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第99話航空編。無理して伊号を載せた結果・・・
第99話 逆転の太平洋
空母「飛龍」艦内
飛龍は二航戦の旗艦である
闘将といわれた山口少将(当時)が指揮していた
山口少将(第二航空戦隊司令官)「雷爆転換取り消し?一体何のための命令だったんだ?キュワール?ああ、あの高杉とかいうやつの話か」
通信兵D「キュワールのとある国の潜水艦、ですか・・・」
通信兵E「とりあえず、配置に戻ろう」
通信兵F「ところで格納庫で何か騒ぎが起こっているらしい」
同艦格納庫
艦攻機長「蒼龍に搭載されていた二式艦偵は、聞いた話じゃ空技廠で開発されている新型艦爆が、強度の問題で製作が難航しているらしい」
艦爆乗り「だからまだ九九式しかねぇってことか。おまえが前に言ってたな。さっさと最新型に乗り換えたいぜ」
艦攻機長「だがな、そいつが現れたんだよ!ミッドウェイに!」
艦爆乗り「そんなわけねぇだろ!開発中の機体が出てくるかよ!蒼龍搭載の二式艦偵の見間違いじゃないのか?」
艦攻機長「いや、艦爆だったよ。戦闘機の護衛がいたし、大体垂直尾翼の帯の色が・・・」
艦爆乗り「なんだったんだよ」
艦攻機長「ここにいないはずの瑞鶴搭載機だったんだぞ!なんで五航戦がいるんだか俺もわかんねぇよ!」
機体整備員「攻撃隊発進用意との連絡!敵の機動部隊がいるって連絡が筑摩から入った!」
艦攻機長「敵機動部隊だと!?」
艦爆乗り「厄介だな・・・まあ、その新型艦爆がいりゃあ大丈夫だろ。にしてもなんで連合艦隊は極秘で瑞鶴を出撃させたんだ?」
艦攻機長「さあな。翔鶴が大破したから無理だと思ったんだがな。もう一つすごい奴を見かけたぜ」
艦爆乗り「今度は何だよ」
艦攻機長「それはな、なんと新型の零戦だ!」
艦爆乗り「零戦も新型か!敵機もどんどん強くなってて、ラバウルじゃあB公が堅くて困ってるらしいしな」←B公:ここではB−17のこと。B−17の「B」から来た。抽選で決まったんだそうな
ガチャン!
機体整備員「魚雷搭載完了!」
艦攻機長「で、だな。さらにすごい奴も見たぜ。グラマンみてぇなぶっとい機体が緑色に塗られて、日の丸がかかれてやがった。友軍であることは確かだが、結構でかかったぜ」
艦爆乗り「そりゃ鹵獲機か新型機だ。試作機でも運んできたんだろ」
艦攻機長「ん?そろそろ出撃だな」
艦攻機銃手「機体を甲板に上げるので早く乗ってください!」
艦攻機長「分かった。では、生還できれば、またここで会おう」
ミッドウェイ島沖 米機動部隊
旗艦「エンタープライズ」
スプルーアンス少将(第16任務部隊指揮官)「敵機動部隊がミッドウェーを叩いたのか。こちらにはまだ気づいていないようだな」
マレー大佐(「エンタープライズ」艦長)「しかし、新型機が現れたそうです」
スプルーアンス少将「そうか。新型か。で、落とせたのか?」
マレー大佐「予想以上に強かったそうです」
スプルーアンス少将「新型というからには強いんだろう。警戒を厳重にせねば」
ミッドウェイ沖 軍団艦隊
空母「瑞鶴」艦内
ウィーーーーーーーーーーーン!
零戦二一型「戻ってきましたか」
震電「ああ。ミッドウェイはやはり南方の孤島だな」
零戦二一型「問題はフレッチャー艦隊が我々を日本艦隊と見て食いつくか、ですよ」
震電「大丈夫だろう」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオ!
震電「何だ!?」
零戦二一型「敵機のようです!」
震電「何!?飛行中の機の内、燃料及び損傷状態に余裕があり、弾薬が残っているものは空戦に入れ!」
秋水(通信)「どうやら索敵機のようですよ。少し攻撃を行っておいて、見逃しておきましょう」
震電「そうだな」
数分後、索敵機は遁走(退却)した・・・
震電「我々は攻撃主導艦隊でもあり囮でもある。南雲艦隊が米艦隊の空母を撃沈できるかだな。総帥の行った図上演習では3隻の空母は南雲艦隊のみで楽に撃沈することが可能らしい。さらに潜水艦隊の支援が入ればさらに損害を軽く出来るそうだ」
秋水「夕潮隊を派遣しますか?」
震電「出来ればそうしたいところだ。が、いくら俊足の夕潮隊でもスプルーアンス艦隊、もしくはフレッチャー艦隊に追いつくことは・・・」
秋水「相手は向かってくるんです。これならいいでしょう」
震電「そういえばそうだ。相手はミッドウェイを叩かれただけだ。我々が反復攻撃に出るまでに空母三を撃沈できればいい」
秋水「支援艦艇もさっさとやっつけておきましょう」
零戦二一型「隊長!敵潜水艦隊を発見したようです!」
震電「そうだ!ミッドウェイには当時最新鋭のガトー級を始めとする米潜水艦隊がいたはずだ!」
秋水「それはまずいですよ!」
震電「いや、当時、潜水艦が狙うのは輸送船と決まっていた。戦闘艦艇、特に空母や戦艦、巡洋艦を狙ったのは第二次大戦でプリーン大尉の乗艦、U−47による戦艦ロイアル・オーク撃沈、ミッドウェイ海戦での伊−168潜のヨークタウン撃沈、ソロモン海戦での伊−19による空母ワスプ撃沈、伊−58による重巡インディアナポリス撃沈ぐらいだ。ほとんどが伊号潜だが、総帥は大西洋方面で起こった海戦はほとんどが通商破壊戦で、海戦といえる海戦はほとんどビスマルク追撃戦だけだったそうだ。で、確か総帥の図上演習でもおそらく米潜水艦隊は索敵のみを行うであろうとされていた」
秋水「総帥の行うような戦略ではない、ということですね」
震電「というよりも、当時の潜水艦は探知されやすく、もし駆逐艦に見つかろうものなら爆雷の嵐を受ける結果となったであろう。しかも大戦末期ともなれば『ヘッジホッグ』という小型爆雷を大量に投射し、1つでも潜水艦に命中すれば全ての小型爆雷が爆発する新型爆雷が開発されたから、Uボートの被害は甚大なものとなった」
秋水「で、日本は潜水艦の使い方を間違えた、と・・・」
震電「うむ。その点独や米は優れていた。それぞれともに海上封鎖用に潜水艦を使っていた。日本はといえば航空機を搭載していることと酸素魚雷以外は特に優秀な一面は無いらしい。が、それでもなんと日本は、潜水艦でアメリカの『本土』を『空襲』した。実は伊−25潜の艦載機が米本土を空襲した。そしてオレゴン州の森林で火災が発生した。が、小火で済んでしまった。理由はその前に大雨が降り森林が湿っていたかららしい。時期がよければものすごい大火事になったんだろうがな。米本土の森林火災なぞものすごいものだからな」
秋水「で、話を戻しましょう」
震電「うむ。で、今回我々はミッドウェイを空襲する。当時の軍部が思っていたとおり、我々の力をもってすればかならずミッドウェイは陥落する。相手はワイルドキャットとかP−40、強い奴だとP−38だ。あとは空母からF4F、SBD、TBDが来襲してくる。少量だがTBFも混じっているぞ。我々はその攻撃を耐えぬかなければならない。なにせこの後キュワールに帰還せねばならんからな」
秋水「あくまで我々はミッドウェイ攻撃を支援後、出来ればキュワールに帰還、ですね」
震電「それにしても、なぜこんなことになったか、だ・・・」
秋水「あのホールでしょう。夕潮隊からの通信が一度途絶える目前、謎のホールが出てきたという報告がありました」
震電「そういえばあったな・・・」
秋水「で、我々の戦力は、空母2、軽巡2、駆逐艦10ですか・・・」
震電「まともに戦える戦力ではないな。まあ連合艦隊が作戦主力になっているわけだが」
秋水「大体転移艦隊ですからね・・・」
震電「本当に、ここはミッドウェイのようだな・・・まあ、我々は高杉と同じく、歴史を変える羽目になった」
秋水「空母が6隻いますからねぇ・・・」
震電「さっきの飛龍艦載の九七艦攻の乗員は俺達をどう見るかな・・・」
第99話 続く
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