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第81話。皇帝時代はとんでもない将校ばかりだった模様
第81話 震電空戦記 前編
空母機動部隊の強化により震電飛行隊長の受け持つ艦上飛行隊はかなりの物となっていた
震電「しかし、隊員も多いなぁ。近ごろ、エンテ型の航空機を良く見かけるらしいが・・・エンテ、か・・・」
秋水「閃電はどこいったんでしょうかね」
震電「閃電か。あいつは確か陸軍の春日丸に乗っていたのが発見されてな、海軍の軽空母の方に連れていかれたらしい」
秋水「全く。おかしな奴ですね」
震電「前の演習では私が教官として参加した為そのうち熟練飛行士が大量発生するぞ」
秋水「それは言いすぎですよ。閃電が教育したのは全員『エンテ型機はクソだ』と思っているそうです」
震電「とかいって、殆どが撃墜されてるんだ。閃電もつくづく不幸な奴だな。ま、それでいいんだが」
日本戰車軍團廣報
軍團海軍、航空兵力を増強
日本戰車軍團海軍は大艦巨砲主義と航空決戰主義を組み合わせた戰畧として、超弩級戰艦「攝津」、巡洋戰艦「三笠」「敷島」「朝日」「初瀬」を建造、更に航空戰艦「薩摩」「安藝」、雲龍級正規空母の「絞龍」「幡龍」、翼龍級正規空母「翼龍」を建造。空母の艦數を増やした。また、翔鶴級空母の増強型「紅鶴」級正規空母も竣工。雪嵐級驅逐艦、雪雲型驅逐艦、新鋭潛水艦などとともに機動部隊を續々と新型化していく豫定である
兵器紹介
三笠級巡戰
戰艦ながら雷撃も可能という巡洋戰艦。主砲は三八cm砲、六一cm酸素魚雷發射可能、更には對潛魚雷も發射可能である
軍團海軍はQシュタインの戰艦が雷撃可能なのに目をつけて新鋭艦に魚雷發射管を搭載した
空母護衞、水雷戰、對戰艦決戰などに使用可能な萬能戰艦である
同型艦「敷島」「朝日」「初瀬」
陣風「しかし、パトラファック航空戦では大活躍ですね」
震電「うむ。次あたり、噴式戦が活躍する頃になるだろうな」
秋水「震電飛行隊長、そうなるとすれば、まず活躍するであろう機体は?」
震電「F−2戦爆機、だな」
秋水「やはりそうですか。敵はおそらくMe262あたりでしょう。烈風でも叩き落せますね」
震電「そうだな」
秋水「ところで、ひとつ気になったんですが、震電隊長、何故軍団の飛行隊長になろうと?」
震電「・・・昔、エンテ飛行連隊長ってのがQシュタインにいてな・・・」
空母 グラーフ・ツェッペリン艦内
Ta152「ふっ、推進式め。何が新しい形式だ!そんなかっこ悪い奴に負けてたまるか!」
ズガガガガガガガガ!
He162「な、何暴力してるんですか!」
Ta152「何!?貴様、俺たちにたてつくつもりか!ヘリウム野郎!」
He162「彼も私と同じ推進式なんですよ!ジェットとレシプロの違いだけです!」
Ta152「そのレシプロ推進がかっこ悪いんだ!」
ズガガガガガガガガ!
私は良くあるTa152の部下に機銃で暴力をされた。戦友に機銃を撃つ物がいようとは・・・
エンテ(フォッケウルフ エンテ)「そこの将校!これからは推進式の時代だ!」
Ta152「何!?推進式のくせに生意気な!」
それまで『異型機』『牽引プロペラ機より弱い』『狂気の沙汰』とまで言われていたエンテ型機に革命を起こしたんだ。それまで通常機に弾圧されていた私の才能に気付いたのか、私と少数のエンテ型機で独立飛行隊を結成したんだ
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秋水「・・・そうでしたか。昔の、英雄機ですか・・・」
震電「しかし、彼は・・・当時はプロトンにいた天城が拿捕された北ニビリア海戦で・・・」
CQ暦227年 北ニビリア海戦
空母グラーフ・ツェッペリン甲板
エンテ「震電、この戦いはウルタンク飛行隊残滅が任務だ!ロケット砲を装備してくれ!」
震電「了解!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオ
エンテ「早くも敵か。総員、発進!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
Qシュタイン機動部隊上空
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガ!
ボゴーーーーーーーーン!
震電「よし!1機撃墜!」
エンテ「震電、なかなかだな、私が見込んだだけのことはある」
震電「牽引式の機体はどこいったんでしょうね」
エンテ「さあな、我々に追いつけないんだろう・・・何!?Ta152?!」
ブオオオオオオオオオ!
震電「速いですね。牽引式も、ここまで来ましたか」
エンテ「あんな奴らに負けられん!行くぞ!」
ズガガガガガガガガガガガガガガ!
ボゴーーーーーーーーーーン!
エンテ「震電、君の撃墜数は」
震電「15機です!」
エンテ「なかなかだな。5機以上単独で落とせばもはやエースだ」
J21「震電さん、もう15機ですか。私はまだ3機ですよ。単独で落とせたのは」
XP55(アメリカのエンテ型機。プロトンから転属)「新入りの私はまだ1機も・・・」
第88艦隊上空
震電「下にはプロトンの機動部隊がいますね」
エンテ「うむ。そろそろプロトン機が上がってくるだろう」
SS4(イタリアのエンテ型機)「隊長、向こうのは通常機の編隊ですね」
エンテ「そうだな。よし、奴らを追い越すぞ!」
通常機編隊
Ta152「エンテめ、同じフォッケだからといって威張ってんじゃないぞ。私が撃墜してみせる」
Fw190(隊長、友軍機撃墜なんて・・・どうにかしてますよ)
我がエンテ隊の先頭を行くエンテ隊長が彼らを通り過ぎたその時・・・
Ta152「喰らえ!推進式馬鹿野郎!」
ズガガガガガガガガガガガガ!
震電「何!?Ta152!裏切ったか!」
Ta152「フッ!推進機なんぞに負けてられるか!貴様らもこうなる運命なのだ!」
ボゴーーーーーーーーーーーン!
SS4「隊長ーーーーーーーーーー!」
エンテ隊長は、私の目の前で、戦友に撃墜された・・・
いままでの損傷もあってか、Ta152の機銃3発を受け、隊長は墜落した。錐揉み回転で・・・
震電「Ta152、貴様だけは許せん!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!
私は、Ta152と空戦を展開した・・・
結果は・・・
ボゴーーーーーーーーン!
Ta152「ふっ!推進式のくせにでしゃばるからだ!これでライバルが死んだ!」
Fw190「隊長!友軍機撃墜2機で軍法会議にかけられますよ!」
Ta152「推進式なんぞ、くだばっちまえ!」
大損傷、そのまま私は列機を離脱、ニビリアの海岸に不時着した・・・
Ta152「まあ、推進式機2機がついたことだ。震電だか神殿だかしらねえ奴をともに撃墜した同士に」
その中にいたのが、J21だ。奴はエンテ隊に入っていたのに、裏切ったんだ・・・
秋水「・・・悲劇ですね」
震電「その、J21が閃電にそっくりでな。閃電との仲が悪いのはそのためだ」
秋水「・・・・ところで、不時着した隊長はその後どうなったんですか?」
震電「うむ。そのままニビリア空軍病院(機体修理所)に運ばれた。辛うじて一命を取り留めたが・・・エンテ隊長はその病院にはいなかった・・・おそらく、Ta152に完全に撃墜され、戦死したんだろう・・・」
秋水「しかし、友軍機を撃墜とは、酷いやつらですね」
震電「その通りだ。奴はQシュタイン主力飛行隊の隊長だった・・・」
秋水「つまりは、総統に気に入られていた・・・」
震電「いや、そうではないんだ。奴は皇帝が治めていた頃の奴だ。今のT−35になってからだ、異型機が認められてきたのは。T−35総統が復活すると、そいつは軍の一般隊員にされた。友軍機撃墜の罪でな・・・その後私はグリシネ空軍に移転し、君たちと活躍をすることとなったんだな」
秋水「隊長、まさに波乱万丈ですね」
震電「その通りだ。他の隊員はどうなったかと言えば、他の震電達も私と一緒にグリシネに、仲の良かったSS4の部隊は今でもQシュタインに、J21は・・・・・・行方不明だ」
秋水「しかし、昔のことは昔のことですね」
震電「うむ。今は飛行隊長としてこのとおりだな。さて、演習を続けるぞ!」
同じ頃、Qタンク王国
謎の航空機「本作戦はグリシネ及び軍団の援護である。グリシネ飛行場で詳しい任務を話す!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオ
Qタンク航空機「隊長、軍団には、J−7と言うコードネームの機体がいるそうです。なんでも、歴戦の将校で、隊長と同じ、Qシュタイン出身だそうですよ」
謎の航空機(・・・・・J−7、か・・・)
第81話 続く
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