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どうも、お久しぶりです。おすなのかたまりです。
スパムがひどいので、禁止語句を設定しました。
「http://」を禁止していますので、URL を記入する場合は「ttp://」とかにして下さい。
これでこのスパムがツールを使ったものかどうかよく分かると思います(笑
この掲示板は XREA.COM が生きてる限り多分あると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、さくらがちる頃に。

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宇宙戦艦紀伊 第七十四話 松井一真 2009/2/23 19:55
  Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 松井一真 2009/2/23 19:57
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 松井一真 2009/2/23 19:58
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 松井一真 2009/2/23 19:59
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 松井一真 2009/2/23 20:01
   宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき 松井一真 2009/2/23 20:04
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき あとがき ダークスピリッツ 2009/2/26 15:09
   Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき あとがき 松井一真 2009/2/26 20:14


宇宙戦艦紀伊 第七十四話
 松井一真  - 2009/2/23 19:55 -
  
ようやく完成。戦闘シーンがあるにも関わらずそれ以外の部分に力を入れました。

第七十四話 第二の初陣
キュワール連合軍、デヴォリア基地
ヴァイナー連邦の威信をかけて建設された同基地は、セイロン亡き今、内惑星連合との連絡拠点として活動している
セイロン方面から後退してきた艦隊と、パレンバンから撤退してきた輸送船団が無事たどり着いて以降は、特に入港する艦隊もなく、細々と哨戒活動が行われていた
そのデヴォリア基地に、数隻の赤い小型艦が入港した
アマティス公国軍、第十三哨戒戦隊。熱田中将の護送を担当した艦隊である
オルキス陥落の報を受け取った後も、デヴォリアへ向けて粛々と航行を続けていた
現在、その熱田中将は、出迎えにきた日戦軍団陸軍の将校の取調べを受けている
なにぶん記憶がないとはいえ、敵に付いていた者だ。形式上でも取調べを受ける必要がある

取調べに当たったのは同基地警備部隊所属、飯山中尉であった
既にルナツーへ寄港した第一特務艦隊より、ある通信文を受け取っていた
その通信文を机に広げて、飯山中尉は言った
飯山中尉(車種:九八式中戦車)「既に、総司令官よりある書類を預かっております。『貴官の日戦軍団への復帰を認め、第六八哨戒艦隊司令への着任を命ずる』・・・以上です」
熱田中将「・・・哨戒艦隊、司令?」
飯山中尉「はい。総司令官は、中将の復帰を心待ちにしておりました」
松井元帥の下した決断は、熱田中将の日戦軍団への復帰を認める、ということであった
無論本来ならばいきなりにでも機動部隊の司令に着任させたいところだが、一応敵に付いていた身であるためそこまでのことは出来ず、駆逐艦三で編成された第六八哨戒艦隊に着任させた
この艦隊は数日後、ベータに向けて出港する手筈となっていた
出港前に、同艦隊旗艦「呉竹」に乗り込み、乗員の面々と挨拶を交わした
艦長の草薙少佐は気さくな性格であり、かつての機動部隊の名将である熱田中将もすぐに哨戒艦隊の空気に馴染むことが出来た
数日後、予定通り出港が行われた
草薙少佐(車種:九五式軽戦車)「両舷、前進微速!」
目指すは、キュワール連合軍の前線基地であるベータ要塞
司令、熱田中将は二年半ぶりとなる日戦軍団勤務である
小規模な艦隊ではあったが、彼の目は真剣だった

同時刻、ベータ基地
着陸した航空機が、次々と格納庫に格納されていく
ルドルフ曹長は、Bv238Cの機影を眺めていた
そこに、ノイン上等兵がやってきた
ノイン上等兵「報告、終わりました」
ルドルフ曹長「ああ、そうか・・・」
サーロイ方面に向かった際のことを、基地の士官に報告していたのだ
クリーク領であるサーロイは、事実上の鎖国状態。クリークが近場にあるQシュタイン連邦としては情報がなんとしてでも欲しいところだったのだ
ルドルフ曹長「・・・それにしても、ここに来るのも久しぶりだな」
ノイン上等兵「長いことパレンバンにいましたからね」
ルドルフ曹長「それにしても、ここで最初にお前に会った時は、俺は戦果を挙げたばかりの軍曹、お前は入隊一ヶ月の元航空兵だったな」
そう、ベータは二両が出会った地であるのだ
そして、二両が飛行機乗りへと転じるきっかけとなった地でもある
そのとき、副操縦士の大尉が駆け込んできた
副操縦士「ノイン上等兵、偉いさんが呼んでるぞ!」
ノイン上等兵「えっ!?・・・どういうことですか?」
副操縦士「知らんが、基地司令のドニゲッテル少将が、用があるって。ちょっと行って来い!」
ノイン上等兵「了解!・・・では、曹長、一旦これで」
ルドルフ曹長「・・・ああ、また後でな」
やや名残惜しそうに、ノイン上等兵は司令室へと走っていった
ルドルフ曹長「・・・影が薄くなって来た気がするなぁ・・・」
副操縦士「・・・それは、気のせいだろ」
格納庫に残った二両のチョロQは、話を続けていた

司令室は、徐々に修復が進みつつあった
瓦礫が散乱していた司令室も綺麗に整い、最初は乱雑に置かれていた通信機器も整理整頓が完了している
数両の兵士が通信機器や電探の近くに座って待機している
そして、近くに直立する二両のチョロQの許に、ノイン上等兵がやってきた
しかし、そこまで来てノイン上等兵は固まってしまった
ドニゲッテル少将「・・・どうした?」
ユゴス少佐「・・・国を変えた名将を前に、固まってしまったようですぞ」
それを聞いて、ドニゲッテル少将は豪快に大笑いした
ドニゲッテル少将「俺も、昔はそうだったよ。なにぶん、上官が大戦の名将でな」
Qシュタイン連邦陸軍きっての功労車ともいえるドニゲッテル少将は、その階級以上に多くの陸軍兵士から尊敬される存在である
それでいて、部下思いの良き将校である
「ドロワル事件」の失敗で上官が更迭された後も、黙々と勤務を続け、地盤を固めた後に決起した一将校の気概がそこにあった
ドニゲッテル少将「しかしねぇ、惜しいもんだよ。こんな優秀な奴を航空科に出さなければならなかったってことは」
ユゴス少佐「全くですなぁ」
三両はひとまず談笑した
話は積もるばかりであったが、ノイン上等兵は意を決してあることを聞いた
ノイン上等兵「・・・どころで、司令は一体何故、自分を呼んだのですか?」
ドニゲッテル少将「・・・ん?あぁ、そう言えば、まだ話していなかったな」
再び豪快に笑って見せた後に、返答を言った
ドニゲッテル少将「我々の最新鋭輸送機を使って、縦横無尽に駆け巡る陸軍の名パイロットの姿を、一度は見てみたかったから、かな」
あまりにも単純な理由である。「祖国の自由と平和」を謳ってクーデターを敢行した名将は、とかく単純な理由の下に行動するのだ
ノイン上等兵「はぁ・・・」
ユゴス少佐「・・・司令、あの件は?」
なかなか「本題」に切り出さないのを見て、ユゴス少佐が言う
ドニゲッテル少将「・・・あぁ、それを忘れていた。ユゴス少佐、説明してくれ」
ユゴス少佐「はっ!・・・これを、君に渡したかったのだ」
そう言うと、ユゴス少佐は書類を取り出した
陸軍総司令部からドニゲッテル少将を通して届いた、ある通達であった
それによると、ノイン上等兵は晴れて兵長に昇進することになっていた
ユゴス少佐「本日付けで、ようやく、兵長に昇進だ。おめでとう」
ドニゲッテル少将「これからの奮闘に、期待しているぞ」
ノイン上等兵「はっ!ありがとうございます!」
ドニゲッテル少将「ハハッ、急に兵隊口調に戻らんでいい。さて・・・これから輸送隊が必要な任務は無いから、さっきの話でも続けるか」
そして、再び先の話に戻ったのであった
その後、改めて階級章を授与し、ノイン上等兵改め兵長は意気揚揚と司令室を出て行った
第七十四話 続く
引用なし
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話
 松井一真  - 2009/2/23 19:57 -
  
今回もっともこだわった会議室の攻防。

第七十四話 第二の初陣
会議室には、多数の幕僚が集結している
空軍参謀A「第三巡洋艦隊が派手にやらかしたそうですよ」
空軍参謀B「ああ、その件については既に聞いているよ」
空軍参謀A「奴を更迭したのは正解だったが、更迭した先がまずかったな・・・」
空軍参謀C「しかしね、謹慎中の身だというのに、たかだか四隻の駆逐艦で出撃したばかりか、挙句の果てに逆賊と同一行動とは、全く何ということだ!」
空軍参謀D「そうだ!あいつはとんでもない国賊だ!」
こうもなると、空軍はとてつもなく騒ぎ始める
特に意味も無いようなことを絶叫するのが彼らである
空軍参謀B「海軍第五艦隊は何故止めなかったのかね?!」
やはり矛先は海軍に向けられた
海軍作戦参謀である西郷中将が言う
西郷中将「そうは言ってもですね、ベータは補給線が途絶していて通信もままならないんですよ!」
空軍参謀B「通信どうこうの問題じゃないだろう!大体パレンバンが占領されたのは貴様らが頑張らなかったからだろう!」
空軍参謀A「そうだ!第三艦隊司令の処分はどうなっている!?」
空軍参謀C「そうやって馴れ合いばかりしているのが貴様らの悪いところだ!」
空軍参謀B「俺たちに責任を押し付けようとでも言うのか!?石田と厚木の処分はどうなっていると言っているんだ!」
第三巡洋艦隊が活動を開始してからというもの、海軍の株は急激に下がりつつある
このままでは海軍が真っ先に「犠牲者」となりそうだ
海軍参謀「ですから、本日は彼らの処分について・・・」
空軍参謀B「こうなればね、あの国賊の権威と階級を全て剥奪し、本国に連行して即刻銃殺刑にするべきだ!」
一式中戦車が叫ぶ
その言葉を聞いて、他の参謀達も同じことを叫び始めた
空軍参謀C「谷村の言うとおりだ!あの国賊をさっさと殺せ!」
黒田中将「国家の膿を始末しろ!」
その会議の中で、海軍情報部所属の将校、湊川少佐は思った
この将校の言っていることは支離滅裂だ。空軍はパレンバンに一機もよこさなかったくせに、パレンバン防衛に失敗した第三艦隊を咎めている
挙句の果てに大戦果を上げた艦隊司令官を抹殺しようとしている
空軍参謀C「大体だな、逆賊どもの無謀な特攻作戦に同行するということが間違いなのだよ!」
大柄な車体に中将の階級章と無数の勲章を付けた九五式重戦車が叫ぶ
さっきから随分とやかましい奴だ
湊川少佐「お言葉ですが、藤沢中将。彼らは絶対的に生還できると見て、作戦を遂行しています!過去の松井元帥の功績、知らないはずがないでしょう!」
自身の立場を省みずに、湊川少佐は言った
情報士官として事実を言うことは当然だ。何が悪いか
空軍参謀A「貴様、逆賊の肩を持つ気か?!」
空軍参謀C「絶対的に生還できる!?そのような話があるか!?」
湊川少佐「あなた方はQトルック紛争の折、絶対的に勝利できると確信した作戦を幾度か立案した!それと似たような物と思ってください!」
高沢少将「湊川君!」
海軍情報参謀の高沢少将が制止する
大河内元帥(車種:特四式内火艇)「・・・いや、湊川君、続けてくれ」
海軍長官、大河内元帥が言う
既に腹は決めた。ここで言わずしていつ言うか。これが最後の会議となるかもしれないのだから
湊川少佐「はっ!・・・この作戦・・・彼らは『菊』号作戦としたそうですが、この作戦計画には精鋭部隊である日戦軍団第一特務艦隊のほか、Qタンク第十五巡洋艦隊、同第111航空隊が参加予定とあります!」
彼は日戦軍団から渡された作戦計画書をしっかり握っていた
「『菊』号作戦計画書」と題されたそれには、そのときに起こったことの全てが書かれていた
空軍参謀C「たかだか巡洋艦隊一つと航空隊だけで、奴らに勝てたのかね?」
空軍参謀B「いずれにしても、ラファリエスの大機動部隊には勝てないではないか!」
湊川少佐「全艦無事で帰ってきたのです!」
空軍参謀D「それは結果論でしかない!」
殆ど追従しかしていない九二式重装甲車が言う
湊川少佐「結果論で考えれば、あなた方の作戦は間違いなく馬鹿の産物です!」
湊川少佐は知っていた。第三次キュワール大戦時に並行して勃発したQトルック紛争において、グリシネ国軍は精鋭空軍の発案した作戦が全くもって効果が無く、さらに陸海軍との連携が一切取れていなかったために所詮で敗退を続け、プロトン王国の援助を受けて辛うじて持った、ということを
その時代から、空軍の作戦指揮能力は欠けていたのだ
空軍参謀C「・・・作戦のことはいい、あいつをさっさと処刑するんだ!とんでもない国賊だぞ!」
相変わらず、自分達が不利な状況に立たされると、状況を上手く持っていこうとする奴らだ
それに対し、原田大将が立ち上がろうとする
モントレー元帥「参謀長、無茶はよせ」
陸軍長官、モントレー元帥が制止する
原田大将「長官、いずれこの国は滅びます。せめて、一度だけでも正しいことをさせてください」
モントレー元帥「・・・分かった。好きにしろ」
それを聞いて、原田大将は立ち上がって言った
原田大将「彼のやったことは間違いなく命令違反だ。しかし『菊』号作戦への参加自体は間違いではない。日戦軍団及びQタンク王国軍と共同で作戦を展開し、敵戦艦を撃沈せしむるという、今までのグリシネ軍では考えられないほどの大戦果を挙げているのだぞ!」
空軍参謀A「陸軍参謀長、今日は海軍の会議のはずだろう!貴様ら陸の連中は関係が無いだろう!」
あまり口を開いていなかった三式中戦車が叫ぶ
確か空軍技術本部長、斎藤中将の片腕と呼ばれた参謀だったか
彼も例に漏れず、中将の階級章と無数の勲章をつけている
今日は介入できる話ではないのか、斎藤中将が沈黙している分、彼がしきりに叫んでいる
原田大将「森中将!これは軍全体の不祥事だ!国が傾くかもしれないのに、まだ縄張りを主張するか!・・・大体、この事件は貴様らが引き起こしたといっても過言ではないんだぞ!」
西郷中将「そのとおりだ!あいつと俺の戦友をここまで追い詰めたのは貴様らだろうが!・・・森、貴様はとんでもなく狂っちまった!」
駆逐艦「ライズナ」の艦長、小泉少佐は西郷中将の戦友であった
彼を前線部隊へと更迭し、自身は空軍参謀本部のポストに収まった「卑怯者」は二両の同期の桜、森中将であった
原田大将「貴様らは自分たちこそが正義だと思っているが、それは間違いだ!貴様らは壁にぶち当たったことが一度も無いからそう言える!俺はここまで生きてきて、どれほど苦渋を嘗めさせられてきたことか!俺も松井元帥も、Qターレットの士官学校時代から幾多もの苦難の壁を乗り越えてきたんだ!」
今までに無く原田大将が熱弁を揮う
西郷中将「森、貴様はあの時に誓った事を忘れたか!」
空軍参謀A「黙れぇっ!」
そう言うと、中将の階級章をつけた三式中戦車が発砲した
その砲弾は、熱弁を揮っていた湊川少佐に命中した
湊川少佐「・・・口に対して、鉄砲で答えますか!?」
高沢少将「まずい!・・・落ち着け、湊川君!」
高沢少将が言った時には遅かった
既に湊川少佐の砲身には硝煙が立ち昇っていた
そして、湊川少佐は森中将へと掴みかかっていた
高沢少将「しまった・・・」
湊川元帥「偽善車はいつもそうだ!文句だけは美しいけれど・・・!」
それに続けとばかりに、陸海の幕僚達が一斉に飛び掛ってきた
陸軍参謀「湊川に続けぇっ!この国を支配する悪党どもを締め出してやる!」
直ちに応戦しようと空軍の幕僚達も一斉に机を押し倒して飛び掛った
黒田中将「黙れっこの国賊が、皆殺しにしてくれる!」
会議室は一瞬にして戦場と化した
大河内元帥「・・・高沢君」
高沢少将「・・・申し訳ございません」
大河内元帥「いや、こうなることは分かっていたよ。だから湊川君を進めた」
あるものは止めるため、あるものは支援するため。押しも押されもしない壮烈な内乱が始まった
もはや会議どころではない
グリシネ国王「諸君、落ち着け!」
陸軍参謀「寄生虫め!」
空軍参謀D「国賊がぁっ!」
国王は必死に落ち着かせようとするが、発言権など無いに等しい国王の言葉に誰も耳を貸そうとしない
数では陸海の方が単純計算で二倍はある。軍事会議だったので民事の閣僚は誰一両とも居らず、先の二発の弾丸を除いては発砲することこそ無かったものの、積年の恨みとばかりに飛び掛る陸海の幕僚は、空軍の幕僚をたこ殴りにしていた
普段は落ち着き払っている西郷中将も、このときは狂気の塊と化していた
西郷中将「森ぃっ、これで目を覚ませぇ!」
脚をたたんだ長机を取り、西郷中将が叫ぶ
斎藤中将「この国賊どもめ!」
海軍参謀「石頭技術屋は黙っていろ!」
自身が座っていた椅子を取り、一撃を加える参謀
あるものは椅子を持って殴りかかり、あるものは机を振り回す
一瞬にして戦場と化した会議室で、それまで黙っていた統合幕僚長、木原元帥が叫んだ
木原元帥(車種:TK−X)「落ち着け!落ち着け!・・・・諸君、落ち着くんだ!もういいだろう!」
ただ一つだけ立っている彼の前の机を叩いて、木原元帥は言った
木原元帥「・・・もういいだろう・・・彼の処分は保留ということで・・・自国民の殺し合いなんか見たくない・・・!」
陸海空、如何なる軍に対しても強力な発言権を有する統合幕僚長の発言とあっては、強権的な空軍の幕僚も従わざるを得なかった
厚木准将に関する処分は、保留することとなった

偵察艦、「ビストロイ」。宇宙大戦争開戦以来、幾多もの戦場に駆け出して偵察に活躍した偵察艦である
現在、同艦はベータ方面の偵察作戦に参加している
艦長、シュパーギン少佐は開戦時からこの艦に乗り組んでいるベテランである。こちらは索敵圏内に敵基地を捉え、敵情を観測している
索敵開始から一時間、電探に妙な光点が光った
電探士「艦長、対空電探に反応あり。数は一機、哨戒機と思われます」
シュパーギン少佐(車種:T−60)「よし、旗艦に知らせろ」
普段どおり、通信士が旗艦「アウグスト」へ打電する
しかし、この艦の所属する艦隊は、「Qグリーン連邦軍第4偵察艦隊」ではない
実はQグリーン連邦がウルタンク帝国を併合、グリシア帝国として再編成されていたのだ
従って、「ビストロイ」が所属するのはグリシア帝国軍第8偵察艦隊である
前任務まで同行していた僚艦「スメルチ」は重巡一とともに別部隊に引き抜かれ、同部隊に所属する偵察艦は再び「ビストロイ」一隻となっている
電探に写る一機の機影は、徐々に第八偵察艦隊に近づきつつある
しばらくすれば、「アウグスト」の電探にも写るだろう

偵察艦「ビストロイ」からの通信を受け取った重巡洋艦「アウグスト」は、対空戦闘の用意を整えていた
ヴィノクール中佐(「アウグスト」艦長。車種:T−27)「司令、対空戦闘準備完了です」
ヤルヌイ大佐「こちらには航空機は無い。艦隊戦は免れないな・・・よし、哨戒機を撃墜したら戦闘配置を維持、対艦戦に切り替える」
ヴィノクール中佐「了解!」
電探に機影が写る
哨戒機が一機。報告どおりである
艦隊は前進を開始、敵基地への接近を図った

キュワール連合軍、エラム基地。ベータ方面の前進基地として建造された基地の一つである
ニビリア共和国軍哨戒飛行隊所属のC−600哨戒機は、同基地を飛び立って定時哨戒任務に当たっていた
遠方に見た不審な艦影を追って接近したが、その艦隊は識別表には見られない編成だった
しかし、塗装こそ違う物の、そこにはドライザ級偵察艦の姿があった
通信士「こちら哨戒機、こちら哨戒機。グリシア帝国軍と思しき艦隊を発見!グリシア帝国軍と思しき艦隊を発見!」
パラシュートを背負って、脱出の準備を整える
そのとき、眼下に敵艦の姿が見えた
敵艦隊に近づきすぎていたのだ
脱出直後、敵艦隊が発砲を開始した
まだ機体からあまり離れていなかったため、搭乗員は爆風を受け負傷、そのまま接近した敵駆逐艦に収容された
第七十四話 続く
引用なし
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話
 松井一真  - 2009/2/23 19:58 -
  
戦闘開始。連合軍の復帰戦?

第七十四話 第二の初陣
撃墜された哨戒機からの通信を受け取ったエラム基地司令部は、直ちに警戒警報を発令した
迎撃のためにニビリア共和国軍第20哨戒艦隊、第21哨戒艦隊がエラム基地を出港した
同哨戒艦隊の指揮を執っている指揮官は、開戦劈頭、指揮下の艦隊を壊滅させられたチョロQであった
第20哨戒艦隊司令、ステフェン大佐は、メサイア戦で第二駆逐艦隊を指揮、敵艦隊相手に奮闘するも、八隻の艦艇が撃沈されている
第21哨戒艦隊司令、スコッツ大佐は、メサイア撤退戦の折に第六護衛艦隊を指揮、襲来してきた敵艦隊の攻撃を受け駆逐艦二隻が撃沈されている
その後の艦隊再編で、哨戒艦隊司令に任命された両名は、再び最前線に配置されることになったのだ
編成は両艦隊ともに軽巡一、駆逐艦三である。対する第8偵察艦隊は重巡一、駆逐艦四、偵察艦一、護衛の第98駆逐艦隊は駆逐艦四で、数ではともかく火力では第8偵察艦隊に分があるように見える
そのため、近辺を航行していたQシュタイン連邦の艦隊に救援を求めた
Qシュタイン側からの返答は、既に戦艦三を初めとする救援艦隊が向かっているとのことであった
第20哨戒艦隊は、旗艦である軽巡「リペイル」を先頭に、単従陣で敵艦隊に向かい合った
ステフェン大佐「目標捕捉、報告どおりの偵察艦隊だな」
ロートレック中佐(「リペイル」艦長。車種:シュナイダー突撃戦車)「射程圏突入まで戦闘配置のまま待機。相手はあの独立艦隊の艦を一隻沈めている。油断するな!」
独立艦隊、といっても、プロトン合衆国第1独立艦隊が編成される前のことだが、第4偵察艦隊は独立艦隊以前にクラシス中佐が指揮していた第10哨戒艦隊の駆逐艦「プラット」を、砲雷撃にて撃沈している
当時としても精鋭部隊であった第10哨戒艦隊の駆逐艦を撃沈したことは、「ビストロイ」不沈伝説と相まって第4偵察艦隊(現:第8偵察艦隊)の伝説の一つとなっている
Qシュタイン艦隊は戦艦三を要する小規模の戦艦隊だと聞いている。巡洋艦が一隻しかいない向こう側に対しては脅威となるだろう

前方にはニビリアの艦隊が迫りつつある
しかし威力偵察と陽動作戦が今作戦における任務。退くわけには行かない
ヤルヌイ大佐「よし、『ビストロイ』は戦闘宙域外で待機、本艦を含めた残りの艦と第98駆逐艦隊は応戦準備!」
ヴィノクール中佐「対艦戦闘用意!」
通信長「『ビストロイ』から入電!『Qシュタイン連邦艦隊が索敵圏内に進入』!」
「ビストロイ」の広域電探には既にQシュタイン艦隊が映し出されていた
ヤルヌイ大佐「Qシュタイン艦隊が到着するまでの間は、少なくとも交戦を続けるぞ」
ヴィノクール中佐「はっ!」
グリシア兵士A「敵艦との距離、20000!」
敵艦隊は真正面から接近している
数は巡洋艦二、駆逐艦六。勝てない相手ではない
「ビストロイ」からの報告によれば、Qシュタイン艦隊は少なくとも戦艦が一隻、巡洋艦が二隻。一隻の戦艦は巡洋戦艦と見られている
この部隊に来られたら戦局は不利になるが、かといって救援要請は野暮である
常に単独あるいは僅かな随伴任務で成果を挙げてきたこの艦隊の伝統を崩すわけにはいかない
グリシア兵士A「敵艦との距離、16000!」
こちらも向こうもほぼ全速力で近づいている。ニビリア艦隊はどう打って来るか
グリシア兵士A「敵艦との距離、15000!」
ヤルヌイ大佐「全艦、面舵一杯!回頭終了後に砲撃初め!目標は敵軽巡洋艦!」
ヴィノクール中佐「面舵一杯!」
「アウグスト」が旋回を開始する
後続艦も後を追って旋回を始める
敵艦は未だ射程圏外。撃ってくる気配は無い
そして、全艦の旋回が完了した
「アウグスト」の砲塔が、軽巡洋艦に向けられる
ヴィノクール中佐「撃ち方始めぇ!」
一斉に砲撃が開始される

先頭の敵艦が旋回し、こちらに向かって砲撃を仕掛けてきた
急旋回で、その光跡をかわす
舷側を掠めるようにして、光跡は「リペイル」から遠ざかっていった
ロートレック中佐「回避成功。復帰戦もなかなか苦戦しそうですな、司令?」
ステフェン大佐「戦局が悪化しているんだ、仕方ないだろう・・・全艦に通達。取舵一杯!」
T字戦法を図る敵艦隊に対し、こちらは同航戦に転じる
砲撃をギリギリで避けつつ、艦隊が転回する
至近弾、多数
しかし、命中弾、未だ無し
ニビリア兵士A「敵艦との距離、12000!」
ステフェン大佐「主砲攻撃用意、目標は敵重巡洋艦!」
砲塔が一斉に右舷側に向く
ステフェン大佐「撃ち方始めぇ!」
砲撃が開始される
両艦隊は徐々に距離を詰めながら、同航戦を続けている

同航戦が開始されて数分、徐々に敵艦隊が左舷側に迫りつつある
グリシア兵士A「敵艦との距離、10000!」
ヴィノクール中佐「副砲、攻撃初め!目標は敵軽巡洋艦!」
左舷に展開する七基の砲塔が、一斉に敵軽巡洋艦へと指向する
そして、全力射撃を開始する
数発が敵艦を掠めて消えていく
しかし、その中の一発が、舷側に命中した
グリシア兵士B(通信)「命中!」
それを皮切りに、多数の砲撃が命中した
敵艦も反撃を開始する
機動性に劣る「アウグスト」に、多数の攻撃が命中する
ヴィノクール中佐「被害報告!」
グリシア兵士C(通信)「左舷第一砲、異常なし!」
グリシア兵士D(通信)「左舷第二砲、異常なし!」
「アウグスト」を含め、ヴィットール・ピサニ級重巡洋艦は、元々「装甲巡洋艦」と呼ばれる艦種であり、重装甲を有している
そのため、多少の命中弾では戦闘行動に支障は出ないのである
グリシア兵士A「敵艦との距離、7000!」
もうすぐ駆逐艦も射程圏内に突入する。雷撃戦になってはこちらの方が分が悪い
そして、魚雷の射程圏内に到達した
敵駆逐艦が一斉雷撃を開始する
そして、数本が命中する
損害はそれ程ではなかったが、このまま雷撃が続行されると沈没も免れないだろう

状況を見ていたシュパーギン少佐は、戦闘配置を指示していた
シュパーギン少佐「長距離照準、用意!」
副長「長距離照準、用意!」
電探士「・・・艦長?!」
シュパーギン少佐「広域電探を主砲の射撃レーダーにリンクするんだ。やって見ろ!」
電探士「了解!」
電探士たちがモニターを見ながら機器を操作する
作業は数十秒で完了した
電探士「接続完了!」
シュパーギン少佐「よし。目標敵駆逐艦、主砲射撃用意!」
主砲が旋回を開始する
砲撃手(通信)「射撃用意、よし!」
シュパーギン少佐「撃ち方始めぇ!」
轟音とともに、光学弾が敵艦へと向かっていく
広域電探による精密照準で打ち出された弾道を描く光学弾は、外すことは無い
敵駆逐艦の右舷に六発、全弾が命中する
続いて第二射、こちらも真っ直ぐ敵艦へと向かっていく
そしてその光学弾は、見事敵艦の艦橋を貫いた

轟音とともに前方の艦が爆発したのは、そのときだった
ニビリア兵士B「『ボルドレー』炎上!」
根元に光学弾が命中した艦橋は、徐々に倒壊、搭載した弾薬もろとも大爆発を起こした
前方に展開する友軍駆逐艦「ボルドレー」は、突如遠方の敵からの砲撃を受け轟沈した
一体どういうことなのだろうか
艦長「・・・まさか、『ビストロイ』の広域電探・・・」
乗員が必死に舵輪を回している
直後、艦橋に激震が走った
艦長「被害報告!」
ニビリア兵士C(通信)「右舷第二区、火災発生!」
ニビリア兵士D(通信)「機関室、火災発生!」
ニビリア兵士E(通信)「右舷第一銃座、応答ありません!」
続々と飛び込んでくるのは火災報告であった
敵の射撃はあまりにも正確だった
艦長「・・・総員退艦!」
副長「総員退艦!」
乗員達が慌てて艦橋を離れていく
ニビリア兵士B「艦長、早く!」
艦長「分かった!」
所々で爆発が巻き起こる
乗員達が内火艇に乗り込む
そして、退艦作業が完了した後、艦は大爆発を起こした

大爆発を起こし、沈没する二隻の駆逐艦
ニビリア兵士F「『ボルドレー』、『ボンバルド』、沈没!」
ロートレック中佐「周辺の敵艦からの発砲じゃない。きっと『ビストロイ』だ」
副長「偵察艦が積極的に撃つなんて・・・」
ステフェン大佐「『ビストロイ』の乗員は猛者揃いだ。そう言うこともあり得る」
ニビリア兵士A「敵艦、魚雷発射!」
ロートレック中佐「面舵一杯!」
数本の魚雷が、艦尾を掠めていく
しかし、二〜三本ほどが、舷側に直撃した
ニビリア兵士G(通信)「右舷第三区、火災発生!」
さらに、別の駆逐艦が放った魚雷により、友軍駆逐艦が一隻、轟沈した
先の雷撃で「リペイル」は炎上、駆逐艦二隻が沈没。久々の実戦とはいえ、かなりの損害を被っている

第21哨戒艦隊も雷撃で一隻が轟沈、「ロステイル」も僅かとはいえ被弾している
「リペイル」は消火作業は進みつつある物の、損害は大きい
炎上する艦隊を見て、スコッツ大佐は思った
一旦、後退するべきであろうか
しかしその考えは、電探に写った影にかき消された
ニビリア兵士I「司令!電探に感あり!」
スコッツ大佐「・・・来たのか?!」
ニビリア兵士I「はい、来ました!」
「BC Karlstein」。Qシュタイン艦隊が追いついたのだ
ガイル准将(通信)「こちら第34巡洋艦隊。戦闘宙域に到着!ご苦労だった!」
ふと前方を見ると、Qシュタインの巡洋戦艦が、左舷側前方から敵艦隊へと近づいていた
第七十四話 続く
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話
 松井一真  - 2009/2/23 19:59 -
  
偵察艦隊撤収。そして熱田中将の復帰戦。

第七十四話 第二の初陣
突如前方に、Qシュタインの巡洋戦艦が立ち塞がった
砲塔が徐々に旋回する
そしてその砲身は、いずれもこの艦を狙っていた
ヴィノクール中佐「面舵一杯!」
続いて、無数の砲身が一斉に咆哮した
光学弾は「アウグスト」を掠め飛んでいく
そしてそれは後続の駆逐艦に直撃する
戦艦の主砲斉射を受ければ、駆逐艦はひとたまりも無い
艦橋下部に命中した光学弾は、駆逐艦を真っ二つに切断した
それとともに、「アウグスト」の左舷にいくつかの光学弾が命中する
後続の重巡の放った光学弾であった
残りの艦艇は「アウグスト」に続いて回頭する
敵艦隊もそれを見て回頭を開始する
ヴィノクール中佐「主砲射撃用意、目標は敵重巡洋艦!」
砲塔が一斉に敵重巡のほうを向く
ヴィノクール中佐「撃ち方始め!」
主砲が一斉に咆哮する
砲撃は見事敵重巡に命中する
再び、同航戦に転じる

戦力は殆ど互角ではあるものの、こちらには戦艦がいる
それでもなお奮闘する敵艦隊。やはり武勲艦隊は伊達じゃない
だが、こちらとしては圧倒的な戦力を前にしていたパレンバン戦と比べれば楽な話である
ガイル准将「主砲攻撃用意、目標は敵重巡!」
再び、砲塔が旋回、敵重巡洋艦のほうを向く
ガイル准将「撃ち方始め!」
第二斉射、真っ直ぐ敵艦へと向かっていく
しかし、再び回避される
艦長「なかなか当たりませんな」
ガイル准将「こっちもそうだが、向こうも開戦当時からのベテランだ。仕方が無い。シュタイナー准将の艦隊はどうした?」
通信長「もうすぐ到着するとの事です」
艦長「了解・・・それにしても、奇妙なめぐり合わせですな」
ガイル准将「緒戦で苦闘を強いられてきた艦隊司令官たちが、開戦時から活躍しつづけるベテラン艦隊を迎撃する、という意味か?」
艦長「その通りです」
ガイル准将「・・・そうだな。奇妙な話だ」
熾烈な砲撃戦は、なおも続く

砲撃戦はほぼ互角の状況であり、先の砲撃で一隻が沈んだ他は沈没艦は無し。このままいければもう数隻を撃沈することも不可能ではないだろう
第8偵察艦隊司令、ヤルヌイ大佐は確信した
しかし、電探に新たな敵艦隊の反応が映った
やや低速ではあるが、大きな反応。間違いない、戦艦だ
電探士「・・・敵戦艦部隊、接近!」
ヴィノクール中佐「Qシュタインの艦隊か・・・厄介ですな」
ヤルヌイ大佐「戦艦が三隻も相手では勝ち目は無い。後退するぞ」
そう言ったときには、敵戦艦隊はさらに近づいていた
単従陣を維持したまま、第8偵察艦隊は後退した

電探に映る敵艦隊が、突如回頭を開始した
撤退するつもりらしい
しかしその中の一つに、ドライザ級偵察艦の姿があった
開戦当時からたびたび現れていた偵察艦「ビストロイ」であった
第15戦艦艦隊司令、シュタイナー准将は、敵艦隊に対する砲撃を命令した
シュタイナー准将「砲撃用意!目標は敵偵察艦。弾種、通常弾!」
同時刻、同じ命令がガイル准将より「カールシュタイン」にも下されていた
ガイル准将(通信)「こちら第34巡洋艦隊、敵偵察艦を追撃し発砲する。そちらは?」
シュタイナー准将「第15戦艦艦隊、同じく。そちらに続く」
ガイル准将(通信)「了解した!」
敵偵察艦は既に射程圏から遠ざかりつつあった
最大射程で発射するしかない
測距手(通信)「測距、よし!・・・この分だと十斉射くらいが限界ですかね」
砲撃手(通信)「とにかくなるべく早く撃つべきだ。射撃準備完了!」
砲術長「撃ち方、始めぇ!」
二隻の戦艦が一斉に主砲射撃を開始する
続いて、「カールシュタイン」が砲撃する
三隻の戦艦から放たれた巨弾は、「ビストロイ」めがけて飛んでいった

電探に映る戦艦は、こちらにめがけて砲撃を開始したようだ
シュパーギン少佐は直ちに回避運動を指示した
砲弾は「ビストロイ」の至近で炸裂した
通常弾だ
「ビストロイ」は偵察艦のためそれ程装甲が厚くない
爆風で装甲板が剥ぎ取られる
シュパーギン少佐「被害報告!」
グリシア兵士J(通信)「右舷第五区、損傷!」
その後も砲撃が繰り返され、艦は激しく振動する
各所で被害が及びつつある
ふと見ると、友軍駆逐艦が徐々に速力を落としつつあった
護衛のために同行した第98駆逐艦隊の艦だった
そしてその駆逐艦の舷側に、戦艦の放った通常弾が直撃した
大爆発とともに、轟沈する駆逐艦
その直後、砲撃が止んだ
どうやら射程圏外に到達したらしい
副長「危ないところでしたね・・・」
シュパーギン少佐「・・・悪運は、今日も味方だったか」
敵艦隊は一応進んではいるが、戦艦がいる分こちらに追いつくことは不可能であろう
今日の戦闘でも、辛うじて生き残ることが出来た

「フランデンブルグ」の艦橋では、敵駆逐艦が爆発、炎上するのが確認できた
「ビストロイ」の盾になったようだ
艦長「生存車がいるかどうか確認する。そのまま前進を続けろ」
操舵手「了解!」
シュタイナー准将「久々の実戦だったが、まずまずの戦果だな」
ガイル准将(通信)「こちらもほぼ同じ評価だ。あの艦隊を相手に損害を三隻に抑えることが出来たのは良かったな」
シュタイナー准将「・・・しかし、ベータに行くはずだったのがとんでもないことになってしまったな」
ガイル准将(通信)「戦局が逼迫しているんだ、仕方が無い。エラムで修理を受けるか」
シュタイナー准将「了解了解。生存車を救出後、エラム基地に寄港する」
当初はベータに向かう予定だったQシュタイン艦隊だったが、損傷も少なくなかったため、一旦エラムに寄港、修理の後に改めてベータに向かうこととなった
こちらが撃沈した駆逐艦は戦艦の砲撃による二隻。しかし、こちらは砲雷撃により三隻を失った
敵艦隊を追い払った物の、犠牲も大きかった

同時刻。Qシュタイン艦隊と同じく、ベータに向かっていた艦隊が存在した
エラム方面を通っていったQシュタイン艦隊に対し、一直線に進んでいた三隻の駆逐艦
駆逐艦「呉竹」、「刈萱」、「蕨」の三隻で構成された第六八哨戒艦隊は、ベータへの寄港を目前としていた
熱田中将「・・・因縁の地だな」
ここに戻ってくるのも何年ぶりになるだろうか
デヴォリア基地にあった報告書によれば、自分はベータで二度死んだことになっている
もしかしたら三度目の死に場所もここかもしれないが、後ろ向きなことを言っていられないのが実情だ
最前線では、既に多くのチョロQが死んでいる
そういえば戦友、鳴神中将とはあれ以来会っていない。彼は無事なのだろうか
さまざまな思いが頭をよぎったそのとき、草薙少佐が話し掛けてきた
草薙少佐「司令、まもなくベータに到着します。しかし、いつ敵潜が攻撃を仕掛けてくるか分からないのが実情です。気を引き締めましょう」
熱田中将「・・・そうだな。考え事は寄港してからだな」
一度は敵を退けたとはいえ、また敵が再攻撃を仕掛けてくるかもしれない場所だ。事実、前線のエラム基地には敵の偵察艦隊が襲来したというではないか
そう思ったとき、今度は聴音手が叫んだ
聴音手「左舷に感あり!敵潜宙艦です!」
艦内に動揺が走る
草薙少佐「総員戦闘配置!対潜戦闘用意!」
直ちに全艦に指示が下される
熱田中将の「第二の初陣」が始まろうとしていた

同時刻、グリシア帝国軍潜宙艦「バリッラ」
通商破壊のため僚艦「アントニオ・シエサ」とともにベータ沖に展開していたが、突如としてソナー音を探知した
改めて敵艦隊を確認したところ、輸送船は無く、駆逐艦が三隻だけだった
日戦軍団の護衛駆逐艦。どうやら対潜哨戒に参加していたらしい
艦長、イマノフ中佐は戦闘配置を指示した
イマノフ中佐(車種:BA−27装甲車)「『アントニオ・シエサ』は直ちに退避、本艦は雷撃を敢行した後に離脱する!」
副長「魚雷戦用意!」
「アントニオ・シエサ」を逃がすため、こちらは雷撃後に離脱する
イマノフ中佐「魚雷発射準備は?」
水雷長「発射準備、既に良し!」
イマノフ中佐は、潜望鏡で敵艦の陣容を捉える
駆逐艦が三隻、単縦陣でこちらに向かってくる
イマノフ中佐「目標、敵一番艦、てぇーっ!」
艦首発射管より、四本の魚雷が発射される
放射状に放たれた魚雷は、敵艦隊へと向かっていく
イマノフ中佐「面舵一杯、艦尾発射管発射用意!」
その指示を受け、「バリッラ」は急旋回する
敵艦隊は徐々に距離を詰めつつある
敵艦が第一派を回避する時に上手く距離を広げられるか
とりあえず、背を向けることには成功した
イマノフ中佐「艦尾発射管、目標敵一番艦、てぇーっ!」
艦尾発射管より、二本の魚雷が発射される
先の四本に続いて、敵艦隊へと向かっていく
イマノフ中佐「急速潜航!」
副長「急速潜航!」
乗員達が一斉に艦首に向かって駆けて行く
深度計は徐々に下がっていく
これで、何とか逃げ切れるか
第七十四話 続く
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話
 松井一真  - 2009/2/23 20:01 -
  
対潜戦闘、そしてベータの基地内部描写。

第七十四話 第二の初陣
敵潜と距離を詰めるため、3隻の駆逐艦は全速で向かっていた
聴音手「敵艦より魚雷音!数は・・・六本!」
熱田中将「取舵一杯!」
三隻の駆逐艦が一斉に回避運動を取る
魚雷は「呉竹」の舷側を掠めて艦尾方向へと消えていった
しかし、後方で爆発が起こった
「蕨」が被弾したのだ
通信士「『蕨』、右舷に一本が被弾!機関損傷!」
機関室が損傷、速力が半減したとの報告が入った
熱田中将「『蕨』に打電、『先にベータ基地へ寄港せよ』!」
敵潜は全速力で離脱しようとしている。こちらも全速で追いかけなければならない
指示を受けた「蕨」は転回後、ベータ基地へと向かった

命中したのは一発。三番艦が戦線を離脱したようだ
しかし残りの二隻は無傷でこちらへ向かってくる
水測長「敵艦、爆雷投下!」
イマノフ中佐「面舵!」
旋回をして、爆雷を回避する
イマノフ中佐「爆雷防御!」
直後、爆雷の爆風で艦が振動する
振動は幾度か続くが、命中弾は無い
しかし、たびたびある至近弾で、艦は損傷した
辛うじて、無事敵艦隊を振り切ることに成功した
それにしても思わぬ遭遇戦であった
やはり連合軍の対潜警戒は伊達ではなかった

爆雷の弾数が尽きるまで投下したが、撃沈には至らなかった
一応損害を与えることには成功したようだが、こちらは駆逐艦一隻が中破している
通信長「『蕨』より入電、『無事、ベータへ寄港せり』、以上です!」
熱田中将「・・・鳴神にどう顔向けすりゃいいかな・・・」
日戦軍団屈指の潜宙艦乗りである鳴神中将がこの戦闘を聞いたら、なんて言うだろうか。熱田中将はそう思った
草薙少佐「・・・いえ、我々は最善を尽くしました。復帰戦、それも慣れない対潜戦闘で、沈没艦は一隻もありません。立派な成功です!」
そういって、草薙少佐は励ました
着任してからというもの、彼に助けられっぱなしである
熱田中将「・・・そうだな。さて、ベータに行くか」
草薙少佐「面舵一杯!」
二隻の駆逐艦は再び変針、一路ベータへと向かった

ベータ軍港には損傷を負った「蕨」が停泊していた
追って僚艦の「呉竹」、「刈萱」が寄港するとの連絡が入り、さらに指揮官が熱田中将であると聞いた日戦軍団の将兵は、急いで港まで出向いた
勿論、京城少佐と菱沼少佐も、そこにいた
新竹大尉「三六二空の京城少佐か?」
京城少佐「はい!何でしょうか?」
階級は一応こちらの方が上とはいえ、兄の下で二番機を務めている隊員だ。つい敬語になってしまう
新竹大尉「あんたの兄貴・・・つまり飛行隊長だが、ちょっと用事があって来れなくなった」
京城少佐「えっ・・・一体何が?!」
新竹大尉「乗ってる電征の発動機がいかれてね。呆れながら整備士怒鳴りつけて見に行ってたよ。『どういうヘマをしたら発動機がいかれるんだ』って」
何でも、新米の整備士が第117航空隊隊長、京城大佐の乗る電征の整備に当たったところ、手違いでエンジンが故障してしまったということらしい
なにぶんお兄ちゃんっ子である京城少佐は、開戦以来兄に会っていなかったので愕然とした
そんな中、「呉竹」と「刈萱」が寄港した
菱沼少佐「熱田中将、無事帰還万歳!・・・あれ、京城、やけに落ち込んで・・・」
旗を振っていた菱沼少佐が、京城少佐の様子が妙なことに気づいた
菱沼少佐「・・・まさか、一一七空の隊長が来られないってことで落ち込んでるのか!?」
「呉竹」にタラップが連結され、多くの乗員達が降りてくる
菱沼少佐「日戦軍団屈指のエースも、精神的にはガキだなぁ」
京城少佐「な、何を言うかぁ!」
そう言って、京城少佐は菱沼少佐へ飛びかかった
軽くかわす菱沼少佐
群集を掻き分けながら、京城少佐から逃げ回る菱沼少佐
新竹大尉「全く、ほほえましいな・・・」
そのとき、タラップから熱田中将と草薙少佐が降りてきた
草薙少佐「あっ・・・飛行隊の連中・・・」
追いかけっこはなおも続いている
新竹大尉「ちょっとした喧嘩でして・・・上に、処罰でも下させておきましょうか?」
熱田中将「いや、構わん。実に結構なことじゃないか。孤立した最前線の者が、あれほど元気ということは」
元気な航空兵の姿を見て、熱田中将は内心嬉しかった
鳴神中将の姿はここには無いが、第四艦隊がライトウォーターから回航される予定なので、いずれは再開できるだろう
やはり、帰る場所はここだった。熱田中将はそう思った
その日、日戦軍団の機関紙「日戦軍団広報」の一面を飾ったのは、勿論この記事であった

それから数分後、ベータ基地兵舎
哨戒直についていた平岡二等兵は、自室に戻っていた
勿論、通信科平岡上等兵の影も、そこにあった
夜もふけたときだった。寝ようとしていた平岡二等兵に、平岡上等兵は唐突に言った
平岡上等兵「・・・何かが、近づいてくる・・・どうやら俺の同類らしい」
平岡二等兵「えっ?!ということは・・・」
平岡上等兵「とにかく、一緒にきてくれないか?」
こうもなっては、従わざるを得ない
廊下に出た二両は、そのまま廊下を進み始めた
そして、角を曲がったところに、見慣れないII号戦車の姿を見た
良く見ると、室内灯の光が透けていた
平岡二等兵「・・・遂に俺にも見えるようになったか・・・」
平岡二等兵は愕然とした。激戦地の幽霊騒ぎはあまりにも有名だが、よもや本当に見えるようになってしまうとは
一方で、平岡上等兵はそのII号戦車に見覚えがあった
平岡上等兵「・・・お前、まさかモヴァーク?!」
II号戦車「その声は・・・平岡さん?!」
どうやら、通信班の知り合いらしい
平岡上等兵「そうだ。まさかお前までここにいるとはな・・・」
モヴァーク二等兵「爆風に飲まれた時、死にたくないって思ったんです。そうしたら、こんな風に・・・」
平岡上等兵「・・・やっぱり、同類だな」
平岡二等兵「・・・もしかして、知り合い?」
話を聞いていた平岡二等兵が聞く
平岡上等兵「同じ班にいたモヴァーク二等兵だ。Qシュタイン連邦から派遣された奴で、俺の三つ下。二つ下の勝山って奴が怪我したんで、代わりに来たレーダー手だが・・・」
実に不幸な奴だ、とでも言うかのように平岡上等兵が言った
モヴァーク二等兵「ベータ基地通信班のモヴァーク二等兵です。といっても、平岡さんと同じで今は実体が存在しませんが・・・」
簡単な自己紹介を済ませた後、一旦二両はモヴァーク二等兵と別れた
自室に戻った二両は、少し沈んでいた
平岡二等兵「・・・まさか本当に見えるようになっちまうとは・・・」
平岡上等兵「多分俺やあいつ以外にもいっぱいいると思う。ここは激戦地だったからな。それを考えると、パレンバンの方が多そうだが・・・」
平岡二等兵「・・・そういえば、上等兵は何か能力とか無いのか?」
平岡上等兵「・・・無いことも、ないかな。ちょっと、あれを持ってきてくれ」
平岡上等兵が指差したのは、やや縮尺が大きめのラジコンだった
模型製作が趣味の平岡二等兵は、いくつかのラジコンを持っていた
平岡二等兵はラジコンの一つを選び、床に置いた
平岡上等兵「・・・少し小さいが・・・いけるな」
すると、平岡上等兵の姿が、ラジコンへと消えていった
その直後、ラジコンが動き出した
勿論、コントローラーには触れていない
平岡二等兵「動いた?!」
すると、ラジコンから再び平岡上等兵の姿が現れた
平岡上等兵「こういうことだ。俺のような奴は物体に憑依することが出来るんだ。まあ、あまり大きい物だと長時間は出来ないが」
それを聞いた平岡二等兵は、あることを思いついた
平岡二等兵「・・・待てよ。それってもしかして、ボディに入ることも出来るんじゃないのか?!」
平岡上等兵「・・・考えたことが無かったな。そうすれば俺は実体を取り戻すことが出来る!総司令官は俺がどうなったかを知っている。その気になれば日戦軍団に復帰できるかもしれないぞ!」
平岡二等兵「じゃあ、今度総司令官が来た時に試してみようじゃないか!」
意味があるのかどうかは分からないが、彼らに何か希望が生まれた
先ほどまで沈み込んでいたのが嘘のように、二両は大盛り上がりをした
しかし・・・
日戦軍団兵士「おい平岡!何騒いでんだ!今何時だと思ってるんだ?!」
隣室の同僚が大声に気づいて怒鳴り込んできたのだった
勿論、彼に平岡上等兵の姿は見えなかった

停泊する戦艦「紀伊」の艦内では、出港準備が行われていた
灰田大佐「戦局が逼迫しているんだ、いつでも出港できるようにしておけ」
灰田大佐が、艦内を回っている
松井元帥「・・・もうすぐだな」
ティーガー元帥「はい。いよいよ決戦ですな」
松井元帥「・・・あいつら、上手くやってくれればいいが」
現在、第一特務艦隊は、ベータに向けて出航する準備を整えている
その一方で、また別の準備を整える部隊が存在した
そう、グリシネ海軍第三巡洋艦隊である
第三巡洋艦隊及び第五主力艦隊は、このルナツー基地に集まっていた
作戦参謀「改めて、今作戦の説明をさせていただきます。五日後に、第一特務艦隊がベータに向けて出港します。我々はその護衛にベータへと向かいます。ライトウォーター近郊で一旦分散した後、第五主力艦隊が『叛乱艦隊の追撃』という名目で出港。港外に待機している艦艇数隻を撃沈した後に我々と合流する、ということになっております」
第五艦隊司令「・・・それで、合流後は一体どこへ?ベータに行くと不自然だが」
厚木准将「ベータ方面にある資源惑星『フィフスルナ』を拠点とする予定です」
第五艦隊作戦参謀「・・・ライトウォーターから撤収した際に一緒に撤収したところですな。隠れ家にはもってこいです」
「フィフスルナ」はベータ〜ライトウォーター間にある小規模な資源惑星である
民間企業が資源調達のために保有していたが、帝国軍のベータ侵攻の折に、ライトウォーターともども撤収した
ライトウォーター奪回後も、採掘作業は行われず、チョロQの姿は無い
そこを彼らの拠点とするのだ
勿論、日戦軍団の了承は得ている
厚木准将「キュワール最強の軍事組織がバックについています。作戦は必ず成功します」
作戦説明の最後に、厚木准将は付け加えた
両艦隊の士気は、異様なほど高かった

同時刻、ライトウォーター遠方宙域
青い艦隊が、ライトウォーター方面へと向かっていた
航海長「もうすぐキュワール連合軍の勢力圏に進入します」
艦隊司令「・・・遂にここまで来たな」
旗艦に乗る指揮官は、報告を聞いて安堵した
幾多もの激戦を繰り広げ、ようやくここまでたどり着いた
戦力も半数以下に減っている
ゲリラ戦を繰り広げていた彼らは、戦闘続行が困難と見てこの宙域へとやってきたのだ
彼らが向かうのは、資源惑星「フィフスルナ」
勿論、その惑星が放棄されていることも、グリシネ海軍の艦隊が向かっていることも、彼らは知るよしもない

同時刻、セイロン基地
大日本帝国軍の大艦隊が、そこに待機していた
小澤大将「次期目標はキュワール本土となる。各員は出撃に備えるように」
現在、ラファリエス軍の支援を得てパレンバンに到着した輸送船団が、セイロンへと向かっている
この船団が到着次第、彼らはキュワールへと向かう
遂に連合軍との決戦が始まるのだ
キュワールの危機は、迫りつつあった
第七十四話 終わり
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宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき
 松井一真  - 2009/2/23 20:04 -
  
あとがき:「紀伊」は一話一話が必然的に長くなるので、あとがきのネタもかなり多い。従って今回も書くこととしました。
前日には完成しており、「2月22日22時22分」の投稿を目指しましたが突然サーバーとの通信が途絶。22日中はつながりませんでした。仕方が無いので終盤を加筆修正して公開する事としました。

冒頭に登場する飯山中尉。日戦軍団の基地士官はとりあえず藤田、平岡、勝山以外に各基地専属の士官を一両ずつ出しておこうかと思って、今回はデヴォリア基地の士官として出しました。今更気づいたんですがライトウォーターは長期にわたって第一特務艦隊が停泊していたので偏ってますな。ちなみに天城と野末は寄港してますが、正式にデヴォリア所属になったわけではないので登場してません。
草薙少佐。なぜか設定原案中編で「小泉少佐」となっていましたが、小泉少佐はグリシネ海軍所属の駆逐艦「ライズナ」艦長と被るので前編での「草薙少佐」を起用しました。
この第六八哨戒艦隊、所属艦全艦の名前が明記されている数少ない艦隊ですね。まあ「三隻しかいなかったから全部名づけた」と言ったところですが。日戦軍団潜宙艦隊は毎回全部名前が出てますがあれは番号だから悩まないんです。

ベータ基地。気のせいかこの基地はクローズアップされる確率がパレンバンともども高いですね。ルドルフとノインが初めて対面した地(そして二両の運命が大きく変わった地)であるため二両にとっても思い入れの強い場所でしょう。
副操縦士の大尉。「青き名将(仮題)」のチョロ〜ン機銃手や一〇二中隊副官の大尉もそうだったんですが、名前を付けるほどの出番は無いだろうと思っていたので付けなかったんですが、案外出番が多い。
ドニゲッテルとユゴス。SCCQではこの二両はコンビは組んでません。というかSCCQでコンビを組んでいた将校はプロトン軍のミーンテースとビスカイト以外ありませんな。たまたまプロトン北方で共同戦線を展開していたのでこうなりました。ユゴス少佐が全然異なるキャラクターになってますがあえてこうしました。豪快な指揮官と冷静な副官、考えてみたらありがちなパターンですね。
「ドロワル事件」の首謀車とされているのはティーガー元帥(とマッドタンク)ですが、その部下だったはずのドニゲッテル少将は事件に参加しなかったので上層部はノーマークだったようです。それを利用してドニゲッテル少将は地盤を固め、総統の家系を継ぐT−35を挙げての総決起を起こしたようです。

会議室の幕僚。今回名前が出ているのは海軍長官:大河内元帥、海軍情報部所属:湊川少佐、海軍情報参謀:高沢少将、海軍作戦参謀:西郷中将、陸軍長官:モントレー元帥、陸軍参謀長:原田大将、空軍参謀長:黒田中将、空軍技術本部長:斎藤中将、空軍参謀:森中将、空軍参謀:藤沢中将、空軍参謀:谷村中将、統合幕僚長:木原元帥。他にも陸軍参謀、海軍参謀が各一両、空軍参謀の九二式重装甲車が登場しています。
改めてみるとやや間延びした感のある戦闘シーンよりもこちらの方が緊迫感があります。今まで冷静に発言していた西郷中将が狂ったように机を振り回す場面はこの後亡国と化すグリシネを予見しているようにも見えます。
同期の裏切り。西郷中将は海軍参謀ですが、以前の友は花形だった空軍へと移り、自らは小泉少佐とともに海軍に入隊したという随分と複雑な将校だったりします。西郷中将とともに作戦部で活躍した小泉少佐ですが、活躍を妬んだかつての親友、森中将は彼を最前線に更迭。友を売ってまで参謀本部に執着する姿にかつての友の面影は一切見えず、西郷中将は空軍参謀本部と訣別、原田大将ともども日戦軍団を援護する方針を固めます。それにしても当初はそれ程深く掘り込む予定が無かったのに凄まじい背景が誕生した物だ。
ちなみに湊川少佐の「偽善車はいつもそうだ」は久々にウルトラマンのパロディ。急にやりたくなった。
木原元帥。車種の「TK−X」は勿論のこと、自衛隊の次期主力戦車です。レオパルトIIA5を髣髴とさせる砲塔形状と90式戦車よりやや小柄でスマートな車体形状は気のせいかSCQ中期にLaitoさんがデザインした新型戦車に似ているような。
大河内元帥。そういえば海軍長官って名前出てなかったなと思ったので。グリシネの幕僚はモントレー元帥を除いて全員漢字二文字(階級含め四文字)だったのでメリハリを付けようと三文字(階級含め五文字)で(森中将も出てきましたが)。空軍長官の名前が出てないのは空軍は参謀長の黒田中将辺りで充分なので。

グリシア。実はグリシネ国初登場時、「グリシア国」と間違えて書いてしまっていたことがありました。「黄金街道グラシア」というディーゼル列車が当時存在していた(現在は「こがね」に改名、リニューアル)のでそれと被ってしまって間違えたようです。
「ビストロイ」の艦内描写。あんなに出てきたのに「ビストロイ」って外からしか描かれてないんですよね。だから艦長も今回まで登場しなかった。で、車種設定が豆戦車だったりするのは旗艦の「アウグスト」に合わせました。
で、帝国側も緒戦から活躍してきた部隊なら勿論キュワール連合軍も。初期の回で登場した小艦隊の司令官が次々と登場。熱田中将もそうですが、彼らも復帰戦。サブタイトルの「第二の初陣」はある意味こっちの方を重視してます(熱田中将の場合は帝国時代を含めると三度目になりますし)。
Qシュタイン艦隊。戦艦のみが属する第15戦艦艦隊など、やや異例の編成が多い。もしかして艦隊再編の過渡期的な編成?

第六八哨戒艦隊。前述のように全艦に艦名が設定されています。このうち、損傷する「蕨」のみ本来「呉竹」が属する若竹型に属さない名前ですが、樅型が登場していないので若竹型の方で出しました。そういえば「刈萱」は「かるかや」って読むんですね。
熱田中将の復帰戦。対潜戦闘ということでもう少しいろいろ考えてみようかとも思ったんですが、今回双方ともに攻撃は殆ど一度だけ。もう少し潜水艦映画を見ておけばよかった、と後悔。

ベータ基地の内部描写。そういえばベータ基地は多彩なエースが揃っているわけですな。
二両の平岡。登場するたびに何らかの進展が見られる二両(といっても今回で二回目ですが)、今回はモヴァークまで出てしまいました。これからどうなっていくかが気になるところ。
その他、帝国軍やらオルキス軍やらの描写。一応書いてありますが、オルキスにも大日本帝国にも現場筋を描きやすいような存在がいないのであまり書いてません。

さて、次回は遂に本土決戦か、二両の平岡の運命は、そしてグリシネ海軍のクーデターの行方は。
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき あとがき
 ダークスピリッツ  - 2009/2/26 15:09 -
  
> あとがき:「紀伊」は一話一話が必然的に長くなるので、あとがきのネタもかなり多い。従って今回も書くこととしました。
第七十四話ご苦労様です。設定に掛かった日数は2ヶ月程・・・ペース遅いなぁ自分orz
> 前日には完成しており、「2月22日22時22分」の投稿を目指しましたが突然サーバーとの通信が途絶。22日中はつながりませんでした。仕方が無いので終盤を加筆修正して公開する事としました。
僕も時たまそういうことありますね。大体1日程度空けばつながります
>
> 冒頭に登場する飯山中尉。日戦軍団の基地士官はとりあえず藤田、平岡、勝山以外に各基地専属の士官を一両ずつ出しておこうかと思って、今回はデヴォリア基地の士官として出しました。今更気づいたんですがライトウォーターは長期にわたって第一特務艦隊が停泊していたので偏ってますな。ちなみに天城と野末は寄港してますが、正式にデヴォリア所属になったわけではないので登場してません。
ライトウォーターは確かに色々と日戦軍団所属の兵士が出てきてましたね。現在はベータに偏ってますが。天城と野末は今後どういう扱いでだしましょうかねぇ・・・悩む。
> 草薙少佐。なぜか設定原案中編で「小泉少佐」となっていましたが、小泉少佐はグリシネ海軍所属の駆逐艦「ライズナ」艦長と被るので前編での「草薙少佐」を起用しました。
中編でミスりましたスンマセン。何故か「ライズナ」の艦長の名前になってましたが気づきませんでした^^;草薙少佐でOKですハイ。
> この第六八哨戒艦隊、所属艦全艦の名前が明記されている数少ない艦隊ですね。まあ「三隻しかいなかったから全部名づけた」と言ったところですが。日戦軍団潜宙艦隊は毎回全部名前が出てますがあれは番号だから悩まないんです。
船団護衛等を主任務とする小艦隊なので3隻としましたが船団護衛も担当するのでは少し少なかったでしょうかねぇ。旗艦1+僚艦4隻で5隻くらいだした方がよかったような気がする・・・
>
> ベータ基地。気のせいかこの基地はクローズアップされる確率がパレンバンともども高いですね。ルドルフとノインが初めて対面した地(そして二両の運命が大きく変わった地)であるため二両にとっても思い入れの強い場所でしょう。
今後はまたもやベータが戦場になる事になりますので暫くはベータがクローズアップされる事になりそうです。あとグリシネも。
> 副操縦士の大尉。「青き名将(仮題)」のチョロ〜ン機銃手や一〇二中隊副官の大尉もそうだったんですが、名前を付けるほどの出番は無いだろうと思っていたので付けなかったんですが、案外出番が多い。
そろそろ名前をだした方がいいのか・・・でもなんかなぁ・・・異動させようかな
> ドニゲッテルとユゴス。SCCQではこの二両はコンビは組んでません。というかSCCQでコンビを組んでいた将校はプロトン軍のミーンテースとビスカイト以外ありませんな。たまたまプロトン北方で共同戦線を展開していたのでこうなりました。ユゴス少佐が全然異なるキャラクターになってますがあえてこうしました。豪快な指揮官と冷静な副官、考えてみたらありがちなパターンですね。
というかユゴス少佐ゲームだとあまり喋っていないような・・・
> 「ドロワル事件」の首謀車とされているのはティーガー元帥(とマッドタンク)ですが、その部下だったはずのドニゲッテル少将は事件に参加しなかったので上層部はノーマークだったようです。それを利用してドニゲッテル少将は地盤を固め、総統の家系を継ぐT−35を挙げての総決起を起こしたようです。
>
> 会議室の幕僚。今回名前が出ているのは海軍長官:大河内元帥、海軍情報部所属:湊川少佐、海軍情報参謀:高沢少将、海軍作戦参謀:西郷中将、陸軍長官:モントレー元帥、陸軍参謀長:原田大将、空軍参謀長:黒田中将、空軍技術本部長:斎藤中将、空軍参謀:森中将、空軍参謀:藤沢中将、空軍参謀:谷村中将、統合幕僚長:木原元帥。他にも陸軍参謀、海軍参謀が各一両、空軍参謀の九二式重装甲車が登場しています。
ここに来てかなりの数の幕僚の名前が出てきていますね。
> 改めてみるとやや間延びした感のある戦闘シーンよりもこちらの方が緊迫感があります。今まで冷静に発言していた西郷中将が狂ったように机を振り回す場面はこの後亡国と化すグリシネを予見しているようにも見えます。
戦闘規模自体が小規模なため出来るだけ伸ばしてみたのですがなんかパッとしませんでした。というかグリシネの会議の方が松井さんの本文みて面白かった。最初は言い合いだけで終わらそうと思いましたが後々乱闘まで持ってきました。そっちの方が緊迫感があると思って。
そして国王は本当に発言権が無いように見えますな。
> 同期の裏切り。西郷中将は海軍参謀ですが、以前の友は花形だった空軍へと移り、自らは小泉少佐とともに海軍に入隊したという随分と複雑な将校だったりします。西郷中将とともに作戦部で活躍した小泉少佐ですが、活躍を妬んだかつての親友、森中将は彼を最前線に更迭。友を売ってまで参謀本部に執着する姿にかつての友の面影は一切見えず、西郷中将は空軍参謀本部と訣別、原田大将ともども日戦軍団を援護する方針を固めます。それにしても当初はそれ程深く掘り込む予定が無かったのに凄まじい背景が誕生した物だ。
深い・・・深すぎる・・・これは原案の考えがいがありそうだ・・・
> ちなみに湊川少佐の「偽善車はいつもそうだ」は久々にウルトラマンのパロディ。急にやりたくなった。
僕は某魔砲少女アニメで似たような物があったなと思った。
> 木原元帥。車種の「TK−X」は勿論のこと、自衛隊の次期主力戦車です。レオパルトIIA5を髣髴とさせる砲塔形状と90式戦車よりやや小柄でスマートな車体形状は気のせいかSCQ中期にLaitoさんがデザインした新型戦車に似ているような。
「TK−X」ですか。あれは74式戦車の後継。と言う事は90式戦車の後継はこれから作るのだろうか・・・
> 大河内元帥。そういえば海軍長官って名前出てなかったなと思ったので。グリシネの幕僚はモントレー元帥を除いて全員漢字二文字(階級含め四文字)だったのでメリハリを付けようと三文字(階級含め五文字)で(森中将も出てきましたが)。空軍長官の名前が出てないのは空軍は参謀長の黒田中将辺りで充分なので。
でも空軍長官は一応いる設定ですね?
>
> グリシア。実はグリシネ国初登場時、「グリシア国」と間違えて書いてしまっていたことがありました。「黄金街道グラシア」というディーゼル列車が当時存在していた(現在は「こがね」に改名、リニューアル)のでそれと被ってしまって間違えたようです。
一応設定ではウルタンク帝国がQグリーン連邦を吸収した感じでグリシア帝国が生まれました。本文だと逆になっていたので一応。
> 「ビストロイ」の艦内描写。あんなに出てきたのに「ビストロイ」って外からしか描かれてないんですよね。だから艦長も今回まで登場しなかった。で、車種設定が豆戦車だったりするのは旗艦の「アウグスト」に合わせました。
もはや「ビストロイ」は紀伊より登場回数が多いかも。
> で、帝国側も緒戦から活躍してきた部隊なら勿論キュワール連合軍も。初期の回で登場した小艦隊の司令官が次々と登場。熱田中将もそうですが、彼らも復帰戦。サブタイトルの「第二の初陣」はある意味こっちの方を重視してます(熱田中将の場合は帝国時代を含めると三度目になりますし)。
これ以上新キャラを登場させると俺の思考回路がパンクするので今回は旧キャラを出してみました。
> Qシュタイン艦隊。戦艦のみが属する第15戦艦艦隊など、やや異例の編成が多い。もしかして艦隊再編の過渡期的な編成?
もっと多くの艦が所属してましたが援護要請を受けて分派されてきたみたいな感じですね
>
> 第六八哨戒艦隊。前述のように全艦に艦名が設定されています。このうち、損傷する「蕨」のみ本来「呉竹」が属する若竹型に属さない名前ですが、樅型が登場していないので若竹型の方で出しました。そういえば「刈萱」は「かるかや」って読むんですね。
かなり難しいですね。ちなみに今設定している大日本帝国艦艇(既に完成)では雷型から登場しています。
> 熱田中将の復帰戦。対潜戦闘ということでもう少しいろいろ考えてみようかとも思ったんですが、今回双方ともに攻撃は殆ど一度だけ。もう少し潜水艦映画を見ておけばよかった、と後悔。
自分もあまり対潜戦闘描写は得意じゃないです。というかまだまだ未熟すぎますね俺の文章力。ちなみに「バリッラ」の逃げ方はレイテ沖海戦で「愛宕」を沈めた米潜水艦をモデルにしています。
>
> ベータ基地の内部描写。そういえばベータ基地は多彩なエースが揃っているわけですな。
京城兄弟及び日戦軍団&各国のエース達が揃っていますね。
> 二両の平岡。登場するたびに何らかの進展が見られる二両(といっても今回で二回目ですが)、今回はモヴァークまで出てしまいました。これからどうなっていくかが気になるところ。
モヴァークは今色々彷徨っている途中。平岡はこれから復帰させる予定です。
> その他、帝国軍やらオルキス軍やらの描写。一応書いてありますが、オルキスにも大日本帝国にも現場筋を描きやすいような存在がいないのであまり書いてません。
そうですね。あまり登場していませんからね。でもこれから大日本帝国のグリシネ侵攻が始まるので色々個性を出して行きたい所。
>
> さて、次回は遂に本土決戦か、二両の平岡の運命は、そしてグリシネ海軍のクーデターの行方は。
次回はグリシネ海軍のクーデターとグリシネ侵攻の二本立て・・・の予定。

そしてグリシネ侵攻について2点。
一つ。グリシネ侵攻にあたってグリシネ軍の兵器ですがグリシネ空軍の兵器は現用兵器ですか?それとも第一次世界大戦〜第二次世界大戦頃の兵器でしょうか?
もう一つ。グリシネ侵攻にあたってはグリシネ空軍VS日本陸海軍で空軍壊滅後グリシネ陸海軍VS日本陸海軍となる予定でいますが今のところこれでよろしいでしょうか?
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Re:宇宙戦艦紀伊 第七十四話 あとがき あとがき
 松井一真  - 2009/2/26 20:14 -
  
> > あとがき:「紀伊」は一話一話が必然的に長くなるので、あとがきのネタもかなり多い。従って今回も書くこととしました。
> 第七十四話ご苦労様です。設定に掛かった日数は2ヶ月程・・・ペース遅いなぁ自分orz

僕はこの手の話ならものの数週間で終わったりするんですが、なにぶん最近は「青き名将(仮題)」然りCCQ小説然り上手くいかず。CCQ小説なんかはライバルとの初交戦ともなりうる話なのに。

> > 突然サーバーとの通信が途絶。22日中はつながりませんでした。仕方が無いので終盤を加筆修正して公開する事としました。
> 僕も時たまそういうことありますね。大体1日程度空けばつながります

実はあとがきの投稿は通算2222。これで時間に間に合っていれば・・・

> > ライトウォーターは長期にわたって第一特務艦隊が停泊していたので偏ってますな。
> ライトウォーターは確かに色々と日戦軍団所属の兵士が出てきてましたね。現在はベータに偏ってますが。天城と野末は今後どういう扱いでだしましょうかねぇ・・・悩む。

ベータは今のところ二両の平岡のほかは陸戦兵の大島だけですがね。ライトウォータに偏っていたのは実は偶然で、今のところ一回しか出てない宮下辺りはルナツーに移しても良かったんじゃないかと思ってます。
天城と野末。管轄を超えた友情といった二両ですが、天城と久村自体が「負傷して前線から引き上げていた陸戦兵」としての登場だったのでどうするか悩んでます。天城の場合所属は溝口隊と同じ第115中隊なんですが。

> > 小泉少佐はグリシネ海軍所属の駆逐艦「ライズナ」艦長と被るので前編での「草薙少佐」を起用しました。
> 中編でミスりましたスンマセン。何故か「ライズナ」の艦長の名前になってましたが気づきませんでした^^;草薙少佐でOKですハイ。

今回は会議室の戦いにも絡んでいるキャラクターになっていましたがね、小泉少佐。

> > まあ「三隻しかいなかったから全部名づけた」と言ったところですが。
> 船団護衛等を主任務とする小艦隊なので3隻としましたが船団護衛も担当するのでは少し少なかったでしょうかねぇ。旗艦1+僚艦4隻で5隻くらいだした方がよかったような気がする・・・

日戦軍団は所属艦が奇数になる場合が非常に少ないという設定にしていたので、ちょっと違和感が(だったら早く書けよってところですが)。

> > ベータ基地。気のせいかこの基地はクローズアップされる確率がパレンバンともども高いですね。
> 今後はまたもやベータが戦場になる事になりますので暫くはベータがクローズアップされる事になりそうです。あとグリシネも。

ベータで本格戦闘があったのは例の平岡が戦死したベータ一大陸戦で、パレンバンよりも長期戦になってるんですね。

> > 副操縦士の大尉。名前を付けるほどの出番は無いだろうと思っていたので付けなかったんですが、案外出番が多い。
> そろそろ名前をだした方がいいのか・・・でもなんかなぁ・・・異動させようかな

とりあえずまた名前を考えておきます。

> > ユゴス少佐が全然異なるキャラクターになってますがあえてこうしました。豪快な指揮官と冷静な副官、考えてみたらありがちなパターンですね。
> というかユゴス少佐ゲームだとあまり喋っていないような・・・

SCCQではやけに詩的な台詞を呟いてますがね。今回は上官がいるので控えめになってたりしますが。
ただ、この二両がコンビなので、ボルナソスにも相方が必要になるわけで、フィズィキさんが「設定しておきながら瞬殺した」ピクールガを登板させたわけです。結局のところ早々と出番を無くしてますが。
ボルゾルの場合は本土防衛軍なのでナルマルガムが相方になるわけです。トレニオスは元々技術士官というピンで成り立つポジションなのでそのまま。

> > 会議室の幕僚。
> ここに来てかなりの数の幕僚の名前が出てきていますね。

後々内乱になることを考えると結構大勢出しておいた方が面白いだろうということで。実は藤沢と谷村は最初は名前を明かす予定ではなかったんですが、森中将に対して「森中将」と呼んでいるのに対し、藤沢中将(にあたる参謀)に対して「参謀」だけでは統一性に欠けるので。谷村中将は勢い。

> > 改めてみるとやや間延びした感のある戦闘シーンよりもこちらの方が緊迫感があります。今まで冷静に発言していた西郷中将が狂ったように机を振り回す場面はこの後亡国と化すグリシネを予見しているようにも見えます。
> 戦闘規模自体が小規模なため出来るだけ伸ばしてみたのですがなんかパッとしませんでした。というかグリシネの会議の方が松井さんの本文みて面白かった。最初は言い合いだけで終わらそうと思いましたが後々乱闘まで持ってきました。そっちの方が緊迫感があると思って。
> そして国王は本当に発言権が無いように見えますな。

この前後に福井作品を読み返していた(映画化されていないものの「亡国のイージス」と関係の深い「川の深さは」と「Twelve Y.O.」を買いました)ためか、自分でも書いてて面白かったパートです。
国王に発言権が皆無というものはやりたかった物。軍事国家というものは本来の国家元首が形骸化するものなので。イメージ的には戦前日本?

> > それにしても当初はそれ程深く掘り込む予定が無かったのに凄まじい背景が誕生した物だ。
> 深い・・・深すぎる・・・これは原案の考えがいがありそうだ・・・

正直言ってここまで深いキャラクターはキュワールシリーズでは初めてです。HG4で言うところのノラヒカ的な。
グリシネ軍はちょっと一筋縄では行かない感じでやります。元々その名前(フィズィキさんが命名)から、当時対立していた江素弐千さんが苦言を呈したという逸話(当時江素弐千さんのHNがグリーンだった)があるので。

> > ちなみに湊川少佐の「偽善車はいつもそうだ」は久々にウルトラマンのパロディ。急にやりたくなった。
> 僕は某魔砲少女アニメで似たような物があったなと思った。

初代ウルトラマン第二十三話はウルトラシリーズ屈指の名編として知られますから、オマージュもきっと多いはず。番号だけだと何なのか分かりませんが、サブタイトルの「故郷は地球」と、登場する怪獣が「棲星怪獣ジャミラ」であることを書けばもはやそれが何の話なのかが分かる。例のウルトラ水流の話ですな。実は特撮はこの話を見てはまった。話的には第三〇話「まぼろしの雪山」とか第三十四話「空の贈り物」とかが好きですが。
熱田中将のときは完璧に不発でしたがこういうシチュエーションだと結構面白いことになりますな。最初は単に「あんたたちはいつもそうだ!」みたいな感じだったのが不意に思い浮かんだのがこのフレーズ。

> > 木原元帥。車種の「TK−X」は勿論のこと、自衛隊の次期主力戦車です。
> 「TK−X」ですか。あれは74式戦車の後継。と言う事は90式戦車の後継はこれから作るのだろうか・・・

90式戦車は多分しばらくの間は残ると思います。元々が北海道戦向けの車両だったので。

> > 空軍長官の名前が出てないのは空軍は参謀長の黒田中将辺りで充分なので。
> でも空軍長官は一応いる設定ですね?

空軍長官は勿論いて、今までの会議でも発言している場面があります。

> 一応設定ではウルタンク帝国がQグリーン連邦を吸収した感じでグリシア帝国が生まれました。本文だと逆になっていたので一応。

ちょっとQグリーンの方が大きい印象があったので逆になってました。

> > あんなに出てきたのに「ビストロイ」って外からしか描かれてないんですよね。
> もはや「ビストロイ」は紀伊より登場回数が多いかも。

第一特務艦隊が実戦のみで7回、第四偵察艦隊は3回、第八偵察艦隊が1回で実は第一特務艦隊のほうが登場数が多いです。それでも「ビストロイ」のイメージが強いのは「紀伊」は実戦に参加しても連合軍総攻撃の脇役であることが多いのに対し、第四偵察艦隊は単独出撃が多く主役級の扱いを受けることが多かったからでしょう。

> > で、帝国側も緒戦から活躍してきた部隊なら勿論キュワール連合軍も。初期の回で登場した小艦隊の司令官が次々と登場。
> これ以上新キャラを登場させると俺の思考回路がパンクするので今回は旧キャラを出してみました。

結構今まで1回しか出ていない指揮官が多いですからね。日戦軍団は陸軍の方にそういうのが多いからちょっと困った。

> > Qシュタイン艦隊。戦艦のみが属する第15戦艦艦隊など、やや異例の編成が多い。もしかして艦隊再編の過渡期的な編成?
> もっと多くの艦が所属してましたが援護要請を受けて分派されてきたみたいな感じですね

いわゆる分遣隊ですな。

> > そういえば「刈萱」は「かるかや」って読むんですね。
> かなり難しいですね。ちなみに今設定している大日本帝国艦艇(既に完成)では雷型から登場しています。

結構読みづらい名前が多かったりしますね。

> > 熱田中将の復帰戦。対潜戦闘ということでもう少しいろいろ考えてみようかとも思ったんですが、今回双方ともに攻撃は殆ど一度だけ。もう少し潜水艦映画を見ておけばよかった、と後悔。
> 自分もあまり対潜戦闘描写は得意じゃないです。というかまだまだ未熟すぎますね俺の文章力。ちなみに「バリッラ」の逃げ方はレイテ沖海戦で「愛宕」を沈めた米潜水艦をモデルにしています。

「ダーター」、「ディース」の二隻(二隻とも表記の違い多数)ですね。

> > ベータ基地の内部描写。そういえばベータ基地は多彩なエースが揃っているわけですな。
> 京城兄弟及び日戦軍団&各国のエース達が揃っていますね。

また一戦あるので彼らは貴重な戦力ともなりうるわけですな。

> > 二両の平岡。登場するたびに何らかの進展が見られる二両(といっても今回で二回目ですが)、今回はモヴァークまで出てしまいました。これからどうなっていくかが気になるところ。
> モヴァークは今色々彷徨っている途中。平岡はこれから復帰させる予定です。

平岡とは違ってモヴァークは端役として予定していたのでこの扱いは少々意外。

> > その他、帝国軍やらオルキス軍やらの描写。一応書いてありますが、オルキスにも大日本帝国にも現場筋を描きやすいような存在がいないのであまり書いてません。
> そうですね。あまり登場していませんからね。でもこれから大日本帝国のグリシネ侵攻が始まるので色々個性を出して行きたい所。

帝国側はライトウォーター爆撃で死んだ機銃兵以外に末端のチョロQが殆ど出ていないのでもう少し現場筋を出したいところ。「青き名将(仮題)」で出てきたチョロ〜ンの機銃兵みたいな感じで。
一応、大日本帝国軍には陸軍通信兵として吉田一等兵(ライトウォーターにいたが第一〇中隊ともども撤退)というのがいたりするんですがね。

> > さて、次回は遂に本土決戦か、二両の平岡の運命は、そしてグリシネ海軍のクーデターの行方は。
> 次回はグリシネ海軍のクーデターとグリシネ侵攻の二本立て・・・の予定。
>
> そしてグリシネ侵攻について2点。
> 一つ。グリシネ侵攻にあたってグリシネ軍の兵器ですがグリシネ空軍の兵器は現用兵器ですか?それとも第一次世界大戦〜第二次世界大戦頃の兵器でしょうか?
> もう一つ。グリシネ侵攻にあたってはグリシネ空軍VS日本陸海軍で空軍壊滅後グリシネ陸海軍VS日本陸海軍となる予定でいますが今のところこれでよろしいでしょうか?

グリシネ空軍は現用兵器です。確かグリシネの幕僚が初登場した際に「ミサイル戦に慣れすぎていてドッグファイトが出来ない」みたいなことを書いた気がするんですが。

グリシネ戦の展開は一応そんな感じで。ただ、グリシネは一応連合国なので他国からの援護があって然るべきかと。
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