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チョロQ小説板
どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上、さくらがちる頃に。
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圧勝部隊 第5話「GIに散る」 前編
江素弐千
- 2005/12/9 1:34 -
第5話「GIに散る」
チョロQ王国の地方都市、マロンキャニオン―
ここは荒涼とした大地や崖、そして火山で成り立っている。
そんな危険な地帯に暮らすおよそ20万台以上のチョロQ達。
鉱山で働く者もいれば、火山の研究を日夜進める者もいる。
荒れながらも豊かなチョロQ達の暮らしが破られたのが、グンナ帝国の宣戦布告だった。
街は瞬く間に火の海と化し、見覚えのある戦闘機が次々と撃ち落されていった。
それからたった数日で街には無骨なタンクが砲塔を市民に向け歩き回るようになった。
今まで第三次事業が栄えていたチョロQ王国はグンナ帝国の手に陥り植民地化。
しかし元々鉄鉱業がウリだったマロンキャニオンにはあまり関係のない出来事だった。
街の人々の願いは、『誰が街を仕切っていてもいい、二度と戦争を持ち込まないでほしい―』
だがその願いは、連合軍に打ち消された。
連合軍は報復の名の元にチョロQ王国に侵攻、次々と主要都市を奪還する。
マロンキャニオンもまた連合軍の手によって救われた。いや、救われたのではない。
チョロQ達は連合軍の爆撃で鉄鉱所を失い、家を失い、自分や家族を失った。
そして赤い旗の次に街を支配したのは、連合軍の青い旗だった。
一台の青と白のペイントが施されたタンクがマロンキャニオンの荒涼とした大地を静かに走行する。
M1A2 SEP エイブラムズ。連合軍所属クラシス精鋭部隊隊長、クラシス大佐。
「ここもNGOの活躍のおかげで、随分と復活したな。」
クラシスが話し掛けるのは、連合陸軍第204戦車小隊隊長、ミグレイ大尉。
「そうだな。だが・・」
彼は一瞬躊躇い、足を止めクラシスの方に砲塔を向ける。
「家が戻ってきても、家族と思い出までは補償できないだろう。」
クラシスは同じく足を止めた。
「CPUだけ残っていれば、復活はできるだろうがな。」
「いいや!復活しようが何だろうが、私には何も返ってこない!」
物陰から2台のタンクに罵声を発したのは、年老いたチョロQだった。
「お前等が戦争を始めてからという物、住民の暮らしは厳しくなるばかりじゃ!」
「そうだ!インターネットや電話線までも遮断しやがって!」
別の方角から若い声が聞こえる。声の主は黄色のRX−7だった。
クラシスとミグレイは砲塔を向き合い、今最も正しい選択を模索した。
やがてミグレイが切り出した。
「インターネットや電話線は補償の範囲に含まれている。安心してくれ。」
ミグレイのこの言葉はクラシスにとっては理解し難かった。これではただの煽りだ。
「何言ってんだよ・・余計に喧嘩売ってるようなもんじゃねーか・・」
「見ろ!これを!私の家だ!」
年老いたチョロQのタイヤが指すのは、救助活動で散々見た瓦礫の山だ。
クラシスはこの後ミグレイがとんでもない言葉を吐き出すだろうと身震いした。案の定それは当っていた。
「それがどうした。」
ますますミグレイは住民の感情を逆撫でする。挑発している事に気がつかないのだろうか。
「知らないぞ・・?」
クラシスは少し後に下がった。精鋭部隊の隊長が住民を敵に回すのは得にはならない。
「軍隊が住民に諂ってたまるか。」
その声は少し震えていた。
「いい加減にしろ!」
金属バットを投げ飛ばしてきたのは、若いRX−7。
見事にクラシスの車体にぶち当たったが、彼にとっては大した事ではなかった。
それよりクラシスのCPUを支配したのが、『何で俺が?』という疑問だった。
ミグレイは機関砲を数発、空に撃った。
金属バットを軍人に投げる事に勇気を使い果たしたRX−7は、その耳を裂く音に従い、
バラック小屋に飛んでいった。クラシスはミグレイを睨むが、ミグレイはクラシスの方を見ようとはしない。
「俺にはこれがお似合いなんだろうな」
ミグレイは砲塔を下に向け、クラシスの傍を離れていく。
彼の通った後には枯れた大地をのし歩いたキャタピラの跡と金属バットだけが残った・・
時を同じくして、グンナ帝国本土、首都ラフィーニシティ。
この帝国を嘗て仕切っていたグンナ・ラフィーニ一世を称えて付けられた名前だ。
その街の中枢に位置する皇居は、文化遺産とも言えそうなぐらい古く美しい城だった。
「失礼致します。」
ギイィと音を立ててドアは開く。
立っているのはブラックマイカのメルセデス・ベンツCLK。
黒塗りのベンツを腐った蜜柑を見るような目で見るのは、この帝国の皇帝、グンナ・ラフィーニ二世だ。
黒塗りのベンツは帝国の最高権力者に易々と近づく。どうやら彼は秘書官のようだ。
「皇帝閣下。」
「うむ。」
酷いしゃがれ声だ。
普通のチョロQやタンクならこのしゃがれ声が大帝国の長の物なんだと聞くと、
『おいおい、こんなので大丈夫なのかよ』と思うだろう。
だが秘書官はこのしゃがれ声を見事に聞き取る。いや、
聞き取れなければ秘書官なんて出来るはずがない。ましてや帝国の最高権力者など。
やがてその耳の良い秘書官は本題に入った。
「こちらの写真をご覧ください。」
秘書官が取り出した一枚の写真には、どうやらどこかの基地のようだ。
備蓄施設からは炎と黒煙が上がり、滑走路の横も同じように燃え上がっている。
「・・地上管制、航空管制、海上管制、備蓄施設、ハンガー、港湾施設、宿舎その他、
キノコロードのグンナ軍が保持する全ての軍事施設が壊滅。もはやチョロQ王国の占領維持は困難です。」
本当は伝えたくなんかない。
何万もの命が空、陸で散った事を口で軽く言うのがたまらなく嫌だったのだ。
CQ暦401年 4月上旬―
グンナ軍はクラウドヒル、ホワイトマウンテンを放棄。
マイシティ・ピーチタウン・パパイヤアイランドは守りを固めていった。
壊滅状態に陥ったキノコロード基地に青い旗が立ち始めた頃、
グンナ陸軍ザクス大将はひたすら森林を走っていた。前進するごとにメキメキと音を立てて枯木を踏み潰す。
彼にとって密林の匂いなんて生まれて始めてだった。
「そろそろピーチタウンが近い・・・無線は通じるだろうか・・」
これと同じようにザクスは何度もこの森林で独り言を発していた。
グンナ陸軍の将校といえど、やはり敵地でしかも単独で動くのはかなりのプレッシャーがかかる。
普通のミッションとは違い、『帰る場所』が無いのだ。保有弾数も残り少なく、戦闘は不可能。
偵察機の翼と飛行機雲が蒼穹を貫く事だけは避けたかった。
「ピーチタウン地上管制、応答せよ」
今度は独り言ではない。
「ピーチタウン地上管制、こちらグンナ陸軍ザクス大将。現在島中部の森林を走行中。応答を頼む」
雑音混じりにオペレーターからの応答があった。
『こちら地上管制、了解した。そちらから風車は見えるか?』
久しぶりに聞く他人の声だ。ザクスは前方を拡大し、巨大な鉄塔を見る。低解像度だが、恐らく風車だ。
「ああ、見える。」
『そこに救護班を向かわせる。そこまでなんとか走ってくれ。」
「了解。」
何より、友軍のオペレーターの声を聞けた事が嬉しかった。
引用なし
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圧勝部隊 第5話「GIに散る」 前編
江素弐千
2005/12/9 1:34
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Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
江素弐千
2005/12/9 1:37
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
松井一真
2005/12/9 20:43
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
江素弐千
2005/12/9 22:11
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
松井一真
2005/12/9 22:50
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
ダークスピリッツ
2005/12/9 23:00
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
松井一真
2005/12/10 0:23
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
ダークスピリッツ
2005/12/10 19:15
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
松井一真
2005/12/10 21:17
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
江素弐千
2005/12/12 21:50
Re:圧勝部隊 第5話「GIに散る」 後編
松井一真
2005/12/13 0:41
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