第一話 マル5計画、始動
第1哨戒艦隊を壊滅させた戦艦、果たして何故こんな船が出来たのか。話は数年前にさかのぼる
CQ暦350年、突如宣戦布告したグンナにより、Qレース民国が占領された
グンナは勢いに乗り、連合軍総司令部のあるプロトン王国を攻撃した
が、キエロク州において、第427航空隊がグンナ軍爆撃部隊を殲滅。連合軍の反撃が始まった
連合軍は破竹の快進撃を続けた。軍団の攻撃も加わりさらにエスカレート。パパイヤアイランド戦において不沈戦艦とあだ名された「紀伊」「尾張」の沈没、その後の航空攻撃によるラフィーニ艦隊の壊滅は、時代の航空主体化を物語る結果となった
そしてCQ暦355年 グンナ帝国崩壊。グンナは連合国となった
それから5〜6年経った後である・・・
CQ暦360年 Qシュタイン連邦 陸軍司令部
マウス「総統かっ・・・もとい、大統領閣下、これが新兵器の大和です」
T35「大統領という名には何年経っても馴れないものだ。で、これが新型陸上軍艦『大和』か。帝国時代最後の陸上戦艦『長門』に勝ると言う・・・」
マウス「はっ!またも軍団の力を借りてしまいましたが・・・」
T35「敷島型装甲列車以来、軍団の超兵器はすごいものだったからな」
陸上軍艦「大和」
。全長263メートル、装甲は前面850ミリ、側面890ミリ、後面950ミリ、上面980ミリだ
武装は主砲46cm三連装戦車砲一基、前部固定副砲40cm連装艦砲一基、後部固定副砲36cm連装艦砲一基、側面全周砲36cm連装戦車砲四基、後部副砲の間にミサイル発射管四門
エンジンの馬力は74000馬力、速力は47kmだ
「霧島」「長門」に続く最新型の陸上戦艦だ
T35「Z号装甲車、[号重装甲車は完全自国製だがな。武装はたいしたこと無いがな」
マウス「軍団の陸上戦艦は水上航行が出来ますからね」
T35「ところで、グンナの軍備力が上がっているそうだな」
マウス「はい、情報によりますと、最新型の宇宙空母を配備しているそうで」
T35「グンナめ、空母まで宇宙に浮かばせたか・・・」
マウス「艦名は判明しております、サイハン型軽空母です」
T35「2番艦、3番艦も建造中、か?」
マウス「無論です」
T35「こちらも、航空戦力ならばあるものだが・・・例の、最新式エンジンは?」
マウス「良好、とのことです。今すぐにでも、F/A−18に搭載できますが?」
T35「ほう、話が早いな。陸軍は管轄外ではなかったのかね?」
マウス「宇宙の場合、陸海空全軍がその管轄ですから」
T35「そうだったか。まだ宇宙軍なんてもんは作ってないからな」
マウス「ところで、日戦軍団から最新型戦艦の提案があります。主砲は20インチ・・・もとい、50.8cm連装、さらに70cmクラスの重武装を用意、といったとんでもない奴です」
T35「日戦軍団はデカブツを作りたがるな。まあいい。計画は誰が考えたのかね?」
マウス「日本戦車軍団総帥、松井元帥です」
T35「松井元帥か。あいつと組んでからもう何年経ったか分からんが、彼なら信用できる」
マウス「計画はどうなるんですか?」
T35「無論、採用だ」
かくして、Qシュタインは日戦軍団と共同開発で宇宙戦艦を建造することとなった
既にグンナではグンナ・ラフィーニ皇帝の命により、サイハン型宇宙空母をはじめとする優秀な機動部隊を構築していた
グリシネ
松井元帥「大統領、これが、紀伊の設計図です」
T35「すごい船だな。50.8cm連装レーザー砲、70cm級のレーザー、そしてミサイルか・・・」
松井元帥「ミサイル等はこちらで用意するとして、Qシュタインではレーザー砲をお願いします」
T35「船体はどこで?」
松井元帥「ニビリアです。連合国共同開発ですから」
T35「ほう、となると、プロトンは?」
松井元帥「航空機格納庫の設計を担当してもらいました。A−150艦、計画番号「D」です」
T35「マル5計画・・・」
松井元帥「竣工は遅れると思います。それまで、戦局がもつかどうか・・・」
T35「戦局・・・君もやはり戦いが起こると思っているのか」
松井元帥「Qグリーン共産勢力軍も戦力を拡大しております」
T35「やはり・・・」
松井元帥「何故同じキュワールにいながら、地上から攻め込まないのか、もちろん、宇宙基地の数はかなり多いからです」
T35「あと、グンナ軍の皇帝派、いや帝国派と呼ぼう、彼らは地上には拠点を持たないはずだ。本国から追い出された身だからな」
松井元帥「それも、入りますね」
T35「こんな決戦兵器だが、同型艦の計画は?」
松井元帥「『尾張』が計画中です。必要ならば4隻ぐらいは作れますが?」
T35「よし、4隻、全部頼むぞ」
松井元帥「了解しました」
こうして、紀伊型宇宙戦艦、計4隻、及び支援の阿賀野型宇宙巡洋艦8隻、陽炎型宇宙駆逐艦30隻、秋月型宇宙駆逐艦40隻、島風型宇宙駆逐艦20隻の建造が決定された
空母に関しては、大鳳型宇宙空母5隻と、雲龍型宇宙空母15隻だ。これらの大半は日戦軍団に艦籍を持ち、Qシュタインが運用する船になっている
松井元帥「阿賀野、陽炎等は早いうちに完成すると思いますが、紀伊や大鳳は・・・数年後になるかと思います」
T35「無論、そのときには最新兵装が代わっているかもしれないな」
松井元帥「まあ、そういう時は最新型を乗せるしかないですね」
CQ暦361年 グルンシュタット
フルト元帥「・・・・・・・」
フルト元帥、かの第五次キュワール大戦時、空母エンタープライズに座乗し散闘した提督だ
このとき、当時イージス護衛艦「ちょうかい」の艦長であったサウラー中将を呼び出して、話をしていた
サウラー中将「閣下、急に呼び出して、何ですか?」
フルト元帥「最近、グンナ帝国軍の動きが活発化している、何故だと思う?」
サウラー中将「・・・まさか・・・」
フルト元帥「そのまさかだよ。奴らは宣戦布告する気でいるんだ」
サウラー中将「せ、宣戦布告!?」
フルト元帥「うむ、奴らは、絶対にやる気だ」
サウラー中将「その理由は?」
フルト元帥「グンナは連邦と帝国に分かれているだろう。奴らはまず元の祖国を直すべく向かうはずだ。宇宙は何光年もの距離がある。光よりも早く進めるという超高速艦艇が作れる今、陸戦どころではすまないだろうな、サウラー中将」
サウラー中将「閣下、それで、何ですか?」
フルト元帥「本題に移ろう、貴官を、Qシュタイン連邦宇宙艦隊司令長官に任命する!」
サウラー中将「りょ、了解しました!」
突然の転属命令に驚くサウラー中将。フルト元帥は海上の艦隊の指揮官なので、宇宙艦艇に関しても訓練を受けたというサウラーを宇宙艦隊司令長官に任命したのである
フルト元帥「無論、従来とは違う作戦となる。宇宙戦闘となると、潜水艦と同じような機動が取れるからな」
サウラー中将「潜水艦ですか?!」
フルト元帥「そうだ。しかも、戦艦が潜水するような、いわば潜水戦艦のような挙動だよ。宇宙には重力が無いからな」
サウラー中将「・・・・」
フルト元帥「とにかく、開戦は目前だ。旗艦は未だ『マグスコピック』だがその内計画中の重巡が竣工するであろう」
サウラー中将「久々の水雷戦隊ですか」
マグスコピックとは、グルンシュタット級駆逐艦の後継艦「マグスコピック級」の1番艦だ。指揮能力も持つ優秀艦である
このときは出来たばかりの最新型であった
フルト元帥「重巡の竣工は間近だ。艦名は『トレニオス』と決定されている」
サウラー中将「トレニオスですか。いずれ、トレニオスに座乗することになるんですか」
CQ暦361年 サウラー中将、艦隊司令に就任
数ヵ月後
フルト元帥「サウラー中将!予想通りだ!グンナ帝国軍最終通達だ!」
サウラー中将「本当ですか?!」
フルト元帥「ああ、こちらの軍備はあまりそろわず、向こうの軍備はかなりそろっている、向こうとしては、絶好の機会だったようだな」
グンナ帝国、連合各国に宣戦布告。同日、連合領宇宙基地を攻撃、占領
Qシュタイン通信兵A「基地司令からの通信が途絶えました!」
サウラー中将「何?!もう、陥落したのか!」
破竹の快進撃を続けるグンナ軍、キュワール連合の有する宇宙基地はなすすべも無く陥落していった
そして数ヵ月が過ぎた。グンナ軍の攻撃目標は、とある大宇宙基地であった
メサイア宇宙基地(ガンダム(あくまで初期のガンダム)に登場するコロニーのようなもの)
ファルケ大将(メサイア基地司令官。車種:ティーガーT後期型)「何っ!?帝国軍艦隊接近だと!?」
Qシュタイン兵士A「はっ!軍令部より、次期攻撃目標はここであろうとの通達が!」
Qシュタイン通信兵B「司令!大統領より直々の通信です!」
T35(通信)「ファルケ大将、厄介なことになった。帝国軍の次の攻撃目標はそこ、メサイア宇宙基地だ」
ファルケ大将「大統領閣下!本当ですか!?」
T35(通信)「うむ、事実だ。今から第三艦隊及び第二巡洋艦隊を送る。盗聴の危険ありと見て、これで通信を終了する。健闘を祈る!」
ピッ!
ファルケ大将「総員戦闘配置!敵艦隊の襲撃に備えろ!」
宇宙艦隊総司令部
サウラー中将「宇宙軍といえど、ほとんど海軍の傘下とは・・・」
パラオ大佐「仕方ないんじゃないんですか?もともと軍艦は海軍によって作られてたんですから」
サウラー中将「空軍のほうが宇宙に近いぞ。これはどういうことかね?」
パラオ大佐「戦略飛行船は海軍が所有してましたが?」
サウラー中将「・・・言い争いは止めよう。トレニオスに戻るぞ」
重巡「トレニオス」。遂に竣工した最新型巡洋艦だ。この時は竣工から数ヶ月経っていた
パラオ大佐「大統領閣下の命令では第三艦隊、及び第二巡洋艦隊をメサイア防衛を任務として出撃させよとのことですが・・・」
サウラー中将「そのぐらいの勢力で倒せるのかね?グンナの艦隊は超強力だと聞いているが・・・」
パラオ大佐「プロトンの第三駆逐艦隊、ニビリアの第二駆逐艦隊、Qレース民国の第五艦隊がいますから、互角に戦えるでしょう」
サウラー中将「・・・GKUはどこにいるのかね?」
パラオ大佐「GKU・・・大昔の亡国の残党のことです、たいした戦力ではないでしょう、というのがプロトン側の見込みですが・・・」
サウラー中将「戦ってみないと分からない、ということだな」
パラオ大佐「はい」
サウラー中将(・・・・・何か、嫌な予感がするな・・・)
グンナ軍第四艦隊 戦艦「グンナ」
ファーゴット元帥(第四艦隊司令。車種:T−80U)「敵軍としてまともに戦えるのはQシュタインぐらいだろうな。あとはたいした事はない」
フレスコ中将(第四艦隊参謀長。車種:T−72)「プロトンやニビリアはろくな船がありませんからね」
ファーゴット元帥「とりあえず目標はメサイアだ。第二機動部隊に打電!『攻撃を開始せよ』、以上!」
グンナ軍第二機動部隊 空母「ザクス」
フォージャー元帥(第二機動部隊司令。車種:T−64)「本部から命令が下った、全機発艦!目標、メサイアの地上施設!」
シュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
Qシュタイン連邦第三艦隊 旗艦「シュタインブリンク(ちなみに艦名はドイツ軍駆逐艦のZ−15から。正式にはエーリッヒ・シュタインブリンク)」
メーヴェ大佐(第三艦隊司令。車種:W号戦車無反動砲付)「敵艦隊接近!数、戦艦7と巡洋艦、駆逐艦多数!」
レオパルト少佐(第二巡洋艦隊司令。車種:レオパルトUA6)(通信)「大佐殿、敵機来襲との報告です。機動部隊も存在する模様です!」
メーヴェ大佐「わかった。こりゃ、連合軍は不利だな・・・」
スハーフェン大尉(第三艦隊参謀。車種:V号戦車J型)「どういうことですか?」
メーヴェ大佐「我が第三艦隊は重巡1、軽巡4、駆逐艦28、第二巡洋艦隊は重巡6、軽巡6、駆逐艦20だ。あわせても重巡7、軽巡10、駆逐艦48だ」
スハーフェン大尉「しかし、プロトンとニビリア、及びQレース民国も艦隊を派遣していますよ」
メーヴェ大佐「Qレース民国は重巡クラップを始めとする第5艦隊だから何とかなるにしても、プロトン、ニビリアはいまだ小艦艇。プロトンは駆逐艦9、ニビリアは駆逐艦15。たいしたことないからな。一方でさっきのレオパルト少佐の通信では、戦艦が7隻と多数の巡洋艦と駆逐艦、空母だっているからな」
スハーフェン大尉「・・・・・」
メーヴェ大佐「勝つと考えるな。いくつ撃沈できるかだ」
スハーフェン大尉「・・・初めから、勝つことを考えない、ということですね」
メーヴェ大佐「つまり、勝つ可能性は零に近い。分かってくれ」
Qシュタイン連邦第二巡洋艦隊 旗艦「ガルスター(Z20カール・ガルスターから)」
レオパルト少佐「・・・戦力、圧倒的な差だ。何隻撃沈できるか・・・」
イルティス少尉(第二巡洋艦隊参謀。車種:V号突撃砲B型)「とりあえず、多数撃沈すればよい、ということですね」
レオパルト少佐「本当なら、主力を出撃させたかったそうだがな・・・」
イルティス少尉「しかし、たとえ戦艦であっても、接近戦では我々が有利です!なんとか、押し切りましょう!」
グンナ軍第四艦隊 戦艦「グンナ」
ファーゴット元帥「敵艦捕捉!よし、攻撃を開始する!」
フレスコ中将「敵の数は知れたものです。さっさと殲滅しましょう!」
ファーゴット元帥「よし、主砲射程内だ、撃て!」
ボゴォォォン!
Qシュタイン連邦第三艦隊 旗艦「シュタインブリンク」
Qシュタイン兵士B「敵艦、発砲!」
ベルゲン少佐(巡洋艦シュタインブリンク艦長。車種:V号戦車K型)「回避!」
ベルゲン少佐はかつて潜水艦の艦長を務めていただけあり、宇宙戦での回避運動の指示も得意である
光学兵器独特のレーザー音が左舷方向を通り過ぎる。回避成功だ
ベルゲン少佐「よし、反撃だ。主砲、準備できたか?!」
Qシュタイン兵士C(通信)「はっ!いつでもどうぞ!」
ベルゲン少佐「目標、先頭を行く敵巡洋艦、主砲、撃ち方始め!」
ボゴォォン!
グンナ帝国第四艦隊 重巡洋艦「オスラビア」
グンナ兵士A「ペトロバブロフスクより入電!『我が隊は敵艦隊の殲滅にかかる!』以上!」
ハーヴェイ大佐(重巡オスラビア艦長。車種:T−55)「よし、主砲発射用意!」
グンナ兵士A「敵艦、発砲!」
ハーヴェイ大佐「先手を取られたか?!」
ボゴーーーーーーーーーーーーン!
ハーヴェイ大佐「くっ・・・敵は重巡か?!」
グンナ兵士B「・・・あれは新型ですね。はい、重巡です」
ハーヴェイ大佐「よし、あの先頭の重巡洋艦を狙う」
グンナ兵士C(通信)「主砲、射撃準備完了しています!」
ハーヴェイ大佐「目標、敵重巡洋艦、撃て!」
ボゴォォン!
Qシュタイン連邦第三艦隊 旗艦「シュタインブリンク」
Qシュタイン兵士B「敵艦、発砲!」
ベルゲン少佐「回避!」
再び、レーザーが過ぎる
Qシュタイン兵士B「回避成功!」
ベルゲン少佐「敵も本気になったな・・・よし、もう一度あの重巡を狙う。撃ち方始め!」
ボゴォォン!
砲戦、数分に及んだ。シュタインブリンクとオスラビアの戦いはかなりの規模となった。だが、グンナ側に重巡「ペトロバブロフスク」「アリヨール」が合流したため、状況は悪化した
ボゴーーーーーーーーーーーーーーン!
Qシュタイン兵士C「被弾!やられました!」
ベルゲン少佐「三対一では仕方ないか・・・」
さらに後方を行くQシュタイン軍巡洋艦「ブレーマー」が被弾した
Qシュタイン兵士D「ブレーマー、被弾!大破!」
メーヴェ大佐「損害は本艦のみにあらず・・・」
スハーフェン大尉「フレンダー、被弾、沈没・・・」
メーヴェ大佐「第二巡洋艦隊はどうなっている?!」
スハーフェン大尉「・・・ガルスターからの通信が途絶えています!」
メーヴェ大佐「何?!」
Qシュタイン兵士E「確か、ガルスターはこの位置にいたはず・・・」
グンナ軍 デーベルン級巡洋戦艦「ツェザレヴィッチ」
グンナ兵士D「艦長!機関損傷!さらに火災も発生しています!このままでは弾薬庫に引火します!」
ラエスク大佐(ツェザレヴィッチ艦長。車種:T−54)「くっ・・・本艦も持たないか・・・」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーン!
ラエスク大佐「総員、退艦!」
Qシュタイン連邦第二巡洋艦隊 旗艦「ガルスター」
レオパルト少佐「敵艦、沈没。やったな・・・」
イルティス少尉「しかし、本艦も・・・」
ツェザレヴィッチを撃沈したガルスターは、各部に多数被弾していた。艦橋員の大半も戦死しており、レオパルト少佐とイルティス少尉以外の艦橋員はほんの数両しか生き残っていなかった
レオパルト少佐「もう一隻はどうなった?」
イルティス少尉「火を噴いていますね。あれもただじゃすまないでしょう」
グンナ軍 デーベルン級巡洋戦艦「シソイ・ヴェリキー」
グンナ兵士E「火災発生、機関損傷、甲板までやられ・・・本艦は沈没するでしょうな」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
フィンテルン大佐(シソイ・ヴェリキー艦長。車種:T−72)「・・・総員、退艦・・・だな」
グンナ兵士F「総員退艦!急げ!」
二隻の巡洋戦艦を撃沈し、さらに八隻に小破の損害を与えた「ガルスター」、だが、もはや生還は困難であった
Qシュタイン連邦第二巡洋艦隊 旗艦「ガルスター」
レオパルト少佐「・・・まずいな、これ以上、敵艦を沈める事は不可能だ。その前に本艦が沈む」
ゲルティング少佐(ガルスター艦長。車種:W号戦車D型)「・・・・・」
レオパルト少佐「艦長、総員退艦を下命したほうがよろしいかと」
ゲルティング少佐「せめて、もう数隻、やっておきたかったが・・・仕方ないな」
Qシュタイン兵士F「火災状況悪化!このままでは爆発します!」
ゲルティング少佐「総員退艦!なるべく早くだ!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
巡洋艦「ガルスター」、沈没
Qシュタイン連邦第三艦隊 旗艦「シュタインブリンク」
メーヴェ大佐「ガルスター、沈没・・・だが、向こうに与えた損害もかなりのものだ」
スハーフェン大尉「ノルトゼー、被弾!沈没!」
メーヴェ大佐「第二巡洋艦隊は壊滅的打撃を受けたようだな。旗艦を撃沈されたら、各個撃破されるだけか・・・」
だが、ガルスターが与えた損害の規模は、かなり拡大していた
同じく第二巡洋艦隊に位置し、敵艦の攻撃を受け沈没したボルナソス級巡洋艦「ノルトゼー」は、敵空母に打撃を与えていた
ザクス級空母「ワリヤーグ」
ヴォドパート少佐(ワリヤーグ艦長。車種:T−72M1)「飛行甲板がやられただと?!」
グンナ兵士F「はい、もはや航空機の発艦は不可能かと」
ヴォドパート少佐「・・・・・・・」
ボゴーーーーーーーーーーーン!
グンナ兵士G「火災発生!」
ヴォドパート少佐「・・・いままで、損害を与えた敵艦は?」
グンナ兵士G「はっ!全艦、Qシュタイン所属とのこと」
ヴォドパート少佐「・・・・・そうか・・・その他の小国は無かったか」
ボゴーーーーーーーーーン!
グンナ兵士F「火災状況、さらに悪化!このままでは・・・」
ヴォドパート少佐「総員、退艦!なるべく、早く出るんだ!」
Qシュタイン連邦第三艦隊 旗艦「シュタインブリンク」
メーヴェ大佐「特攻、か・・・」
スハーフェン大尉「本艦の損害は中破、他、残存艦艇の大半が損傷しています」
メーヴェ大佐「・・・・・・」
プロトン王国第三駆逐艦隊 旗艦「ワーデン」
ベスレヘム大佐(プロトン第三駆逐艦隊司令。車種:M48パットン)「くっ・・・GKUの軍艦はバケモノか?!といいたいところだな・・・」
フィラデル少佐(プロトン第三駆逐艦隊参謀。車種:M26パーシング)「『パーカー』『ハットフィールド』『ソーフレイ』、いずれも、砲撃を受け沈没!」
ベスレヘム大佐「・・・『クーパー』を入れると、4隻だな」
プロトン艦隊はニビリア艦隊、Qレース艦隊と合同でGKU帝国軍の艦隊を殲滅する任務に当たっていた。が、予想以上にGKUの艦隊が強かったのだ
戦艦「ドゴス・ギア」を始め、戦艦二十三、巡洋艦二十六、さらにウルタンク軍第八駆逐艦隊は軽巡洋艦「セント・ルイス」と駆逐艦五で構成されていた。
すなわち、重巡七、駆逐艦三十七の艦隊で戦艦二十三、巡洋艦二十七(うち一隻軽巡、他重巡)、駆逐艦五の艦隊を殲滅するという任務であったのだ
あまりにも過酷であった
ウルタンク第八駆逐艦隊旗艦「セント・ルイス」
バス大佐(ウルタンク第八駆逐艦隊司令。車種;バス型装甲車)「・・・アファノ戦以来だな、本格的な戦闘は」
ファンド少佐(ウルタンク第八駆逐艦隊参謀。車種:M60)「そうですね。あの時は大損害だったそうですが」
ウルタンク兵士A「敵艦発砲!」
ボゴーーーーーーーーーーーーン!
バス大佐「くっ・・・話している隙は無かったか」
バドウン少佐(セント・ルイス艦長。車種:M60A2)「損害報告!」
ウルタンク兵士B「多数被弾により中破!」
バス大佐「その他艦艇の損害は?!」
ウルタンク兵士C「・・・『ハンソン』『パワー』、沈没!『グッドリッチ』大破!」
バス大佐「駆逐艦隊を任されたと思えば、今度は・・・」
カルオス第四艦隊旗艦「ドゴス・ギア」
シュタール中将(カルオス第四艦隊司令。車種:レオパルトUA6)「裏切り者どもめ・・・」
ヴェルク大佐(戦艦「ドゴス・ギア」艦長。車種:Strv103)「我が祖国を連合に売り渡した売国奴め、我が艦隊が・・・」
シュタール中将「その先は分かる。言わなくともな」
カルオス兵士A「司令!戦艦『スヴェリエ(ドゴス・ギア級)』『カイオ・デュイリオ(ロンバルディア級)』沈没!やられました!」
シュタール中将「何!?我が航空戦艦が!?」
戦艦「スヴェリエ」「カイオ・デュイリオ」が、ニビリア軍駆逐艦「トラファルガー(ハインド級)」「クラウン(ビハインド級)」「クリスタル(ビハインド級)」により撃沈されたのだ
わずか6セルのVLSと、12.7cm砲からの攻撃。敵艦の射角外から攻撃を加え、見事撃沈したのだ
だが、犠牲も出た。「クラウン」は「スヴェリエ」撃沈直後、敵戦艦「クレマンソー(グワジン級)」の攻撃を受け沈没、「クリスタル」は「カイオ・デュイリオ」と相打ちだった
残った「トラファルガー」も中破の損害を受けた
シュタール中将「・・・・駆逐艦3隻に、戦艦が撃沈されるとは・・・」
カルオス艦隊の戦艦が突如として轟沈、さらにはウルタンク艦隊に壊滅的打撃を与えるという大戦果を挙げたのだ
Qシュタイン第三艦隊旗艦「シュタインブリンク」
メーヴェ大佐「ほう・・・駆逐艦3隻で、戦艦二隻を撃沈するとは・・・」
スハーフェン大尉「『オスラビア』が沈没していきます!」
メーヴェ大佐「やったか・・・遂にオスラビアを沈めた。厄介な敵だった」
ベルゲン少佐「損害も、かなりのもののようですがね」
メーヴェ大佐「・・・・・『エーリッヒ・ケルネル』『フリードリッヒ・イーン』沈没、『ヘルマン・シェーマン』及び『ハンス・ロディ』航行不能・・・」
スハーフェン大尉「『ベルンド・フォン・アルニム』沈没・・・」
メーヴェ大佐「敵側の損害、『オスラビア』『スオロフ』『ポビエダ』撃沈、『ペトロバブロフスク』『ナヴァリン』『ペレスウェート』『アリヨール』中破、『ブリュッヒャー』『リュッツオウ』『ニュールンベルグ』小破・・・」
スハーフェン大尉「・・・・・・・」
Qシュタイン兵士B「司令!『ペレスウェート』、沈没との報告!さらに、『ウラジミール・モノマフ』も沈没!」
メーヴェ大佐「モノマフにはほとんど命中弾は無かったはずだろ!何があった?!」
Qシュタイン兵士B「集中砲火により、撃沈とのこと!第二巡洋艦隊がやってくれました!」
メーヴェ大佐「レオパルト少佐が無事ならいいが・・・」
グンナ軍軽空母「ウェーザー」
デシマーグ大佐(ウェーザー艦長。車種:レオパルト1)「フォージャー司令!フォージャー司令!」
フォージャー元帥(通信)「デシマーグ大佐、何があった?!」
デシマーグ大佐「ウルタンク艦隊、壊滅的打撃を受け、撤退との報告!」
フォージャー元帥(通信)「・・・・・・・・駆逐隊だから仕方ないだろうな」
デシマーグ大佐「・・・司令!右舷方向より敵艦接近!艦種、マグスコピック級駆逐艦及びグルンシュタット級駆逐艦!」
フォージャー元帥(通信)「Qシュタインの艦隊か!?」
デシマーグ大佐「敵艦、ミサイルをザイドリッツに向け発射!」
フォージャー元帥(通信)「何!?急げ!回線をザイドリッツに繋げ!」
デシマーグ大佐「ザイドリッツ、ミサイル迎撃を開始!」
グンナ軍第二機動部隊 空母「ザクス」
フォージャー元帥「フレスコ!通信がつながるまでどれくらいかかる!?」
フレスコ中将「まもなく完了との事!通信、繋がりました!」
フォージャー元帥「状況はどうか!?」
ブンク少佐(空母ザイドリッツ艦長。車種:レオパルト1)(通信)「右舷方向に飛来したミサイルは着々と迎撃成功!あっ!まずい!弾幕をくぐりぬけた奴が1発!」
ボゴーーーーーーーーーーン!
フォージャー元帥「ブンク少佐!応答せよ!」
ブンク少佐(通信)「ミサイル1発被弾!しかし、航行に支障なし!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ブンク少佐(通信)「被害報告!」
グンナ兵士H(通信)「ミサイル多数被弾!このままでは・・・」
ブンク少佐(通信)「総員、退艦!」
フォージャー元帥「くっ・・・」
フレスコ中将「『ワリヤーグ』に続いて、二隻目か・・・」
グンナ兵士I「『ベアルン』被弾!中破!『サイハン』中破!」
フォージャー元帥「何!?」
グンナ兵士I「『ベアルン』は飛行甲板被弾で航空機の離着艦が不可能になりました!」
ニビリア第2駆逐隊 駆逐艦「カディス」
ステフェン大佐(第二駆逐隊司令。車種:メルカバV)「・・・この船は持たないだろうな・・・」
ニビリア兵士A「火災発生!大破しています!僚艦からの通信も途絶えています!」
ステフェン大佐「・・・・総員、退艦。全員、偵察機で脱出せよ!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
第二駆逐隊旗艦「カディス」沈没
一方、ニビリア第二駆逐隊、駆逐艦「ダンケルク(ハインド級)」「コンスタンス(ビハインド級)」「コンコード(ビハインド級)」は敵巡洋艦「バンガー(アレキサンドリア級)」「カトラス(チベ級)」を強襲、撃沈した。が、「コンスタンス」は小破、「コンコード」は大破、航行不能となり、総員退艦後コンスタンスの対艦ミサイルで撃沈処分を行った。一方、ダンケルクも持ちそうに無かった
ニビリア第2駆逐隊 駆逐艦「ダンケルク」
クロフト少佐(ダンケルク艦長。車種:ベングリオン)「状況はどうか!」
ニビリア兵士B「右舷側多数被弾!傾斜しております!」
クロフト少佐「くそっ!無理に巡洋艦を狙ったのがたたったか・・・」
ボゴーーーーーーーーーーーン!
クロフト少佐「総員、退艦!」
Qレース第五艦隊 重巡「クラップ」
ケビール大佐(第5艦隊司令。車種:チャーチルMkZ)「損害報告!」
Qレース兵士A「多数被弾による中破!航行に関する影響はありません!」
Qレース兵士B「『サヴェージ』『スウィフト』『セラピス』沈没!」
ケビール大佐「・・・・・・我が艦隊も壊滅的打撃受く」
ナスカ級駆逐艦三隻と交戦した「エンカウンター」「エスコート」「エクリプス」の三隻。見事敵艦三隻を撃沈したが、エンカウンターは中破、ほか二隻は沈没した
また、「エレクトラ」「エクスプレス」「エクスモア」がカルオス軍巡洋艦隊と交戦、重巡3を仕留めた。奇跡的に「エレクトラ」中破以外の損害は無かった
だが、五隻の駆逐艦が敵戦艦「クレマンソー」「ブルターニュ(グワジン級)」の攻撃にかかり、二隻を中破させ、全滅した
ケビール大佐「・・・圧倒的な被害だな・・・」
メサイア宇宙基地
ファルケ大将「・・・状況は悪化しているようだな」
Qシュタイン通信兵B「連邦第三艦隊、残存艦20隻、連邦第二巡洋艦隊、残存艦10隻・・・」
ファルケ大将「・・・・・・」
Qシュタイン通信兵C「プロトン第三駆逐隊及びニビリア第二駆逐隊、いずれも残存艦三隻、Qレース第五艦隊、残存艦十一隻・・・」
ファルケ大将「・・・あわせて、四十七隻か・・・」
Qシュタイン兵士A「帝国勢力ですが、ウルタンク艦隊は残存艦三隻で撤退、カルオス艦隊は残存艦41隻です」
ファルケ大将「グンナの残存艦は?」
Qシュタイン兵士A「58隻です・・・」
ファルケ大将「・・・・・・・」
三時間に及ぶ戦いは終わった。結局、ファルケ大将以下メサイア駐留軍はファルケ大将ら数両及び、民間のチョロQ全員が脱出後、ヴェルケ大尉以下多数が奮戦したが、占領された
Qシュタイン第三艦隊旗艦「シュタインブリンク」
メーヴェ大佐「・・・・何隻やれるか、その答えが・・・26隻か・・・」
スハーフェン大尉「107隻、しかもその大半が駆逐艦、それなのに、よくやったものです」
メーヴェ大佐「一時撤収、か・・・」
宇宙艦隊旗艦「トレニオス」
サウラー中将「・・・107隻中、残存艦は47隻、敵残存艦は128隻中102隻」
パラオ大佐「・・・これでも、かなりの戦果でしたね」
サウラー中将「それでも、戦略的にも戦術的にも敗退だ」
松井元帥「諸君、久しぶりだな」
サウラー中将「松井元帥閣下!」
松井元帥「閣下は余計だ、閣下は」
サウラー中将「そ、そうでしたか」
松井元帥「・・・マル五艦隊計画艦なし、ほぼ最小限の戦力でどこまでやれるか、結果は26隻撃沈、よくやったものではないか」
サウラー中将「しかし、メサイアは占領されてしまいましたね」
松井元帥「あれだけの戦力だ。無理な相談だったのだろう。そもそも、我々には戦艦が無いのだ。宇宙を行く戦艦が無いのだ。これは仕方が無いものだ」
かくして、連合軍はメサイアを撤退した。反撃のときを誓って・・・
第一話 終わり