「茅野」の名を使用していた)もそれだったりします
> 次の第六十三話からはまた地上戦が始まり、更にその後の話からはオルキス防衛戦も始まります。
第五十六話から始まったベータ陸戦(第五十一話からベータを主軸とした話が始まっているが、陸戦が始まるのは第五十六話から)ですが、まだまだ終わりは見えなさそうです
引用なし
パスワード
<Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322)@ntaich248219.aich.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>

  新規ツリースレッド一覧トピック番号順検索設定  
139 / 523 ツリー ←次 | 前→
ページ:  |  記事番号:
49,078
(SS)C-BOARD v3.3.10 is Free.

んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


"Tamashii no Katamari" is created...