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第87話 荒野に潜む狙撃手
サヌヮットバー侵攻作戦「スナイパー作戦」はゴルヒチン部隊を主体とする作戦である
これはゴルヒチン隊が裏から侵入し、指揮官ピゴチックを狙撃、たいていの場合は指揮官が攻撃を喰らったということでその攻撃の方角に主力が向かうため、そこにQシュタイン主力部隊を侵攻させるのである
勿論、軍団の74式部隊もいる
ゴルヒチン大尉「開戦から9年、やっと我々が前線部隊となったぞ!」
ケーニヒポルシェ少尉「前に南方で戦ったのはブルーウェイ戦ぐらいですねぇ・・・」
ゴルヒチン大尉「しかも今回は指揮官を狙撃するんだぞ!」
ケーニヒポルシェ少尉「仮に死亡はせずとも、怪我をすれば部下が砲弾の飛んできたほうに向かうはず!」
ゴルヒチン大尉「そこを、我々と軍団が狙うわけだ」
ケーニヒポルシェ少尉「更にその反対からドニゲッテル少将殿の主力部隊が進撃、ここを占領すると言うことですね」
狙撃隊員A「今回は装脚戦車隊もいるぞ!」
狙撃隊員B「そうだな。しかし装脚戦車はでかい。一体どう使うんだ?」
ゴルヒチン大尉「雑談はそこまでだ。そろそろ作戦開始だからな。行くぞ!」
サヌヮットバー
ピゴチック少佐「ロレッメガからの援軍が来たか!」
Qトルック兵士A「はい。これであのときのような、敵からの狙撃は何とかなりそうです」
ピゴチック少佐「ああ。しかも今回は以前4回も大敗したQシュタインだ!どれほど弱体化しているか!」
このときには既に4部隊が集まっていた
数分後、ゴルヒチン隊が音もなく到着
ゴルヒチン大尉「よし、ここだ!」
ケーニヒポルシェ少尉「射撃用意!」
ウィーーーーーーーーーーーン!(オーストリアではない(おい))
ゴルヒチン大尉「撃て!」
ボゴン!(ゴルヒチン大尉の射撃)
ボンボンボンボンボンボンボンボンボンボン!(大尉に続く部下の射撃)
ピゴチック少佐「な、何だ!?」
少佐が驚いたのも無理もない。何十発もの砲弾が司令部に向かってきたのだ
一発が少佐に命中、部下に数発が命中。一発も撃つこともなく数両が撃破
ピゴチック少佐「敵だ!敵の狙撃兵だ!」
レコッバチ中尉「ピゴチック隊は敵狙撃兵を叩け!」
サヌヮットバー近郊
ドニゲッテル少将「敵は大混乱状態だろう、突撃!」
司令部
ピゴチック少佐「何!?今度は敵部隊が突進してくるだと!?」
ドン!ドン!ドン!
Qトルック兵士B「装脚戦車だーーーーーー!」
スラフワク少尉「なんてことだ・・・・・・」
見事に包囲されたQトルック軍。しかし・・・
ピゴチック少佐「かくなる上は一機打ち!私は狙撃隊長と一機打ちを仕掛けてくる!」
レコッバチ中尉「了解!我々が何とか、防衛します!」
ゴルヒチン大尉「何!?狙撃手が向かってくる!?さては一機打ちか!昔から自信はある、やってくれる!」
ケーニヒポルシェ少尉「一機打ちですか?それなら全員に打電して、ピゴチック少佐とゴルヒチン大尉が一機打ちをする事を知らせます」
ゴルヒチン大尉「分かった」
そして、ピゴチックVSゴルヒチンの戦いが繰り広げられた
ボゴン!ボゴン!
ゴルヒチン大尉「チッ!向こうのロングライフルの方が強力か!」
ピゴチック少佐「クソッ!さっきの狙撃で、若干耐久値が減った!」
ゴルヒチン、ピゴチックともに実力は互角、攻撃力はピゴチックが有利だが、ピゴチックはヘッツァー、ゴルヒチンはティーガーII(ポルシェ)。勿論ピゴチックは装甲は大して厚くない。更にピゴチックは先ほどの狙撃で軽傷を負っていたため、実はゴルヒチンのほうが有利だった
しかしピゴチックはゴルヒチンの「超ロングライフル改」よりも強力な「激ロングライフルDX」チョロ〜ン製の激ロングライフルを強化したものだ
ちなみに、Qシュタイン帝国ではロングバスターの中で、命中精度と威力が上がったものを「ロングライフル」と呼ぶ
しかし、もはやこれはロングライフルの射程を生かした狙撃ではない、接近しての砲撃戦だ。ゴルヒチンも同軸爆炎放射機(爆炎放射機の「T」タイプ(注:通常の爆炎放射器は「B」タイプ))を組み合わせて戦う。ピゴチックはリモコン機銃の代わりにつけた37mm速射砲で戦う(小さいくせに何故?!)
同じ頃、主力部隊
ユゴス少佐「ちっ!流石にここの防衛線は違うか!」
ドニゲッテル少将「何をやっておるのだ!突撃あるのみだ!」
猛将ドニゲッテルには後退の言葉はない。猪突猛進的な戦術を良く使う。そして部下がなかなか敵を倒せないと自ら戦いに出向く。それは第二次キュワール大戦のザンブニール戦や、本大戦でのバーミメアン戦でも良くわかる。短気な指揮官である。帝国の自由のために戦い、第二次キュワール大戦で散った時には「ドニゲッテル死すとも自由は死せず!」と叫んだほど(パクリ?)
また、T−35のクーデターの時も「帝国は今や非常に荒れている!プロトンの悪将校に弾圧され、尊敬する上官だったティーガーは島流し、果ては一般市民をQグリーン送りするとは!帝国国民には自由がない!政治家も殆ど限られた家系ではないか!」と言っていた
彼は同じ猪突猛進系のティーガー元帥を尊敬していた
ティーガー元帥は闘将と知られたタンクで、Qシュタイン皇帝のような防衛主義者の性格には合わず、同士討ち事件をきっかけに、彼の部下(ヤークトパンター少佐含む)及び戦友のポルシェ元帥とともに追放された
ユゴス少佐「隊長!軍団の援護です!」
ドニゲッテル少将「軍団と民間隊が向こうから・・・挟み撃ちだ!行けーーーー!」
実はドニゲッテル率いる第一師団は、スウィッグでBT−250の待ち伏せを喰らい、大損害を出したのである。結局のところ、地雷による台車の破損で行動不能になったBT−250は放棄された
ドニゲッテル少将「敵の要塞は大して強くない!突撃だーーーー!」
チハ大佐「行けーーー!Qシュタインとともに、トルックを挟撃するぞーーーー!」
ズガガガガガガガガガガガ!ボゴン!
サヌヮットバーは砲煙に包まれた
しかも二〇三高地的に損害を負っていたとQトルックは思い込んだ為たいした守備隊も置かなかった
実際、スウィッグではQシュタインは大損害を負った
しかし・・・
ボゴン!
四二式野砲が登場した
この野砲は野砲ながら高性能で、敷島がコンドラチェンコを撃破したときに装備していたほど
しかも照準性能も高く、コンドラチェンコの主砲ターレットリングをぶち抜いたほど
一方、狙撃手2台は・・・
ボゴン!
有利に見えたゴルヒチンは圧倒的に不利となった
ゴルヒチン大尉「畜生、ヘッツァーのくせに!」
ピゴチック少佐「尉官が佐官に勝てると思っているのか!」
ゴルヒチン大尉「階級で決め付けるな!Qシュタインは階級で差別するほどの国ではない!それに比べてQトルックは、このような卑怯な攻撃はするわ、一部のチョロQを弾圧するわ、果てはQタンクを見殺しにするほどだ!我々はその様な悪い貴様らを倒しにやってきたのだ!」
ボゴン!
ゴルヒチン大尉「クッ!やはり演説中に!」
ボゴン!ボゴン!
ズガガガガガガガガガガガガガ!
ゴオオオオオオオオオオオオオオ!
ピゴチック少佐(こちらは攻撃力で有利だが、防御力で劣る、現に今は・・・)
ゴルヒチン大尉「とどめだ!」
ピゴチック少佐「喰らえ!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーン!
結果はゴルヒチンの勝利だった
Qトルック兵士C「少佐殿!」
Qトルック将校「貴様!よくもやってくれたな!」
ゴルヒチン大尉「敵同士だからな。喰らえ!」
ボゴン!
そしてQトルック狙撃部隊は壊滅的打撃を負った
ピゴチック少佐は重傷を負い、狙撃隊員も殆どが戦死、もはや再起不能に近かった
主力部隊は・・・
スラフワク少尉「このままじゃ持たない!退却だ!」
陸軍3部隊は退却
しかし海軍はなおも散闘する
Qトルック海軍将校「クソッ!このままじゃやられる!」
Qトルック海軍兵士A「退却用意OKです!」
Qトルック海軍将校「・・・・・・分かった、退却だ!」
そして、サヌヮットバーを占領した
ドニゲッテル少将「これで、キュワール作戦第1段階は終了だな」
ゴルヒチン大尉「そうだな」
ドニゲッテル少将「ゴルヒチン君、君はキュワール作戦最終段階までたいした任務もないそうだな」
ゴルヒチン大尉「やはり狙撃隊は特殊だからなぁ・・・」
ドニゲッテル少将「ところで、なんか騒いでるぞ」
Qシュタイン兵士A「これは敵が使っていた建設機械ですよ!」
Qシュタイン兵士B「良くこんなものが残っていたものですね」
Qシュタイン兵士C「これは激ロングライフルDXです!」
ゴルヒチン大尉「さまざまな機械や武装が手に入ったな。橋頭堡は確保できた。後はアレフュだ。あの町を叩くには敷島だ」
ドニゲッテル少将「うむ。となると、列車隊だな。問題は民間の電車だ」
ゴルヒチン大尉「まあ、敷島は高速と攻撃力を兼ね備えた列車。トルックの列車なんぞすぐ撃破出来るな」
一方で、北の大地では、朽ち果てた軍艦が修理されていた・・・
第87話 終わり
画像はグリーンさんの小説「圧勝部隊」第十二話のプロトン艦隊。勿論戦艦は前から一番艦、二番艦、その右の列(右から2番目)は三、五、七番艦、右端の列は四,六番艦、左端の列は空母一番艦、二番艦
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