第三十三話 ルナツー復興計画
デヴォリア基地完成に伴い、キュワールの防備はいっそう固くなった
そしてもう一つの前線基地、ルナツーには大艦隊が集結しつつあった
Qシュタイン連邦第一特務艦隊 戦艦「ビスマルク」
クラウス中将(Qシュタイン第一特務艦隊司令。車種:ティーガーU)「こちら第一特務艦隊、これよりルナツーへ寄港する」
Qシュタイン連邦第一特務艦隊、新型航空戦艦バイエルン級を含む大艦隊である
日戦軍団の第一特務艦隊とは比べ物にならない規模である
というのも日戦軍団の第一特務艦隊は司令部的な一面があるためなのだが
フォークト大佐(ビスマルク艦長。車種:カノーネ駆逐戦車)「現時点では異常なし。このまま寄港します」
彼らはQシュタイン連邦の古参兵である
だが、今までの戦闘においては常に後方での基地司令を担当していたためほとんど目立っていなかったのだ
今回の第一特務艦隊編成においてようやく前線部隊に所属することとなったのである
そしてQシュタイン連邦もようやく遊撃部隊である特務艦隊を編成したのだ
日本戦車軍団第一特務艦隊 戦艦「紀伊」
松井元帥「こちら日本戦車軍団第一特務艦隊、現時点で異常なし。これより寄港する」
ティーガー元帥「ようやく、到着しましたな」
松井元帥「そうだな。これで前線だ。久々に暴れまわれるかも知れんぞ」
二十七隻の艦艇は、友軍艦艇と共にルナツーへ向かった
日本戦車軍団第二艦隊 空母「大鳳」
大鳳中将「このまま第一特務艦隊に続いて寄港する」
第二艦隊、言うまでも無く再編部隊である
かつてベータ沖で壊滅した第二艦隊は、一旦本土へ帰還した後に空母機動部隊へ再編したのだ
日戦軍団兵士A「『青葉』のツラギ少佐より入電、『敵潜宙艦に注意しつつ寄港する』以上です」
大鳳中将「潜宙艦か・・・確かに、潜んでいる可能性は高いな。第三派の潜宙艦隊がまだだからな・・・」
日本戦車軍団第一特務艦隊 戦艦「紀伊」
松井元帥「とりあえず反攻作戦は成功したが、次はライトウォーターか」
ティーガー元帥「そうですね。厄介な相手が来そうです」
松井元帥「そうだな。しかし、今回も支援にデュミナスが駆けつけたようだな」
今回、ルナツーに駐留することが決定された艦隊の中にはデュミナス軍第一巡洋艦隊の姿があった
旗艦は双胴巡洋戦艦「ブレナント」
他にも強力な艦艇が多数配備されている
双胴巡洋戦艦ブレナント級5隻
重巡洋艦アイビスR級10隻
重巡洋艦ストロング級8隻
軽巡洋艦フリートR級12隻
駆逐艦アリア級14隻
駆逐艦イファルナ級10隻
すなわち、戦艦六、重巡十八、軽巡十二、駆逐艦二十四である
航空機は総数304機。かなりの数である
デュミナス第一巡洋艦隊 巡洋戦艦「ブレナント」
トクエル准将(第一巡洋艦隊司令。車種:アヴェンジャー自走砲)「よし、各艦へ通達、これより寄港する」
デュミナス兵士「これで第二派の全艦隊ですね」
トクエル准将「そうだな。Qタンクの艦隊はデヴォリア方面の防衛を担当しているからいないそうだが」
デュミナス兵士「第一独立艦隊はこっちに来たようですね」
トクエル准将「しばらくはあっちはQタンクとアマティスに任せよう」
一方で、プロトン合衆国ではようやく反戦デモが鎮圧されてきたため、第五駆逐艦隊を派遣することを決定した
軽巡「ハンティントン」以下、駆逐艦十一の小艦隊である。以前第一、第二巡洋艦隊と共にプロトン攻撃艦隊と戦ったが撤退した艦隊である
艦隊司令官はホルス大佐からエバンス大佐に交代している
第五駆逐艦隊 軽巡「ハンティントン」
エバンス大佐(第五駆逐艦隊司令。車種:M24チャーフィー)「こちら第五駆逐艦隊、現時点では異常なし、寄港する」
プロトン兵士A「久々のルナツーですね」
エバンス大佐「そうだな、といっても我々が寄港していたのは極わずかの時期だったが」
プロトン兵士B「ようやくの出航でしたからね、今回は」
エバンス大佐「確かにそうだな。デモが長かったからな」
今回の派遣は軍部の強行的な一面もあったとされるが定かではない
いずれにせよプロトン合衆国が戦列に復帰したのは確かである
日本戦車軍団第一特務艦隊 戦艦「紀伊」
松井元帥「プロトン合衆国の戦列復帰に関してはうれしいところだが、今まで音沙汰が無かったのに唐突に戦列復帰とは・・・」
ティーガー元帥「まあ、確かに気になるところですが、戦力も増えますし、これでいいんじゃないんですかね?」
松井元帥「そうだな。ところで、ラピート中佐率いるニビリア第八巡洋艦隊もいるようだな」
ティーガー元帥「そうですね。彼は以前もルナツーにいましたね」
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ニビリア第三巡洋艦隊 重巡「シチリア」
ラピート中佐「Qターレット艦隊に続け!」
ニビリア兵士A「全速前進!」
ニビリア兵士B「・・・司令、妙な気がするんですが」
ラピート中佐「・・・ん?ウルタンク艦の速度が落ちている気がするのだが・・・」
ニビリア兵士A「敵艦、転進、撤退していきます!」
ラピート中佐「そんな馬鹿な、まだあいつら、十八隻残っているはずじゃ・・・」
ウルタンク第三巡洋艦隊 戦艦「ネブラスカ」
バス大佐「そろそろ潮時だな。撤退だ!」
バドウン少佐「面舵一杯!」
ウルタンク兵士A「面舵一杯!」
バス大佐「・・・囮か。私はあれ以来、この任務ばかりだな」
バドウン少佐「今回は劣りは劣りでも、重要な任務ですな」
超巨大波動砲艦「シスター・レイ」
ウルタンク将校「よし、囮艦隊が帰還した、シスター・レイ、チャージ開始!」
ウルタンク兵士B「シスター・レイエネルギーチャージ開始。残り5、4、3、2、1、ルナツー照準に入ります!」
ウルタンク将校「よし、シスター・レイ、全門照射開始ーーーーー!」
ウルタンク兵士C「了解!シスター・レイ、発射!」
ドシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ニビリア第三巡洋艦隊 重巡「ヴェスヴィオ」
ニビリア兵士C「前方にかなりの粒子を探知!とてつもない規模です!」
艦長「何!な、なんだあれは・・・」
ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
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松井元帥「重巡『シチリア』『ヴェスヴィオ』以下多数が轟沈、生還したのは第十三駆逐艦隊の『ホープ』>以下二隻と第九駆逐艦隊の駆逐艦『グウィン』、そしてニビリア第三巡洋艦隊の『アルベリコ・ダ・バルビアーノ』および駆逐艦五・・・」
ティーガー元帥「確かラピート中佐は漂流していたところを『アルベリコ・ダ・バルビアーノ』に救助されたそうですね」
松井元帥「確かあの時我々は、前進していた敵哨戒艦隊を月面基地近辺で迎撃したんだったな」
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第一哨戒艦隊 指揮戦艦「アイランド」
乗組員A「艦長!先ほど奇妙な音響を探知しました!」
艦長「何だと!?」
乗組員B「なにやら、レーザーの発射音のような・・・」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
乗組員A「『オーレル』、被弾!大破・・・やられました!」
艦長「何?!」
乗組員B「レーザー発射音!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
乗組員A「『リュービン』、大破!」
艦長「な、何故・・・」
乗組員C「一体、どうなってるんだ?」
副長「艦長!アレは・・・・」
艦長「まさか、あれがマル5艦・・・」
乗組員B「敵艦発砲!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
第一哨戒艦隊 指揮戦艦「ラフィーニ」
艦長「そんな・・・・アイランドが撃沈された・・・・」
副長「どうなってるんですか?」
艦長「・・・射程外だ。我々からは届かないところから撃っている・・・」
副長「そ、そんな!」
艦長「撤退だ!撤退!」
ボゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
乗組員「『ヴィーハー』、沈没!」
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松井元帥「・・・あの時、我々は大型レーザー砲を戦艦『アイランド』に放った。あれで敵の指揮系統は破壊されたかに見えた。だが、どうやら別の戦艦『ラフィーニ』が艦隊をまとめて撤退したようだな」
ティーガー元帥「・・・この船には敵艦内での音響を探知することも可能ですからね」
松井元帥「まあ、逃げる相手を追い掛け回すのは不利だ。あの時戦局は悪化していた。ベータでの大攻防戦で既に戦力が減っていたからな。だが、それで修理に回ったグンナ艦艇の代わりに、あの艦隊が出てきたようだな」
ここで、現時点でルナツーに寄港している艦艇を紹介する
プロトン合衆国第五駆逐艦隊(司令:エバンス大佐 車種:M24軽戦車)
旗艦:トレントン級軽巡「ハンティントン」
駆逐艦レイスト級3隻
駆逐艦クラーク級8隻
計12隻

プロトン合衆国第一独立艦隊(司令:クラシス大佐 車種:フェアレディZ33)
旗艦:フォーラスR級重巡「フィンバック」(艦長:カイト大尉 車種:フェアレディZ32)
重巡洋艦フォーラス級1隻
軽巡洋艦アスラートR級2隻
駆逐艦コンスロート級6隻
計10隻 航空機22機

ニビリア共和国第八巡洋艦隊(司令:ラピート中佐 車種:M15/42中戦車)
旗艦:デュケーヌ級
重巡洋艦トレント級3隻
軽巡洋艦アルベルト級4隻
軽巡洋艦デュゲイ級4隻
駆逐艦ブーラスク級8隻
計20隻 航空機16機

Qシュタイン連邦第二巡洋艦隊(司令:レオパルト大佐 車種:レオパルトIIA6)
旗艦:フォーミュラ級航空巡「バレンツ」(艦長:ヘンス中佐 車種:V号中戦車パンターA型)
重巡洋艦トレニオス級5隻
重巡洋艦グラシュトライク級8隻
ミサイル重巡洋艦ディーングロウ級6隻
軽巡洋艦エムデン級8隻
駆逐艦レービリヒト・マース級12隻
駆逐艦パウル・ヤコビ級10隻
計50隻 航空機50機

Qシュタイン連邦第六駆逐艦隊(司令:ハーケン中佐 車種:IV号中戦車G型)
旗艦:ケルン級軽巡「カクトピスク」
旧式駆逐艦グルンシュタット級5隻
駆逐艦レービリヒト・マース級4隻
計10隻 航空機2機

Qシュタイン連邦第一特務艦隊(司令:クラウス中将 車種:VI号重戦車ティーガーII)
旗艦:ビスマルク級大型戦艦「ビスマルク」(艦長:フォークト大佐 車種:カノーネ駆逐戦車)
大型戦艦ビスマルク級1隻
航空戦艦バイエルン級4隻
巡洋戦艦シャルンホルスト級6隻
主力戦艦シュレージェン級6隻
重巡洋艦グラシュトライク級8隻
軽巡洋艦エムデン級10隻
駆逐艦レービリヒト・マース級10隻
駆逐艦パウル・ヤコビ級10隻
計56隻 航空機228機

日戦軍団第一特務艦隊(司令:松井元帥 車種:90式戦車)
旗艦:紀伊型戦艦「紀伊」
軽巡洋艦阿賀野型2隻
駆逐艦陽炎型8隻
対空駆逐艦秋月型8隻
駆逐艦島風型8隻
計27隻 航空機80機

日戦軍団第二艦隊(司令:大鳳中将 車種:三式中戦車)
旗艦:大鳳型装甲空母「大鳳」
装甲空母大鳳型1隻
中型空母雲龍型4隻
戦艦大和型2隻
戦艦金剛型2隻
重巡洋艦妙高型3隻
重巡洋艦青葉型1隻
軽巡洋艦天龍型2隻
駆逐艦神風型3隻
駆逐艦吹雪型23隻
計42隻 航空機440機(偵察機含む)

デュミナス第1巡洋艦隊(司令:トクエル准将 車種:アヴェンジャー17ポンド対戦車自走砲)
旗艦:ブレナント級双胴巡洋戦艦「ブレナント」
双胴巡洋戦艦ブレナント級5隻
重巡洋艦アイビスR級10隻
重巡洋艦ストロング級8隻
軽巡洋艦フリートR級12隻
駆逐艦アリア級14隻
駆逐艦イファルナ級10隻
計60隻 航空機304機

ルナツー駐留艦隊計287隻 航空機1142機
また、陸上戦力に関しては、以前配備されていた砲台の代わりに、日本戦車軍団製長砲身10cm高角砲120基を配備することにした
これには工作部のセリ大佐も「一気に120基も生産するんですか!?」と驚いた程であった
結果、秋月型駆逐艦に搭載予定だったものまで用いたので、駆逐艦の生産数が下がったという問題が発生したのである
ちなみに、第三派となる艦隊は日戦軍団およびQシュタイン連邦の潜宙艦隊である
一方で、ルナツー司令部には前任が殉職したためQシュタイン連邦軍のドニゲッテル少将が担当することにした
ルナツー司令部
ドニゲッテル少将「初の前線基地配備だな」
ユゴス少佐「そうですね。ザンブニール以来ですね」
ドニゲッテル少将「もう少し、兵装の配備が必要だが・・・艦隊もいるな」
ユゴス少佐「後発の部隊がまたやってくるそうですね」
ドニゲッテル少将「らしいな。これでこっちの防備も完璧なものになるだろうな」
こうして、ルナツーに大艦隊が集結した。これにより前線部の防備が強化されたのであった
第三十三話 終わり

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