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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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宇宙戦艦紀伊外伝 デヴォリアに八地あり
 松井一真  - 2015/1/2 23:20 -
  
まさかの5年のブランク。

宇宙戦艦紀伊 外伝 デヴォリアに八地あり
ヴァイナー連邦軍の宇宙要塞“デヴォリア”
この星系の片隅で巻き起こった大戦に、さまざまな思惑が介入した結果誕生した要塞である
内惑星領域への勢力圏進出を図る外惑星連合と、それを阻止せんとする内惑星連合。このうち内惑星連合がキュワールを内惑星防衛の防波堤にせんとしたため、外惑星方面の防備強化が必要となった
従来キュワールは外惑星方面には哨戒基地のセイロンしか配置していなかったのである
直径5km前後の小惑星に建造された要塞都市には、強力な武装と艦隊が備わっている
同基地の設立に当たって、キュワール連合各国はデヴォリアに多数の艦隊を派遣。日戦軍団も艦隊を派遣することとなっていた
しかし、元来独立自治政府である日戦軍団は、八個艦隊・八個支援艦隊(機動艦隊・特務艦隊ほか)による「八八艦隊計画」の構想に無いデヴォリア方面艦隊を新規に編成することは困難であった
そこで、主力艦隊の一部戦力をデヴォリア方面に分派させることとなった
こうして誕生したのが“地方艦隊”である
このデヴォリアに位置する地方艦隊は六個あるが、その中で最大級の戦力がこの第八地方艦隊である
正式には「第二艦隊第八水雷戦隊」。再編直後の第二艦隊の戦力の一部を分派させたものであり、元々はパレンバンに駐留していた軽巡洋艦「龍田」を初めとする初代第二艦隊の戦力である
戦力は「龍田」のほかは駆逐艦一三隻。日戦軍団では珍しく駆逐艦が奇数となっているが、これはベータ沖の艦隊戦で壊滅した第二六駆逐隊の戦力を合流させているためである
司令官・加来進大佐は主要艦隊戦にこそ参加していないものの、大戦初期から対潜宙艦・哨戒艦隊戦闘に参加していたベテランである
参謀「司令、聞きました?我が軍のJT18船団が壊滅したという話」
加来大佐(車種:四式中戦車)「ああ、聞いたよ。ナントカドライブという機関で動く最新鋭戦艦にやられたらしいな」
山辺少佐(車種:八九式中戦車)「まあ、油断していたんでしょうね。直前に潜宙艦隊までやられたというのに、小規模な艦隊で護衛していたというのですから」
「龍田」艦長の山辺少佐は、戦隊編成以来の戦友である
どこか飄々としており、誰に対しても敬語で話している
話題になったのはデヴォリア設営前後、日戦軍団のJT−18船団が、突如敵の襲撃を受け全滅したという一件である
このとき連合軍はただの一隻も敵艦を沈めることが出来なかった
日戦軍団は船団司令官セラム大佐を後方部隊へと転属させ、Qシュタイン連邦も護衛艦隊司令官グローゼ中佐をパレンバン司令部付としている
山辺少佐「こちらは海防艦が十一隻に軽巡洋艦が一隻。相手は戦艦二隻を初めとした大艦隊。勝てる道理はありません」
直前には我らが日戦軍団の潜宙艦隊が、最新鋭潜宙艦に撃沈されている。このときもキュワール最強を誇った日戦軍団潜宙艦隊が、一切の抵抗もままならず撃滅されている
それでもJT−18船団の護衛は、海防艦(Qシュタイン連邦での呼称は“艦隊護衛艦”)十一隻と軽巡洋艦一隻という、旧来からの護衛体制であった
そして襲撃されたのは先に潜宙艦隊が壊滅したのと全く同じ宙域だったのである
参謀「しかし、突然の奇襲攻撃だったと聞いているが」
山辺少佐「最初に攻撃を加えたのは、例の潜水艦だったはずです。それにあの“特務”が問題なんですよ」
参謀「・・・“特務”?」
砲術長「ああ、第一特務艦隊のことか。確かあの時、晩餐会やってたって聞いたぞ」
当時、第一特務艦隊司令部においては旗艦「紀伊」で晩餐会が開かれていた
総司令官・松井元帥もそれに参加していたため報告が届くのが遅れていたというのだ
航海長「やれやれ、戦況は逼迫しているのに晩餐会で浮かれているとは。上層部はいいご身分ですね」
加来大佐「おいおい航海長、言葉が過ぎるぞ」
航海長の皮肉に、加来が釘を刺す
現在第八地方艦隊は、同じくデヴォリアに駐留する第一〇地方艦隊とともに哨戒任務に就いている
外惑星方面に睨みを利かせるには不足しているが、我々の相手になるのは基本的に敵の斥候だ
そのためこの戦隊は、主に機動性に優れた艦で構成されている
小柄だが機動性に優れる「龍田」はもちろん、連合軍ではトップクラスの最大速力を誇る峯風型駆逐艦が五隻、その改良型たる神風型駆逐艦が四隻所属している
第一〇地方艦隊も同様で、峯風型駆逐艦を中心とした第一〇駆逐隊、峯風型駆逐艦と呉竹型駆逐艦で構成された第三一駆逐隊、そして呉竹型駆逐艦で構成された第六五駆逐隊の三戦隊により構成されている
いずれも元来は第三艦隊の所属であり、船団護衛のためセイロンに寄航していたところを地方艦隊に編入された経緯がある
通信長「定時報告を行います。こちら第八地方艦隊旗艦『龍田』、現在デヴォリア宙域に異常なし」
ヴァイナー通信士(通信)「了解了解。そのまま哨戒活動を続行してください」
通信の相手はデヴォリアの司令部だ。大都市アハト・ラントシャフトを初め各地に大被害をもたらした帝国同盟軍の襲撃後も、なおも多数の艦隊を前線に展開するヴァイナー連邦軍。その指揮下に存在する
あの大陸三国は不思議な国で、いつもは三国揃って共同戦線を展開するというのに、今大戦に限ってクリーク王国が中立宣言を発したのだ
どうやら例のナントカドライブ戦艦の技術を研究しているらしいという噂もあるが・・・
そのとき、広域電探に謎の反応を探知した
電測員「電探に感あり!複数隻、移動速度から考えるに輸送船とは思えません!」
よりによって“異常無し”との通信後か
山辺少佐「参ったなぁ。通信やり直さなくちゃいけないなぁ」
加来大佐「全艦我に続け!所属不明艦に接近する!」
旋回する「龍田」。後続の駆逐艦も続いて旋回する
この間は敵艦だと思って近づいたら内惑星連合の艦艇だった
今度はどこの星の連中だろうか
広域電探の光点は徐々にこちらに近づいてくる
そして通常電探の範囲内にも掛かるようになってきた
電測員「数は一六・・・四隻は反応の大きさから巡洋艦と思われます」
山辺少佐「数が我々より多いですね。味方だと心強いのですが」
こちらは巡洋艦一と駆逐艦一三。うち四隻は火力に劣る呉竹型。本来なら対潜哨戒に使われるような艦だ
所属不明艦が仮に敵艦だとしたら厄介だ
前方に艦影が見えてきた
通信長「所属不明艦に発光信号。『こちら日戦軍団第八地方艦隊、軽巡洋艦『龍田』。貴艦隊の所属ならびに航行目的を問う。貴艦隊は我々キュワール連合宙域に侵入しつつある』」
艦橋の探照灯がリズミカルに点滅する
先頭を行く所属不明艦は重巡洋艦と思われる。大型の連装砲塔が確認できるだけでも四基。手ごわそうな相手だ
それに続く艦も同型と見られる
さらに後方を進むのはやや小柄で、主砲塔の基数も少ない。軽巡洋艦と見るのが妥当であろう
国籍表示などは見受けられない。どこと無く内惑星連合の艦艇にも似ている
すると、先頭の艦影が砲塔を旋回し始めた
山辺少佐「面舵一杯、両舷前進強速!」
急旋回する「龍田」
後続の駆逐艦もそれに続く
敵の先頭艦が発砲する
光弾はこちらの駆逐艦を掠めるように飛んでいった
加来大佐「全艦、状況報告!」
各艦から状況が報告される
先の攻撃での被害はないようだ
参謀「だまし討ちかよ・・・!」
砲術長「戦時とはいえ、なんて卑怯な!」
こちらの通信が終わらないうちから、敵は攻撃を仕掛けてきた
もちろんこちらからの呼びかけへの応答はない
加来大佐「・・・山辺、どうする?」
山辺少佐「決まってるじゃないですか・・・こんな卑怯な手を使う連中を・・・殲滅するまでです!」
その言葉を合図に、艦内にサイレンが鳴り響いた
副長「総員、戦闘配置に付け!」
急旋回する各艦
通信長「こちらは第八地方艦隊!デヴォリア宙域に国籍不明の艦船を発見!攻撃してきた!」
ヴァイナー通信士(通信)「了解!」
通信長はデヴォリア基地へ敵艦隊接近との報せを打つ
しかし援軍が来るかはわからないのが現状だ。我々だけで対処しなければならない
敵艦からの砲撃は止まない
敵は見たところ重巡・軽巡が各二、駆逐艦一二。重巡二と駆逐艦四を中心にした本隊のほか、軽巡一と駆逐艦四からなる二戦隊で構成されている
そのうち軽巡を中心にした二戦隊がこちらに向かってきた
遠距離攻撃に失敗した重巡は後方へ引き下がる
加来大佐「『菖蒲』、『杜若』、『躑躅』、『紫陽』は本艦に続け!敵を各個撃破する!」
四隻の呉竹型駆逐艦を従えて、「龍田」は敵戦隊へ向かう
加来大佐「『清風』以下八艦は分離、敵艦隊をひきつけろ!」
八隻の駆逐艦が隊列を離れていく
機動性に優れ、かつ強力な魚雷を搭載する峯風型・神風型八隻ならば、敵艦隊の砲撃は当たらない
初期の艦隊戦を多数潜り抜けてきた猛者・第八地方艦隊ならなおさらである
二つに分かれた艦隊を、敵艦隊は二分して追う
駆逐艦隊には軽巡一と駆逐艦六、本隊にはそれに重巡一を加えており、旗艦らしき重巡洋艦はそのまま待機している
あくまで慎重策か、はたまたこちらの戦力を甘く見積もったか
どちらにしてもこちらの読み通りだ
電測員「敵艦、魚雷発射!」
水雷長「遠いな・・・誘導魚雷か?」
先頭の敵重巡洋艦が魚雷を放つ
後続の艦艇もそれに続く
山辺少佐「左舷機関停止、取り舵一杯!」
急旋回し、敵魚雷を回避しようとする
しかし、魚雷は航跡を変えて向かってくる
山辺少佐「両舷前進強速!」
再び急発進し、重巡が放った第一射をかわす
第一射はこちらを追おうとするが、鋭く旋回した「龍田」に追いつくことはできなかった
後続の四艦も同様に回避したようだ
続く
引用なし
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宇宙戦艦紀伊外伝 デヴォリアに八地あり 松井一真 2015/1/2 23:20
  Re:宇宙戦艦紀伊外伝 デヴォリアに八地あり 松井一真 2015/1/2 23:21
   デヴォリアに八地あり あとがき 松井一真 2015/1/2 23:32

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んー、スパムとか面倒なんで勘弁。


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