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戦闘経過
戦況好転、敵部隊撤退の報を受けてQW、デュミナス軍は最後の戦闘としてベータ駐留艦隊の総力を挙げてベータ前面に布陣する敵艦隊を撃破する作戦が発動された。当初はQシュタイン軍が戦闘に参加する予定だったがもしもの時のための予備戦力として艦隊を温存する事にし、代わりにグリシネ本国が艦隊を派遣した。そして艦隊が出航する数十分前からベータ表面に未だ布陣している敵部隊をQW守備隊(ドニゲッテル少将指揮)が総攻撃を掛け撤退を早めた。そして総勢496隻に及ぶ大艦隊が出撃、左側面から攻めるデュミナス第1巡洋艦隊、日戦軍団、グリシネ本国艦隊と右側面から攻めるデュミナス第2主力艦隊とニビリア、プロトン艦隊に分かれて進んだ。そしてライトウォーター基地からは艦隊の援護目的としてプロトン・日戦軍団の470機の爆撃隊が発進した。
敵の総攻撃をキャッチした外惑星軍はカルオス撤退船団、第1、第2機動艦隊を中心に防御陣形を整えていた。そして敵左右艦隊にそれぞれ2000機ずつ攻撃隊を送りこんだ。攻撃隊の接近を探知した左右艦隊ではそれぞれ迎撃機を発進させるとともに艦隊を最大戦速まで加速させた。しかし左方艦隊では敵航空隊に対し苦戦していた。機動艦隊がある日戦軍団の空母が先の戦闘で4隻も撃沈され今だ補充が届かないまま出撃したので艦隊の航空機が減っていたのだ。それでも零戦二一型、同五二型、烈風、電征で構成された迎撃隊300機あまりが発進、必至に敵機を食い止めていた。艦艇も増速させ敵艦隊を目指していた。しかし敵機多数が艦隊に侵入、残った空母と「紀伊」、「ブレナント」を標的に攻撃を開始した。(グリシネ本国艦隊はほぼ無視)回避運動の為進行が遅れていた・・・。
そのころ左方艦隊では迎撃機1200機で敵2000機を迎撃、艦隊侵入機を半数以下に減らしていた。そのため艦隊は予定より早くQグリーン艦隊を視認、同航戦に入った。そして先頭を進む「グローゼウス」は距離38000という遠距離から主砲60.8cmレーザー砲一斉射撃。続いて副砲50.8cmレーザー砲一斉射撃。それを20秒間隔で一回という速さで斉射しながら接近した。後方のオルテウス級1隻、アレギウス級6隻もそれに続いた。距離今だ25000でQグリーン艦の有効射程距離は距離15000でデュミナス艦隊からの砲撃を避け続けるしかなかったが分間630発ものレーザー砲の洗礼がQグリーン艦隊に降り注ぐ。そして時たま電磁ガンも斉射され一方的な砲撃がデュミナス艦隊から行われていた。しかしそろそろ距離は19000を切ろうとしていた・・・。
その頃左方艦隊では・・・。
松井元帥が考えてもいなかった行動をグリシネ艦隊が起こした。それは比較的艦隊の後方に位置する日戦軍団第3艦隊の隼鷹型2隻が総攻撃を受けていた時1隻の隼鷹型に敵機の攻撃が降り注いだ。それは他方向から迫りほぼ全てが命中弾であった。しかしその隼鷹型の真上を1隻の戦艦が通り過ぎた。そしてその戦艦に隼鷹型を狙っていた爆弾が次々と命中、爆発炎上した。それはグリシネ艦隊旗艦「アナポリス」であった。「アナポリス」は多数の爆弾、魚雷の命中により激しく炎上していたが沈没まではいかなかった。そして第3艦隊空母群に迫っていた敵機に次々と猛烈な対空砲火が浴びせられた。見ると空母群の周りにグリシネ本国艦隊が集まっていたのだ。艦隊のほとんどが空母の対空支援に周り他の日戦軍団艦艇と共同で敵機を撃退した。しかし日戦軍団第2艦隊、「紀伊」が敵の猛攻を受けていた。そして旗艦「大鳳」に183機もの敵機が襲来、次々と襲い掛かった。周りの駆逐艦や「大鳳」自身が対空ミサイルや対空砲、機銃で対抗していたがその内の120機が「大鳳」に突入、次々と爆弾、魚雷を投下した。艦長の巧みな操艦により次々と爆弾を交わすが遂に250kg、500kg爆弾数発が飛行甲板に命中、飛行甲板を損傷させた。続いてSu−2II型2機が爆弾を投下しようとしたが「大鳳」の対空機銃によって撃墜された。が、内1機の搭乗員が「うおおおっ」と言いながら最後まで機を操縦。炎上しながら「大鳳」に迫った。これに驚いた艦長が回避運動を命令、操舵員が舵を切るがきりもみ回転しながら敵機が右舷に突入、格納庫に突っ込んで胴体内の250kg爆弾3発が爆発、格納庫内の航空機、搭載しようとしていた爆弾、魚雷に引火し大爆発。その場にいた整備員は全員吹き飛んだ。その爆発エネルギーは艦内を駆け巡り飛行甲板を突き破って火炎を噴き上げた。その火炎は右舷破口からも噴き上げた。しかし幸い機関部は破壊されず航行可能であった。しかし艦は炎に包まれた。大鳳中将はすぐさま消化、艦復旧命令を出した。艦上空(空?)からはまだ敵機が攻撃を仕掛けようとしていたが護衛の駆逐艦によって撃退された。そして150機の攻撃を受け、第1砲塔が使用不能になりながらも「紀伊」は前方に敵グンナ艦隊を発見、重巡洋艦高雄型6隻を引き連れて敵艦隊に接近した。後方からは軽巡洋艦や駆逐艦も追いついてくるが砲撃戦を開始した時には紀伊をはじめ第1特務艦隊34隻しかQW艦隊は参加していなかった。しかし直にデュミナス第1巡洋艦隊60隻が到着、敵艦隊と交戦を始めた。第2、第3艦隊はまだ敵機の攻撃にさらされていたがグリシネ本国艦隊と護衛艦隊の活躍によって空母の損害は最小限に食い止められていた・・・。
その頃右方艦隊では・・・。
デュミナス、プロトン、ニビリア艦隊の猛攻を受けQグリーン艦隊が敗走、幸い空母の損失は無かったが護衛艦艇の多数が撃沈され戦力は半数以下にまでなっていた。そしてデュミナス、プロトン、ニビリア艦隊が第2機動艦隊に迫った。また砲撃戦が始まった。しかし今度はカルオス艦隊が踏ん張りほぼ互角であった。そしてデュミナス艦隊から遂にズィーモス一斉発射が始まった。全長50mにも達する巨大ミサイルは真っ直ぐ敵艦隊に向かっていった。内2発が正規空母レイゲル級に命中、轟沈させた。他にも10隻近い艦艇が葬られた。そして再び凄まじい砲撃戦が始まった。そしてベータ上空にプロトン航空隊330機が到着、次々と爆撃を開始した。旧式の複葉爆撃機だがそれゆえに低速で狙いが付けにくいのが利点である。そして布張りで出来ているためにミサイルの誘導が効きにくいのである。護衛のP−38も急降下で次々と爆弾を落とし始めた。カルオス艦艇は回避運動を始めるがそれを妨害するかの如くレーザー砲の雨が降り注いだ。
そのころ左方艦隊では第1特務艦隊、デュミナス第1巡洋艦隊が共同でグンナ艦隊を撃破し、カルオス第1機動艦隊に迫った。しかしカルオス艦隊の優勢な砲撃に会い、苦戦していた。すると上空に140機の機影が。日戦軍団の爆撃隊が到着したのだ。それは一部が輸送艦隊に向かった。1機の九七式重爆が輸送船1隻に迫る。搭乗員はちょっと気が進まなかったが爆弾を次々と投下、その輸送船を撃沈した。他数隻を同様に撃沈。しかしカルオス艦隊の対空砲火により16機の爆撃機が撃墜された。そして爆撃を終え撤退する時に敵迎撃機が編隊に迫ってきた。護衛の疾風がそれに抗する。性能で勝つ疾風80機が敵を迎撃しこれを撃退させた。同じ頃プロトン編隊でも敵迎撃機の攻撃にさらされたが護衛のP−38ライトニングII型165機の活躍により撃退された。
そのころ左方艦隊では松井元帥が遂に「震風」の発射命令を出し、AD兵器「震風」が発射された。それは真っ直ぐドゴス・ギア級に向かっていった。そしてドゴス・ギア級の左舷に命中。大爆発し炎上。大破した。続き「紀伊」から70cmレーザー砲が発射されその艦は止めを刺された。輸送船団の準備が完了したとの報告が「ドロス」に届けられゲリスク大将は即刻撤退を命じた。敵全艦艇が方向を変える。そしてガンドルフ、トノスへ向けて撤退を始めた。長きに渡って行われたベータ防衛戦は遂にQW軍の勝利で幕を下ろした。しかし喜んだのもつかの間オルキス沖において互角の戦いをしていた内惑星連合軍が壊滅したとの報がQタンク王国から松井元帥に届けられる。松井元帥は驚き何故かと聞いた。すると返答は「当初1500隻だった敵艦隊に3000隻の増援艦隊が到着。一気に不利になり壊滅したとの事です」と来た。そして内惑星残存艦隊はオルキス軌道上に追い詰められているとの事。松井元帥は急いで対策を取らねばと思ったが更に最悪の報が届けられた。それはパレンバン沖にラファリエス艦隊600隻が出現。パレンバンに向かっているというものであった。それはベータ撤退と共に始まった外惑星連合軍の一大決戦であった・・・。
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